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読んだ本の感想あれこれ。
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6d6cd391.jpg発行年月:2009年7月


3歳で失明し、46歳で「見る」ことを選ぶ----。
人間の脳と視覚の謎に迫る心震えるノンフィクション。
「見る」とは、本当に「生きる」とはどういうことなのかを確かめようとした一人の男の半生がここにある。
 

               (NTT出版HPより)
 

面白かった!

殆ど、物心ついた頃から視力がなく、目が見えないことに何ら不都合なく生活してきたマイク。
子どもの頃は目が見えなくても自転車はフルスピ-ドで飛ばす。
大人になってからは障害者スキ-の世界選手権で3つの金メダルを獲得している。
実業家としても立派に独立している。
結婚もし、子どもにも恵まれている。

でも、ある日、視力を取り戻せる可能性が大の治療を受けてみないか?と言われる。
悩む必要ないじゃない?と普通は思う。
けれど、マイクは言う。
「満ち足りた人生を送っている者に新しい能力が欲しいと思うか?」と。

随分、悩んだ末、幹細胞移植という目の手術を受ける。

そして視力を手に入れることに成功!

でも、物語はそこから始まったといってもいいくらい。その後、驚きの展開。

ただ、見えるというだけでは、完全ではないんだと初めて知った。
見えなかった者が視力を与えられるとは、こんな事なんだ?と。

最初は妻や子ども達の笑顔を見られて幸せそのもので、こちらも嬉しくなるのだけど・・・。


マイクにはその後もまた新たな試練が待っていて・・・・周りの人たちのそのときの気持ちを考えると胸が痛い。
勿論、マイクにもつい同情しちゃう。

けれど、この人はいつも前向き。
凄いです!そんな前向きの気持ちが奇跡を起したのかな?


何気なく不自由なくいろいろな物を毎日見ている自分が、それが出来るだけでどれだけ幸せなのか!?気づかせてくれました。

結構、厚い本ですが、スラスラ読めます。

この作家は他にもノンフィクション物を書いているようなので、そちらも読んでみよう!


★★★★★
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0eb2a026.jpg発行年月:2007年1月


幻の自伝的小説

人生最悪の14歳。
それでも彼の答えに“死”はナイ。

 
もう二度とこの友達とは遊ばない。
だけど、このままじゃ僕はつぶされてしまう。
大きな哀しみに小さな僕はつぶされてしまう。
飲み込まれてしまう。
ボケッ。
僕は僕を守るんだ。
悲しい色に塗り替えられてしまう前に。
僕の心は
僕が色を塗るんだ。

          (本の帯文より)

図書館棚に見つけ、「あ~そういえば、これ結構、話題になったな~」なんて思って読んでみました。
あまり期待せずに読み始めたけど、いや~参った!
結構、感動した!
文章の書き方、上手い!
読ませる、引き込ませる。


千原ジュニアさん、お兄さんとコンビ組んでいらっしゃる方。
ジュニアさんはドラマなどにも出ているので、顔はすぐ浮かびましたが、こんな過酷な中学時代を送っていたとは!

半分、引きこもり生活になって、両親の悲しい顔。自分にどう接していいのかわかないでいる様子もよ~く見てる。
でもどうしようもなく・・・・壁やそこらじゅうに穴を開ける。
近所でも陰でいろいろ噂されている。


そんな周りが好奇の目で見る状況のなかで、変わらず自分を認めてくれていた兄と祖母の存在が彼を救った。

お兄さんとは、今はコンビを組んで活躍されている。
お笑いの世界に彼を呼び寄せたのもお兄さん。

ジュニアさんのお兄さん、あまり目立たないけど、すごい良い人なんだ!
これ読んで、お兄さん・千原靖史(せいじ)さんが好きになりました!

おばあちゃんの言葉も良かったな~。
泣けた。


これは、子どもの気持ちが理解できずにいる大人たちが読むべきかも。
皆が皆、同じように上手く立ち直れるかは、わからないけど、悩んでもがいている子どもの心理みたいなものが少しわかるかも。


読みやすいので、中学生くらいでもすぐ読めると思います。

タレント本、侮れないな。


 
★★★★
fd6d3fd7.jpeg発行年月:2007年10月


真実の愛を求めて

「お話して、ピュ-」。みなし児の少女シルバ-は、盲目の灯台守ピュ-に引きとられ、百年前のある牧師の「愛の物語」に耳を傾ける・・・・。大海のごとく、魂を震わす傑作長編!


                      (白水社HPより)

図書館の海外作品の棚を眺めていて、なんとなく手に取り読みました。

冒頭から惹き込まれる文章。
書かれたことが頭の中で風景になって浮かんでくる。
こういう出だしのは、大抵、面白いはず!と期待が高まるかんじでした(^^)

そして・・・面白かった!

