「すみません。はいどうぞ。シツレイしました。カシコリました!」
初めての着物。初めてのすき焼き。初めての恋-----。日本人と結婚した姉のきびしい監督のもと、十九歳の中国人留学生・虹智は高級牛鍋料理屋でアルバイトを始める。その純朴な目にうつる現代ニッポンの人間模様と日中韓の若者の姿。中国人初の芥川賞受賞で話題の著者が、おおらかな筆で描きだす、冬の鍋のように温かい物語。
(新潮社HPより)
楽しかった♪
そして、すきやきが食べたくなる!
自分で作った物じゃなく、お店の人が割り下を入れながら作ってくれるすき焼きがいいな~。
中国人留学生の虹智(コウチ)が可愛い。
一生権命バイト先で日本人の先輩たちの事を聞いて真面目に働く姿も可愛いけど、学校での交友関係も良かった。
韓国からの留学生・柳賢哲(ユヒ・ヨンチュル)の人懐こさに戸惑いつつも、友達として学校帰りに買い物に一緒に行ったり・・・
日本人のクラスメイトとの会話、バイト先のお店での出来事から、虹智が感じる違和感は、日本人には気付かないけど、外国の人はそう感じるのね?という面白さ。
前に書いてた作品でも同様なことを思ったけど、こういうのは日本人の作家では書けない内容でしょう。
可愛くて真面目でよい子なので、紅智は結構、モテてましたが、冷静に考えるあたりも好印象!
最後は、どうするの?っていうところで終わるんだけど、ちょっともイヤな終わり方じゃなかった。
あれこれ想像して楽しみました(^^)
この著者の作品は結構、読んでるけど、これが一番好き♪
★★★★★
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この世は完全犯罪だらけ。
誰にも気付かれなければ、それは完全犯罪なんです
鈴虫だけが知っている、過去の完全犯罪。蝶に導かれて赴いた村で起きた猟奇殺人事件。
いま最も注目を集める新鋭・道尾秀介が満を持して送り出す、初の連作短編集!
(角川書店HPより)
この表紙の絵が怖くて・・・・・ずっと気になりつつも読まずにいた書です^^;
でも、結構、評判良いみたいだし、他の作品でもこの著者の上手さは認めているので、思い切って読みました。
最初の3つくらいを夜、読み始めて・・・・怖いけど何とか我慢しながら。
最初の「鈴虫」は、サスペンスドラマを読んでるかんじで、怖いけど、まあまあ大丈夫。
「ケモノ」は、ちょっと切ないようなやりきれないようなモヤモヤしたかんじ。
「よいぎつね」は、20年前の祭の夜を回想しながらで、そこから漂うものが背中に寒気を感じさせた。
ここまで読んで、すごく怖くはないけど、なんだかイヤ~なかんじがしたので、本を閉じて残りは、翌日の昼間に持ち越し(笑)
結構、怖がりなのです・・・・^^;
「箱詰めの文字」・・・おぉ~っ!最後にビックリ!
「冬の鬼」・・・タイトルからして怖そう。やっぱり怖い!キャ~ッ!!
「悪意の顔」・・・先のが顔で終わったけど、また「顔?」ドキドキ・・・・
この話も状況をつい頭で考えてしまって・・・・ラストは、ちょっと謎が残るけど、不思議で怖い。
なんだろな~。不思議な怖さ。
怖くて、この先はもう読めないという程、ホラ-色は強くなく、最後まで読んじゃった。
でも全体を通しての不気味さ、ジワジワ背中の辺りに感じるイヤ~なかんじが続いてた。
この手の話が好きな人にはきっと文句なしの短編集だろうな。
次女に勧めてみよう(笑)
でも、やはりこの人は上手いな。
全部の話に登場する人物「S」と鴉。
違う場所での話なので、同一人物じゃないんだけど、イニシャルだけで語るって結構、怖い。
誰かの小説にもあった記憶だけど。。。
★★★★
魔法使いになりたいと願うちょっと変わった少女・結仁はある日、信じていた世界からはじきとばされてしまう。それを取り戻す戦いが、自立への道だった-----。
青山七恵初の書き下ろし長編小説!
(幻冬舎HPより)
第1章から3章まであり、1章では、主人公の結仁は小学4年生。
幼なじみの葵と史人と一緒に「魔法使いクラブ」を作り、放課後はよく3人で結仁の家の物置小屋でその会合を開く。
結仁は、クラスではちょっと浮いた存在。
あまり他の子たちに馴染めずにいるかんじ。
幼なじみの葵や史人といるときだけ生き生きしてるかんじがして。。。。ちょっとその辺が心配だった。
成長し、第2章では中学生。
ちょっと異性にも興味が深まり、好きな人が出来たり。
反対にちょっと疎ましく思う存在もあったり、いろいろな感情が揺れ動く時期。
魔法クラブは小学生のときのように頻繁には集まらないけど、結仁の中には、唯一の拠り所だったのかな?
