発行年月:2004年5月(本書は2001年5月に刊行された単行本に書き下ろしを
加え文庫化したもの)
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。 瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟にように育ったのだ。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変わっていき…。 透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。月光の中で一瞬見せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。
(角川文庫HPより)
ちょっと多田便利屋の二人のようなかんじ。
本田真志喜と瀬名垣太一。
でも少し怪しい雰囲気もあるんだけれど・・・・。
二人は特殊な世界で幼いときから生きてきた。
古書の世界って、よくわからないけれど、お客の元に出向いて
本の査定をして引き取り、またそれを売るという商売。
ふたりは、真志喜の祖父・本田翁に目をかけられる。
真志喜の父親はそんな様子を見て、自分の居場所がないと姿を消す。
そんな父親と再会し、とある蔵の蔵書を査定し合う。
依頼主は夫が亡くなったため、その蔵書をどちらかの古書店に売りたいという未亡人と
その親族。
査定合戦に加えて、1冊だけ手元に残すとしたらどの本が良いか選んで欲しいという注文。
ここでも敗れた父親。
ちょっと哀れだったなぁ~(^^;
二人の今後の話も読めるといいんだけれど、もう書かないのかな?
★★★★
発行年月:2015年5月(初刊:昭和55年)
お産が近づくと屏風を借りにくる村人たち、
両腕のない仏さまと人形――
奇習と宿業の中に生の暗闇を描いた表題作をはじめ七篇を収録。
(中央公論新社HPより)
以前読んだ、「洋子さんの本棚」で出てきた本。
興味を覚えたので、図書館で借りて読んでみました。
時代が少し前なのかな?
表題作を含む7編の物語は、どこかノスタルジックで、暗く重たい雰囲気を
漂わせるお話でした。
地方に伝わる風習だったり言い伝えだったり・・・。
表題作は一番はじめに登場。
みちのくで「旦那さま」と呼ばれているまだ30代くらいの青年と知り合った
主人公が彼の住む山深い家を訪問する話。
その青年の家に住むものは代々、旦那さまと言われていた。
そのわけは・・・
最初から、ちょっとゾクゾクと背中が寒くなるようなお話で、そんな雰囲気は
ほかの話でも感じました。
文章も読みやすく、他の作品も読んでみたいなと思えた。
★★★
発行年月:2015年1月
さやかと小学生の娘みちる。
亡き夫・悟の想いを胸に、穏やかな毎日を送っていた。
だがある日、家に一通の手紙が届く。
差出人の名前は、 さやかが封印した記憶を呼び覚ますものだっ たーー。
家族の新しい幸せな絆を発見する物語。
(幻冬舎HPより)
さやかの周りの人達がみんないい人。
亡き夫の両親が、本当に温かい良い人たちで、さやかは幸せだなぁ~と思った。
こんな義母さんなら夫が亡くなっても離れたくないかも。
けれど、義父母さんたちは、さやかのことを一番に考えてくれて・・・・。
ある日、届いた手紙は、偶然、元カレのものだったというのは、ちょっと
出来すぎな偶然ですが、こういう展開は好きなので、許せちゃう(^^;
ばななさんの作品には、よくバリが出てくるけれど、ばななさん自身が本当に好きな
土地なんだろうなぁ~。
さやかの娘・みちるもきっと素敵な女性に成長するんだろうな。
みちるのその後もまた書いてほしいな~。
★★★★
発行年月:2014年3月
楽園タヒチで繰り広げられる、全女性必読の恋愛小説!
誠実で穏やかな年下彼氏と、 奔放で激しい元彼との間で揺れる32歳の女心――
すべての大人の女性に贈る激しく 切実なラブストーリー。
(文藝春秋HPより)
ジュエリーショップ(真珠を主に扱う)でチーフとして働いている
藤沢真奈(32歳)。
6歳年下の彼・大野貴史は、一流企業に勤める、堅実で明るくて優しい好青年。
仕事場ではその有能ぶりを上司にしっかり認めて貰っていて、
私生活も充実・・・・なんて羨ましい女性なんでしょう。
そして・・・真珠の買い付けに社長と行ったタヒチで、10年前に別れた
元彼の朝倉竜介と偶然の再会!
ああ、これでまさか???と思ったら、予想通りの展開になってしまった^^;
でも真奈の言動には好感しか持てなかったので、予想通りの展開になっても
嫌な女という感じはなく・・・
でも、貴史が何だかとっても気の毒で、複雑な気持ちになってしまった。
でも、まあ、これは女性として理想的な結末かも。
舞台になったタヒチの風景が浮かんでくる。
バーテンダーのジョジョが素敵でした!
結構厚い本(468頁)でしたが、スラスラと読み終えました。
★★★
発行年月:2015年1月
幼い頃から想いを寄せていた諒一を奪った親友・百合。二人の息子に「直巳」と名付けた日から、真由子の復讐が始まった。22歳年下の直巳を手塩に掛けて〝調教〟し――。谷崎潤一郎作家の山田詠美が、名作『痴人の愛』に挑む、絢爛豪華な愛憎劇!
(中央公論社HPより)
前からこの著者の文章が好きでしたが、これは秀逸!!
谷崎潤一郎の『痴人の愛』が文中にも出てきて、主人公の真由子が親友の息子・直巳を
幼い時からずっと見守り、自分好みにつくりあげていく過程が描かれる。
それに伴い、直巳の母・百合と真由子の幼いときからの関係が描かれ
表面上はお互いが親友として付き合うけれど、心の奥に秘めるものが
成長するにしたがって大きくなっていく。
真由子の父の死の真相は衝撃的だったなぁ~。
大好きな父親の死の真相を知ったショックは相当なものだったでしょう。
そして息子の直巳と真由子の関係を知った百合もショックだと思うのだけど・・・・
真由子も百合も衝撃を受けたであろうのに、その気持ちをあまり表さず
変わらぬ親友の付き合いを続けているところが、怖かった。
ドロドロの愛憎劇が中身なのに、表面上は綺麗な文章でサラサラと過ぎていく。
谷崎の『痴人の愛』をまた読んでみたくなった。
★★★★★
カレンダー
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(07/12)
(07/10)
(07/06)
(07/03)
(07/02)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
カウンター
フリーエリア