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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2017年1月

美しく奔放な母を養いながら、江戸で老人介護を生業として暮らすお咲。
逝く人に教わる多くの真実が深く身にしみる時代長編。

                (文藝春秋HPより)




母親が元夫宅に金を借りたことで、お咲は離縁し、そのお金を返すため働いている。

五郎蔵とお徳が営む鳩屋の奉公人として。
普通の女中業より稼げる介抱人として頼まれた家に出向き、家族に代わって
年寄りの介護を請け負う。
泊まりのこともあれば通いのことも。

介抱に訪れる先で、出会う、ご隠居さんたちと心を通わせていくお咲。
介抱される人たちに、敬意を払ったもの言いは好感が持てる。

家人に頼まれ向かった家で、元気ハツラツな、おぶんに出会い
あちらこちら振り回されて挙句、自分介抱する側になりたいと
お咲の長屋の菊職人・庄助の母親のもとへ押しかけ介抱に向かう。

おぶんさん、いいなぁ~。

お咲と母親・佐和の関係は最悪な感じだったけど、気づかなかった母親のことを
周りの人たちから教えて貰えて良かった。

こうして、誰かが誰かの心の支えになるっていいな~。


猫も目立たないけど、いい仕事してたってことだな(=^・^=)。

まかてさんの物語は、やはり、ほっこりさせてくれる。


                          ★★★★
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発行年月:2017年3月

ようこそ、毛布をかぶった寒がりの街へ
クラフト・エヴィング商會の作家による、ここではない、どこかの街の物語。

本好きのための酒屋「グラスと本」、
別れについて学ぶ「グッドバイ研究所」、
春の訪れを祝う「毛布を干す日」……。
寒い季節にぴったりの、ブランケットで包まれたような温もりいっぱいの一冊。

                (幻冬舎HPより)




ブランケットシティ・・・毛布をかぶった街。
住人はみな、寒がり。
そんな街のデイリーブランケット紙の専属ライター・ブランケット・ブルーム君
27歳が街のあれこれを紹介。

ちょっと不思議な街の住人たちの日常やら変わった風習などなど。
読んでいるとおとぎ話のような、安らかな気持ちになれる。
大人のための絵本というかんじ。

頁の上半分は黒くて、白と水色でイラストが描かれている。
上半分のその絵を眺めるだけでも楽しい。

文も絵も巧いなんて、凄いな。
いつも吉田さんの本を読むと感動のほかに感心してしまう。


お話としては、36階を一人掃除するママの話が好きだなぁ~。
甘美なアリアを歌いながら掃除する姿をこっそり覗きにいきたい^m^


これは図書館からの借り物ですが、手元に欲しくなったなぁ~。



                      ★★★★★
 



発行年月:2013年12月

「すべての子どもに教育を」と訴え、イスラム武装勢力に銃撃された16歳の少女・マララの手記。本書は、テロリズムによって生活が一変した家族の物語でもあり、女の子が教育を受ける権利を求める戦いの記録でもある。世界36か国で翻訳のベストセラー!

                 (学研パブリッシングHPより)




1997年、7月12日
パキスタンの北部山岳地帯のスワート渓谷で生まれる。
11歳で英BBC放送のウルドゥー語ブログに、ダル・マカイという
ペンネームで日記を投稿。

タリバンにより教育の場を奪われたことを憂い、女の子にも教育と学校に通う
権利をと訴え続けている。


2011年、パキスタン国民平和賞
2013年、国際子ども平和賞
史上最年少で、ノーベル平和賞候補にも名前が挙がる。



彼女が強く賢い女性に育ったのには、父親の影響も凄く大きいと本書を
読んで強く思った。
間違ったことを要求する集団、従わない者を暴力で従わせようとする相手に
武器も持たず、立ち向かうのには、相当、強い信念がないと出来ない。

日本とは全く違う過酷な環境。
日常のあちらこちらに気が滅入る事件が起きて、恐怖のなかで暮らす生活。
想像しただけで脚がすくむ。

恐怖は人を変える。
恐怖は人を残酷にする。

という言葉は衝撃的だった。


自分の子どもの命を狙われないためにタリバン兵に志願させる親。
タリバン兵に拷問にあっている人が目の前に居ても、仕方ないで通り過ぎる。

ああ、読んでいて、本当にこちらの気も滅入る内容でしたが
そんな生活から逃げ出せない人たちがいると考えたら・・・・・言葉がない。


マララさん襲撃のニュースも衝撃的で、その時の状況も本書で初めて詳しく知った。
しかし、事件後、奇跡的に回復して、弱さと恐怖と切望が消え、強さと力と勇気が
生まれたという。
なんて、凄い女性でしょう。


最後にある、国連本部でのスピーチ文は、本当に素晴らしい!!


