3つの町が合併してでできた人口12万人のゆめの市。
古くからある商店街はさびれ、国道沿いの「ドリームタウン」が唯一の盛り場だ。この街で暮らす5人----県庁職員だが社会福祉事務所に出向し、生活保護支給業務などを担当する相原友則、東京生活を夢見る女子高生の久保久恵、詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマンの加藤裕也、スーパーの保安員をしながら新興宗教に救いを求める、県議会に打って出る腹積もりの市議会議員・山本順一----が鬱屈を抱えたまま日々を送り、やがて思いがけない事態に陥っていく。奥田ファン待望、『最悪』『邪魔』以来となる渾身の群像劇です!
(文芸春秋HPより)
ゆめの市に暮らす5人の様子がリアルだった。
それぞれが何か鬱屈したものを抱えていて、暮らしぶりは幸せとは言い難い。
生活保護を受ける人のモラル。支給資格の曖昧さなども問題だな・・・と感じたり、
独居老人の暮らしの侘びしさ、主婦売春、外国人労働者、ひきこもり・・・・・
いろいろな社会の闇のような問題を描いて、やや気が重くなりましたが・・・・どこか滑稽さもあってか、意外と面白く最後まで読みきれてしまうのが、この作家の上手さかな?
滑稽でも、それぞれの人たちは案外、一生県命生きてる。
物語が進むにつれ、別々に生きる5人が少しずつ繋がって、最後は・・・・事件も起こり
すっきりした終わり方ではないのかもそれないけど、なんだか納得してしましました。
みんなのその後もちょっと気になるなぁ~。
★★★
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稀代の作家による、軽妙洒脱な生き方指南!
「デブとは何か」から「〈礼〉とは何か」まで、浅田次郎が発信するオヤジ目線の現代考。江戸ッ子らしいキレの良さ、豊かな人生経験に基づく滋味がたっぷり。笑えて泣けてためになるエッセイ。
(集英社HPより)
小説は2~3読んだことあるかな?
これは、エッセイですが、浅田さんってお洒落!
考え方も素敵!
大ファンになっちゃいました!!
ちょくちょく、本文に「若い頃は格好よかった」とあるので・・・・お顔を捜しちゃいました(笑)
今も素敵じゃないですか!
第一章 男の本音
第二章 ふるさとと旅
第三章 ことばについて
第四章 星と口笛
第一章では、美人についての浅田さんの思う事・・・なるほど!ポイントは口元ですね!
それは一理あり!わたしも気をつけたいと思いました(^^)
第二章では、江戸っ子の粋について学ばせていただきました。
おばあさまの教え、素敵だと思いました!
第三章で度々出てきた元自衛官時代のはなし。いろいろ勉強になりました。
第四章ではちょっと昔を懐かしむことが多く出てきました。
祖母との思い出も良かったけど「雨の記憶」は切ないけど美しい思い出のようでよかった。
最後にかかれた言葉、好きだな。
「自分のために笑え。人のために笑え。そしていつも背筋を伸ばし、鉄の心を忘れるな。」
幸せを求めるうえにも苦悩から免れるためにも、笑顔は不可欠な要件である。
楽しければ、笑い、苦しければもっと笑い、どちらでもなければ自然に笑っていればいい。
日がな花のように笑い続けて、しかも大地に鉄のごとき根が生えていれば、なおさらいい。
「花笑鉄心」・・・著者オリジナルの座右の銘だそうです。
著者の小説、もっと沢山、読もう!!
★★★★★
中学生の僕と犬が、茂みの奥で見つけた、
得体の知れない“肉”の正体とは?
日本文学史上初!の兄弟ユニット作家による完全共作。
話題の第46回文藝賞受賞作/第142回芥川賞候補作。
選考委員絶賛!
(河出書房新社HPより)
文芸誌に、兄弟で執筆した作品と紹介あり、「どうやって?」と思って記事を読むと・・・・
嗜好や価値観が似ていて、子どもの頃から、多くの本や映画について語り合ってきたのだとか。
そして、子どもの頃からお互いが文章を書き、最初に一緒に書いた作品は弟が16歳兄17歳のとき。
いじめられっ子が世の中に復讐する話だったそう。
う~ん、それも結構、暗そう・・・^^;
この作品も結構、暗く重い雰囲気。
主人公は中学生になったばかりの少年「僕」。小学4年生のとき、父親がある日、連れてきた子犬を飼うのだが、両親はその後、離婚。
少年も母親も犬は苦手(キライ)なのに、飼い続け、少年は朝、晩の散歩を欠かさない。
先ず、この親子が不気味。
会話にしても何もかも・・・・。
そして、犬もなんだか不気味。
散歩の途中で定期的に寄る、公園で掘る「肉」・・・なんなんだ!?
