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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2005年5月 (単行本は白蛇島 2001年11月)


二人の少年が体験する、夏の冒険譚。三浦しをんの新たなる世界。
高校生の悟史が夏休みに帰省した拝島は、今も古い因習が残る。
十三年ぶりの大祭でにぎわう島である噂が起こる。
【あれ】が出たと……
悟史は幼なじみの光市と噂の真相を探るが、やがて意外な展開に!

                (角川文庫HPより)


しをんさん、こんな作品も過去にあったんだぁ~。
知らなかったなぁ~。

登場人物の設定がちゃんとしていて、それぞれの心理描写も巧み。

13年ぶりに島で行われる大祭。
高校進学と共に島から離れて暮らしていた悟史が幼馴染・高市のいる島に
久しぶりに帰ってく高市

島に昔から伝わっていること。
御神体として祀られている白蛇様(荒神様)のこと。

不思議なことがいろいろ。
そして悟史には見えてしまうもの。

荒神神社の兄弟の確執。
次男の荒太と犬丸の関係。


冒頭から現れた「あれ」の正体は、島出身のある者による思惑が起こしたことで
決着がついたけれど、そのほかの謎がいっぱい。

でも雰囲気は楽しめた。
はっきりわからなくても十分。

犬丸が言った言葉が印象的。
「カミサマはなんにもしてくれない。ただ見ているだけなのさ」

そうだなぁ~。
そういうものかもねと納得。

まだ18歳の悟史と高市は、離れて暮らしていてもずっと強い絆で結ばれて
いるんだろうな~。
彼らのその後の話も読みたいな。



ホラー色多めのファンタジー。
楽しかった。



                     ★★★★★

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発行年月:2023年5月


作家生活10周年記念! 物語の魅力がぎゅっと詰まった、珠玉の作品集
「緑の子どもたち」
植物で覆われたその家には、使う言葉の異なる4人の子どもたちがいる。言葉が通じず、わかりあえず、でも同じ家で生きざるを得ない彼らに、ある事件が起きて――。
「空へ昇る」
大地に突如として直径二爪ほどの穴が開き、そこから無数の土塊が天へ昇ってゆく“土塊昇天現象”。その現象をめぐる哲学者・物理学者・天文学者たちの戦いの記録と到達。
SF、児童文学、ミステリ、幻想ホラー、ショートショート etc.
書き下ろし『この本を盗む者は』スピンオフ短編を含む、珠玉の全11編。


                    (発行/角川書店)


色々なジャンルの話。
ファンタジィーっぽいのもあれば、SFっぽいの、ちょっと恐ろしいもの。
そして、どの話にも惹き込まれた。

印象的だったのは
<カドクラさん>
戦争のため、母の遠縁にあたる90歳のカドクラさんの家に疎開したミノル。
カドクラさんは若い頃戦争に行ったと母に聞いていた。

ここで「え?」と思う。
今起きている戦争って昭和の戦争じゃないってこと??

一挙に恐ろしくなった。
こんなことが繰り返される世の中には、なりませんように・・・。


<本泥棒を呪う者は>も面白かった。
本を盗まれた犯人探しをアルムが大きくなってしていくのかな?
その話が<この本を盗む者は>に書かれているようなので、そちらも
早々に読んでみたいと思う。


おとぎ話っぽくて好きなのは最後の<緑の子どもたち>
植物に覆われた家に住む4人の子どもたち。
自転車づくりを通じて関わりをもっていく様子が微笑ましかった。


面白いお話を書く作家さんだな。

表紙の絵になっているお話は一番最初の<海>。
これも幻想的で美しい不思議なお話だった。



                       ★★★★




発行年月:2023年4月


父の余命は一年のはずだった。それなのに……。
残される者たちの切なる思いと相克が渦巻く。
椎名家の人々
椎名利夫(79)・・・断続的な腹痛に苛まれ検査を受けたところ、がんが発覚。急遽入院となるが、もはや打つ手はなかった。
椎名慶子(74)・・・夫の利夫の病状を知り、彼のために、娘の晴れ姿を見せようと奮起するが……。
椎名由希子(40)・・・小説家としてデビューするも鳴かず飛ばず。父の死期を前にしても、いつもと変わらず日々を過ごす姿に周囲は困惑する。
西田真理子(39)・・・両親から見れば「優等生」の人生を歩んできた次女。二人の子どもの母親。姉の由希子のことを絶えず気にかけている。

