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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2012年8月


マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。 彼女は幼い頃、紀行作家の父に連れられていった旅先で、誰もが目を覆うような特異な体験をした。 その時から彼女は、世間と自分を隔てる壁を強く意識するようになる。 愛情も友情も知らず不器用に生きる彼女は、愛を語ってくる盲目の男性や、必死に自分を表現するロートル・レスラーとの触れ合いの中で、自分を包み込む愛すべき世界に気づいていく。第1回河合隼雄物語賞受賞作。「キノベス!2013」1位

                 (朝日新聞出版HPより)



主人公の鳴木戸 定(25歳)は編集者。
新たに担当になったプロレスラーで週刊誌にコラムを書いている守口廃尊(ばいそん)
との関わり方が愉快。


そして、道で白杖を振り回していた武智次郎と知り合い、猛烈にアタックされる。


どんな相手にも、その人の本質を見抜いて冷静に対処する主人公がいい!
表情が乏しく喜怒哀楽が殆どない定だけど、
人と関わり、少しずつ変化していく様子がいい。


最後は、ちょっとびっくりの行動だったけど・・・(^^ゞ
幸せそうならいいか?
このあと、どうなったんだろ?気になるけど。



表題のふくわらいの意味もわかった。
人の顔でそんな想像して楽しめるって特技だな・・・笑



過去作品で気になっていたのがあるので、それも早々に読みます!



                     ★★★★



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発行年月:2008年9月


6年前に別れた恋人・静佳にはある事情があった。彼女を一度は受け入れると決めたのに、突き放す形になってしまった過去。ユキヒロはその謝罪をしたいと思っているが、なかなか一歩を踏み出せないでいる。そんなユキヒロのところに、父親を雪山の事故で亡くした甥っ子の葎が預けられることに。葎との生活のなかで、少しずつ前へ進み始めたユキヒロは、静佳に手紙を書こうとするが―。死別よりつらい男女の別れとその6年後を描く期待の新鋭、初の書下ろし長編小説。

                       (発行/光文社)



舞台は熊本。

高校の時、仲の良かった男女4人。

ユキヒロ、静佳、鴇田ユミコ、エザミ。

23歳になったユキヒロは、静佳に再び連絡を取って会いにいきたいと言いたい。
けれど。。。。

迷うユキヒロの心の内と姉の息子・葎との暮らしぶり、鴇田とエザミとのことなど
たわいもない日常を描きながらも段々と気持ちが固まるユキヒロ。

この物語の先のことが気になる。
静佳は、ユキヒロと会ったんだろうか?
会ったとして、どんな会話をするんだろうか?




自分がヒロユキの立場だったら・・・・
あるいは、静佳だったら・・・
なんて考えてしまった。



文章は読みやすく、大したことは起きないのに、なんだか心に残る物語。


                  
                        ★★★★


発行年月:2021年5月


愛ゆえに、人は。
『流浪の月』『滅びの前のシャングリラ』本屋大賞受賞&二年連続ノミネートの著者が描く、家族の物語。
すみれ荘のその後を描く「表面張力」を収録した完全版。
下宿すみれ荘の管理人を務める一悟は、気心知れた入居者たちと慎ましやかな日々を送っていた。そこに、芥と名乗る小説家の男が引っ越してくる。彼は幼いころに生き別れた弟のようだが、なぜか正体を明かさない。真っ直ぐで言葉を飾らない芥と時を過ごすうち、周囲の人々の秘密と思わぬ一面が露わになっていく。
愛は毒か、それとも救いか。本屋大賞受賞作家が紡ぐ家族の物語。

                    (講談社(文庫)HPより)



面白かった。
内容は結構、重めだったりするけれど、主人公の和久井一悟(33歳)の
人柄が、ことを大げさにしない姿勢が物語をいい意味で緩くしている。


和久井一悟は、妻を事故で亡くし、当時2歳だった娘は妻の両親が育てることに。
一悟は幼い時から病弱で、社会人の経験なし。
母親が営む下宿屋「すみれ荘」の大家を引き継ぎ、下宿人たちと暮らしていた。

