美しい挿画でも好評の『ひぐれのお客』につづく、安房直子短篇集の最終巻。とうふ屋さんが死者である子どもたちと出会う表題作ほか、日常のちょっとした裂け目に、異世界へのとびらが「くらん」とひらく全七篇
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(福音館書店HPより)
図書館へ行くと、新刊の児童書コ-ナ-はいつもチェックします。
そこにあった本です。
安房さん、名前は知っていましたが、過去に読んだ記憶がなく、これは表紙絵にも惹かれました。
この表紙の絵、よくみると刺繍みたい。
画家紹介が本の後ろにありますが、MICAOさんの経歴は、外資系メ-カ-にてファイナンシャルアナリストとして勤務の後、独学で染色、縫製などを学んだと書かれています。
実際、表紙の絵以外にも挿絵が幾つかありますが、布地に描かれたようなかんじになっていて、ちょっと変わってる。
このかんじいいなぁ~。
そして、お話も素敵です。
8つのお話がありますが、そのなかに連作で「とうふ屋さんの話」よりとして
3つのお話が含まれています。
人間が主役だったり、動物が主役だったり。
8つのお話に共通するのは、ちょっと不思議で空想の世界のような現実とはまた別の世界にような話。
読んだ言葉から、頭のなかにそにの情景がすぐ浮かんでくるような文章でした。
どれも良かったけど、好きだったのは「春の窓」かな?
売れない絵描きが、ある1匹の魔法を使える猫と出会って、ちょっと不思議な体験をする話。
最後はハッピ-♪
既刊に「ひぐれのお客」も出ているとかなので、今度はそちらも読んでみたい!と思ってます。
こういう童話なら大人も楽しめていいなぁ~(^^)
★★★★
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乙一最新作! 子供達に贈る小さな勇気の物語
小心者でひとりぼっちのネズミ、イグナート。
生まれてはじめてできた友達は、亡国の王女ナタリア。
囚われた王女の危機に、いつも涙目の弱虫ネズミが
小さな冒険の旅をはじめる!
(集英社HPより)
乙一好きな次女が図書館にリクエストして、入れてもらった本。
絵本なのか?マンガなのか?
かなり絵が多いです。しかもマンガっぽい^^;
物語は、さほど珍しい展開ではなく・・・・
悪い叔父に王位を乗っ取られ囚われの身となっている王女・ナタリアを助けるために小さなネズミのイグナ-トが勇気を振り絞って頑張る物語。
イグナ-トとナタリアの出会い。
二人が友達となるある出来事。
その出来事があったからこそ、イグナ-トは勇気を奮い起して危険がいっぱいのなかナタリアを助けたのですね~。
単純な話で、わかりやすくていいです!
これなら、字がやっと読めるようになった子どもでも楽しめるかも。
親子で楽しんで感想を言い合うのもいいかも(^^)
イグナ-トとナタリアの背景にあるものは、重く哀しいものがあるのだけど・・・言葉での表現が少ないから大人にはやや物足りないかもですが・・・児童書としては充分でしょう♪
★★★
大好きなジイちゃんが亡くなった。
ジイちゃんが寝たきりになってから、あまり会いにいかなかったことを
後悔する武の前に、ふしぎな少年が現れて・・・。
- 第20回(2010年)椋鳩十児童文学賞
(ポプラ社HPより)
小学生中学年くらいから読める児童書ですが、良かったです。
主人公の風間武は小学4年生。
小さい頃から、本当のおじいちゃんのように親しくしていた隣の家のジイちゃんが亡くなるところから物語が始まる。
小さい時のように頻繁にジイちゃんに会いに行く事もしなかった近ごろの自分を後悔しつつジイちゃんとの思い出に浸る武。
お葬式の日、大人達は忙しく動き回る。
一人、所在無げに居る武の前に現れる少年・ヒサオ。
大人が読めば、ああ、この少年の正体は・・・・・と想像がつきますが、二人の会話や一緒に走る場面は、ジ~ンとしました。
絵も良いです!
後ろの解説を書いている川北亮司さんの言葉にも納得。
そこに書かれているように、身近な人の「死」に直面した少年の心の描写がとても上手く描かれ、そして「死」が中心にある物語なのに、とても穏やかで温かい物が感じられる素敵なお話でした。
こういう本は、多くの子どもに読まれるといいなぁ~(^^)
児童書、たまに読むと心が洗われる気がします。
★★★★★
「なぜ星は流れるの?」「なぜ人は夢を見るの?」
大人が泣き、子供が笑う。優しさが沁みる物語。
漫才コンビ「キングコング」の西野亮廣の絵本。
5年かけて生んだ渾身の一冊!
