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発行年月:2013年8月

命を賭して、ただ1人を想う男女の物語

仇討ちに出た男の帰りを待つ遊女、夫に自害された妻の選ぶ道…身分や武士の矜持、制約の強い時代だからこその一途な愛の物語5篇。

                     (文藝春秋HPより)


<甚三郎始末記>
<女、ふたり>
<花散らせる風に>
<風を待つ>
<もう一枝あれかし>

5つの話。
どれも切なくて、哀しいかんじ。
印象に残ったのは最初の話<甚三郎始末記>と
最後の<もう一枝あれかし>


<甚三郎始末記>
醜男の尾上甚三郎の密かな想い人・乙江が嫁ぎ、女郎部屋通いで知り合ったお里。
お里から「祭りが見たい」と頼まれ、一時預かり人となり、祭り見物へ。
しかし、途中ではぐれてしまい、気づくと武士たちに連れ去られる姿が遠目に見え
跡を追うが見失う。
お里は祭りの翌朝、変わり果てた姿で見つかる。
お里をそんな姿にした男の顔に覚えがあった。
それは想い人であった乙江の夫だった。

甚三郎の最期が哀しい。
覚悟の死。



<もう一枝あれかし>
花を活けるのが不得手な藤江に夫の笠井紋次郎が言った言葉。
「もう一枝あれかし・・・そういう活け方でよい。おまえのは一分の隙もなく
活けようとするから、花そのものを損なうのだ」

師範代を務めたほどの剣士だった紋次郎。

夫婦で恩人と思い付き合いのあった宗形が切腹したと聞き、驚く。
藩の金二百両が消えた。その責任を取ったと聞き、紋次郎はその本当の罪人を討つ。

紋次郎の最期もまた辛い。
これまた最初の話と同じように自分以外の人の為に覚悟を持って命を賭けた男の姿。

でも、この話は、この後、希望があったのが幸い。


全部、辛いだけの終りじゃなくてホッとした。


                         ★★★★









 

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