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読んだ本の感想あれこれ。
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417juZU-SCL__SX230_.jpg   発行年月:2012年4月


「ヘブン」に行けばきっと幸せになれる――自分の居場所はここではないという疎外感のなかで育ち、「地上の楽園」を求めて日本を離れた一人の少女を待ち受けていたものとは……。北朝鮮への帰国事業が引き起こした悲劇を下敷きに、少女の心の成長を描く。



                           (朝日新聞出版HPより)   


物語は、祖父が父に宛てた手紙にあった「ヘブン」を目指して日本を後にした少女・茉奈の物語と、
在日朝鮮人の北への帰国事業に関わった人物の手記の部分が交代に出て来る。
最初は、その二人の関係がわからないまま読み進むかたちになったけど、段々とその関係性が分かってくる。

史実が元となってはいるけど、どこかSFっぽいかんじもするのは、「ヘブン」を目指して辿り着いた国が、あまりにも日本とは違うため、異世界の雰囲気を感じるためかもしれない。

何者かに追われ、逃げる茉奈は、暗い洞窟のような場所に身を潜めるのだが、そこでいろいろと助けてくれた若い兵士との出会いがなければ命も危なかった。
そして、その兵士自身は、命を賭けて茉奈を助けてくれた。
兵士との別れの場面は、哀しかった。
そして、「ヘブン」の本当の姿を知り愕然とする。

その後も危ない目には遭いながらも、助けてくれる人が居て、茉奈は生き延びた。

茉奈の物語と一緒に進んだもう一つの話との関係性も最後には、わかる。

う~ん。
なかなかよく出来た物語だった!
あまり知らなかった史実のことも考える事が出来たし。

哀しい物語だったけど、最後に救いがあったのは嬉しかった。


この著者は、いろいろな話を読ませてくれる。
次回作も大いに期待します!!



 
★★★★
 
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79de6178.jpeg   発行年月:2011年11月

   戦国の世、信長の娘が選んだ「女いくさ」
   信長の血をもっとも色濃く受け継いだ娘、冬。
   生まれながらに背負った運命に翻弄されながら、
   夫・蒲生氏郷への愛と父への崇敬を胸に自らが信じる道を歩んでいく。
   その数奇な半生を辿る歴史長編。


                                (集英社HPより)




信長に娘がいたことは知っていましたが、名前までは知らず・・・
冬姫という人がこんな一生を送った人ということも本書で初めて知りました。

物語に主人公になる人は、多少脚色されて魅力的に描かれるものだとは思いますが、
冬姫の考え方や生き方には、共感できる部分があってとても好感が持てました。

今まであまり世の中に知られていないのが不思議なくらい。

信長の娘であり、それなりの誇りも持っているけれど、嫁いだ先の蒲生家のなかで夫・忠三郎(のちの氏郷)を支え、蒲生家が安泰に存続することを常に願って立ち振る舞う姿は慎ましかった。

キリシタンとなった夫を見守る広い心も持っていたし・・・。

本能寺の変以後、あれこれ噂された、安土城炎上の真相は、なかなか興味深かった。
作者の仮説だろうか?


信長の妹・市とその娘・茶々が、ここでは気位の高いやや嫌な女性として描かれているのも今までにはなかったので新鮮だった!



とにかく最初から最後まで、読みやすく楽しめた。

★★★★
 
41oPKpdhGiL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年3月


ふっくら、ことこと、こんがり、とろり。
悲しい時もせつない時も、ごはんが元気を連れてくる

おいしいものいろいろ詰め合わせ 心がほっこりあたたまる極上お料理小説

とくべつな日ではないけれど、それぞれのごはんがごちそうになる
今日も明日も、ごはんを食べる。一人で、二人で、家族そろって。誰にでもある、ごくふつうの日の料理の風景を繊細に丁寧に綴った23の物語。それぞれのメニューに材料リストつき。


                                      (講談社HPより)



料理名がついたお話23編。
のり弁 うどん トマト味の煮込み 煮豆 漬け物 ポトフ オレキエッテ 
クロックマダム お好み焼き 素麺 味噌漬け ラタトゥユ ホットコ-ヒ-
団子 ココナッツミルクのカレ- シャンパン ロ-ストチキン

どの話も日常の一こまを描いたような、どこにでもある、普通の話。
でも題名の料理がどういう風に登場するのか楽しかった♪

オレキエッテは・・・パスタの一種だけど、どんなのだっけ?と後でちょっと調べたら・・・
なるほど!平べったい耳のような形のパスタでしたっけ!

