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読んだ本の感想あれこれ。
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6eb0bfa5.jpg発行年月:2004年12月


カフカ+マルケスと称される異形のビルドゥングス・ロマン!

少年時代の終わりの日、僕は姉を犯そうとする「アレ」を撲殺した。
執着と断絶を繰り返す異形の家族のサーガを既存の枠組みを踏み越え、ガルシア・マルケスにも擬えられるマジックリアリズム的手法で描く壮大な物語。

                 
    (角川書店HPより)


第1章~第5章まで。
登場する人物というか、家族というか・・・共通した人たちの周りで起きる日常が描かれています。
が・・・・すごく奇妙な話です。

そのまま読めば非現実的な物語ですが、よ~く考えれば、現実に起こった事柄を、比喩を交えて述べているのかも?
第1章で、家族のなかに存在する「アレ」。
不気味で、怖くて・・・・正体不明な生命体?という感じです。
が・・・後の章で主人公の「僕」が語るところでは、「アレ」も普通に家族(僕の兄)って事?



ここに登場する家族は最初の章で僕がいうところの「アレ」が居なくなるので、その後は
両親と姉と僕ということになるのだけど、家族以外に登場してくる人たちが、皆、変な人たち。
そんな人と関わるなかで、どんどん見えない不幸の迷路に迷い込んでしまうような家族。

何も考えずに読めば、それぞれが不可解ながらも面白い。
でも考えてみれば・・・怖い。


最後の章まで、何がなんだか???の部分はあるのですが、不思議と引き込まれて読んでしまった。
そして、なんだかわからないけど、面白かった!
こういう物語は初めて読んだなぁ~。

それと・・・・・平山瑞穂さんって、男性だったんですね!?
勝手に女性だと思っていたので、今回、それに気づいてビックリしました^^;

★★★★
PR
8d198919.jpg発行年月:2006年2月


たとえ世界中の誰もが君をわすれてしまっても、
ぼくだけは君を憶えてる!

高校時代。優等生だったぼくの心を一瞬にして奪い去った君。大好きで、いつも一緒にいたくて仕方なかった。なのに、ぼくは君の顔さえも思い出せないんだ・・・。いったい、なぜ?君はホントに存在したの?------時の裂け目に消えてゆく少女と、避けられない運命を変えようと必死にもがく少年の恋を描いた、激しく切ない恋愛小説。

                                           (本の帯文より)

この著者の作品は前に一度読んで感動した覚えあり、この本を図書館棚で見つけたとき、
先ずこのタイトルに惹かれました。
その後、「あ~平山さんね・・・・」と。

タイトルからして切ない話と想像できるけど、お話もやはり切なかったなぁ~。
ちょっとSFの要素あり。
不思議なお話ではありますが、17歳の高校生カップル・タカシとあずさが爽やか。
タカシの友人・ヒロトも良い子だし・・・。


自分さえ忘れずにいれば、このまま幸せな日々は続くんじゃないかと必死に、いろいろ試すタカシが健気で愛おしい。
けれど・・・・・その努力の甲斐なく・・・・


切ない話だけど、ラストが決して暗くないのがいい。
その後のタカシやヒロトの選んだ道は、輝かしい未来が予想出来る物だった(^^)

表紙の写真も内容に合っていていいなぁ~。

平山さんの本、もっと読んでみたい!

★★★★
ad300839.jpg   発行年月:2010年1月

   昭和から平成にまたがる、女たちの宿命の物語

   雪ぶかい地方で、高度経済成長時代に青春を過ごした2人の母親。
   彼女たちの娘が停滞の次世紀に家庭を持った時、親族殺人が起きる


       
                          (文芸春秋HPより)

 

最初は、1980年代の話から始まる。
わたしにも懐かしい、ピンクレディ-とか出てきたり、キャンデ-ズや山口百恵なども次々解散やら引退などをした時代。
そういう話が出ると、その時期を自分の歴史のなかで振り返りやすくこの物語の背景にあるものもんあとなく想像できた。

最初はある少女たちの日常を主体に描き、途中から、その少女たちの母親たちが青春を送った1960~70年代に話が移る。

同じく日本のその時の政治や社会現象などを交えて少女たちの母親の結婚するまでの過程が淡々と描かれる。

話はあまり正直面白くもない。淡々とどこにでもあるような物であるし・・・
でも、なんとなくちょっとイヤな雰囲気。
暗いような・・・闇のような・・・不穏なかんじが付きまとうような。

