ふっくら、ことこと、こんがり、とろり。
悲しい時もせつない時も、ごはんが元気を連れてくる
おいしいものいろいろ詰め合わせ 心がほっこりあたたまる極上お料理小説
とくべつな日ではないけれど、それぞれのごはんがごちそうになる
今日も明日も、ごはんを食べる。一人で、二人で、家族そろって。誰にでもある、ごくふつうの日の料理の風景を繊細に丁寧に綴った23の物語。それぞれのメニューに材料リストつき。
(講談社HPより)
料理名がついたお話23編。
のり弁 うどん トマト味の煮込み 煮豆 漬け物 ポトフ オレキエッテ
クロックマダム お好み焼き 素麺 味噌漬け ラタトゥユ ホットコ-ヒ-
団子 ココナッツミルクのカレ- シャンパン ロ-ストチキン
どの話も日常の一こまを描いたような、どこにでもある、普通の話。
でも題名の料理がどういう風に登場するのか楽しかった♪
オレキエッテは・・・パスタの一種だけど、どんなのだっけ?と後でちょっと調べたら・・・
なるほど!平べったい耳のような形のパスタでしたっけ!
クロックマダムは知らなかったなぁ~。
物語のなかにも作り方があったけど、簡単そう!
今度、是非作ってみようかな?
しかし、橋本さんって確か、男性だと思ったけど、いろいろな料理知ってるんだなぁ~。
題名と一緒に料理材料まで記載されていたのが楽しい♪
ひとつひとつの話が短いので、空いた時間にちょっとずつ楽しみました♪
★★★
その忠義、剛勇、鎮西一の武将なり!
筑後柳川の立花宗茂は、秀吉の九州攻めで勇名を馳せ、
関ヶ原で西軍に属して改易となり、
のち旧領に戻れた唯1人の武将である
(文藝春秋HPより)
初めて読んだ葉室作品。
主人公は、立花宗茂。
恥ずかしながら・・・・名前も知らなかった人物でしたが、物語を読んだら、素晴らしい人物だと思いました。
豊臣秀吉に気に入られ小田原攻めの際に
「東国に本多忠勝、西国に立花宗茂 ともに無双の者である」と言われた。
が・・・その後、関が原の戦いで破れ国を失い、牢人同然となる。
しかし、己の信ずる義を貫き通し、牢人同然の身でも常に宗茂の周りには仕える者たちが居た。
宗茂の義は「決して人を裏切らぬこと」。
戦乱の時代には、それを貫くことは覚悟がいることだった。
牢人の身になったほかの武将達が、家康の母の葬儀の場で家康を討とうとする場面では、20人ほどの関が原牢人をたった4人で倒し、家康を守った。
そのことを自らは報告せず、立ち去る・・・・格好いい!
宗茂の正室・誾千代との関係も最初は冷めたかんじであったのが、戦いに敗れた後、側室の元ではなく先ず、誾千代のところに報告に行き、夫婦の絆が強まった。
誾千代もまた格好よかった!
ほかにも出てくる武将達。
真田信盛、伊達政宗。
武将たちの格好いいところだけを書いているかんじもちょっとするけど、読んでいて気持ちがいい。
ほかの葉室作品も読んでみたくなった!
ちなみに・・・・
次女に「立花宗茂って知ってる?」と聞いたら・・・・・・
「ああ~知ってる、戦国武装(ゲ-ム)に出てくるからね・・・・立花勢ならほかに誾千代も出てくるよ」と。
恐るべし、戦国武装。
結構、歴史上の人物を学べるゲ-ムなんですね~(笑)
★★★★
(双葉社HPより)
いろいろな場面で生まれたキスまでの物語。
「フレンズ・キス」
幼馴染とのキスを思い出して、今も忘れずにどこかにその友のことを思う主人公。
今どうしてるかなぁ~と思う人の存在は誰にでもあるよね~?
「ガ-ルズ・キス」
高校の同級生同士がキス。でも二人は女子同士。
変ないやらしさは感じなかった。うん、こういうのもあり得る状況かも?
「パストディス・キス」
30代の同棲中の男女の関係。
元々は同じ会社勤務だったけど、その後女性が転職。
美味しい物を二人で食べているシ-ンがすごく幸せそうだった。
「イルミネ-ション・キス」
表題作。
年下の後輩と始まった関係。
料理が得意な彼氏・・・羨ましい^^;
「ハウスズバンド・キス」
妻が仕事を続けられるように、自らが専業主夫となった健太が格好良い!
