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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2006年3月


 ええ、はい。あの事件のことでしょ? えっ? どうしてわかるのかって? そりゃあ、わかりますよ。だってあの事件が起きてからの一年間、訪ねてくる人来る人みんな同じことを訊くんですから……。数多のエピソードを通して浮かび上がる、人間たちの愚行のカタログ。痛烈にして哀切、『慟哭』の作者が放つ新たなる傑作!

                  (東京創元社HPより)



映画化されたので、気になり読んでみた。

冒頭に書かれていたネグレクトの事件が展開されるのかと思ったら・・・
別の一家四人惨殺事件の被害者夫婦を知る者たちの取材文で進んでいくという
もので、ああ、この事件と最初のネグレクトで逮捕された女性は
何らかの関わりがあるんだな~と予測しました。


ま、結末は、その予想通りだったけど、
殺された一家の夫婦の過去を知る人たちの話は、興味深かった。

夫は、早稲田大学卒で、妻は慶応大学卒。

夫の方は嫌なかんじだったけど、妻は、そんなに嫌な人という印象は
受けなかった。
だけど、実際に関わると違うのかな?
本人は全く悪気がないのに、人を傷つけるタイプ?

しかし、殺されちゃった子どもたちが気の毒過ぎる。


始終、会話文なので読みやすい。
しかし、後味悪いな。
慶応のイメージ悪くなるな・・・と思ったら、著者は早稲田卒でした。
実際の大学名出さなくても良かったんじゃないかな?
なんて思ってしまった。


映像化されたものも、ちょっと気になる。




                           ★★★
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発行年月:2016年2月


 

震災のため原発四基がすべて爆発した! 
警戒区域で発見された少女「バラカ」。ありえたかもしれない世界で蠢く男と女、その愛と憎悪。超大なスケールで描かれ
るノンストップ・ダーク・ロマン!


                  (集英社HPより)







震災前と震災後の話。

主人公はバラカ。
ドバイの市場で日本人の木下沙羅に買われる。
沙羅は当時、出版社勤務で大学時代の親友で
テレビ局勤務の田島優子が同行。

沙羅はバラカに光という名前を付けるが、
大学時代の知り合い川島と再会し

結婚、川島の子を妊娠し、バラカの存在が疎ましくなり
優子の元に預け
川島と共に仙台に引っ越す。

そして3.11。
沙羅は震災で津波の犠牲に。

バラカは優子の元にいたが、川島が奪う。


震災後、警戒地区のペット保護の為、
仲間と訪れた豊田吾郎は、犬たちと一緒に

居る幼い女の子を見つけ保護する。
女の子が「バラカ」と発するので薔薇香と名付け、
自ら保護者となると決める。



原発推進派と反対派の間にある亀裂。
そこに残されたまま、置き去りにされた人々の思い。

色々なことを改めて考えさせられた。


川島が兎に角、不気味で、10歳のバラカが再び、
川島につかまった時は
どうなる?とハラハラ。
しかし、同級生の男の子とその母親が味方してくれ

なんとか逃げることが出来たときは、ホッとした。

最後は、バラカが成人した後日談。
なんとか、普通の人の暮らしを送れているということかな?



暗くて重たい話だったけど、読み応えは十分だった!


                       ★★★★


発行年月:2016年3月


 沢を知りつくした
4人の友人と巡る、つぶよりの金沢


辻 和美さん(ガラス作家)
竹俣勇壱さん(金工作家)
利岡祥子さん(福光屋)
岩本歩弓さん(岩本清商店)


人気スタイリスト伊藤まさこさんが、金沢を知り尽くした地元の「通」4人とともに、金沢および周辺の見所を厳選案内。著者が選んだ名店から、金沢人しかわからない穴場、オススメメニューをはじめ、季節ごとの街の表情までも紹介。グルメ、カフェ、お買物、美術、骨董、自然、散歩、そしてホテル情報まで、幅広く金沢を愉しみ尽くすための一冊です。巻末には、まさこさんが現地で手に入れた器や道具、食材の使い方のページ、地図、交通情報も。

                    (宝島社HPより)