そこに作家の芥一二三も加わることになり、それぞれの下宿人
・玉城美寿々(26歳)・・・子ども用品を扱う店に勤務。PMSで苦しむ
・上郷青子(36歳)・・・フラワーショップ店長、10代の頃から下宿。
・平光隼人(27歳)・・・TVの番組制作会社勤務


一見、和気あいあいとした人間関係のなかに、胸に秘めた闇を明かしていくので
「え?うそ?」と次第にザワザワした気持ちになっていく。


特に青子の告白は、ビックリ!!
本人も悪いことをしている自覚があるのに、やめられないというのが怖い。

でも、それを知った一悟の行動は、最初は、なんで?赦すの?とビックリだったが
よくよく考えたら、一悟の考え方も理解できるものであるし
まあ、それもいいのかな?と思えた。


すみれ荘のその後の話「表面張力」もよかった。
一悟と芥の関係は、ますます深まりそう。
別れて住んでいた娘の一咲ちゃんとも同じように関係を深めていけたら
いいなと思える終わり方にホッとした。


愛し方を間違えた人たち(犯罪だよ、それは!!)の物語。


                     ★★★★



発行年月:2020年10月


「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。滅亡を前に荒廃していく世界の中で「人生をうまく生きられなかった」四人が、最期の時までをどう過ごすのか――。圧巻のラストに息を呑む。2020年本屋大賞作家が贈る心震わす傑作。

                 (中央公論新社HPより)



あと1か月でみんな死ぬって凄い状況のなかでの話。

どうせ死ぬんだからとハチャメチャなことを平気でする人たち。
主人公・江那友樹は17歳(高校2年生)は、ぽっちゃり体形で大人しく
同級生の井上のパシリ。

その友樹が憧れる校内イチの美形藤森雪江を守るために、残りの1か月を過ごす。

友樹の母親・静香(40歳)と目方信士(40歳)も加わる後半は楽しい。
もうすぐ滅亡する世の中だから生まれた絆。

最期がこんなんだったら、いいかも。

全然、悲壮感がなく、楽しい物語。

スピンオフの巻末にあった付録の物語も良かった♪



                       ★★★★



発行年月:2021年10月


中学で登校拒否になった沙羅は、一年遅れで入学した通信制の高校で
幼馴染だった万葉に再会。読書好きの万葉に読書の楽しさを教えられ、
自分なりに本を読むように。一方で、大学に進学した万葉は、
叔父さんの古本屋を手伝いながらも将来に迷いを感じていた――。
宮沢賢治「やまなし」、伊藤計劃「ハーモニー」、福永武彦「草の花」など、
実際の本をあげながら描く瑞々しい連作短編集。

                    (文藝春秋HPより)




早朝のラジオ番組でゲスト出演されて、この本のことについて話されていて

興味が湧き、図書館で予約。
先に読んだ「残りものには過去がある」も良かったけれど、こちらも
面白かった。


それぞれ、やや生き難さを感じているような、万葉と沙羅。
幼い頃、家が隣同士で仲良く遊んでいた過去がある。
そんな二人が通信制の高校で再会。
沙羅が話しかけても最初はつれない態度の万葉。
それでも本を通じて二人が再び、親しくなる。

万葉は叔父の営む古本屋でバイトしていて、本に詳しく、お薦め本を
沙羅に勧め、読んだ感想などを言い合う。

読んだことがある本も出てきたけれど、読んでない本の方が多かった。


高校を先に卒業した万葉。
2人は少し離れたが、それぞれ新しい人間関係を築き、また再会したときには
以前と変わらぬ感じで接する。

素敵な青春小説。


恋人ではないけれど、とても素敵な二人。
このままずっと、この関係が続いていくといいな。


出てきた作品。

福永武彦の 「草の花」 「廃市」
遠藤周作の 「砂の城」


これらは、ぜひ、読んでみたい!


中江さん、続けて2冊読んだけれど、いいですね!
ファンになりました♪



                        ★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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