クロックマダムは知らなかったなぁ~。
物語のなかにも作り方があったけど、簡単そう!
今度、是非作ってみようかな?

しかし、橋本さんって確か、男性だと思ったけど、いろいろな料理知ってるんだなぁ~。
題名と一緒に料理材料まで記載されていたのが楽しい♪

ひとつひとつの話が短いので、空いた時間にちょっとずつ楽しみました♪


                                     ★★★


51nsYJTstML__SX230_.jpg   発行年月:2012年1月


   その忠義、剛勇、鎮西一の武将なり!

   筑後柳川の立花宗茂は、秀吉の九州攻めで勇名を馳せ、
   関ヶ原で西軍に属して改易となり、
   のち旧領に戻れた唯1人の武将である


                          (文藝春秋HPより)



初めて読んだ葉室作品。

主人公は、立花宗茂。
恥ずかしながら・・・・名前も知らなかった人物でしたが、物語を読んだら、素晴らしい人物だと思いました。

豊臣秀吉に気に入られ小田原攻めの際に
「東国に本多忠勝、西国に立花宗茂 ともに無双の者である」と言われた。

が・・・その後、関が原の戦いで破れ国を失い、牢人同然となる。

しかし、己の信ずる義を貫き通し、牢人同然の身でも常に宗茂の周りには仕える者たちが居た。
宗茂の義は「決して人を裏切らぬこと」。
戦乱の時代には、それを貫くことは覚悟がいることだった。

牢人の身になったほかの武将達が、家康の母の葬儀の場で家康を討とうとする場面では、20人ほどの関が原牢人をたった4人で倒し、家康を守った。
そのことを自らは報告せず、立ち去る・・・・格好いい!

宗茂の正室・誾千代との関係も最初は冷めたかんじであったのが、戦いに敗れた後、側室の元ではなく先ず、誾千代のところに報告に行き、夫婦の絆が強まった。

誾千代もまた格好よかった!


ほかにも出てくる武将達。
真田信盛、伊達政宗。


武将たちの格好いいところだけを書いているかんじもちょっとするけど、読んでいて気持ちがいい。

ほかの葉室作品も読んでみたくなった!


ちなみに・・・・
次女に「立花宗茂って知ってる?」と聞いたら・・・・・・

「ああ~知ってる、戦国武装(ゲ-ム)に出てくるからね・・・・立花勢ならほかに誾千代も出てくるよ」と。
恐るべし、戦国武装。
結構、歴史上の人物を学べるゲ-ムなんですね~(笑)



 

★★★★

 
51uDlWeUq-L__SX230_.jpg   発行年月:2012年1月


   
デザイン事務所で働くOL西野は上京して数年、東京での日々に流されるよう生きてきた。そんな日常の中で、ふと意識しだした年下デザイナー伊藤の存在。不器用な生き方の二人が恋を始めるのに必要なのは、今この瞬間のキス----(表題作)。さまざまなキスのシチュエーションを切りとって描く、温かくて切ない5つの物語。

                              (双葉社HPより)


いろいろな場面で生まれたキスまでの物語。

「フレンズ・キス」
幼馴染とのキスを思い出して、今も忘れずにどこかにその友のことを思う主人公。
今どうしてるかなぁ~と思う人の存在は誰にでもあるよね~?

「ガ-ルズ・キス」
高校の同級生同士がキス。でも二人は女子同士。
変ないやらしさは感じなかった。うん、こういうのもあり得る状況かも?

「パストディス・キス」
30代の同棲中の男女の関係。
元々は同じ会社勤務だったけど、その後女性が転職。
美味しい物を二人で食べているシ-ンがすごく幸せそうだった。

「イルミネ-ション・キス」
表題作。
年下の後輩と始まった関係。
料理が得意な彼氏・・・羨ましい^^;


「ハウスズバンド・キス」
妻が仕事を続けられるように、自らが専業主夫となった健太が格好良い!
新しい夫婦の形だな・・・。


どの話も素敵なキスの場面があって、ほんわか気分になれました。

パステル調の表紙も良いな。



 
★★★
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