発行年月:2014年8月
想いがつらなり響く時、昨日と違う明日が待っている!児童養護施設を舞台に繰り広げられるドラマティック長篇。
諦める前に、踏み出せ。
思い込みの壁を打ち砕け!
児童養護施設に転職した元営業マンの三田村慎平はやる気は人一倍ある新任職員。
愛想はないが涙もろい三年目の和泉和恵や、理論派の熱血ベテラン猪股吉行、“問題のない子供”谷村奏子、大人より大人びている17歳の平田久志に囲まれて繰り広げられるドラマティック長篇。
(幻冬舎HPより)
児童養護施設に暮らす子供たちとそこで働く職員の物語。
高校性の谷村奏子と平田久志の今後の進路についての話は、読みながら考えさせられた。
親に進学費用を頼れない二人の選択肢は、それだけで狭められてしまう。
そんな状況のなかで、自らの進路に悩み、考える二人。
職員のなかにも大学進学を応援する考えの者と、就職推進派と分かれる。
う~ん。難しい問題だな。
勉強したい意志が強いのに経済的理由で断念しなければならないのは、児童施設入所者だけとは限らない問題。
国が何らかの補助政策を考えてくれたらいいのに・・・・と思った。
奨学金制度もあるけれど、学力優秀者に対してのものより、経済的窮地にある者への
援助的な制度が簡単に受けられる制度が確立されたらいいかも。
施設入所の子どもに対して、一概に可哀想と思うことはしてほしくないという奏子の言葉には
なるほどと思った。
有川さんがこうして、いろいろ取材して書いたことにより児童養護施設で暮らす子ども達についての理解を深めることに繋がっていくといいな。
わたし自身もこれを読んで思い違いをしていたな~という箇所が幾つかあって
考えさせられました。
巻末の参考資料も幾つか読んでみたいなと思う物がありましたので、
メモしておきたいと思います。
★★★★★
発行年月:2014年4月
北海道に住む少女ノリコが、お母さんのお墓の近くで出会った「小さな生き物」。
コロボックルの温かな物語の扉が、再び開く――。
300万人が愛したコロボックル物語。
最終巻刊行から27年、
いま有川浩が新たなステップを踏み出す!
村上勉さん全面参加! すべての描き下ろしイラストには、
佐藤版「コロボックル物語」の名シーンも多数セルフリメイク!
(講談社HPより)
小さい頃、本が好きなら必ず読んでいる佐藤さとるさんの「コロボックル」シリーズ。
それを有川さんがリメイクしたとあって、読む前からワクワク(#^.^#)
ステキでした。
やっぱりいいなぁ~。
大人になった今、もう一度、佐藤さんの「コロボックル」シリーズ読み返してみたい。
そして、村上さんのこの絵も素敵。
講談社の佐藤さんと有川さんの対談も楽しく読ませていただきました♪
★★★★★
不慮の事故でP免になった戦闘機パイロット空井大祐29歳が転勤した先は防衛省航空自衛隊航空幕僚監部広報室。待ち受けるのはひと癖もふた癖もある先輩たち!? 渾身のドラマティック長篇小説。
(幻冬舎HPより)
ドラマの方を先に見ているので、主人公・空井=綾野剛さん 稲葉リカ=新垣結衣さん
というように俳優さんたちの顔が浮かんで来ちゃいました^^;
それでも原作どおりのイメ-ジなので、頭のなかで場面場面を想像しながら楽しく読めました(^^)
航空自衛隊の戦闘機パイロットの夢を叶えた空井大祐が不慮の事故により、パイロット免許を無くし
配属されたのが航空幕僚監部広報室。
広報班と報道班2つの部署のうち空井は広報班に配属される。
そして、その広報部と一緒に仕事をするのが、帝都テレビ局のディレクタ-・稲葉リカ。
自衛隊の予備知識ゼロなのに、プライドが高く、石頭、残念な美人として広報室にいる
美人なのにおっさんぽい報道部班の柚木典子とは良い勝負。柚木はドラマでは水野美紀。
自衛隊の広報って、こんなことをやっているのね?ととても興味深い内容でした!