でも成長した3人には、また別の人との繋がりが出来、考え方にも相違が出て来て、葵との関係もいつしかギクシャクし始める。
結仁の家庭環境にもなんとなく不穏なものが出始めてきて・・・・
第3章の高校生では、ビックリの変化。
器用に立ち回れない結仁だけに、一人取り残されてしまったかんじで痛々しい。
第1章の微笑ましい幼なじみのやりとりからは全く予測出来ない展開でした!
結仁の葛藤・・・・どうしたら救われえるのだろう?読みながらちょっと息苦しくさえなってきました。
でも・・・ちょっと明るい光が見えたラストにホッ!
結仁の生き方が、これでちょっと変わるのかな?と期待できて良かった。
頼りない史人でしたが、やるじゃん!と驚いたけどちょっと見直した。
小学生時代にやった事は、ちょっとやり過ぎだったけど。。。。
前半部分を読みながら、娘にも薦めようかな?と思いましたが、後半は結構、重いのでやはりこれは大人が読む方がいいかな?
若い子が読んでどう思うかも聞いてみたい気もするけど・・・・^^;
★★★
発行年月:2009年10月
うちのチッチは小説家で世界一のお父さんです。
売れない小説家と息子の、慎ましくも愛おしい日常。孤独を抱え、支えあう父(チッチ)と子。
変わりゆく親子の変わらない愛情を描く、感涙の家族小説。
変わりゆく親子の変わらない愛情を描く、感涙の家族小説。
(毎日新聞社HPより)
青田耕平39歳。まだ作品が重刷された経験はないけど地道に活動する作家歴10年の男性。
その息子・カケル10歳。
耕平の妻は、3年前、交通事故により他界。
以来、父子で暮らしている。
耕平は家事もこまめにこなし、カケルはやんちゃ盛りの元気で明るい良い子。
二人の暮らしぶりには、暗さは全くみられない。
けれど・・・耕平は妻の事故死に今もちょっとした疑問を持っている。
カケル君がなんと言っても可愛いです(^^)
男の子もいいなぁ~なんて娘しかいないわたしは思ってしまう。
小説家の耕平の暮らしぶりは、著者である石田さんの私生活がヒントかな?
石田さんも子どもさんにはこういう対応していて、奥様はいらっしゃるけど、結構、料理なんかもしちゃったりするのかな?なんて想像しちゃいました^^;
作家の日常もちょっと見られて楽しかったなぁ~。
作家活動って孤独なイメ-ジありましたが、作家仲間同士の交流なんかもあるんですね?
文壇バ-に集う仲間との関係も素敵♪
優しくて温かくて、ちょこっと泣ける、良いお話でした。
石田さんの作品、久しぶりに読んだけど、よかった!(^^)
★★★★
生き方を変えたと、友が笑う。幾星霜を責めるでもなく、悔いるでもなく――。

騒擾の青年期を過ごした先にあったのは、もはや誇るべき死に場所などない新たな時代。首都建設の槌音が響く江戸の町で、武士を捨てることを選んだ男たちの慎ましくも熱い矜持を描く。人生も時代も、この手で拓いた――生きることの華やぎと寂しさを端正に描き、遅咲きの本格派と注目されつつ惜しくも世を去った著者の最高傑作。
(新潮社HPより)
著者の作品で時代物の小説の面白さに目覚めたと言っても過言ではありません。
けれど・・・惜しくも2009年8月に胃がんの為亡くなられたのですね・・・とても残念です。
これは、多分、病気療養中に執筆されていた作品。
短編が5つ。
ホントは7つで発行予定だったとか。
物語は、江戸時代。
徳川幕府が開かれ、戦をしていた元武士が違う生き方を余儀なくされた時代。
大河ドラマや歴史の教科書でも著名な戦国武将の生き方は、ある程度知らされていますが、この物語では戦国の時代後の日本の変化をみせてくれました。
元武士の視点からだったり、商人や子どもの視点から。
当たり前のことだけど、こういう時代の変化があっての現在なのだなぁ~と読みながら納得。
今まで知らされなかった歴史を知ったようなかんじがしました。
やはり、この著者の話は面白い!
新しい本が読めないのは、とても残念ですが、過去の作品でまだ読んでない物を順番に読んでいこうと思います。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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