もう会えないなんて言うなよ。
あなたは思い出す。どれだけ小説を求めていたか。
ようこそ、小暮写眞館へ。著者3年ぶり 現代エンターテインメント
第1話 小暮写眞館
世の中にはいろいろな人がいるから、いろいろな出来事も起きる。なかには不思議なこともある。
第2話 世界の縁側
人は語りたがる。秘密を。重荷を。
第3話 カモメの名前
「電車は人間を乗せるものだ。鉄道は人間と人間を繋ぐものだ。だから鉄道を愛する者は、けっして人間を憎めない」
第4話 鉄路の春
------僕はこの人を守らなくちゃいけない。
(講談社HPより)
元写真館だった家を購入し、その店舗付き住宅に住む花菱家族。
主人公の英一(愛称:花ちゃん)は高校生。
弟の光(愛称:ピカ)は、6歳。
父親は秀一、母親は京子。
4人家族なのですが。。。。一家には、哀しい過去があった。
英一の妹で光の姉であった風子が4歳のとき、インフルエンザ脳症で亡くなっている。
写真館にある日、心霊写真を持ち込む女子高校生。
その真相を探る英一。
英一の友達、店子力(たなこつとむ)も捜査に協力。
分かってきたそこに写っている人たちのこと。
なるほど・・・そういう事もあって不思議じゃないかも・・・・・。
物語は4つの章から成っていて、度々出てくる心霊写真や幽霊。
でも、怖くない。
人の想いは、不思議な現象を引き起こす力があるって事かな?
最後の章では、花菱家の亡くなった風子ちゃんをめぐる話。
亡くなった当時の花菱夫妻は、尋常じゃない辛さだったでしょう。
精神的に落ち込んでいるのに、更に親戚から辛い言葉を投げかけられて・・・気の毒でした(/_;)
夫妻のほか、当時10歳だった英一や、まだ2歳だった光まで、風子の死の責任を抱えていたと知り、切なくなった。
でも、良い家族だな。
英一の友達、テンコ、コゲパン、橋口・・・みんな良い。
英一の初恋の相手かな?と思われる垣本順子と最後、父方の祖父の納骨の日に疎遠になっていた親戚一同の元を訪れ、英一が言い放った言葉には、スカッとした気分になった!
親戚づきあいって、切っても切れないけど、家族を不幸にするような付き合いなら蹴って当然!
本を読み終えて、表紙の写真を見たら、ラストのちょっと切ないシ-ンにピッタリで、ジ~ンときた。
厚くて、途中、正直やや飽きたけど、これは最後の章が良いからスッキリした読後感になれた。
★★★
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江戸は神田、袋物屋の三島屋には、不思議を語る部屋がある。
ほっこり可愛く、ちょっと奇妙で、きゅんと切なく、ぞおっと怖い、
四つの話のはじまり、はじまり。
〈画〉南伸坊
(中央公論新社HPより)
先に読んだ「おそろし」の続編。
「おそろし」は、残酷な殺しがあったり、結構、重く切なく哀しい話が多かったのですが、こちらはそれに比べたら、ちょっと明るい。
とは言え、前回同様、三島屋の黒白の間を訪れ、おちかを相手に話される不思議話が、今回も4つ。
子どもが出てくる話が多く、切ない物もあるけど、ほのぼのした場面も多かった。
三島屋の丁稚として働く新太にも今回は、同年代の男の子たちが登場し、お話にも活気があった。
不思議でちょっと怖い話も南伸坊さんの可愛らしい挿絵で和み、夜寝る前に読んでも平気だったのが怖がりのわたしにはありがたかった^^;
前作「おそろし」での、おちかは抱えるものが重く、それに心を塞がれてるかんじがあったのですが、こちらの話では、出会う人たちと接するうちにだいぶ自身の気持ちもほぐれて来た印象を受けました。
3番目の話「暗獣」が、本の表題になってるんのですが、やはり一番印象的だったかな?
あんじゅうが可愛くて、ちょっと哀れで・・・。
三島屋で語られる百物語、まだまだこの先も続くかな?
百にはまだまだだから、きっと続いていくんでしょうね(願望^^;)
読み終えるのがちょっと惜しいと思うほど、面白かった♪
★★★★★
17歳のおちかは、川崎宿で旅籠を営む実家で起きたある事件をきっかけに、他人に心を閉ざした。いまは、江戸・神田三島町に叔父・伊兵衛が構える袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働く日々を過ごしている。ある日伊兵衛は、いつも碁敵を迎える「黒白の間」におちかを呼ぶと、そこへ訪ねてくる人たちから「変わり百物語」を聞くように言いつけて出かけてしまう。そして彼らの不思議な話は、おちかの心を少しずつ、溶かし始めていく・・・。おちかを襲った事件とは? 連作長編時代小説。
(角川書店HPより)
宮部さんの時代物は、以前も読みましたが、読みやすくて好きです!
