たとえばたとえば。サルスベリの木に惚れられたり。床の間の掛軸から亡友の訪問を受けたり。飼い犬は河童と懇意になったり。白木蓮がタツノオトシゴを孕んだり。庭のはずれにマリア様がお出ましになったり。散りぎわの桜が暇乞いに来たり。といった次第の本書は、四季おりおりの天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。
(本の帯文より)
不思議でどこか懐かしいかんじのお話でした。
亡き友・高堂の実家の家守として住み込んで守をしてほしいと亡き友の父親から頼まれる、物書きのわたし。
庭にはいろいろな木々があり、早々にサルスベリから惚れられる。
そして、亡き友が掛け軸の中からボ-トに乗って度々訪ねてくる。
不思議なことなので、最所は驚く物書きの男だが、そのうち何か起こってもいちいち驚かなくなる。
読み手も同じように、不思議だとは思いながら、そういうことが普通に起こる場所なのだと納得してしまう自然な雰囲気。
四季を追って、その季節ごとの植物が登場し、植物の名前がそのまま28つの章の名前になっている。
名前も聞いた事のない植物が幾つか・・・後で調べよう!と思いながら思わずメモ!
人ではない物(河童、鬼、狸、サギなどなど)も登場し、人には違いないのでしょうが、その人すらも何処か浮世離れしたかんじ。
現実の世ではあり得ないようなことが、違和感なく存在し触れ合っている。
兎に角、不思議な世界の中にふわふわ漂っていうような心地いいかんじのお話でした。
こういう雰囲気、好き!
楽しかった!
後でどんな植物か調べようとメモした植物のなかから二つ。
南蛮ギセル
8~10月に開花
葉は無く地面から花茎を出してキセル状の花を咲かせる
主に草原のススキなどの根元に生える
葉緑素のない寄生植物
貝母(バイモ)
薬用植物のひとつで、咳止め、腫れ物、鎮痛などの薬効あり
どちらも愛らしい花でした(^^)。
これは植物図鑑を片手に読みたくなる本でもありました。
★★★★
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