発行年月:2019年6月
優等生の「ぼく」が通う元・底辺中学は、毎日が事件の連続。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。落涙必至の等身大ノンフィクション。
(新潮社HPより)
著者の息子さんが中学に入学し、そこで起きた日々のことが綴られている。
著者は日本人。配偶者はアイルランド人。
そして住んでいるのはイギリス。
小学校は、カトリック系の学校ランキング1位のところで過ごしていたのに
中学は、学校見学で気に入ったのか、白人労働者階級の家の子が通う
と言われる学校。
今まで底辺ランキングだったが、ここ数年で真ん中あたりのランキングに
浮上してきたというので、著者が興味を抱き見学したいと
息子に言い、それなら一緒にということで・・・
この息子さんが凄くいい!
考え方が素晴らしい。中学に入学したばかりの子がこんな冷静な
物の見方が出来るなんて!と驚く。
入学直後から、色々なことが起きる。
人種差別的発言がひどいダニエル。
彼から差別的なことを自身も言われるが、黒人の女の子が標的になった
ことに腹を立てる。
その考え方はおかしいんじゃないか?とちゃんと抗議して、
彼の窮地を救ったことから、親友になる。
このあたりは、良い話だなぁ~と思っていたけど、やがてダニエル自身が
皆に批判される側に。
そんなときも寄り添う息子くん。
優しいし、いつも公平なものの見方が出来ている。
イギリスの教育現場も日本とは違うことが多くて、へ~と驚きながら
読んでいた。
FGM(女性割礼)のことまで授業でするとは!!\(◎o◎)/!
シンパシーとエンパシーのことも勉強になった。
今後の息子くんの成長をまた書いて欲しいくらい。
多くの人に本書が読まれて、好評価を得ている理由がよくわかった!
表題が、息子くんの言葉というのも、凄い!
★★★★★
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発行年月:2020年2月
港町を見下ろす高台にある高級料亭旅館〈銀の鰊亭〉。一年前の火事で当主とその妻は焼死。二人を助けようと燃え盛る炎の中に飛び込んだ娘の文(ふみ)は怪我を負い、記憶を失った。ところが、その火事の玄蕃には身元不明の焼死体があった――。あの火事は〈事故〉なのか〈事件〉なのか? 文の甥・光(ひかる)は刑事の磯貝とその真相を追うことになるのだが……。
「本当に光くんはできる子ですね。大学を卒業したら警察に来ませんか?」
(光文社HPより)
明るい料亭旅館の話かと想像していたら・・・なかなか重たい話でした。
漏電による出火とされた焼死者4名の事故だったが、
うち一人に刃物による腹部の外傷があったという事実から刑事・磯貝は、一人で
真相を追っていた。
それに協力する、大学生の桂沢 光。
父親は弁護士で、磯貝刑事とは親友であり、火事で亡くなったうちの二人は祖父母。
自身も真実を知りたいという気持ちが強く、刑事と連絡を取りながら真相を探る。
刑事の磯貝が、なぜ、そこまで真相を追うのか、最初は疑問だったが
読んでいくうちに、その理由がわかった。
事件の真相は、結果的には、ほぼ事実じゃないかというところまで来た推測で終わる。
でも、そこではっきりさせても、誰も幸せにならない。
このままの終わり方がよかったと思う。
光は、いい青年だな。
思いやりもあるし、機転も利く。
磯貝の言ったように、磯貝の相棒としていつか活躍してほしい。
磯貝も真相を追ったが、そこには代償もあった。
正義感が強いタフな人だな。
大学教授の宮島とのコンビ話、またいつか読みたい!
★★★★
発行年月:2020年1月
岩居久澄、二十七歳。無職。実家暮らし。今のところ生活に不満はない。
不満はないけど、不安はある。私の将来どうなるんだろう……。
そんな久澄に奇妙なバイトが舞い込んだ。
祖母の代わりに芝居を見に行き、感想を伝える。
ただそれだけで一回五千円もらえるという。
二つ返事で了承した久澄は、初めての経験に戸惑いながら徐々に芝居の世界にのめり込んでいく。とても楽しい。
けど、久澄には疑問があった。
なぜ劇場で毎回あの老紳士に会うんだろう?
(徳間書店HPより)
祖母の代わりに歌舞伎、オペラ、観劇と見に行くことになった久澄。
最初は、歌舞伎座。
そこで隣に座った紳士と会話。
不可解に思ったことを一緒に解決して親近感を覚え、その後も訪れる劇場で再会。
紳士の名前は堀口。演劇を批評する仕事をしているという。
色々な劇場で遭遇するちょっとした事件の顛末も興味深く、歌舞伎やオペラの
大まかな内容も興味深く、機会があれば見てみたいと思わせる。
ずっと気になっていた、紳士の正体。
祖母のしのぶのやはり知り合いだったんだ~。
無職だった、主人公が無職になった経緯は、なんとも腹立つ!
何も悪くない人が、嫌なやつのせいで精神的に傷を負って職まで失うことを
選択しなきゃならなくなるなんて!
でも、新しい環境に踏み出したらしいことがエピローグでわかってホッとした。
ラストの祖母と紳士の再会の場面で終わるのもいい!
歌舞伎、すぐ見に行ける土地に住んでいる人が羨ましいなぁ~。
★★★
発行年月:2020年3月
両親の死と引き換えに、僕らは〝家族″を手に入れた――。
ベストセラー「東京バンドワゴン」シリーズの著者が贈る、感動の家族小説!
平凡で幸せな家庭に育ちながらも、突然の交通事故で、両親を一度に失ってしまった、稲野朗・昭・幸の三兄弟。そんな彼らを助けるべく、それまでほとんど面識のなかった母方の祖母が家にやってきた。その暮らしの中で兄弟たちは、祖母と母の不仲の理由や父の出生の秘密など、これまで気づかなかった家族の裏側を少しずつ知っていくのだが……。
生前の父と母がそれぞれ隠していた、〝秘密″とは。「普通の家族」とは何なのか。
中・高・大学生の三兄弟の成長と、家族の絆を描いた、感涙必至のハートフルストーリー。
(PHP研究所HPより)
横浜に住む稲野家の三兄弟。
朗(21歳)、昭(17歳)、幸(14歳)の時、両親を事故で亡くす。
母方の祖母・栄枝が北海道から兄弟の家事を手伝うために暫く一緒に住む。
ある日、父の学生時代からの親友だという川西が訪ねて来て
父には、別の家庭があるのだと知り、驚く。
小学1年生だという優衣とその母親・由美恵に会うため、長男の朗は川西と
出向き、父の死を伝えることに。
三兄弟は、父の遺した優衣は自分たちの妹だと認める。
良い話だなぁ~。
ちょっと出来すぎなくらいいい話だけど、こんな風に優しい気持ちで
遺された父親の子どもを受け入れる三兄弟は素敵だと思った。
別の家庭を持っていた父親を責める気持ちもあって当然だけど
いいじゃない、こういう兄弟。
出来すぎだけど、こんな話、実際にも案外、あるのかも。
エピローグの優衣が高校生になっての話で三兄弟がそれぞれ自立して
立派な社会人になったこともわかって、嬉しかった(^^)
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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