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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年2月


男は世界的な写真家、女は梨園の妻
「真実を語ることは、これまでずっと封印してきました」
生前、桂一は博子に何度も言ったという。
「僕たちは出会ってしまったんだ」
出会ってしまったが、博子は梨園の妻で、母親だった。
「不倫」という言葉を寄せつけないほど正しく高潔な二人ーー。
これはまさしく「奇跡」なのである。
私は、博子から託された”奇跡の物語”をこれから綴っていこうと思う。
数々の恋愛小説を手掛けた林真理子が、一生に一度描かずにはいられなかった
”本当にあった”愛の物語。
38年ぶりの書き下ろし!

                   (講談社HPより)



林さんの書いたものだから手に取ったけれど・・・

正直、つまらなかったなぁ~。

もっとドロドロしていたり、二人が一緒になるまで、どんなふうに障害を
乗り越えたのか?とか期待(?)していたんだけど・・・

障害は、物語からはそんなに感じられず・・・
元夫も、すぐに再婚していたりして、へ~というかんじ。
お金とある程度の世間的評価がある人たちの世界での話は
一般庶民とは、かけ離れた世界なんだなぁ~と思わされただけの話。


ただ、博子と元夫の間に生まれた清之助くんは、凄く良い子だし
これからの歌舞伎界での活躍も楽しみ。
と言っても、歌舞伎の世界は全く無知だけど・・・

歌舞伎界をよく知っている人が読めば、また違ったのかな?


本の薄さと比例する内容の薄さに、ややがっかりだったな。

しかし、なぜ、自分の話を林さんに書いて欲しいと言ったんだろ?
世間に何アピール?
どうだ、羨ましいだろ?というと???
ま、確かに羨ましいけど・・・・


                         ★★☆
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発行年月:2022年2月


人知れず抱えている居心地の悪さや寂しさ。
そんな感情に寄り添い、ふと心が軽くなる瞬間を鮮やかに掬い取る。
注目の著者が放つ七篇。
「コードネームは保留」
楽器店で働く優香は、人知れず“殺し屋”の設定を生きることで、
味気ない日々をこなしていた。
「タイムマシンに乗れないぼくたち」
新しい街に馴染めない「ぼく」は、太古の生物が好きで、博物館が唯一落ち着く場所だった。
ある日、博物館で“現実逃避”をしているスーツ姿の男性と出会い――
「深く息を吸って、」
息をひそめるように日々を過ごすかつての「きみ」に、私は語りかける。
「対岸の叔父」
町いちばんの変わり者、それがぼくの叔父さんだった。
孤独と「戦う」わけではなく、また「乗り越える」でもなく、
仲良く手を繋いでとまではいかないけれども、
孤独とちょうどよい距離を保ちながらともに生きていこうとするような、
そういう人びとの物語を書きました。
――寺地はるな

                    (文藝春秋HPより)


7つの短編集。
それぞれの主人公たちに共通しているのは、今いる環境にちょっとうまく
馴染めていないということ。

こういう人たち、結構、いると思う。
他人からは、そう見えなくても、自分のなかでそう感じている人は多いと思う。

誰も少なからず、彼らのような気持ちを抱えながら、生きている。
そんななかでも、ちょっとしたことで、少しだけ前を向けたり、気持ちが
明るくなったりする話。


寺地さんの物語は、いつも優しい。



                        ★★★


発行年月:2022年2月


南国青春ミステリ。あのホテルにまた会える!
ここは楽園じゃないけど、面白いところではある。
「残念なパーマの、残念なハーフ。人呼んでザンパ」。不名誉なあだ名とともに暗黒の少年時代を過ごした青年ザッくん。どん底から救ってくれた親友たちに背中を押されて、沖縄の安宿・ホテルジューシーでバイトをすることに。そこで待ち受けていたのは、おいしい沖縄料理の数々に超アバウトなオーナー代理、そしてやたらと癖のある宿泊客たち。困難に立ち向かいながら、諦めムードだったザッくんの人生が、南風とともに変わっていく……?

                  (角川書店HPより)




表紙の絵、何処かで見たなぁ~と思ったら・・・

そうか!ホテルジューシーだった!

今回、バイトで訪れるのは大学生の松田英太(生まれも育ちも日本)。
中学生までは太っていて、見た目が外人。
父方の祖父が日本とドイツのハーフ。祖母がロシア人。
母は、中国系マレーシア人という何か国かのミックス。
気が弱く、思ったことを口にしないので、虐められる。

そんな自分が嫌で大学は地元を離れて東京へ。
段々、痩せてふつう体型になりもて始めたりするが、性格は変わらず
友達は出来ず、高校時代の友人、アマタツとゴーサンと連絡してる。

バイト先の弁当屋が店長の病気療養で2か月閉めることになり、ちょうど
学校も長期休みに入るタイミングで、バイト先のおばちゃんがみつけた
沖縄のホテルの募集に応募、採用で沖縄に・・・・・


懐かしい、ホテルジューシー。
相変わらずのオーナー代理・安城。
いい加減なようで、人間観察は鋭い!