それから、散歩中の少年を待ち伏せする少年の唯一の親しいクラスメイト・サダ・・・・この子もなんだか、イヤ~なかんじ。
兎に角、登場してくる人物といい、そこの雰囲気といい普通じゃないかんじで、気持ち悪い。
なのに・・・・なんだろ?不思議な魅力があった。
どうなる?って気になる。
終盤あたり、不気味さ、倍増して、やだな。あとちょっとで終わっちゃうけど、まさか・・・?
なんて勝手に悪い事が起こる事を想像しちゃった^^;
でも、ラストは・・・・・「?」
少年がサダに対する感情を変化させた?
明るい兆しということか?
変わった話だったけど、キライじゃないな。こういう文章。
人によっては受け付けない人いるかも・・・ですが。
また新刊が出たら、読んでみたい作家さんたち(^^)
★★★
発行年月:2009年10月
うちのチッチは小説家で世界一のお父さんです。
売れない小説家と息子の、慎ましくも愛おしい日常。孤独を抱え、支えあう父(チッチ)と子。
変わりゆく親子の変わらない愛情を描く、感涙の家族小説。
変わりゆく親子の変わらない愛情を描く、感涙の家族小説。
(毎日新聞社HPより)
青田耕平39歳。まだ作品が重刷された経験はないけど地道に活動する作家歴10年の男性。
その息子・カケル10歳。
耕平の妻は、3年前、交通事故により他界。
以来、父子で暮らしている。
耕平は家事もこまめにこなし、カケルはやんちゃ盛りの元気で明るい良い子。
二人の暮らしぶりには、暗さは全くみられない。
けれど・・・耕平は妻の事故死に今もちょっとした疑問を持っている。
カケル君がなんと言っても可愛いです(^^)
男の子もいいなぁ~なんて娘しかいないわたしは思ってしまう。
小説家の耕平の暮らしぶりは、著者である石田さんの私生活がヒントかな?
石田さんも子どもさんにはこういう対応していて、奥様はいらっしゃるけど、結構、料理なんかもしちゃったりするのかな?なんて想像しちゃいました^^;
作家の日常もちょっと見られて楽しかったなぁ~。
作家活動って孤独なイメ-ジありましたが、作家仲間同士の交流なんかもあるんですね?
文壇バ-に集う仲間との関係も素敵♪
優しくて温かくて、ちょこっと泣ける、良いお話でした。
石田さんの作品、久しぶりに読んだけど、よかった!(^^)
★★★★
ここは、誰かにいじめられ逃げ込んできた人ばかり
世間から見放され、朽ち果てた屋敷に集まった
心よわいアウトロ-たちの再生の物語。
佐伯は中堅どころの印刷所に勤めていたが、会社からリストラされたことを家族に言い出せず、ある日家出をしてしまう。あてもなく歩き続け、辿り着いた崩壊寸前の洋館。そこには世を拗ねる変わり者たちが住みついていた。何故か彼らは庭で穴を掘っている。
(本の帯文より)
佐伯の家族、特に奥さんの身になって読んでしまったので、なんだか怒りが湧いて来ました。
しかも、子どもが応援を楽しみにしていたサッカ-の試合の日の前に・・・・。
自分の気持ち優先で情けない男だ!(怒)
でも、ま・・・こういう状況に陥ったことないので、自分が同じ立場になったら・・・・と怒りを抑えながら読み続けました^^;
偶然みつけた、壊れそうな洋館に棲んでいる人びとが変な人たち。
人柄は悪くなさそうだけど・・・・不気味。
落ち目のプロサ-ファ-・遠野、大阪の借金とりから逃げてきた山岡夫妻、洋館の持ち主・倉持。
そしてホ-ムレスで度々、洋館に訪ねて来ては屋上の望遠鏡で覗きをする管。
屋敷の庭に埋まっているらしいお宝を探しながら穴を掘る(みんなじゃないけど)。
異様だよ。想像すると・・・。
高校生の真世には同情した。いじめに負けず、強く生きて欲しいと思った。
考えている事が変わり者の大人と違い、ちゃんとしてたし・・・。
佐伯を諭すように話す内容も素晴らしかったな。
話は、ちょっと現実離れしたかんじあったけど、まあまあ面白かった。
情けない佐伯だけど、奥さんと息子(小学生かな?)は再び受け入れてくれそうで良かったかな?
今度は、逃げないで男なら前を向いて歩いて欲しい!
そうじゃなきゃ、家族が気の毒だ!
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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