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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年3月


詩帆17歳の誕生日デートは岡山の「大原美術館」、ピカソ〈鳥籠〉のまえ。
それからふたりはいつも一緒だった。けれど、彼は今日旅立つ。

(「窓辺の小鳥たち」)

ある少女に導かれるように会社と逆方向の電車に飛び乗った私。
箱根「ポーラ美術館」のセザンヌ〈砂糖壺、梨とテーブルクロス〉のまえで
夢を諦めた記憶が蘇りーー。(「檸檬」)



日常の中の小さな幸せに寄り添う、珠玉の6篇。

                      (幻冬舎HPより)


6篇それぞれ良かった!
それぞれの主人公たちには、思い入れのある絵、美術館があって
そんな人々の物語。


<ハッピー・バースディ>
ひろしま美術館・・・・ドボーニの庭/ゴッホ

<窓辺の小鳥たち>
大原美術館・・・・・鳥籠/ピカソ

<檸檬>
ポーラ美術館・・・・・砂糖壺、梨とテーブルクロス/セザンヌ

<豊饒>
豐田市美術館・・・・・オイゲニア・プリマフェージの肖像/クルムト

<聖夜>
長野県美術館・・・・・白馬の森/東山魁夷

<さざなみ>
地中美術館・・・・・睡蓮/モネ



お話として好きなのは<豊饒>と<さざなみ>。

豊饒は、作家志望の女性だが、仕事としては、見たことも聞いたことも試したこともないものを
高評価のレビューをつけるというもの。
そんな彼女の隣に引っ越してきたスガワラさん(70歳)と親しくなる、
彼女は美術館で働いているという、いつでも待っているからと言ったスガワラさんが
息子家族の元に引っ越すという最後の勤務日に彼女に会うため美術館へ行く。


このお話の豊田市美術館は、好きな美術館のひとつで家族とちょくちょく訪れる。
クルムト展も見たので、なんだか嬉しかった(^^)


<さざなみ>は子宮筋腫の術後、入院している病院のテレビで見た
地中美術館。モネの絵が展示されていると知り、退院したら即、行こうと決める主人公。
そして、睡蓮の絵のまえで吸い込まれるように見入る。
絵から風が吹いてくる。さざなみが立っている。


風景が浮かんできそうな描写。
ああ、わたしもそこに立ってみたいなぁ~。
出来たらこの主人公のように、あまり人が居ないときがいいな。



こういう短編もいい。
絵は物語のわき役というかんじだけれど、存在感大のわき役。



                          ★★★★★
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