(幻冬舎HPより)
絵本なんですが結構、厚いです。
全て白と黒のペ-ジです。
この表紙の絵でわかるかもしれませんが、かなり細かいところまで丁寧に描かれた絵でした。
すごく沢山!
これはひとつの絵を描くだけでも相当な時間が必要でしょう。
それだけでも驚きでした!
絵の雰囲気は、ちょっとダ-クでグロテスクかも。
小さい子には、あまり受け入れられないかもしれませんが、わたしは結構、惹かれるものがありました。
物語は4つ。
「グッドモ-ニング・ジョ-」
「赤いはしご」
「ドンドコ山のバケモノ」
「Dr.インク」
3番目までは独立したお話ですが、最後の話でそれらが繋がって、なかなかの演出。
某所の読者レビュ-を見たら、賛否両論で、驚きましたが、わたしは、この本、とても好きです♪
なんとなく全体にこの本の暗くて寂しいかんじが漂うのですが、伝わるものはあるようです。
暗くて寂しいけど、温かくもなれる・・・・不思議なかんじ。
三番目の「ドンドコ山のバケモノ」は、特に切なくて泣けました(/_;)
カラ-だったら怖かったかもしれませんが・・・・^^;
最後のあとがきがまた良かった。
子供の頃、不思議だなぁ~と思っていたことを大人の自分なりに答えを出してみたとか。
よく知らない方ですが、テレビで見る印象がこれからはちょっと私の中で変わるかも。
(勿論、良い方です)
中1の次女も読んで、「へ~なかなか面白いね」と高評価でした。
これ1冊で終わらず、ほかにも素敵なお話を描いてほしいなぁ~。
出来れば、今度は、明るいかんじで・・・・^^;
★★★★
宿した命を喪った夫婦。
闇にとらわれた少年。
愛猫の最期を見守る老人。
濃密な文体で、人間の心の壁に分け入ってゆく傑作長編
(本の帯文より)
物語は、第一部、第二部、第三部に分かれていて、一部と二部はちょっと登場する主な人物が違うので「あれ?」と思いますが、三部で再び、一部に登場の人が主になり、ああ、これはずっと時間的にもつながっている物語なんだと気づきました。(気づくの遅い?^^;)
でも、ず~っと出て来くるのが1匹の猫・モン。
第一部では、家のそばでうるさく鳴く仔猫の声を、我慢できず、拾いにいき、でもやはり捨てる夫婦。
夫婦は、40歳の妻と52歳の夫で、あきらめていた子どもを授かったが、6ヶ月で亡くしてしまっていた。
仔猫といなくなったわが子を混同して考えたりもするが、所詮、猫なんだから・・・と捨てる。しかし戻ってくてしまう。そしてまた捨てる・・・・・
この拾う、捨てるの描写がリアルで、ちょっと気持ち悪かった。
第二部で出て来る中学生の少年は、父親と二人暮らし。
毎日の暮らしぶりや、少年の行動などを読んでいると、なんだかすご~く暗くて、重くて、切ないかんじ。
ある時、父親が仔猫を連れて来て、最初は殺そうかと思うのだけど、ある考えが浮かんで一応、世話をする。その間にちょっと心に明るいものが育つかんじだったのは、良かったけど・・・・
これも、最後はちょっと映像を思い浮かべると気持ち悪かったなぁ~。
そして三部では一部の夫婦が再び登場。
猫はどうやらこの家で飼われて「モン」という名前で可愛がられていたんだとホッとした。
二部でちょこっと登場していた猫も「モン」だったんだ!(またまた気づくの遅い?^^;)
どうやら、かなりの年月が一部から経ち、仔猫も老いて、人間も老いて・・・・・・
猫の最期を優しく看取る男の姿が切ないけど、胸にじ~んと来ました(/_;)
死ぬこと=自然なこと
何も恐れなくてもいいんだと猫が教えてくれているかのよう。
全体的に暗くて、重い物語なのに、ちょっと温かい気持ちになれるお話でした。
この方のお名前前から思ったけど、どんな由来でつけたのかしら?
「まほかる」って?
著者経歴を見て、ちょっとビックリ。
1948年生まれ。主婦、僧侶、会社経営などを経て2004年『九月が永遠に続けば』で第5回ホラ-サスペンス大賞を受賞
だそうです。
僧侶の経験があるんですね~。前に読んだ「アミダサマ」の描写を思い出すと、ちょっと納得。
怖いもの見たさで『九月が・・・・・』も読んでみようかな?
この方の文章に不思議な魅力を感じちゃいます。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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