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読んだ本の感想あれこれ。
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51GjvmcWtRL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年9月


大人気“ぼんくら”シリーズ第三弾
あの愉快な仲間たちを存分に使い、前代未聞の構成で著者が挑む新境地。

断ち切らない因縁が、さらなる悲劇を呼び寄せる。
出会えてよかった?

日本人の強さと優しさがぎゅっと詰まった贅沢な大長編
痒み止め薬「王疹膏」を売り出し中の瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。本所深川の“ぼんくら”同心・井筒平四郎は、将来を期待される同心・間島信之輔(残念ながら醜男)と調べに乗り出す。その斬り口は、少し前にあがった身元不明の亡骸と同じだった。両者をつなぐ、隠され続けた二十年前の罪。さらなる亡骸……。瓶屋に遣された美しすぎる母娘は事件の鍵を握るのか。


                                   (講談社HPより)



ぼんくらシリ-ス最新巻!
主な登場人物は、覚えていたけど、次々現れる人物には、付録の相関図が役立ちました!

同心・井筒平四郎の周りで起きる、斬殺事件。
最初の被害者は、久助。
そして、次は新兵衛。

ふたりは、元は、大黒屋という生薬問屋で働く者たちだった。
新兵衛は、大黒屋から独立し、生薬屋・瓶屋(かめや)の主として成功していた。

事件を追うのは、平四郎のほかに、同じく同心の間島信之輔。
そして、要所、要所で、現われ相変わらずの冴えた頭で推理をする平四郎の甥・弓之助。

事件の真相は、中盤過ぎ辺りから段々とわかってくる。
被害者の背後にあった過去の事件も明るみに出て、犯人の予測もあれこれ。

そうして、終盤に第三の被害者は、夜鷹のお継。

お継が前のふたりの被害者とどういう関係があったのか?
殺された三人は同じ人物によって殺められたのか?

最後の方に、おでこ(三太郎)と弓之助が揃って登場!
下巻でふたりの活躍が楽しめるかな?


あ~早く下巻が読みたい!!
けど、図書館の予約順番待ちにて、しばらく我慢(/_;)


                                       ★★★★

 
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291c45c6.jpg   発行年月:2011年2月


人の心に巣くう「あやかし」たち。江戸の怪奇短編集!


湯治旅を終えた若夫婦が、帰途、雨で足止めとなり老女との相部屋を引き受けた。老女が語り出す50年前の忌まわしい出来事とは。「〈ばんば〉とは恨みの念を抱いた亡者のこと・・・」。ぞくりと怖く、心騒がす全6話。


                             (角川書店HPより)


6つのお話に、登場する亡き者たち。
この世に想いを残し、あの世に行けず、人から恐れられる物の怪として存在する。

その者たちが生きていた頃の様子を知ると、なんとも切ないような哀しいような気持ちになります。

なかでも、やはり表題作の「ばんば憑き」が、一番、恐ろしく、哀しかった。
旅の宿で、一人の老女と相部屋になり、その老女が夜中、語る50年前の忌まわしい事件。
読みながら、ぞくぞくした。
ホラ-の要素も十分なお話でしたが、哀しく切ない気持ちにもなり、印象的でした。


お話のなかに、「おや?この人、何かの作品に出てきた?」と思うこと度々。
後で知ったけど、
「日暮し」の政五郎親分とおでこが最初の物語<お文の影>
「あんじゅう」の青野利一郎と悪童3人組が4つ目の物語<討債鬼>に登場でした。

ほかの物語もなんとなく宮部さんの過去作品の雰囲気を思い出すようなものがあり、
宮部さんの時代物は、やはり面白い!!と実感。

★★★★★
 
836a3355.jpg発行年月:2010年5月


もう会えないなんて言うなよ。
あなたは思い出す。どれだけ小説を求めていたか。

ようこそ、小暮写眞館へ。著者3年ぶり 現代エンターテインメント
第1話 小暮写眞館
 世の中にはいろいろな人がいるから、いろいろな出来事も起きる。なかには不思議なこともある。
第2話 世界の縁側
 人は語りたがる。秘密を。重荷を。
第3話 カモメの名前
 「電車は人間を乗せるものだ。鉄道は人間と人間を繋ぐものだ。だから鉄道を愛する者は、けっして人間を憎めない」
第4話 鉄路の春
 ------僕はこの人を守らなくちゃいけない。

                                      (講談社HPより)

元写真館だった家を購入し、その店舗付き住宅に住む花菱家族。
主人公の英一(愛称:花ちゃん)は高校生。
弟の光(愛称:ピカ)は、6歳。
父親は秀一、母親は京子。
4人家族なのですが。。。。一家には、哀しい過去があった。
英一の妹で光の姉であった風子が4歳のとき、インフルエンザ脳症で亡くなっている。


写真館にある日、心霊写真を持ち込む女子高校生。
その真相を探る英一。
英一の友達、店子力(たなこつとむ)も捜査に協力。

分かってきたそこに写っている人たちのこと。
なるほど・・・そういう事もあって不思議じゃないかも・・・・・。

物語は4つの章から成っていて、度々出てくる心霊写真や幽霊。
でも、怖くない。
人の想いは、不思議な現象を引き起こす力があるって事かな?


