講談社児童文学新人賞受賞作家のやさしく、すこやかな、感動作。
そうか、少年って、こんなふうにおとなになるのか。
夜の神様が、どうかどうかぼくが今話したことをすっかり飲みこんでくれますように。
第45回野間児童文芸賞受賞
第23回坪田譲治文学賞受賞
第23回坪田譲治文学賞受賞
(講談社HPより)
主人公の少年・光輝の小学5年~の思い出話を綴る物語。
母親と二人で暮らす光輝は、控えめで空気のように存在感のない子どもだった。
が、5年生になりクラスメイトから初めて遊びに誘いを受ける。
お調子者で人気者の押野から「野球しようぜ」と。
その日から、彼とは親しくなり、毎日の学校生活にも変化が起きる。
母親の仕事の関係で引っ越し、転校が決まったときは絶望感から他者を受け付けないようになってしまい、どうなることか?と心配になったけど、担任の先生の助言があって、事態は好転する。
新しい環境で暮らしながら、またその暮らしぶりも楽しそうだったなぁ~。
押野は良い子(^^)
良い友達がいるって子どもにとってすごく大きな事だと思う!
おじいさんとの関わりも良かったな。
ラストは、大人になった少年が昔を振り返ったような形で終わる。
関わった人たちのその後も語られるけど、大人になってまで友達との交流が続いたわけではないんですね。
しかし、振り返ると、彼にとっては深く思い出として刻まれている日々だったのでしょう。
そして、この先もずっとその思い出は薄れることなくいつでも蘇らせることが出来る大切な思い出の日々。
わたし自身にもそんな日々・・・あるな~なんて思いました。
多分、誰にでもあるんでしょうけど。
子どもが読んでも楽しく読めると思いますが、大人でも十分、楽しめるお話でした。
椰月さんの少年・少女を扱ったお話はやはりいいな♪
★★★★
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いつか、大切な人と見つけたい光景がある。
『しずかな日々』 『るり姉』で人気急上昇の著者、初の青春群像スト-リ-!
朝子と正人、卓也と梓は恋人同士。けれど少し前までは、朝子は卓也と正人が梓と付き合っていて・・・・・。城下町・小田原を舞台に描かれる、傷つき、もつれた四角関係の“その後”。
(講談社HPより)
最初、四角関係というから、もっとドロドロしてるかと思いきや、意外と淡々としてる4人。
元は同じ介護施設で働いていた仲間。
お互いの良いところを認めあっている仲だった。
4人が交代で語る形式で物語が進む。
本音の部分で、実は憎んでいたり、未練があったりしそうだけど、ハッキリとそういう気持ちは出てこない。
むしろ、今現在の恋人に対する本音の気持ちが描かれていた。
略奪愛のような形なので、周りの4人を知る人間には、いろいろな憶測からの噂が流れたらしいけど、4人にとっては、今の恋人がそれぞれベストなんでしょうね。
介護の仕事の場面も度々、出てくるけど、利用者に接する彼らの様子は清々しく好感が持てました。
いろいろな問題を抱えている介護の現状も描いていたり、そこで思う彼らの気持ちを読むと
人の気持ちを敏感に酌める優しい人たちなんだなぁ~とも思いました。
だから?結構、涙流す場面があったし印象にも残りました。
梓が象のウメ子を見ながら涙した場面。
卓也が祥子に対する気持ちを上手く表現できず涙する場面。
よくわからないけど、読みながら切ない気持ちに・・・(/_;)
ラスト、朝子と梓が偶然、出会う場面もジ~ンと来るものがありました。
しかし、こういう四角関係って、実際には少ないでしょうね~。
元は同じ介護施設で働いていた仲間。
お互いの良いところを認めあっている仲だった。
4人が交代で語る形式で物語が進む。
本音の部分で、実は憎んでいたり、未練があったりしそうだけど、ハッキリとそういう気持ちは出てこない。
むしろ、今現在の恋人に対する本音の気持ちが描かれていた。
略奪愛のような形なので、周りの4人を知る人間には、いろいろな憶測からの噂が流れたらしいけど、4人にとっては、今の恋人がそれぞれベストなんでしょうね。
介護の仕事の場面も度々、出てくるけど、利用者に接する彼らの様子は清々しく好感が持てました。
いろいろな問題を抱えている介護の現状も描いていたり、そこで思う彼らの気持ちを読むと
人の気持ちを敏感に酌める優しい人たちなんだなぁ~とも思いました。
だから?結構、涙流す場面があったし印象にも残りました。
梓が象のウメ子を見ながら涙した場面。
卓也が祥子に対する気持ちを上手く表現できず涙する場面。
よくわからないけど、読みながら切ない気持ちに・・・(/_;)
ラスト、朝子と梓が偶然、出会う場面もジ~ンと来るものがありました。
しかし、こういう四角関係って、実際には少ないでしょうね~。
★★★
三姉妹が慕う、母親の妹のるり姉は天真爛漫で感激屋。周りの人々を楽しい気分にさせてくれる天才だ。だが、そんなるり姉が入院した。季節を巡り、三姉妹や母親、るり姉の夫の視点から、元気だったるり姉との愛おしい日々が語られる。
連作家族小説。
(双葉社HPより)
母親の妹を「るり姉」と呼んで慕う、三姉妹の様子が微笑ましい。
こんな叔母さんいたら、楽しいだろうなぁ~。
三姉妹には、一番上のお姉さんという存在。
三姉妹がそれぞれ語るるり姉からも素敵な女性だとわかるけど、夫になった開人が語るるり姉が一番、好き。
開人もなかなか魅力的。
るり姉の3つ年下だけど、結婚するまでは、押しまくっていたんですね~。
三姉妹が開人のことを「カイカイ」って呼ぶのもかわいい。
家族の繋がりがとても温かくていいなぁ~。
看護師の母親も、なかなか面白い。
ちょっと天然キャラで、可愛いかんじ。
ほのぼのム-ドをやや壊すように、るり姉入院の時には・・・もしかして・・・
皆が語ってるこの事は、故人を偲んだ思い出話?なんて心配になりました。
が・・・・最後の最後にホッ!
