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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2018年5月

武家の庶子でありながら、家族に疎まれ寒村の寺に預けられた久斎は、兄僧たちからも辛く当たられていた。そんななか、水汲みに出かける沢で出会う村の娘・しのとの時間だけが唯一の救いだったのだが……。手ひどい裏切りにあい、信じるものを見失って、久斎は寺を飛び出した。盗みで食い繋ぐ万吉と出会い、名を訪ねられた久斎は“無暁”と名乗り、ともに江戸に向かう――波瀾万丈の人生の始まりだった。

                   (光文社HPより)




垂水行之助・・・久斉の名で寺で修行するが辛い出来きごとがあり寺を飛び出し

知り合った同い年の万吉と共に江戸に向かう。
九斉は以後の自分の名を無暁と決める。

やくざの若頭・乙蔵と知り合い、成り行き上、やくざ稼業に身を置くが
敵対する組の者に襲われた際、自分をかばった万吉が命を落とす。
一家総出で相手側に攻め入り、相手側の親分など8人を殺す。
無暁も2人を殺めた罪で島送りの刑となり八丈島へ。



常に寄り添ってくれる者が現れるのが唯一の救いだけど
自ら苦しい道に進んでいく無暁の姿が痛々しい。

飢饉が人々を襲う描写が生々しく、実に残酷で飢えと闘う辛さが
精神も壊し人が獣に化して行く様が恐ろしかった。

そんな様子を見た無暁は更に自分を追い込んでいく。
千年行も成し遂げ、人々の尊敬を受けるまでになったのに
そこで留まらない姿勢には、驚いた。


最期を見届けてくれた弟子が2人いたのがせめてもの救い。


凄い生き方だな。
静かに手を合わせたくなるようなお話でした。

先に読んだ<銀杏手ならい>に次いで、こちらも素晴らしい!!
この著者の他の書をこれからも少しずつ読んで行こう!


                        ★★★★★


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