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読んだ本の感想あれこれ。
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40dd3c62.jpg  発行年月:2009年7月


  先駆者の栄光!
  日本発バチスタ手術・・・・・“神の手”の軌跡。
  医療エンタテイメントの人気作家が
  初めて取り組んだノンフィクション

 

                     

第1部 心臓外科医 須磨久善の旅
1章 未来への扉を開く-----公開手術[1992年 ベルギー・ブリュッセル 41歳]
2章 学会の熱風-----米国留学[1984年 ソルトレークシティ 33歳]
3章 回り道か抜け道か-----外科研修と胃大網動脈バイパス手術[1986年 36歳]
4章 ニュー・ライフラインの発見-----AHA(米国心臓協会)[1988年 38歳]
5章 外科医になろう-----少年時代から医学生時代
6章 ローマへの道-----ローマ・ジェメリ総合病院[1994年 44歳]
7章 バチスタ手術-----湘南鎌倉総合病院[1996年 46歳]
8章 スマ手術への進化-----バチスタ手術の完成形[1997年 47歳]
9章 医療の宝石を手に入れる-----葉山ハートセンター[2000年 50歳]
10章 須磨久善はどこへ行くのか-----心臓血管研究所へ[2008年 58歳]
第2部 解題 バラードを歌うように[2008年7月]


                                   (講談社HPより)

須磨先生の軌跡!
素晴らしいです!
こんな方が日本の心臓外科を支えているのだとわかって嬉しいです!

医師を志したのは、人に喜んでもらい、自分も幸せになれる手段としてベストだと思ったから・・・
親が医者だからとかじゃないんですね。
いろいろな選択肢があるなかで自分自身で考えて選んだ道。
その為に、並大抵でない努力をされたと想像できます。

幾つかの分岐点に立つたび、自分の信念を貫く選択をし、その全てが幸運にも後の成功につながっている。
正に神に選ばれているとしか思えない。
著者も文中で言ってたような気がするけど、これを小説にしたら、出来すぎでしょ?と思ってしまうくらいの軌跡。

医療界では、きっと知らない人は居ないくらいの人物なんでしょうけど、わたしはこの書を読むまで恥ずかしながら先生のお名前は全く知らなかった。

現役の医師である著者が、尊敬しているのがよ~くわかりました。
私も尊敬します!

知らないだけで日本の医療を先生のような方が支えてくれているんでしょうね。


最後の方に書かれていたエピソ-ドでは先生の人柄もわかるようで楽しかった♪

・映画「チ-ムバチスタの栄光」の医療監修を引き受けたなかでの話
・自身が造った「葉山ハ-トセンタ-」に子どもたちを招いての公開外科手術の話
などユ-モアもあって優しくて。
どこか欠点ないのかな?とちょっと思ってしまう^^;


 
★★★★★
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d1ae4511.jpeg発行年月:2009年11月


東京郊外の桃山町は、不思議の起こる町として知られていた。小学6年生の千葉空良(そら)と同級生の河邑ユ-キ、紺野アランの3人組はワンダ-3を結成。算術絵馬で知られる百山神社など、町の神秘をさぐることになった。それを機に起きる偶然の暗合----高等数学が得意な謎の転校生、担任の先生からもちかけられた算数宇宙杯への出場。空良たちはさらに、素数の正体、ゼ-タ関数の定義を経て、ファンタジックな世界、宇宙と神秘のミラクルワ-ルドへといざなわれていく。作中で、150年もの間数学史上の難問とされている「リ-マン予想」にも挑戦!SFファンタジ-の枠を超えた算数小説。

                                        (実業之日本社HPより)

出てくる小学6年生達が、凄い!
これは、算数のレベルじゃないよ!

算数オリンピックの世界大会でメダルを獲得の河邑有希が、男の子、アランとソラを引っ張って、町の不思議を探検しようと言い出すあたりまでは、小学生らしいけど・・・後はもう、数学のかなり高度な話が出て来て・・・・・
素数の話くらいまでは、ついていけたけど、あとは?????

