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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年3月


イギリスでは「2020年一番売れた本」となり、
さらには「ハリー・ポッター」シリーズに次ぎ、
「史上2番目に売れたハードカバー本」に。
コロナ禍で生きる希望をつなぐ「特別な本」として
社会現象を巻き起こしている
累計550万部突破の世界的ベストセラー。
日本語版も発売たちまち22万部突破!
「イギリス人のイラストレーターが初めて描いた本が、
ニューヨークタイムズベストセラーで
1位になったと聞いた。
いったい、どんな本なのだろうか?
と思い手に取ると、 ひと目で魅了された。
ペン1本で描かれた圧巻のイラストと、
すべての人生に寄り添う言葉。
英米を席巻したこの圧倒的なデビュー作が、
日本でも多くの人に読まれますように」



                    (飛鳥新社HPより)


確か、NHKの朝イチで紹介されていたと思う。
気になるな・・・と図書館で借りて読んだ。

意外と厚みのある本。
イラストレーターが書いたというので、絵は素敵なのは当たり前?
しかし、ことばが凄くいい。
難しいことばではない。
誰でも、そうだよ、うん、その通り!と思えることが書かれている。
けれど、当たり前のことなのに、改めて言われると、何か不思議な気持ち。

ここに出て来る、男の子はまず、モグラに会って、次にキツネに会って最後は馬。
出会った者が一緒に歩いていく。

モグラは無邪気なかんじ。キツネは寡黙。馬は物知りでみんなの疑問に答える
先生みたいなかんじ。

馬の言葉が一番、哲学的かな?

~~~馬のことば~~~

弱さをみせることができたとき
たすけを求めることは あきらめるのとはちがう
あきらめないために そうするんだ


あしたのことはわからない
みんなが愛し愛されていることをわかっていればいい


ぼくの質問「いままでにあなたがいったなかで いちばんゆうかんなことばじは?」
馬の答え 「たすけて」



3回くらい読み返した。
図書館返却まで、まだまだ読み返したい。



日本語の手書き文字は、書家の島野真希さん。
この文字もすごく好き♪


とても素敵な本だ。




                      ★★★★★

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発行年月:2022年12月


第169回直木三十五賞候補作
『ジェノサイド』の著者、11年ぶりの新作!
マスコミには決して書けないことがある――
都会の片隅にある踏切で撮影された、一枚の心霊写真。
同じ踏切では、列車の非常停止が相次いでいた。
雑誌記者の松田は、読者からの投稿をもとに心霊ネタの取材に乗り出すが、
やがて彼の調査は幽霊事件にまつわる思わぬ真実に辿り着く。
1994年冬、東京・下北沢で起こった怪異の全貌を描き、
読む者に慄くような感動をもたらす幽霊小説の決定版!

                 (文藝春秋HPより)




表紙が怖い。

幽霊の話?ホラー?
ホラーは苦手なので、恐る恐る読み始めた・・・・(^^ゞ


最初からホラー感・・・ドキドキ( ノД`)
でも、段々、怖さより、幽霊になった女性のことが知りたくなって読み進める。

踏切のそばで亡くなった女性は、何者かにその近くの小屋で刃物で刺され
絶命する前に自力でその場に辿り着いた。
なぜ、殺されなければならなかったのか?苦しみのなかで必死にそこまで
移動したわけは?


女性が殺された背景に大物政治家の黒い疑惑がある。それを暴こうとする
雑誌記者・松田法夫。元は新聞記者。新聞記者時代の顔見知り刑事・荒井から
情報を得ながら女性殺しの真相に迫っていく。
そのなかで、被害女性のことを知る者を見つけ、話を聞き、女性自身のことに
のめり込んでいく。
このままもしかして、憑かれたりしないかな?と心配になった。

女性を刺した男は最期まで怯えていたけれど、なんで?


が、急に霊媒師が現れるという展開になり、ややがっかり・・・。
ま、真相を知るのは手っ取り早いか?


女性は大物政治家の愛人だったゆえに殺されたみたいだけれど、
無口で暗いという元同僚の話などから、殺す必要あるかな?
社交的で、口が軽い女性なら、口封じしたというのもあり得るけれど・・・


幽霊になった女性の心情を考えて切なかった。
最後は、無縁仏としてでなく、母親の元に帰ることが出来たのかな?