そして、結末には、殺人事件。

何処にでもある日常を送っていた人達でも、積もり積もった何かがあって、こういう悲劇って起こるのなかな?
なんて、過去にあった事件を思い出したりしました。

読後も後味悪いのですが、物語としてはなかなか面白かった。

表題の「橋」のもつ意味も深いものかも。
いろいろにこの「橋」は解釈できる。


★★★


          

 

 

MOMENT240_.jpeg発行年月:2002年8月


最後に一つだけ、必ず願いごとを叶えてくれる人物がいる。
そんな不思議な噂が、患者たちの間で囁かれていた。
アルバイト清掃員の学生が垣間見た、その病院の伝説とは・・・・


             (本の帯文より)
 

先に本書の続編と言われる『WILL』を読みました。
こちらの主人公は、大学生でアルバイトで病院の清掃員をしている神田。

その病院に患者同士の間で伝わる噂を耳にし、どうやらその願いを叶える人物は清掃員の格好をしているとか?
予後が悪く、死期もそう遠くない患者たちから、そんな話を聞き、どんな願いがあるのか聞く神田。

そして、自分のできる範囲のお願い事を引き受ける。
そのお願い事をする患者たちとの話が短編形式で進む。

願いを聞くと言っても、バイトの延長みたいに気安く。
そんなところが、かえって偽善ぽくなくて良かったな。

先に読んだ『WILL』の主人公である葬儀屋の幼なじみ・森野も度々、登場。
死期の迫った患者に「森野葬儀店をよろしく伝えろ」とか口は相変わらず悪いけど、根は優しいと知って読むので、二人のそんな会話も微笑ましい(^^)

喉頭がんの男性、心臓病の中学生、乳がん再発の女性などなど・・・いろいろな患者と接する神田。
最後はどの人も亡くなる・・・が、単純に悲しい、可哀相という話でもなく、かといって残りの人生光り輝くようなもので、残された人には希望の光・・・みたいな大袈裟なものでもなく・・・・全てが淡々と進んでいく。
そんな淡々とした話の中に、時に胸にグッとくる言葉があったり、ハッと気づかされる言葉があったりで、どの人の話も胸に沁みるものがありました。

そのなかでも乳がん患者の女性との話「FIREFLY」は素敵だったな。
泣けました。
神田の人柄にも惚れた!(笑)


あ~また『WILL』を読み返したくなったな~。

神田と奥野の『WILL』以降のその後も書いてくれないかなぁ~。


 
★★★★
WILL0_.jpeg発行年月:2009年10月


名作『MOMENT』から7年。待望の姉妹編。

29歳の森野は、11年前に亡くなった両親の跡を継ぎ、寂れた商店街の片隅で葬儀屋を営んでいる。そんな彼女のもとに、仕事で関わった「死者」を媒介した、数々の不思議な話が持ち込まれてくる・・・。


                    
(集英社HPより)

この作品に姉妹編にあたる物があるのは知らずに読みました。
何ら、困ることはなかったですが・・・。

高校生のときに両親を一度に亡くした主人公・森野。
両親の跡を継ぎ、昔から店にいた従業員・竹井と良い関係を保ちながら社長として働く。

言葉遣いがやや乱暴ですが、故人を悼む気持ちは優しい。
プロロ-グとエピロ-グを挟んで、3つの話にそれぞれ出てくる依頼人たちとの関わりも良かった。

第1話「空に描く」は、高校時代の同級生が葬儀の依頼人。姉の子どもが亡き父の幽霊をみたと言う。同級生のちょっと複雑な生い立ちを探り、亡き父の思いを汲む

第2話「爪跡」は、執り行った葬儀のやり直しをして欲しいと訪ねてくる故人の愛人を名乗る女性。調べると、名乗った名前の女性は既に亡くなっていた。

第3話「想い人」は、亡き夫の生まれ変わりだと言う15歳の少年が訪ねてくると老女から相談を受ける

故人を巡ったちょっと不可解な出来事を、故人の家族や親しかった人に話を聞きながら、真相を探るちょっとミステリ-の要素もあるお話たちだった。

謎が解明されると、そこには故人やその近い人の優しさが起した出来事とわかり、温かい気持ちになれました。

エピロ-グとプロロ-グでは、森野自身のことが綴られて
両親を亡くしてから、ずっと自分が良い娘だったか?今は良い娘か?と問い続けてきた彼女だったが最後は彼女を温かく見守り続けた人たちにより、迷いのようなものを吹っ切り、新たな気持ちで前に進んでいく姿が良かった!

森野の名前・・・気になっていたけど、最後の最後に明かされてました(^^)

表題「WILL」は、ピッタリだと読み終えて思います。


姉妹作だという「MOMENT」も是非、読まなくちゃ!


★★★★
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