シルバ-が孤児になった経緯は、結構、哀しくて泣けるし、盲目のピュ-との暮らしも明るく楽しいわけではないのだけど・・・・・。
暗い闇に覆われたような世界。

盲目のピュ-が語るお話は灯台守たちに受け継がれてきた物語。
そして、100年ほど前にいた、ある牧師・バベル・ダ-クの話が語られる。

ある地から逃げ出すように海を渡り辿り着いた地で全てを終わらせるために結婚。
新妻は物静かで彼を愛したが彼はそうではなく、次第に妻を虐げる。
この辺を語るときは、ちょっと・・・・少女ピュ-に話すのはどうか?
と思われる描写もありましたが・・・^^;

そして、結婚する前に愛していた女性・モリ-との偶然の再会。

ダ-クは、二人の女性の間を行き来するという二重生活に。

物語を語るピュ-は、その時代に存在していたかのようにダ-クの事を語り、シルバ-に「ピュ-はまだ生まれていないでしょ?」と突っ込まれるのだけど。

その後、シルバ-は灯台を去り、今度は自分の物語の為に生きる。

完全にすっきりした終わりではないけれど、いろいろな想いを想像しながら余韻に浸れる。

始終、物語を読みながら、海が頭の中に描かれていました。
最後は、昼間の太陽の下の明るい海というかんじかな?


訳者の方も素晴らしいんでしょう。
文章がとても美しい。

明るい楽しい物語ではないのに、何度、読んでも飽きないかも。


何気なく棚から選んだ本だったけど大当たり!で嬉しい(^^)

でも好みの問題もあるので、みんなにお薦めとは言い難いです^^;

★★★★★
aa17762d.jpeg発行年月:2009年12月


日本中を言葉の力で飛んでいく新しい小説集

デザイナ-池田進吾氏発による、いしいしんじ、森絵都、栗田有起、西加奈子、藤谷治氏の読み切り小説集。「場所」に特化した全く新しい小説集です(今後、半年に1回ずつを刊行予定)。


                        (小学館HPより)
いしいしんじ・・・T
   西 加奈子・・・猿に会う
栗田有起・・・極楽
     池田進吾・・・赤、青、王子
   藤谷 治・・・すみだ川
       森 絵都・・・東の果つるところ

最後の森さん以外、お初かな・・・・どこかのアンソロジ-で読んだかもしれないけど記憶はないです。

最初のいしいさんの「T」は・・・・正直、読むのが途中で面倒になりました^^;
何を言いたいのか、わたしの読みが浅いのか?チンプンカンプンでした・・・理解しようと努力はしたんですが・・・。

西さん、栗田さん、池田さんは、まあまあ。
西さんの「猿に会う」は、仲良し三人組のだらだら加減が面白かったし、栗田さんの「極楽」も河童のQが極楽を求めた先にあったものに切ない哀愁のようなものを感じ、池田さんの「赤、青、王子」は、何の変哲もない物語だけど、言葉遣いのセンスは好き(^^)
すっごく面白くはないけど・・・この3つは普通に楽しめました。

5番目の藤谷さんの「すみだ川」、これが一番良かったな!
落語調の語りで物語がテンポよく進みます。
吉原の花魁と商人の話なんですが、ラストもキレイで粋でした♪

最後の森さんの「東の果つるところ」もよかった。
森さんはやはり上手い!期待通りでした。
左右対称を重んじる草門一族の話。そして一族の掟を破った末にこの世を去る由果の語りに夢中になりました。


手にしたとき、意外と厚い本だな。と思いましたが、ササッと読めました。
 
第二弾は半年後だそうで、そちらも読んでみようかな?

後ろ2つの作品だけなら★4つですが・・・・・^^;


★★★
 
3cd6b69a.jpeg発行年月:2007年2月


天使はものを食べない。あたしは病気でも拒食症でもない、ただ天使になっただけ。だから病院になんてやらないで。あたしの肩から生える羽がもうすぐみんなにも見えるはずだから。


                       (主婦の友社HPより)



主人公のマ-シ-は15歳。
父親は大学の先生。母親は環境問題を扱う弁護士。

両親はマ-シ-に大きな愛情を抱いているし、マ-シ-はすごく優しくて良い子。

でも、食事を食べなくなってしまう。
心配した両親は、何とか食事をしてもらおうといろいろ優しく説得するけれど・・・・自分は天使になる。羽も生えかけているから、食事なんて摂ったら天使になれなくなってしまうと言うマ-シ-。

結局、なんとかマ-シ-を摂食障害を治療する病院に入院させるのだけど上手く治療の成果が上がらない。
同じように治療を受ける女の子たちとの間では友情が育ち、よい友達関係を築くけど、ある事件をキッカケにマ-シ-は病院を抜け出す。

どうなるの?と思っていたら・・・・最後は偶然の奇跡がマ-シ-を救うという話。

図書館の棚にありなんとなく手に取った本ですが、意外と重い内容の出だしで戸惑いました。
同じ年頃の娘を持つ身なので、辛くて・・・
娘が摂食障害になったら?なんて想像しただけで、どうしたらいいのか?

マ-シ-の両親は、冷静に対処していたなぁ~感心!

とっても良い子なだけに、背負っていた物も大きかったんだと段々とわかります。

死産だった弟・ピ-タ-。
母親は仕事で心労、そこに息子の死という哀しみを抱えている。
母方の祖母は昔、ドイツの強制収容所で辛い目に遭っている。

周りの愛する人の苦悩をなんとかしてあげなくちゃ!と思う優しさが少女を追い詰めていた。

でも、その事にちゃんと周りの大人は気づく。
そして少女に語る言葉が素敵だった。

両親、おばあちゃん、病院から逃れて辿り着いた先のメアリ-とカ-ル。

ラストは、みんなが笑顔の様子が想像できてよかった!

いろいろと考えさせられる本でした。

娘にもいつか読んで欲しいな。

★★★★★
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