これは多くの人が読むべき本だと思う。


                       ★★★★★
 


発行年月日:2017年3月


実弟・上山雅輔(昭和の喜劇王・古川ロッパの脚本家)の膨大な日記を読み解き、みすゞの童謡と生涯、二人の青春と愛憎、別れを、弟の目を通して描く、画期的伝記小説!

弟・上山雅輔(かみやま・がすけ)/脚本家・作詞家

大正デモクラシーにめざめ
「赤い鳥」と童謡を愛し
白秋、八十にあこがれ
みすゞの詩に、心ふるえる。

昭和モダンの東京
菊池寛の文藝春秋社で
古川ロッパのもと、働く。

みすゞは、自殺
雅輔は、自死遺族に
時代は、昭和の戦争へ。

弟の胸に残る
みすゞの瞳の輝き
忘れえぬ青春の日々……


                            (新潮社HPより)



以前、テレビで金子みずゞさんの生涯を描いたドラマをみました。
幼い頃、実の弟である雅輔さんは、母親の妹夫婦にもらわれて
本屋さんの跡取り息子として育てられるのだけど、本人は東京で
自分が文章で何かを作り上げる仕事をしたいと夢見て、父親・山上松蔵の反対を
押し切る形で上京。
脚本家・編集者としてある程度の成功を収める。


雅輔がみずゞと実の姉弟だということを周りの人がきちんと知らせないために
起きる数々のことが、二人をややこしくさせた感じが凄くする。

みずゞと雅輔の母親・ミチは妹の夫・松蔵の元に嫁ぎ、みずゞもそこで暮らす。
松蔵が実の弟とみすゞとの間に間違いがあってはいけないなどと勝手な心配を
しなければ、二人はただの仲良き姉弟として、心強い理解者として生きたはず。

みずゞが本屋の店員・宮田敬一と結婚したのも松蔵のそんな心配から。
敬一自身も雅輔との関係を少し疑っていたというところから
二人の夫婦としての絆はうまく結ばれずお互いが不幸。

色々なことが全部、うまく廻らず、なんだか哀しい。

みずゞはある日、突然、眠剤を大量に服用して自死してしまう。
その気持ちを想像すると本当に、辛い。
可愛い娘を遺してまで逝かなきゃいけないほどの絶望感みたいなものがあったのかと
思うと・・・(/_;)


読み終えて暫くは、なんだか、ボ~ッとした無力感に襲われた。

著者の時間をかけたであろう取材もあっての本書。
松本侑子さんのほかの書も読んでみたいと思う。


                       ★★★★★



発行年月:2016年6月

傷心のOL、秘密を抱えた男、病を得た伴侶、異国の者、どら息子、居候、苦学生...今はもういない者たちの日々がこんなにもいとおしい。優しく心をゆさぶる、著者会心の最新小説。

                (中央公論社HPより)



第一藤岡荘の5号室に暮らした歴代住人たちの日常を描いた本。
1階に2室。二階に3室。
でも5号室の隣は3号室。

最初の住人は、アパートの大家の息子・藤岡一平(1966~1970年まで住む)
合計・13世帯の物語。

同じ部屋なので、先の住人の生活の痕跡をそのまま引き継いだりしていて
クスッと笑えます。

住人は、学生だったり、単身赴任者だったり、家族だったり、OLだったり。
様々な日常は、特に面白い事が起きるだけでもないけれど、何となく可笑しい。

なかには訳あり住人も居ました。
なんと殺人者で、結局、本人も殺されるんだけど、その辺のことは、大して重要では
ないかのように、サラッと。

藤岡荘最後の住人・諸木十三は、最期をその部屋で迎える。
世間では孤独死と呼ばてしまうものだけど、たまたま一人の部屋で亡くなったというだけ。
彼の周りには、友好的な人間関係があったし、安否確認を頼んでいた人もいた。

最後は、ちょっと哀愁漂う終わり方だったけど、それも良かった。

第六話 ザ・テレビジョンでは、歴代のテレビ番組が並んで
懐かしいなぁ~と一人、にやり^m^


最初から最後まで楽しく読んだ♪



                      ★★★★
 
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