そこにまたまた最強の数学脳の転校生・一之瀬那由他登場。
この名前も数学的なものでした!(知らなかったけど・・・・^^;)


算数宇宙杯に出場が決まった4人。
ここからが、またまたチンプンカンプンの数学の話で、ちょっと飛ばし飛ばし読んじゃいました(笑)

でも、ソラの鮨屋のじっちゃんとか、出てくる大人達もなかなか個性的で楽しかった。

子どもの頃から、居なかった父親の事が明らかにされたり、算数以外のところでは、楽しめました。


しかし、この本をちゃんと理解して楽しめる人は、少ないだろうなぁ~。
わたしが無知なだけ?

頭の良すぎる作家さん(東大卒)が数学が得意な人を楽しませるために書いた本かしら?
とちょっと拗ねたりして・・・^^;

★★
90400de9.jpg発行年月:2009年4月


赤字5つ星の極北市民病院に赴任した外科医・今中を数々の難局が待っていた。不衛生でカルテ記入もずさん、研修医・後藤はぐ-たらだし、院長と事務長は対立している。厚生労働省からの派遣女医・姫宮は活躍するが、良心的な産婦人科医師はついに医療事故で逮捕された。日本各地で起きている地域医療の破綻を救えるのは誰か?

『週間朝日』大好評連載小説の単行本化。
現役医師で医療エンタ-テイメント街道を驀進する著者の最新作

                                    
(朝日新聞社HPより)

今度はどんなお話?と読む前から期待感大の海堂さんの作品。

今回は、民間でいうと破産という状況の 極北市民病院が舞台。
そこに派遣された外科医・今中の奮闘ぶりが描かれていました。

赴任早々、感じるのは、病院スタッフのやる気のなさ。
朝の看護師ミ-ティングは雑談交じり。カルテの記載事項もいい加減。
病室を覗けば、褥創(しかも緑膿菌感染してる)患者多数で室内の異臭は著しい状況。

そんなスタッフのなか、産婦人科の三枝は、誠意ある態度で日夜勤務している。
しかし、以前、運ばれた妊婦を死なせてしまった医療事故を起こしているとか。

そんな問題山積みの病院に、厚生労働所から派遣されてきた姫宮登場。
上司は、白鳥ですよね?
なんだか知ってる人が出てくると嬉しい♪
相変わらずの物怖じしない行動で、たった3日間なのに、予定である任務を果たして去っていったのは圧巻!
もっと居て欲しかったような・・・・・。

物語の中に、医師としての著者が思う、今の医療界の問題が掲げられていました。

市民病院の再建問題、日本医療業務機能評価機構のあり方、医療崩壊を煽り立てるような医療ジャ-ナリストの存在・・・・・などなど。

わかりにくい事がなんとなく無知なわたしにもわかるような気がしました。

三枝医師の逮捕ニュ-スを知り、すぐに立ち上がって救済行動した清川医師
市民病院で受け入れが難しい救急患者は極北救命センタ-で受け入れると協力を約束した速水医師など、今までの海堂作品で登場の医師たちが、連携しあっているのが頼もしかった。

院長不在になった市民病院に最後、病院再建で登場は、これまた御馴染み、世良医師。

物語は世良の登場でおしまいですが、続きはあるのかな?


今回も期待通り、楽しませてくれました!


★★★★
9f15938e.jpg発行年月:2004年12月


天明六年、江戸を襲った大雨の夜、甥の定次郎を何者かに殺された立原周乃介は、その原因を調べていくうちに、定次郎が米問屋柏木屋のことを探っていたことを知る。柏木屋の主人、仁三郎にはどうにも後ろ暗い過去がある。核心に迫る周乃介の周りで、不穏なことが多発するようになり--------。


鮮烈のデビュ-作、時代劇ミステリ-登場!