最後の章では、花菱家の亡くなった風子ちゃんをめぐる話。
亡くなった当時の花菱夫妻は、尋常じゃない辛さだったでしょう。
精神的に落ち込んでいるのに、更に親戚から辛い言葉を投げかけられて・・・気の毒でした(/_;)

夫妻のほか、当時10歳だった英一や、まだ2歳だった光まで、風子の死の責任を抱えていたと知り、切なくなった。

でも、良い家族だな。
英一の友達、テンコ、コゲパン、橋口・・・みんな良い。

英一の初恋の相手かな?と思われる垣本順子と最後、父方の祖父の納骨の日に疎遠になっていた親戚一同の元を訪れ、英一が言い放った言葉には、スカッとした気分になった!
親戚づきあいって、切っても切れないけど、家族を不幸にするような付き合いなら蹴って当然!


本を読み終えて、表紙の写真を見たら、ラストのちょっと切ないシ-ンにピッタリで、ジ~ンときた。

厚くて、途中、正直やや飽きたけど、これは最後の章が良いからスッキリした読後感になれた。



★★★
957ed18f.jpg発行年月:2010年7月


江戸は神田、袋物屋の三島屋には、不思議を語る部屋がある。
ほっこり可愛く、ちょっと奇妙で、きゅんと切なく、ぞおっと怖い、
四つの話のはじまり、はじまり。
〈画〉南伸坊

                     (中央公論新社HPより)



先に読んだ「おそろし」の続編。
「おそろし」は、残酷な殺しがあったり、結構、重く切なく哀しい話が多かったのですが、こちらはそれに比べたら、ちょっと明るい。
とは言え、前回同様、三島屋の黒白の間を訪れ、おちかを相手に話される不思議話が、今回も4つ。

子どもが出てくる話が多く、切ない物もあるけど、ほのぼのした場面も多かった。
三島屋の丁稚として働く新太にも今回は、同年代の男の子たちが登場し、お話にも活気があった。

不思議でちょっと怖い話も南伸坊さんの可愛らしい挿絵で和み、夜寝る前に読んでも平気だったのが怖がりのわたしにはありがたかった^^;

前作「おそろし」での、おちかは抱えるものが重く、それに心を塞がれてるかんじがあったのですが、こちらの話では、出会う人たちと接するうちにだいぶ自身の気持ちもほぐれて来た印象を受けました。


3番目の話「暗獣」が、本の表題になってるんのですが、やはり一番印象的だったかな?
あんじゅうが可愛くて、ちょっと哀れで・・・。

三島屋で語られる百物語、まだまだこの先も続くかな?
百にはまだまだだから、きっと続いていくんでしょうね(願望^^;)

読み終えるのがちょっと惜しいと思うほど、面白かった♪


★★★★★



 
4117f396.jpg   発行年月:2008年7月


17歳のおちかは、川崎宿で旅籠を営む実家で起きたある事件をきっかけに、他人に心を閉ざした。いまは、江戸・神田三島町に叔父・伊兵衛が構える袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働く日々を過ごしている。ある日伊兵衛は、いつも碁敵を迎える「黒白の間」におちかを呼ぶと、そこへ訪ねてくる人たちから「変わり百物語」を聞くように言いつけて出かけてしまう。そして彼らの不思議な話は、おちかの心を少しずつ、溶かし始めていく・・・。おちかを襲った事件とは? 連作長編時代小説。

                                     
(角川書店HPより)


宮部さんの時代物は、以前も読みましたが、読みやすくて好きです!

今回は、いろいろな哀しい過去を持った人たちの話がいろいろ登場する。
ちょっと残酷な死があったり、その死にまつわるいろいろな人々の心情などを描いている。

訪ねて来る人たちが語る話を聞く、おちかにも胸に秘めた重く哀しい過去があり、人の話を聞くうち、自身の秘めた物も吐き出そうと、少しずつ語られる。
なるほど・・・そういう過去でしたかぁ~。
ちょっとやそっとでは忘れられない過去でした。
自分の身に起こったものだと想像したら・・・おそろしい。

訪ねてくる人たちの語る話もおそろしい。
怖いというより・・・おそろしい。
今まで普通に良い人柄で居た人がある事がキッカケで、残酷な過ちを犯してしまう。
そこには、哀しさもありました。

最初の話では、曼珠沙華が咲く間に人の顔を見て、自身の罪の意識を感じると言う男。
ほかには、人を導き、飲み込むという屋敷の話。兄と姉が道ならぬ仲になり起こった哀しい事件の話。
そして、語りを聞いていた、おちかが語った哀しく残酷な事件の話。

その全てが最後の章、人を飲み込む安藤坂の屋敷で、ひとつの物語になる。

死んで行った者も生きている者もお互いがお互いに抱く想いがあって、人間っておそろしいけど優しい。それは紙一重なのかも・・・・なんて思ったりしました。

結構、厚い本ですが、惹き込まれるように読み続けられました。
おもしろかった!!


この続編にあたる本も続けて読んでみましょう!

 

★★★★


 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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