松田がその辺りを働きかけてあげて・・・
母親が帰って来た娘の名前を呼ぶとか・・・
そういうラストを期待したんだけれどな~。


読み物としては、面白かったけれど、ちょっと自分としては腑に落ちないな



                       ★★★



発行年月:2023年1月


「こんなはずじゃなかった」。進路を断たれた高校生、恋人と別れたばかりの青年、ワンオペで初めての育児に励む女性……。市役所に開設された「2020こころの相談室」に持ち込まれたのは、切実な悩みと誰かに気づいてもらいたい想い、そして、誰にも知られたくない秘密。あなたなりの答えを見つけられるよう、二人のカウンセラーが推理します。
明日への一歩のために、私たちは心を映す鏡になればいい。本当も噓も映し出す鏡に。

                 (光文社HPより)


最近、気にって読んでいる辻堂さん。
今回も楽しかった。

コロナ禍、生活が一変し、追い詰められた状況に陥った人たちが相談室に
訪れる話。

市役所が開設した相談室なので、無料。
段々と口コミ的に評判が広がり、最初は閑古鳥が鳴いていた相談室も予約制に。

相談室を担当する2人の人柄がいい。
臨床心理士の晴川あかり(20代後半~30代?)と
認定心理士の正木昭三(60代半ば~70代?)。

問題がその場で解決しなくても、こういう人たちに自分の不安や不満を吐き出す
だけで、かなり心理的には良いんじゃないかな?と思う。

<第一話 白戸ゆり(17)>将来の夢を失った
就職希望だったがコロナ禍で希望する接客業の求人が激減。
合唱部の最後の大きな大会も中止。
大好きだった祖母が亡くなったがお見舞いもお別れも出来なかった。


<第二話 諸田真之介(29)>婚約者を失った
婚約者の彼女と口論になる。
彼女は看護師で、コロナ禍の今は、仕事を一旦辞めてほしいと言ったことから
別れることに


<第三話 秋吉三千穂(38)>幸せな未来を失った
初産で入院したが、コロナ禍で夫の立ち合い出産は叶わなかった。
しかも仕事で忙しいと夫は産後も見舞いに来ず、出産から1か月経って
やっと家に来た。
一人での子育てに四苦八苦している間、夫が不倫していたことがわかり
別れることに


<第四話 大河原昇(46)>人間の尊厳を失った
建設作業員として働いている。
コロナ禍まではネットカフェで寝泊まりして気ままな生活を楽しんでいたが
店が閉店し寝る場所がなくなりホームレス生活。
公園で寝ていると不良の集団に嫌がらせをうける。
最近、その仲間の一人らしい男が夜、公園に現れ、自分を観察しているのが
不気味でしかたない


<第五話 岩西創(19)>
父親と暮らしている。
大学に入学したが授業はオンライン
高校までの生活が大学では変わると思っていたのに・・・



話の最後に、それぞれ晴川あかりが謎解きをする。

第一話の白戸ゆり・・・高校で発生したクラスターは所属していた合唱部からでは?
そして、ゆり自身も感染し、祖母に感染してしまったのでは?

第二話の諸田真之介・・・看護師だったのは自分で、恋人に仕事を辞めてといわれた。

第三話の秋吉三千穂・・・三千穂が不倫相手側。夫であると言った男性は妻との離婚話に
奔走していて、やっとその見通しがついたのでは?

第四話の大河原昇・・・建設現場で働きながらネットカフェで寝泊まりというが
それはかなり金銭的な無駄使い。ほかに収入を得ていたのでは?
商店街の防犯カメラの位置に詳しかったのは、すりをしていたからでは?


第五話の岩西創・・・大学生と言っていたが、話に矛盾が・・・本当は二浪している
浪人生なのではないか?


謎解きが必ずそうとは言えないけれど、なるほどと思う箇所もあり面白かった。
人は知らない人にでも自分を少しよく見せたいという思いがあるのはわかる。


第一話の白戸ゆりと第五話の岩西創は兄妹だった。
両親が離婚して苗字が変わり、別々に暮らしているけれど、仲は良さそう。
建設作業員の大河原と岩西創の関わり方も面白かった。
大河原が犯罪者というのは、ちょっと嫌な想像で、そうでなければいいのにな。



                     ★★★★



発行年月:2021年11月


 2022年本屋大賞第2位!
 二度読み必至の感動作、待望の文庫化。
 ◇STORY
 メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……(「金魚とカワセミ」)。額縁工房に勤める空知は、仕事を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。そんな時、「エスキース」というタイトルの絵に出会い……(「東京タワーとアーツセンター」)。