比嘉さんの作る料理は、やっぱり美味しそう♪

宿泊客の関わるちょっとした謎解き面白かった。

松田くんは、ちょっとこじらせ体質だけど、良い子だし
ホテルジューシーでの体験を活かして、もっと大学生活を今後は
楽しめるといいのにな・・・。


松田くんはホテルジューシーの柿生さんのファイルを参考にしてたけど
松田くんの先輩アドバイスを読む次のバイトくん(さん?)の話も

いつか読めるかな?


沖縄の紅イモを生で本土に持ち込み禁止は知らなかった。
なるほど。


沖縄の首里城は、いつか行ってみたいな。



                       ★★★



発行年月:2020年10月


第7回暮らしの小説大賞受賞作!
誰かに認められたい。でも自分は自分—
不仲な両親の間で、体と心が2つに裂かれるような痛みを味わう薫子。
性的違和を感じ、ある日突然セーラー服で登校し始めるクラスメイトの中鉢。
それぞれが抱える戸惑いに互いにシンパシーを覚え、
心友となった2人が見つけた「居場所」とは……。
 
暗闇の中、「ありのままの自分」を受け止めてくれる「居場所」を目指し、
遠くの光に向かって歩く。
14歳の揺れ動く心情を細やかに、そしてユーモラスに描いた、
心にあかりを灯すデビュー作。


                   (産業編集センターHPより)


幼い頃から自分の心は女の子と思ってきた中鉢章雄。
中学で近藤薫子と知り合う。
薫子は両親の不仲に加え、女の子らしくを求められることに反発している。


2人が感じている違和感は、正直、うまく理解できないけれど
そう感じて生き難さのなかでも日々の生活を送っている姿は、読んでいて辛い。
特に章雄の場合、父親に過度なしつけという名の暴力を受けている。
そんな親、捨ててしまえばいいと思うのだけど、そういう簡単なものでは
ないのだということも知り、益々、辛くなる。

保健室の竹茂先生は、良い先生だな。
薫子と先生の連携があって、章雄は、父親から離れて生きることが出来そう。
父親は自分の過ちに気づくのだろうか?


こんな風に自分の性に違和感を感じて生きている子が、身近にいたら
どう接したらいいんだろう?
わからない。
でも否定はしたくない、わからないけど、寄り添うことは出来るかな。
違和感を感じて悩んでいる子が、そういう自分の胸のうちを吐き出せる
場所が、それぞれにあるといいんだけれど。


章雄の場合、皆の前でカミングアウトしたけど、凄いな。
そして薫子という親友が出来たのも良かった。
2人の友情がずっと続くといいな。


いろいろ、考えさえられた。
皆がよむべき書だと思う。



                       ★★★★★



発行年月:2014年11月


一家離散。親友の意外な行動。恋人の裏切り。自我の完全崩壊。
 ひとりの男の人生は、やがて誰も見たことのない急カーブを描いて、地に堕ちていく。
 絶望のただ中で、宙吊りにされた男は、衝き動かされるように彼の地へ飛んだ。

                    (小学館HPより)


下巻は1995年の1月の阪神淡路大震災から。
これを最初に、この年に色々なことが大きく変わる。
高校で親友になった須玖がふさぎ込み、学校に来なくなったことから
歩との関係も途切れてしまう。
そして、3月の地下鉄サリン事件で、姉・貴子の関わっていたサトラコヲモンサマの
信仰者たちにも誹謗中傷が殺到。
貴子は打ちひしがれ殻にこもったように。

そして歩は、大阪を離れ東京の大学に進学。
大学生活を楽しむ歩。
見た目がいい歩は結構、もてて、それをいいことに色々な女の子と・・・
そして小説を書いているという岩田と親友に。
新入部員の鴻上なずなとも男女の関係をお互いに意識しない友情を得る。

大学を卒業してバイト先(本屋兼レコード屋)での仕事をそのまま継続。
雑誌にコラムなどを時々載せて貰える。

容姿には自信があった歩が30歳で薄毛に悩まされるようになり、社交的な
ことは避けるようになる。
が・・・偶然、須玖に再会し友情復活。
そして、鴻上さずなとも再び会い、趣味が似ていることから3人で意気投合。



殻にこもっていた貴子は、矢田のおばちゃんの死を機にサンフランシスコへ。
そして、結婚し、夫と共に帰国。
ユダヤ教の夫と結婚するためユダヤ教徒になったと。


3人で遊んでいたのに、鴻上と須玖が付き合うといい、なんだか疎外感を感じて
誰とも会いたくなくなる歩は、毎日を図書館で静かに過ごす日々。
そんな歩を動かしたのは、姉の言葉。

ハチャメチャだった貴子だったけど、年を経て、いい大人になったなぁ~。
両親の離婚の真相を父親に聞くべきといい、歩は父親と会う。

2人の間にそんな事実があったとは!
衝撃的だった。

そして、父親は山寺にこもり出家。

歩はカイロへ向かい、ヤコブと再会!!
2人の再会は嬉しかった。


歩は自分の歴史を小説に3年かけて小説にする。



長い圷家の物語。
読む応えあって、最初から最後まで面白かった!



                       ★★★★★


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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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