まさか30歳にもなって、こんなにもわかりやすく恋愛体質になってしまうとは。

もうやめよう、こんな人。もう絶対にやめよう。そう固く心に誓うのは、一体これで何度目なのか----。小説家のミサの部屋は、誰が呼んだか「S町のネバーランド」。いつしか部屋には年下の隆文が居着いちゃって……。決めてくれない彼と、心配性の私。ふざけているのが好き、堅苦しいのは嫌い。そんな二人の終わらない恋の物語。
(新潮社HPより)
表紙の絵と表題から、児童書かな?と思ったら・・・大人の恋愛小説でした^^;
サキの3つ年下の彼・隆文には、自分のほかにも彼女がいる。
いい加減、どちらかに決めて欲しいと思って、自分と別れてくれというのなら、それも受け入れるから、はっきりして欲しいというのに、「サキは何も心配いらないよ~」と軽くかわされ続ける。
わたしは、そういう関係も面白いなぁ~と読みましたが、読む人によっては、イライラするかも(笑)。
サキの友達やら、仕事関係の男性たちにもダメな彼の噂は広がっていて、女友達たちは「早く別れれば?」と言われる。
当然のアドバイスなんだけど、サキは隆文の事が好きなんだろうなぁ~。
別れられないでいるのだから・・・・。
彼にとって常に居心地の良い空間を作ってあげちゃう。
相手の思う壺!
最初は、隆文のことを、都合よく女のところを交互に訪ねて来て、嫌な奴だな。
と思っていたけど、本人には、その自覚はないみたい。
もう一人の女性とは、どんな付き合いをしているのか、わからず仕舞いなんだけど、サキと二人でいる時は、すごく寛いでいて、二人の会話もほのぼの。
でも、やっぱりどちらか選びなさいよ!!と思いながら読み続け・・・・
他人から見てたら、この途中経過も楽しいけど、自分の彼が、こんな感じだったら悩むだろうな。
サキも悩んでいたからね~。
でも最後は、ホッと出来る結末だったので、めでたしめでたし。
★★★
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ささやかでいい。叶ってさえくれれば--------
可愛い妹が欲しい、元恋人と復縁したい、部下と不倫をしてみたい、とにかく誰かと話したい……。
芥川賞作家が掬い取る、街にあふれたいくつもの小さな願いごと。静かだけれど切実な、9つの物語。
1.「あと1つのお願いは何にしよう」不倫がバレて会社を辞めたOL……【願い】
2.「可愛い妹が欲しい」妄想がちの大学生……【妹思い】
3.「大坪さんと寝てみたい」管理職のサラリーマン……【ノーチャンス】
4.「熊になるのは、嫌」母の恋人が気に喰わない小学生女子……【つるとくま】
5.「ちゃんとしたお墓が欲しい」3人の息子を持つ老紳士……【散骨と密葬】
6.「いつかホームランを打ったら」元カノと復縁したい男……【ファウルボール】
7.「友達が泣くところは、みたくない」友情睦まじいアラフォー女たち……【たくさんの荷物】
8.「1週間、電話がかからなかったら、もう死のう」引きこもりのライター……【七日間】
9.「知子はお願い玉を手に入れた」夢が叶う緑色の玉を大切に持つ少女……【お願い玉】
(講談社HPより)
お願い事に関する9つのお話。
どの話も楽しみながら読みました(^^)
願いが叶う人あり、叶わなくてもめげずに前を向いて進む人ありで、読後は爽やかなお話なので、ひとつを読み終えると、さて、次はどんなお願い事の話かなぁ~?なんて思いながら読みました。
「つるとくま」の小学6年生の美々加が「熊になるのはいや」は最初?でしたが・・・
あ~そういう意味ね・・・・^^;とわかって
そういう苗字の人、実際にいるのかなぁ~?なんて思ってしまった。
都留くんは・・・・芸能人にいなかったっけ?
久しぶりの読んだ、この著者の本。
今度は長編で何か読みたいな。
過去の作品でも探そうかな。
★★★
あなたの恋人はほんとうに「理想の人」ですか?
高校卒業と同時に上京した佐川夏実は、アーティスト・デビューの夢を追いながら、吉祥寺でストリートライブをしていた。彼女が歌う『不在証明』という曲は、おぼろげな記憶の中にいる「彼」のことを歌っていた。それは「彼」との写真もあるが、「彼」が誰なのか夏実にはまったく思い出せないという彼女の不思議な体験を歌ったものだった。一方、吉祥寺の私立大学に通う伊神雄輝は、自ら主宰する学生サークルで、世間に流布する数多の“都市伝説”の謎を追っていた。現在のもっぱらの話題は、「イレイザーヘッド」という謎の人物によって人々の記憶が突然消されるというものだったが、あるとき雄輝の携帯に奇妙なソフトが届く。それを使えば、誰でも「理想の人物」を生み出すことができるという触れ込みで。この都市伝説は単なる噂なのか、それとも……。書店員さんからも大反響。新作発表ごとに新たな顔を見せる実力派作家・平山瑞穂が、壮大な愛と存在証明の物語に取り組む。著者渾身の最長編にして新たなる代表作が誕生!