新しい夫婦の形だな・・・。
どの話も素敵なキスの場面があって、ほんわか気分になれました。
パステル調の表紙も良いな。
人気作家が挑む、3.11以後の物語
3月11日以前と以後で、世界は一変した。この圧倒的な現実を前にして、小説に何ができるのか。『亡国のイージス』の人気作家・福井晴敏氏が、はじめて「現実」に挑んだ『週刊ポスト』連載作品である。
東京に住む平穏な家族を、あの震災が襲った。エコ担当社員の主人公・野田圭介は、3.11以後、元防衛庁職員の父の不穏な様子や、ネットにはまる中学生の息子の心境の変化に戸惑い、翻弄されていく。大震災と原発事故に見舞われたこの国で、彼は家族の危機を乗り越えることができるのか。
(小学館HPより)
物語は2011年の3.11を体験した、東京に住む野田家の物語。
震災当時の様子は、リアルで、幸いにして大して被害のなかった我が地域とはまた違う恐怖の瞬間だったのだとわかる。
野田家は、会社員の野田圭介、妻・美希。
圭介の父・輝夫、長男・弘人、長女・千里。
震災後、高校生の弘人の様子が前と違ってくる。
何かふさぎ込んでいる様子で、パソコンに向かうことに夢中。
祖父・輝夫の発案で、5月の連休に被災地に一家でボランティアに向かう。
家が残っているために避難所に来ないで家で暮らしている人の手助けをして欲しいと現地で言われ、家々を訪ね、一人の老婆が暮らす家の掃除・片付けをすることになる。
弘人が黙々と作業をし、被災地に来て良かったと思う両親と祖父だったが・・・・
一段落し、休みも終わるので帰ろうと言う時に「ここに残っていい?」と言う弘人。
一旦は帰ってまた来ればいいと説得し帰ったけれど、ボランティアシンドロ-ムに陥ってしまう。
そして、そんな鬱積した思いがある事件を起こしてしまう。
どうやって弘人の気持ちを救えばいいのか?
悩む大人たち。
そんな悩みに上手く対処する術もなく、間違った行動だけを批判するPTA。
父親である圭介は、そして決断する。
子どもたちの前で今、話しておかなければならないことを話そうと。
その話は、著者が伝えたいことに繋がっている。
結構、長い演説。
そんなこと出来るのかな?と思うこともある。
原発反対派がいて、推進派もいる現在。
いつまた日本の何処かに大きな地震がくるかわからないのに、今回のような原発被害が起きたら日本は滅亡してしまうという危惧。
原発がなくなったら日本の経済が立ち行かなくなるという懸念。
う~ん、どうしたらいいのか?
原発のリスクを背負いながら、少しずつでもほかのエネルギ-供給の方法に変えていくのか?
これから先、何十年か経ったとき
原発がなくても経済が潤っている日本があったらいいな・・・。
自分たちは老いるばかりだけど、子ども達が、そんな未来を作ってくれると信じたい。
この物語を読んで、いろいろなことを考えました。
これは、未来を作る若者たちに多く読んで欲しい書だと思う。
ここは、永遠に卒業できない、終わらない学園――。



誰も疑問に思わない学校というシステムにふと違和感を覚えたその日から、思いもよらない陰謀に巻き込まれ、壮絶な逃走劇を繰り広げる、暴力と愛、性と孤独、死と希望に満ちた、平山瑞穂ダークサイドの到達点。
(角川書店HPより)
舞台は中学校。
しかし、異質な世界の中学校というかんじ。
主人公の僕は、30代男性。
2年1組に所属している。
学校の教師には、自分より年下もいる。
生徒の年齢もバラバラ。
そんななか同じクラスの一人の女子生徒・岸谷涼子に憧れる。
彼女は自分の半分くらいの年。
冒頭から登場の「コンフィ」の存在から怪しい。
政府が不適豪奢向けに設置した簡易な宿泊設備ということらしいけど・・・。
物語は、最初からずっとダ-クな世界。
暴力あり、乱れた性関係あり・・・・・で読み進めるたび嫌な気持ちになっていき、リタイアしようか?と何度か思った(笑)。
でも、読み続けていくとその世界観に慣れて、僕はこの先、卒業出来るのか?と気になる。
教師の香坂月子と関係を持ち、彼女から刺激をいろいろ受ける。
そして、卒業準備委員会からの接触があり、事態は急展開。
卒業するためには、どうすればいいのか?議論の末、決行される大量殺人計画。
で、最後は結局・・・・・。
これがよくわからない。
ま、たぶん、僕は抜け出せたということだろうけど・・・。
以前、読んだ「ラス・マンチャス通信」ととてもよく似た雰囲気だった。
後で調べたら、著者自身もそう言っていたけど(笑)。
よくわからないけど、まあ、なんとか頑張って読み切ってよかった。
★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;