発行年月:2012年11月
祖母が遺した手帖には、激しく秘めやかな愛の日々が克明に記されていた――。

留守がちだった両親にかわって、いつも傍らにいてくれた優しい祖母。挙式を前にしたわたしは、祖母が遺した一冊の手帖を発見する。そこには、結婚後、保養先で出会った「帰還兵」との秘めやかな愛の日々が記されていた。父はいったい誰の子なのか――。注目のイタリア人女性作家による官能とユーモアを湛えた魅力的な物語。
(新潮社HPより)
祖母の手帖に書かれた恋の物語。
語り手は、結婚を控えた祖母の孫。
子どもの頃から、記憶にあるのは、美しく優しい祖母の姿。
しかし、手帖に書かれていたメモは衝撃的なことばかり。
祖父との結婚した理由も変わっている。
二人の間に愛情が全くないのに、両親の決めた結婚を受け入れた祖母。
けれど、語り手の父親は生まれた。
祖母と祖父の夫婦関係にもビックリ!
こんな風に割り切って生活していけるものだろうか????
そして結石の療養に良いという温泉のある場所で暫く暮らす祖母。
そこで、同じような病で療養中の帰還兵と会い、祖母はその帰還兵に惹かれ
二人は恋におちる。
やがて、別れてまた祖父の元に戻り前の生活をするけれど、祖母は帰還兵が
忘れられない。
そして、後半、段々わかってくること、
祖母の病気。
語り手は疑問を持つ。
父は、祖父の子どもだろうか?
もしかしたら、帰還兵との間に出来た子ども?
でもでも、ビックリな事実が最後に・・・
帰還兵からの手紙が出てくるのです!
えぇ~っ!?
そういうことですか・・・
でも、切なく美しい恋愛小説だったと思います。
文章が綺麗でした。
それゆえ、官能的な表現がリアルだった^^;
表紙の絵も雰囲気あって好きだなぁ~。
★★★★
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発行年月:2013年8月
どうしていつも、うまくいかないのか? 胸を締めつける9つの愛の物語。

ニュージャージーの貧困地区で。ドミニカの海岸で。ボストンの大学町で。叶わぬ愛をめぐる物語が、傷ついた家族や壊れかけた社会の姿をも浮き彫りにする――。浮気男ユニオールと女たちが繰り広げる、おかしくも切ない9つのラブ・ストーリー。大ヒット作『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の著者による最新作。
(新潮社HPより)
前作『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』でオスカーのルームメイトとして
登場していたユニオールが今回の主役。
オスカーはイケてない容姿でもてなくてダメダメな男だったけど、
今回のユニオールは、モテるダメ男。
女の子とすぐ仲良くなって、付き合うけれど、他の女の子のこともまたすぐ気になり
浮気して、彼女が怒って・・・・の繰り返し人生。
ああ、こちらのダメ男の方が重症です~^^;
でも憎めないのは、反省するところ。
自分の振られるたびに傷ついてるし・・・。
他人として眺めているには面白い男だけれど、関わりたくわないかんじ。
読みながら気になるのが・・・
男女の関係が赤裸々過ぎなこと。
ちょっと途中でもう読みたくないかんじに正直なって
そういう表現を省いても何ら支障はないように思うのだけど。
ま、話は面白いので我慢して読み切りましたが・・・。
新潮クレストBOOKSはハズレがないんだけどあまり好みの作家さんじゃないな。
★★
発行年月:1997年1月
生意気で動物仲間のボス的存在のネロ。ドイツ人夫妻に可愛がられ、故郷イタリアからドイツへ行くが……有名女流作家の世界的話題作
(文藝春秋HPより)
イタリアで縁起の悪いとされる日は13日の金曜日と並んで17日の金曜日。
そして11月は不吉な月とされる。
そんな11月17日金曜日、雷が鳴り響く正午に生まれたのが、この物語の
主人公・ネロ(イタリア語で黒を表す)。
同じ日に生まれた猫がネロを含めて4匹。
ネロはそのなかで斜視で生まれた妹猫・ローザの面倒をよく見ることが
唯一の良い点。
あとは、傍若無人な振る舞いで、家の鶏の卵は奪うし老犬にも凄みを効かせる。
隣は、ドイツ人の夫妻の別荘。
ネロは怖いものなしで、そのドイツ人夫妻に近づき、可愛がられる。
夫人が猫好きだと知り、擦り寄り甘えた声を出し、ミルクや食べ物をねだり
ふかふかなソファーでくつろぐ。
そして、同じ体験をローザにもさせてあげようと連れていく。
夫妻がドイツに帰ると知り、連れて行って貰おうと、可愛い猫を演じ、まんまと
作戦成功。
ローザも一緒にドイツへ向かう。
ドイツに行っても、周りの猫たちを威圧し、ボス気取り。
しかし年を取り、ローザも亡くなってしまうと再びイタリアの故郷が懐かしくなる。
夫妻がイタリアの別荘に行くときに、再び連れて行って貰う。
ネロが可愛い。
乱暴したり威張ったりだけれど、優しいところもあったし・・・。
猫の視点で人間観察している言葉も面白かった。
猫好きなら絶対、楽しめる本です!!
