まもってやれるだろうか。この俺に。
多摩川土手に乗り捨てられたワンボックス・カーから、血塗れの左手首が発見された! 姫川玲子たち捜査一課殺人犯捜査係の刑事たちは、所轄と組んで捜査にあたる。しかし、手首の持ち主と思しき男の周辺を調べていくうちに、つぎつぎと意外な事実が浮かび上がって……。
進境著しい俊英・誉田哲也が渾身の力をこめて描く、丹念に積み上げられた捜査小説にして、胸をうつ犯罪小説の白眉!
(光文社HPより)
姫川玲子シリ-ズ。
先にシリ-ズ4作目「インビジブル・レイン」を読んでしまいましたが、面白かったので
シリ-ズ1作目「ストロベリ-・ナイト」に続き読みました。
事件の真相究明の過程が丁寧で、今回は高岡賢一という男の狂気にも似た父性が軸にありました。
こんな形で一人の若者を庇うって、凄い!
鳥肌が立つほどの衝撃でした。
事件解決に向けて奔走する警察関係者の面々がまた個性豊かで真面目な捜査のなかに、可笑しい会話があったりで、緊張感のなかにもユ-モアありなのがこのシリ-ズに魅力かな?
玲子に好意を寄せる男性陣たちのバトルもどこかユ-モアあり!
相思相愛なはずの玲子と菊田の関係は、前作よりは少し進歩した様子。
でも、邪魔者が入るんだよね~^^;
職場での立場上、玲子の方が上という設定なのも菊田にしてはなかなか強引に進めない要素。
玲子の天敵とされる日下警部補でしたが、結構、軟化傾向で締めくくられていたのが微笑ましかった。
監察医の國奥先生と菊田との恋のライバル・井岡、この二人が出てくると緊張感が緩むのも可笑しい。
シリ-ズの次の話ではどんな事件解決に挑むのか?
楽しみだ。
★★★★
五十歳を目前にして会社をリストラされ、妻や娘からも愛想を尽かされる居場所のない男に、ある一つのアイディアが。ほんの半歩踏み出す勇気----それが「ひなた弁当」のレシピです。
(中央公論新社HPより)
主人公の芦溝良郎は、自身を押しが弱く、要領が悪くと自己を低く評価していたけれど・・・
それ以上に、良いところがいっぱいある人なんだろうな。
確かに、もうちょっと上手く立ち回れば?なんて思う事もあるのだけど^^;
リストラされて、就職先が見つからず、夕方まで時間を潰す、その間に出会った事が運命を変える!
公園でどんぐり拾いをする親子をみて・・・どんぐりって食べられないのかな?とふと思った事がキッカケで野草を探して、食べてみたり・・・・
川で魚を釣る人に遇って身近な川にも食べられそうな魚が沢山いる事も知り・・・・・
自分の昼食用に集めた食材で、お弁当屋さんが出来ないものか?と考えるのは、なかなか出来ない
発想でしょ!?
そういう発想が出来るって凄いな~(^^)
物語は、単なるサクセススト-リ-だけでなく、良郎の家族や出会っていく人達との関わりを通して感じる、心温まる話の数々もあって、良かった!
でも、同じような立場の人が読むと・・・・そんな上手く行くか?と言われるかもしれないけれど・・・。
どんな状況でも、逞しく生き抜く姿は気持ちいい!
人間、逞しさが大事だな。
前向きに頑張る人には、運も味方するのかも?なんて思いました。
ある冬の日、少女は殺された。
けれど少女は天国から愛する家族を見守りつづける。
「わたし、みんなのこと大好きだから、
ずっとそばにいるから・・・・・・」
家族の崩壊と再生、そして永遠に消えることない愛を描き、
全世界からかつてない熱狂で迎え入れられた、驚異のデビュー小説。
(ア-ティストハウスHPより)
同名の映画が公開され、映画にも興味あったのですが、見に行けず・・・(T_T)
原作本があると知り、読んでみました。
冒頭から、殺されたと語るス-ジ-の言葉。
淡々と事件までの経緯を語るその様子は、何とも言えない気持ちになります。
同年代の娘を持つ親としては辛い話でした。
そして、ス-ジ-は天国で友達となったフラニ-と共に下界の様子を日々観察。
14歳で殺されたス-ジ-。
愛する家族や、好きだった男の子の様子が気になるので、そんな人々を見ながら・・・
でも、自分が居ない世界。
父親は、犯人探しをし、父親なりの勘で、ミスタ-・ハ-ヴェイが犯人だと確信する。
しかし、周囲の人々や警察ですら、その勘を信じてくれない。
確証がないから。ハ-ヴェイの嘘を見破れる者がいないから。
そして・・・・・父親が変わり者とされてしまい、ス-ジ-の妹・リンジ-も殺された少女の妹であり、変わり者の父親を持つ娘と見られてしまう。
家族間もなんだかギクシャクして、母親は辛さに耐え切れず家を出て行く。
どうなるの?この家族は?