                                    
(本の帯文より)

北氏の書は、これで3冊目かな?
やはり時代小説の方がいいなぁ~。

話がわかりやすいので、容易に物語の世界に入り込めます。

最初から、何者かに殺される男の描写。
その殺された男の叔父にあたる男・周乃介が事件の真相と犯人を捜すミステリ-仕立て。

江戸の町の風景もすんなり頭に描写として浮かびます。
長屋暮らしの庶民。

歴史的背景としては田沼意次が罷免され、将軍・徳川家定が没する時。
そして、江戸の各地に起こった大水害。凶作による米価高騰。

そんな時代に庶民が受けた諸々も物語のなかで出てきます。

冒頭で殺された男・定次郎もそんな幕府の大きな変革に巻き込まれたよう。

定次郎と恋仲だった遊女の「沙羅」がなんとも不憫。
遊女になった経緯も、なんとも哀れ。
しかし、どこか落ち着いた品のある佇まい。

甥の定次郎と惹かれあった仲だが、甥の死の真相を追ううちに沙羅とも出会い、周乃介自身も沙羅に惹かれる。
そして、沙羅も。
最初は、定次郎の仇を討って欲しいと願っていたが、やがて周乃介が無事でいてくれる事を願うようになる。

そんな二人が、一時は幸せそうだったのが、少し救いだったかな?
沙羅もその瞬間はきっと幸せだったでしょう。
でも、切なかったなぁ~。

ラストはハラハラドキドキ。

この方の時代物は、やはり素敵!(まだ、これで時代物は2作目ですが・・・^^;)


これ、映像化しても十分、面白そう。

★★★★★

70aeddf8.jpg発行年月:2009年1月

昭和41年の東京下町。
山形・酒田から出てきた受験浪人生の康夫は、
住み込みの<個室あり>のふれ込みに惹かれて、Y新聞販売店で働くことに。個室といっても段ボ-ルで仕切られただけのもの。
同じように住み込みで働く仲間と、配達先で出会う人々との関わりを描いた青春小説。



著者の北氏は、確か山形県酒田の出身。
以前、読んだ「汐のなごり」でも故郷の物語を書いていました。
故郷の酒田が、きっと好きなんですね。

「汐のなごり」は時代物でしたが、こちらは、ちょっと前の話ですが現代物。

主人公の康夫が、40年前のことを振り返るという形で物語が始まります。
昭和41年の東京といえば、ちょっと前に読んだ奥田英朗の「オリンピックの身代金」と同じ時代。
ちょっと共通するような話もありました。

大学受験に失敗し、故郷で浪人生活をしても合格の見込みは少ないのでは?と考えた康夫は自分の意志で東京に出て、そこの予備校に通うことに決めます。
国立大学入学を目指して。

目標に向かって、慣れない環境でヘトヘトになりながらも懸命に生きる主人公の姿は自然と応援したくなります。
でも、途中、配達先の高校生・サキと出会い、恋に落ち、一時、勉強よりデ-トに夢中になるところでは、苦笑い。
ま、若いから仕方ないけど・・・^^;
でも、これがまた一大事へと発展するのでハラハラ。

出てくる人たちが、一風変わっていて、可笑しい。
でも、みんなそれぞれ夢に向かって真剣に生きてるんだろうな~。

そんななか、浪人生の矢田は、気の毒だったなぁ~。
東大合格後、3ヶ月で休学しその後、退学・・・しばらくして、再び受験、合格・・・・でも入学手続きせず・・・なんで!?
その理由は、哀しい。
勿体無いなぁ~。なまじこんなに頭良くなかったら、別の人生あったかもしれないのに。
でも、それは矢田の性格だから、同じなのかな?
なんて、主人公・康夫の将来よりも、こちらに興味の矛先が変わりました。

最後、再び、現在の康夫に戻って語る話しで、あ~みんなそれぞれ大人になったのね?
と嬉しかった。

表題の「鳥かご」読む前は「なんのことかな?」と思いましたが、なるほど!
ま、これはすぐ分かることですけどね。

★★★
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