                   (光文社HPより)


親が亡くなる。
誰でも体験すること。
それでも、それぞれ家族間では向き合い方が違ったり、そのことで意見が対立
したり。
そんなリアルな心情を描いた作品だった。


父親の死期が迫っている。
なんとか、父親に幸せな瞬間を味わってほしいと願う家族。
それは共通していることだけれど
母親は、40歳になっても結婚する気配のない長女にやきもき。
親戚の叔母や叔父も同様な考え方。
う~ん。なんか嫌だなと思いながら読んでいた。

母親と長女の本音の話し合い。
そして、母親はやっと長女の気持ちを理解したかな?
それは良かった。

親は、子どもが幸せで生きてくれるのなら、それ以上は望まないものだと
同意。

いよいよ、死期が迫り、個室に移った父親を前に、思い出の
場面(ハンバーガーをみなで食べる)を演出した長女は、素敵な人だなと
思った。
こういう場面を最期に見られて、利夫もきっと嬉しかったと思う。


いい家族だなと思った。



                      ★★★★★



発行年月:2023年1月


桐野夏生が描く「バブル」
欲、たぎる地で向かえる圧巻のクライマックス
時代はバブル全盛に。東京本社に栄転が決まった望月と結婚した佳那(かな)は、ヤクザの山鼻の愛人・美蘭(みらん)のてほどきで瞬く間に贅沢な暮らしに染まっていく。一方の水矢子(みやこ)は不首尾に終わった受験の余波で、思いがけない流転の生活がスタートする。そして、バブルに陰りが見え始めた頃、若者たちの運命が狂い出す......。
目次
第三章 ドリーム
第四章 フェイク
エピローグ

                 (毎日新聞出版HPより)


バブルが弾けることは、知っているので、その過程と
佳那と水矢子のその後は気になり読み進む。


佳那は望月と結婚し、専業主婦になり東京の一等地のマンション暮らし。
贅沢に慣れ、知り合ったホステスの美蘭とホストクラブで遊ぶ日々。


そして、やってくるバブル崩壊。
株の暴落。



儲け話に乗って来た人たちは、自分たちに損失が出るとその責任を
人に押し付ける。
ヤクザがそれに絡んで来たら、命も狙われて・・・恐ろしい。


望月は最後、泣いてるだけなのに対して、佳那は強かった。
一瞬で覚悟を決めたかんじで潔ぎ良かった。

水矢子は、ある程度儲けたら、貯金し、余分な投資をせずバブル崩壊の
影響を受けず良かったと思いきや・・・・
別の理由で転落人生が・・・


真珠は、佳那でダイヤモンドは水矢子だったんだ。


面白くて一気読みさせてくれたのは、さすがの桐野さん。



                    ★★★★



発行年月:2023年1月


桐野夏生が描く「バブル」
実体なき熱狂の裏側をえぐる傑作長編!
1986年春。二人の女が福岡の証券会社で出会った。一人は短大卒の小島佳那(かな)、もう一人は高卒の伊東水矢子(みやこ)。貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出ていく夢を温めていた。野心を隠さず、なりふり構わずふるまう同期、望月昭平に見込まれた佳那は、ある出来事を契機に彼と結託し、マネーゲームの渦に身を投じていく。
目次
プロローグ
第一章 バブル
第二章 フィーバー

                    (毎日新聞出版HPより)



バブル期の証券会社が舞台。
この時代のことは、懐かしい。
民営化に伴ったNTT株の売却に奮闘する証券会社社員たち。
世の中、少しお金のある人は誰でも欲しがるNTT株。
この先、バブルは弾けることを知っているから、面白い。


下巻で絶頂に上っていい気になっている人たちが、どうなってくのか・・・
表題の意味は?

スラスラと読めるのは、さすがの桐野さん!


急いで下巻を読もう!



                      ★★★
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