と心配しながら読みましたが・・・・年月が少しずつ、傷をほぐしてくれた様子。
警察でも少しずつ、犯人逮捕の手がかりを見つける。
けれど・・・わたしの予想とはちょっと違う展開だったなぁ~。
てっきり犯人・ハ―ヴェイは逮捕されると思ったのだけど・・・・。
その辺、ちょっとスッキリしなかったけど、
家族が少しずつ、それぞれの生き方を見つけていく様子は良かった。
ギクシャクしたのも、お互いを愛していたからかも。
辛い事件の背景にあった家族愛も強く感じられるお話でした。
本の著者紹介で、驚いたことに、本人も大学生のとき、レイプという辛い体験をしたそう。
この物語を自らの体験に基づいて書いたのかな?なんて考えるとちょっと複雑な気持ちになるけど、生きていれば、幸せな暮らしもその後、待っていたとも考えて、レイプした挙句、殺した犯人が余計に許せなくなりました。
映画もDVDで見てみよう!
【キケン】成南電気工科大学機械制御研究部
略称【機研】。
彼らの巻き起こす、およそ人間の所行とは思えない数々の事件から、周りからは畏怖と慄きをもって、キケン=危険、と呼び恐れられていた。
これは、その伝説的黄金期を描いた物語である。
(本にある解説文より)
ハチャメチャな大学の部活動を描いた物語。
理系の男子って、こういうの好きだよね~。
わたしにも理系の弟いるので、この雰囲気は想像出来ます(^^)
主な登場人物は4人。
イラスト入りで紹介もあるので、そのまんまのイメ-ジで読みました。
部長の上野が特に強烈なキャラ。
爆破が趣味なんて・・・犯罪一歩手前だよ!
でも、ちゃんとそのストッパ-役の大神が彼を抑制。
とはいえ・・・・許される最大限までは一緒に楽しんじゃうのが面白い。
物語は、こんなハチャメチャコンビが部長、副部長を務める部活に池谷と一緒に入部してしまった元山が大人になって、妻に当時の事を話して聞かせる形で進む。
いつもバカばっかだけど、大神の失恋の話は、ちょっと気の毒だったなぁ~。
あれは女子大生がいかんでしょ!!
大神が気の毒過ぎるよ~。
そして、最後は、嬉しい出来事!
みんなの大人になっての近況報告がありました(^^)
今回も楽しかったなぁ~。
有川さん、最高!!
毎度の事ながら遊び心も憎いな(^^)
前代未聞、救急車がジャックされた。車内の様子がすべて無線で傍受され、ネットにアップされる中、救急車はタイムリミットを目指して走り出した…。ノンストップ・タイムリミット・サスペンス。
(双葉社HPより)
救急車で患者を搬送する救急隊員の話でしたが、単なるお仕事の話でなく、ジャックされるという展開には驚きました。
犯人は何の為?は大抵予測付きましたが、こういう犯行に及ぶのは許せないな。
わたし自身、以前、看護師として病院にも勤務していたということもあるけど、救急隊員の人たちの仕事って、ホント大変!
マスコミでも患者の搬送先がなかなか見つからず・・・とか、救急車を要請する患者側のモラルが低下しているとか、日本の救急医療システムの問題点が取り上げられているけど、こういう小説という形で、実態が描かれるとリアル。
ジャクされた救急車に乗っていた隊員たち3人が格好いい。
隊長の筒井。運転の生田。女性隊員の森。
チ-ムワ-クが素晴らしい!
この著者、最初、男性かと思いましたが、女性なのね・・・^^;
よく見たら著者名ロ-マ字で TACHIMORI MEGUMI とあったし、後ろのプロフィ-ルには女子大出身とありました。
この作品の前には、警官ものを書いてる様子。
そちらも読んでみたいな。
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;