有川さんのこの小説こそが、自衛隊の広報活動にかなり活躍するのでは?と思いました。
そして有川さんといえば、コイバナ。
空井と稲葉の段々にお互いを理解し、惹かれていく過程ももちろん、よかったのすが
個人的には、柚木とその後輩にあたる槙との関係が気になりました。
ドラマでもこの辺が楽しみなところ。
そして、ラストにある「あの日の松島」。
3.11があったからこそ、出来たスト-リ-。
有事のときに、どんな気持ちで自衛官たちが任務を遂行するのかがわかり、感動しました。
有川さんの自衛官たちに対する敬意がよく現れた文章でした。
国民ももっと自分たちの国を守ることを使命として日夜、訓練している自衛官たちのことを理解する必要があるなぁ~と思いました。
★★★★★
秘密を抱いた青年と1匹の相棒の旅の行方は
現代最強のストーリーテラーによる、青年と猫のロードノベル。
暖かな光あふれるラストまで、どのページにも忘れ難い風景が広がる傑作
(文藝春秋HPより)
宮脇悟は、事情により相棒の猫・ナナを飼えなくなる。
そのため、ナナの新しい飼い主を探すため、一緒に旅に・・・・。
小学校時代、捨て猫・ハチを巡って友情を結んだヨシミネの元を最初に訪れる。
昔可愛がった、捨て猫・ハチの思い出話もなかなかジ~ンとした。
ヨシミネも家族の問題を抱える子どもだったが、それ故、お互いの気持ちを理解できた。
悟は子どもの頃から優しい良い子。
両親を事故で亡くすという悲しい過去を持ちながらも、素直で明るい青年に成長。
それから家業の写真館を継いだ幼馴染み・澤田幸介の元へ。
幸介は妻が家出中。
その後は、同級生同士で結婚した夫婦・杉と千佳子の元へ。
農業を勉強し、二人でペンションを経営していた。
懐かしい友人たちを訪ねながら、ナナの飼い主を探すが、みな、事情があり引き取ることは出来なかった。
そして、最後は、母の妹であるノリコ叔母さんの元で、悟もナナも厄介になる。
悟がナナと離れなければならない事情は、とても悲しい別れが待っていたから。
途中でそれが分かり、切ない気持ちになりました。
けれど、ナナの存在が悟を幸せにしただろうし、ナナも悟と一緒の時間が幸せな時間だったと
理解している。
動物と人間だけれど、その絆は深い。
ラストは悲しいけれど、それでも温かい気持ちが伝わってくる感動作でした!!
あ~猫(=^・^=)飼いたい!!
★★★★★
近所の悪を斬る還暦三匹が帰ってきた!
武闘派のキヨとシゲ、頭脳派のノリ。
“三匹のおっさん”が万引き、不法投棄など地域の問題に立ち上がる!
痛快活劇小説第2弾
(文藝春秋HPより)
今回も楽しませていただきました♪
三人のおじさんたちの活躍は前作同様でしたが、それにくわえて、それぞれの家族の話も良かったなぁ~。
キヨさんちの嫁・貴子のパ-ト先での人間関係。
ノリさんちの高校生・早苗とキヨさんちの同じく高校生の裕希の仲良しぶり。
キヨさんの奥さん・芳江に恋していた松木の登場。
読んでいると、その先が気になる事が次々、起きて飽きない。
こんな風に町をも見守ってくれるおじさんたちが居たら、そこの住人たちには頼もしい存在だろうなぁ~。
ボ-ナストラックの
「好きだよと言えずに初恋は」も凄く良かった。
高校進学目前に引越しが決まった潤子に花の名前をあれこれ教えてくれる日下部くんの話。
高校生になって、現国の教科書、川端康成の『雪国』にあった文
別れる男に花の名前を一つ教えておきなさい。花は必ず毎年咲きます。
初恋っていいなぁ~(^^)と思わせてくれました。
★★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;