(小学館HPより)マザ-っていう表題から勝手にヒュ-マンドラマかと思ってました^^;
最初は、結構明るいかんじで、プロのミュ-ジシャンを目指して地方から上京して、ストリ-トライブなどをしながら頑張っていく女の子のサクセススト-リ-が軸かと・・・。
でも、違うんですね~。
主人公・夏実には、ちょっと気にかかっている事があるのです。
夢で見る見知らぬ男性と自分。男性は自分の恋人の様子。
でも覚えがない。
そして、ある日、実際にその男性と二人で撮った写真が自分の部屋から見つかる。
やはり、記憶がない。家族や知人に見せても「知らない人」と言われる。
段々、SFっぽい話になって行きます。
そして、結構それはスケ-ルが大きい話になっていって・・・・
登場人物もどんどん増えていくし、話もすごく入り組むのだけど、
わかりやすいのでちゃんと付いていけました(^^)
大学生の伊神の真実を知った後の苦悩の様子がこちらにも伝わって切なかった。
彼の決断も。
ラストも切なく哀しい。
けれど、読後感は悪くない。
うん、面白かった!!
今まで読んで来た平山さんの作品とは大きく異なる作品だけど、こういうのも好き!
文章はやはり巧い!
★★★★★
カフカ+マルケスと称される異形のビルドゥングス・ロマン!
少年時代の終わりの日、僕は姉を犯そうとする「アレ」を撲殺した。
執着と断絶を繰り返す異形の家族のサーガを既存の枠組みを踏み越え、ガルシア・マルケスにも擬えられるマジックリアリズム的手法で描く壮大な物語。
(角川書店HPより)
第1章~第5章まで。
登場する人物というか、家族というか・・・共通した人たちの周りで起きる日常が描かれています。
が・・・・すごく奇妙な話です。
そのまま読めば非現実的な物語ですが、よ~く考えれば、現実に起こった事柄を、比喩を交えて述べているのかも?
第1章で、家族のなかに存在する「アレ」。
不気味で、怖くて・・・・正体不明な生命体?という感じです。
が・・・後の章で主人公の「僕」が語るところでは、「アレ」も普通に家族(僕の兄)って事?
ここに登場する家族は最初の章で僕がいうところの「アレ」が居なくなるので、その後は
両親と姉と僕ということになるのだけど、家族以外に登場してくる人たちが、皆、変な人たち。
そんな人と関わるなかで、どんどん見えない不幸の迷路に迷い込んでしまうような家族。
何も考えずに読めば、それぞれが不可解ながらも面白い。
でも考えてみれば・・・怖い。
最後の章まで、何がなんだか???の部分はあるのですが、不思議と引き込まれて読んでしまった。
そして、なんだかわからないけど、面白かった!
こういう物語は初めて読んだなぁ~。
それと・・・・・平山瑞穂さんって、男性だったんですね!?
勝手に女性だと思っていたので、今回、それに気づいてビックリしました^^;
★★★★
たとえ世界中の誰もが君をわすれてしまっても、
ぼくだけは君を憶えてる!
高校時代。優等生だったぼくの心を一瞬にして奪い去った君。大好きで、いつも一緒にいたくて仕方なかった。なのに、ぼくは君の顔さえも思い出せないんだ・・・。いったい、なぜ?君はホントに存在したの?------時の裂け目に消えてゆく少女と、避けられない運命を変えようと必死にもがく少年の恋を描いた、激しく切ない恋愛小説。
(本の帯文より)
この著者の作品は前に一度読んで感動した覚えあり、この本を図書館棚で見つけたとき、
先ずこのタイトルに惹かれました。
その後、「あ~平山さんね・・・・」と。
タイトルからして切ない話と想像できるけど、お話もやはり切なかったなぁ~。
ちょっとSFの要素あり。
不思議なお話ではありますが、17歳の高校生カップル・タカシとあずさが爽やか。
タカシの友人・ヒロトも良い子だし・・・。
自分さえ忘れずにいれば、このまま幸せな日々は続くんじゃないかと必死に、いろいろ試すタカシが健気で愛おしい。
けれど・・・・・その努力の甲斐なく・・・・
切ない話だけど、ラストが決して暗くないのがいい。
その後のタカシやヒロトの選んだ道は、輝かしい未来が予想出来る物だった(^^)
表紙の写真も内容に合っていていいなぁ~。
平山さんの本、もっと読んでみたい!
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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