楽しい気持ちで読み終えられてよかった(^^)
★★★
十二歳。
大人の途中の子ども。
悲しくせつなく やりきれないような
痛みだって知っている。
第42回講談社 児童文学新人賞受賞作品
(本の帯文より)
椰月さんの作品はいくつか読んでいますが、これが一番好きかも!
12歳の女の子・鈴木さえが主人公。
学校代表のポ-トボ-ルの選手の一員として放課後、練習に励む。
男女2名ずついる学級委員の一人として、クラスをまとめなきゃいけないとも思う責任感の強い面もある。ちょっと疎まれてる子を何気なく庇う優しさもある。
以前の担任でポ-トボ-ルの練習も見てくれる直人先生に密かに憧れ、先生がそばに居るとちょっとドキドキ。
あ~12歳ってそんな風だったなぁ~と懐かしく思う場面が沢山。
昼休みの「馬乗り」、わたしも楽しみだった!
さえは明るい女の子だけど、心の中にはちょっと今までの子どもとは違う感情も芽生え、戸惑ったり。
「人間離れ」と自分で呼ぶ感情は、感受性の高い子には似た感じあるのかも。
自分が自分でないような変な感覚・・・・・遥か昔のことなので、自分にあったかどうか?
娘に後で聞いてみようかな?
いや、聞いてもわからないかな?
大人になって振り返って思い当たる事なのかも。
小学校卒業前に見つけた教科書の落書き。
自分に宛てて4月に書いた質問事項。
それに答える今の自分。
同じ自分なのに、少し前の自分は違う人みたいな感覚。
これはすごくわかる!!
前の自分の言葉に励まされたり・・・・・
椰月さんの書く児童文学は何かすごく心を打つものがあるなぁ~。
娘たちにも読ませたいけど、こういうのは、大人になってから読む方が理解出来るかも?
★★★★★
抱腹絶倒!妻と夫 究極のバトルスト-リ-
おちゃらけ者でシモネタ好きの夫。妻のイライラはつのるばかり。日常的に激しいバトルを繰り返すのだが、なぜか赤ん坊も生まれて・・・・・。
(筑摩書房HPより)
最初から最後まで笑いっぱなしの夫婦のバトル話。
これが、フィックションでなくノンフックションだとは・・・・・。
椰月さんの作品は、「体育座りで、空を見上げて」を最初に読んで、いいな。と思い、その後、読んだ短編集「枝付き干し葡萄とワイングラス」もとても良かった。
でも、そんな作品を書いてる方の実生活が、こんなに激しいバトルを送っている方だったとは!
驚きです!!
シモネタ全開の夫・・・・いやだ~!耐えられない。でも、ちょっと可愛い。他所の旦那さまだから笑って読めるけど・・・・^^;
シモネタと言っても、これが小学生レベルの言葉を連呼するとかで・・・。
ここまで言われると、卑猥なかんじが全くないから可笑しい。
ただただ呆れるばかりだけど。
こんな事、暴露しちゃって、ご主人は怒らないのかな?と不思議に思ったけど、その辺の事もちゃんと書いてあって、それもまあビックリの反応なんですが・・・・。
でも最後の方に、ちゃんとご主人の良い所も(ほんのチョット)書いていました。
好きで結婚したんでしうから、そりゃ、良い所も書いてあげないとご主人が気の毒(?)
第二子誕生の話も可笑しかったけど、こんな両親の日々、激しいバトルの中で成長していく子って
どんな子になっていくんでしょ?
少々、心配だったりして・・・・大きなお世話ですが(笑)
椰月さんに対して勝手に抱いていたイメ-ジ(文芸誌のお写真が可愛らしいかんじだったと記憶)がガラガラと崩れる書でもありました^^;
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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