金沢の魅力が沢山、詰まった本!
やっぱり素敵な場所だなぁ~。

次女が金沢の大学にいるので、数回は行ったことあるけど
観光目的で、のんびり、ここにある幾つかを巡ってみたいなぁ~。

21世紀美術館は、素敵だったので、また行きたい!
暗くなってから行くのもいいな~。


今度、実際に行くとき、またこの本、開こう♪


                      ★★★



発行年月:2016年8月


 
逃げ続けることが、人生だった。

家族に時効はない。今を生きる「子供たち」に昭和最大の未解決事件「グリ森」は影を落とす。

「これは、自分の声だ」
京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった――。

未解決事件の闇には、犯人も、その家族も存在する。
圧倒的な取材と着想で描かれた全世代必読!
本年度最高の長編小説。

昭和最大の未解決事件―「ギンガ萬堂事件」の真相を追う新聞記者と「男」がたどり着いた果てとは――。
気鋭作家が挑んだ渾身の長編小説。

                     (講談社HPより)




グリコ・森永事件を基に書かれたフィクション。

こちらは有名な菓子メーカー「ギンガ」と「萬堂」に脅迫した事件。

事件の真相を追うのは、その事件に関わっているかも?と思う
曽根俊也と新聞記者の阿久津。

曽根は、父親の遺品のなかに、黒革のノートに書かれた英文と
カセットテープに自身の子ども頃の声が入っている脅迫めいたものを見つける。


脅迫文やら、当時ニュースで聞いていた文言と同じ。
過去のグリコ・森永事件のことも思い出した。
再三写し出される犯人の男とされるキツネ目の男の顔も。


脅迫に子どもの声を使うって言うのは、ちょっと許せない。

物語では、そんな事件に関わってしまった子どもたちのことも書いているが
なんとも哀しい。

未解決のままの事件だけど、事件の関係者は、どんな風に生きて居るのかな?


塩田氏の取材力も凄いな~と感嘆!
経歴を見ると、元新聞記者だとか。

過去の本も読んでみたくなった。



                         ★★★★★


発行年月:2016年12月


 

鬼は、人から真実を引き出す。人は罪を犯すものだから
江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は“お嬢さん”のおちかが一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。村でただ一人お化けを見たという百姓の娘に、夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋、山陰の小藩の元重臣、心の時を十四歳で止めた老婆……訪れた客が語り出したのは――

                   (日本経済新聞出版社HPより)

 

第一話「迷いの旅籠」
13歳のおつぎの語り。
ある農村での出来事。
村の名主の離れに居候していた絵師が引き起こしたこと。

あの世よこの世をつないだ瞬間に起きた諸々の怪事。
昔から伝わる祭り事って、なんだか恐ろしいものが秘められているなぁ~。
おつぎちゃんが幸せであるますように・・・。


第二話「食客ひだる神」
仕出し屋の<だるま屋>主人・房吾郎の語り。
だるま屋は、三島屋も春の花見の場所でいただくお弁当は毎年ここのと
決めているお馴染みの店。
その主人が語る店を開くまでの経緯と、店の秘密・ひだる神のこと。

こんな神様、ちょっと愛嬌あっていいな。
房吾郎の明るい話口調も楽しい♪



第三話「三鬼」
元、藩の家老務めをしていたお武家さま・村井清左エ門の語り。
妹を浚い惨い仕打ちをした男3人を相手に刀を抜いた村井。
一人を討ち取った。
その後、山奥の村で勤めることになる。
その村人たちから「鬼がいる」と聞くが・・・

復讐に燃える男の切なさ。



第四話「おくらさま」
見た目は老婆だが、その出で立ちは若い娘・梅の語り。
自分は3姉妹の末っ子。
家は香具屋を営み、家の守り神・おくらさまの話を父親からよく
聞かされていた。
あるとき、近所の火事により延焼の危機が迫るがおくらさまによって
家は無事だった。
が・・・その日から次女のお菊が行方知れず。

この話が、なんだか一番怖かったなぁ~。
梅さんは、子どもの頃、こんな体験をして、ずっと心の中に
重たくそれを抱えたままだったのかと思うと可哀想。



今回の百物語も興味深いお話ばかり。
またドラマ化してくれないかなぁ~


                        ★★★★

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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