 一枚の絵画をめぐる、五つの愛の物語。彼らの想いが繋がる時、奇跡のような真実が現れる――。
 著者新境地の傑作連作短編。

                   (PHP研究所HPより)



一章~四章とエピローグ。

最初の話<金魚とカワセミ>は
交換留学生としてメルボルンに来たレイとブーの出会い
ブーは日本語ができ、人見知りのレイの良き話相手になってくれる。
ブーの友人で画家の卵ジャック・ジャクソンの絵のモデルを引き受ける。
絵のタイトルは「エスキース」


<二章 東京タワーとアーツ・センター>
美大卒の空知(30歳)は、画商や画家に向けた額縁の制作や販売をする工房に
勤務している。美大生の頃、メルボルンの画材屋でみた
画家・ジャック・ジャクソンの絵が忘れられない。
その絵が工房にやってくる。
額装を是非、やらせて欲しいと経営者に頼み、OKをもらう。


<三章 トマトジュースとバタフライピー>
漫画家として売れっ子になった砂川(26歳)は以前、アシスタントをしていた
漫画家のタカシマ剣との対談を希望し、とある喫茶店へ。
その店の壁に飾ってある「エスキース」という絵に魅了される。


<四章 赤鬼と青鬼>
輸入雑貨店で働き始めて1年半の茜。
イギリスに買い付けに行ってみない?とオーナーに言われ快諾。
が・・・パスポートは別れた恋人と同棲していたマンション。
仕方なく1年ぶりに連絡し、マンションに取りにいく。


<エピローグ>
ブーとレイは、ベルボルンの期間限定の恋人の後、レイが帰国したあとも
遠距離恋愛を続け、ブーがやがて日本に。
二人はお金を貯め、念願の画廊を東京に持つ。
その画廊のイベントに「エスキース」が素敵な額とともに飾られる。




ブーとレイは、円城寺 蒼と立花 茜だった。
この短編連作は、最初の話がずっと繋がっていたんだと気づいたときは
嬉しかった!!
素敵なお話。
青山さんの書く物語は、いつも素敵だ。
エスキースとは絵の下絵の意味らしい。
なるほど・・・そういう意味と分かると、この表題はピッタリだ。




                   ★★★★★



発行年月:2024年8月


幼い頃海外で暮らしていたまどかは、
番犬用の仔犬としてローデシアン・リッジバックの「虎」と出会った。
唯一無二の相棒だったが、一家は帰国にあたり、
犬を連れて行かない決断をして――。


                (河出書房新社HPより)




これは著者の体験による物語のよう。

小学校1年生~4年生まで父親の仕事の関係でアフリカのザンビアで過ごした
そうで・・・・。

この物語の主人公・まどかは、両親と弟と治安の悪い地に暮らすことに。
治安の悪いこの地では番犬として犬を何匹か飼うのが普通で、
まどかはそのなかの「虎」と名付けた犬を特に可愛がる。
小さいときは臆病だったが成長するとともに逞しくなり
力も強く、本能を発揮したときには、まどかの力では制御できないほど。

その描写がリアルで日本で飼っている愛犬とは、別物なんだと感じる。
実際に強盗が入って来そうになったとき、相手に襲い掛かる様は
獣というかんじで怖かった。
治安の悪い地では、そういう犬でないと飼う意味がないんでしょうけれど・・・
帰国が決まったとき、「虎」を置き去りにしたことは仕方ないと思うし
「虎」にとってもよかったと思う。


物語は、まどかが32歳になり恋人・博人がいての今と子どもの頃、「虎」と
過ごした時間とが代わる代わる語られる。

博人とは、自然な成り行きで子どもが出来たら結婚しようと言っているのに
内緒でピルを飲み続け、それがある日、ばれて・・・・

子どもを育てる自信を失くしてしまっていた、まどかの気持ちは
わかるようなわからないような・・・。


表紙の犬はシベリアンハスキーっぽいけれど、「虎」はローデシアン・リッジバック
という種類らしい。
写真で見たけれど、筋肉だけというかんじの、ちょっと近づきにくいかんじの犬
だった。


ササッと読めたけれど、今までの千早さんの話とはちょっと違うかんじ。



                       ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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