今回は、いろいろな哀しい過去を持った人たちの話がいろいろ登場する。
ちょっと残酷な死があったり、その死にまつわるいろいろな人々の心情などを描いている。
訪ねて来る人たちが語る話を聞く、おちかにも胸に秘めた重く哀しい過去があり、人の話を聞くうち、自身の秘めた物も吐き出そうと、少しずつ語られる。
なるほど・・・そういう過去でしたかぁ~。
ちょっとやそっとでは忘れられない過去でした。
自分の身に起こったものだと想像したら・・・おそろしい。
訪ねてくる人たちの語る話もおそろしい。
怖いというより・・・おそろしい。
今まで普通に良い人柄で居た人がある事がキッカケで、残酷な過ちを犯してしまう。
そこには、哀しさもありました。
最初の話では、曼珠沙華が咲く間に人の顔を見て、自身の罪の意識を感じると言う男。
ほかには、人を導き、飲み込むという屋敷の話。兄と姉が道ならぬ仲になり起こった哀しい事件の話。
そして、語りを聞いていた、おちかが語った哀しく残酷な事件の話。
その全てが最後の章、人を飲み込む安藤坂の屋敷で、ひとつの物語になる。
死んで行った者も生きている者もお互いがお互いに抱く想いがあって、人間っておそろしいけど優しい。それは紙一重なのかも・・・・なんて思ったりしました。
結構、厚い本ですが、惹き込まれるように読み続けられました。
おもしろかった!!
この続編にあたる本も続けて読んでみましょう!
★★★★
1999年(第43刷)
怪我のリハビリ中の為、休職中の刑事・本間俊介は、親戚の栗坂和也から行方不明になった婚約者の関根彰子を探して欲しいと依頼される。
捜査の最初で彰子には自己破産の経歴があった事を知る。
そして、そこから次々と明かされる驚きの事実。
山本周五郎賞受賞作品
先日、宮部さんの読んだファンタジ-(?)・英雄の書が、やや自分のなかでは期待ハズレだったので、結構、前の作品で、宮部作品のなかでは、人気が高い本書を読んでみました。
面白かった!
やはり、宮部さんは、こういう作品の方が上手い!!
行方不明の女性・彰子を追ううちに、自己破産の事実があり、それから、実は別人・新城喬子になりすましていたという事実がわかり・・・・
二人の女性に、共通してある過去が、借金。
彰子の場合は、自分が作った借金。
喬子の場合は、父親が作った借金。
借りたお金は、返して当然なのですが、クレジットカ-ドによるキャッシングには、恐ろしく高い金利が付いているという事が、借金地獄に陥る原因。
借りた者だけが悪いと言うのは、酷過ぎる!
こういうカラクリは、もう少しどうにかならないものなのか?
彰子の行方を追いながら、もう一人の女性・喬子の行方も追うという話の展開で、二人の女性は、何処に?と自然にその真相を早く知りたい!という気持ちにさせられた。
そして、少しずつ知らされる事実。
う~ん。切なかった。
ラストを、読んだそのときは「え?ここで終わり!?」と、やや拍子抜けでしたが、暫くすると、あの終わり方で、やはりよかったんだと思えました。
二人の女性が、最後まで出てこないからこそ、いいのかも。
重たい話のなかで時々、登場の本間の息子・智が可愛かったなぁ~。
行方不明になった犬を探す場面は、泣けたけど。
母親が亡くなり、本間と二人暮らしだけど、周りの人に手助けされながら、素直で良い子に育ってる。
言うこともシッカリしてるし、思いやりが感じられて。
この本はもう暫くしたら、また読み返したくなるというかんじ!
過去の宮部作品で、まだ読んでないものも多いので、また探して読んでみよう!
★★★★★
<英雄>を捕え兄を連れ戻すべく、数多くの物語を旅する
少女の過酷な追跡が始まる------。
時代を合わせ鏡に、いまを生きる私たちの姿を
描き出すファンタジ-。
(毎日新聞社HPより)
上巻は、下巻へのプロロ-グ的で、やや読みながら疲れましたが、下巻はなかなか面白くぺ-ジをめくるスピ-ドもUP!
異世界にいよいよ舞台を移して、仲間と共に、<英雄>に魅せられた兄を救おうと旅たつ妹・ユ-リ。
小学5年生の女の子なので、最初は、泣いたり、ちょっと大丈夫か!?と心配しましたが、次第に自分の力を信じ、勇敢に物事に臨む姿に成長を感じました。
子どもって、自分の役割を理解すると、意外と力を発揮したりしますからね。
そして、どうして、優しく賢い兄が、同級生の命を奪ったのか?
その事実も知らされ・・・・・
兄を連れ戻すという目的は簡単には果たせないことだと知るユ-リ。
ブレ-ブ・スト-リ-とこの辺は、ちょっと似た結末だなぁ~。
おおかた予想はしていましたが・・・・^^;
現実の世界に戻ったとき、それでも友理子は、体験により兄の真実を知ったことで、明るく前を向けるようになれたのかな?
辛いことを乗り越えるためには、ちゃんとした事実を知る事も必要なのかも。
そのために、より一層の哀しみを経験するとしても。
善と悪は紙一重。
善を貫こうと悪を滅ぼしたはずが、ほかの悪をも生んでしまう事もある。
その悪を犯すことを覚悟してまでも貫き通す善をユ-リの兄・大樹は選んだのかな?
それはいけないことか?許されることか?
う~ん。むずかしい。
最後、もしかして、ユ-リは再び、旅に出ることになるのかな?という終わり方。
続きが出るのなら、また読んでみたい。
でも、これは、このまま終わった方がいいような・・・・。
最後まで楽しめたけど、ブレ-ブスト-リ-とどうしてもダブってしまって新鮮さがなかったな。
宮部さんには、もっと違うものを読ませて欲しい・・・個人的願望です^^;
★★★
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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