イラストの絵も素敵でした。
★★★★★
発行年月:2005年6月
カレーソーセージ誕生を巡る一人の女性の悲恋の物語。食べ物が人間に与える幸福と苦悩が、ナチス・ドイツで脱走兵をかくまいつつ、不器用だがしたたかに生きるレーナの人生と共に語られる。
(河出書房新社HPより)
物語の始まりは現代。
主人公の「僕」は、10年以上前に屋台で食べたカレーソーセージが忘れられない。
大人になってからもハンブルグを訪れる度に食べに寄った。
でも屋台はあるとき、なくなってしまった。
屋台のおかみさん探しを始める「僕」。
おかみさんの名前はレーナ・ブリュッカー。
もう亡くなってるんじゃないか?という人も居たが・・
彼女に再会できた!
そしてカレーソーセージを考え出した人がレーナだと信じる「僕」は
彼女の元に通い、彼女の物語をきくことになる。
彼女の話す物語は1945年の終戦直前のドイツが舞台。
敗戦が近いドイツで夫や息子たちも戦争で家から離れているため一人暮らしをしていた
レーナ・ブリュッカー。
そんな彼女が若いドイツの脱走兵を家で匿うことに。
カレーソーセージのルーツを知りたい「僕」は、最初、関係なさそいなレーナの話に
やきもきする。
読んでいるわたしも同じ気持ちになる。
でも、段々とカレーソーセージのルーツよりもレーナの人生の物語の方に
興味が沸いてくる。
脱走兵のプレーマーを周囲からわからないように匿うことのスリル。
度々、訪れる地区防空責任者が来るたびに見つかるんじゃないかとヒヤヒヤ。
アパートの階下の夫人の「誰かがいるみたい」の指摘にもヒヤヒヤ。
時々、知らされるドイツの戦況。
ヒットラーの死から敗戦へと進むが、レーナはプレーマーにその事実を伝えない。
戦争が終わったことを知ったら、出て行ってしまうから・・・。
そして突然の別れ。
カレーソーセージのルーツは、とってもあっけなく、終盤に知らされるけれど
ああ、そういうことだと思ったと言うもの。
レーナ自身もそのことは喋っていたし・・・・。
語り手が現代の「僕」になったり、自分のことを語るレーナになったり。
なかなか面白く最後まで読みました。
あとがきにあったけれど・・・
カレーソーセージは、実際にベルリン、ハンブルグなどの北ドイツ地方の庶民の
代表的食べ物だそう。
普通は道端の立ち食い屋台で200円くらいで買えるとか。
ああ、食べてみたいな~^m^
★★★★
発行年月:2005年7月
イタリアの海辺の小さな村で繰り広げられる、
とっても ピュアな初恋物語。
「お金はないけど、君を想う気持ちは誰にもまけないよ」
(本の帯文より/小学館)
16歳のマルチェロは、漁師の父親と二人暮らしの16歳の高校生。
村一番の美少女・エレナに恋をして、彼女への想いを持ち歩いているメモ帳に
詩にして書き連ねる。
もうすぐエレナの16歳の誕生日。
村の掟で娘の最初のデートの相手は父親が、選ぶ。
父親に選ばれたい男の子は、贈り物を持参し、その贈り物が父親に気に入られる物ならば
デートの相手として認められる。
マルチェロの家は貧しい。
村一番の金持ちの息子・アルマンドが強力なライバル。
賢いマルチェロが考えた贈り物は?
みんなが高価な贈り物を選ぶだろうと予測し、自分はエレナの父親が本当に欲しい物を
贈ろうと考える。
が、それを手に入れるのが一苦労。
それの持ち主にお願いに行くと、交換条件の品を言われ、またその品の持ち主にお願いに行くと・・・・そこでも交換条件の品を言われ・・・・
そんなことがどんどん続くので、マルチェロは、村中を走り回ることになってしまう。
そんな姿が可愛い。
そして、その事から、村人同士で仲の悪かった人たちの仲を取り持つことに繋がったり
村中がマルチェロが走りまわることで幸せになっていくという
素晴らしい展開に。
そして、念願のデート。
エレナも可愛い♪
楽しくて心が温かくなる素敵な物語でした♪
偶然、図書館棚から手に取った本ですが、大当たり~ヽ(^o^)丿
子どもが読んでも大人が読んでも楽しめると思います。
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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