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読んだ本の感想あれこれ。
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4149ba64.jpg発行年月:2008年3月


小学2年の女の子ト-ベ。
いつも一緒にいた親友エンマが最近、ほかの子と仲良くしているのがちょっと気がかり。

内気な女の子がちょっぴり成長するさまを楽しく描いたスェ-デンの児童文学。

                  
(本裏の解説文から抜粋)

いつも仲良しのエンマは、目立つ容姿で、みんなの人気者。
少し、内気なト-ベは、みなに注目される存在のエンマを複雑な思いで眺めている。

そして、ある日、エンマの誕生日パ-ティで、ちょっとした事から、笑われてしまい、こっそり抜け出し家に帰ろうとする。
エンマの家は少し離れているので、送迎はお父さんがしてくれることになっていた。
でも、途中でパ-ティを抜け出したト-ベは一人でバスに乗って帰ろうとする。
そして、迷子になって・・・・

ト-ベの気持ちになったら、どんなに心細かったでしょう。
楽しみにしていた親友の誕生日パ-ティだけど、他の友達たちに囲まれたエンマは自分の存在などは気にかけていないようだし・・・・・おまけにちょっとした事で、笑われちゃって・・・・

その辺の気持ちを想像すると胸が痛みました。

でも一人での帰り道の途中で、アクシデントが起こり、ハラハラしましたが、それがキッカケでト-ベ自身の気持ちも少し変化し、周りの友達との関係にも変化が起こります。

小学校低学年から楽しめるという文章なので、簡単な言葉で綴られていますが、短い話のなかに子どもの成長みたいな物を感じられた作品でした!

著者はスウェ-デンでの教師の経験がある作家さんだそうです。
文中には、スウェ-デンの小学校の様子が日本の小学校とは違うんだなぁ~とわかるところもありその辺も楽しかった(^^)

挿絵も沢山あって、物語をより楽しませてくれる楽しい絵でした。

★★★★
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8f6ee87b.jpg発行年月:2005年2月


珠玉の名作『星の王子さま』の続き?

とんでもない!そんなもの、だれに書けるものか。
というわけで、ついに半世紀の間、だれひとり試みなかったのです。それが、とうとうカナダであらわれたのでした。この作品全体が、天国でねむるサン=テグジュペリへの熱烈なファンレタ-になっています。

                
(訳者あとがきより抜粋)

図書館の児童書コ-ナ-を眺めていて、目に留まりました。

「帰ってきた・・・」なんて、半分、冗談みたいな表題ですが、手に取ると、表紙の絵に、惹かれました。
星の王子さまのイメ-ジに近い感じです。
本書の挿絵は、日本語版だけのオリジナルだそうです。


お話も、良かった。
海で漂流した末、たどり着いた島で、金髪で、木箱にヒツジを入れた男の子に会う男性の話。
男の子がどうしてここに?と思うと、自分の星にいる一匹の虎を退治してくれる者を探して、いろんな星を巡り、ここ(地球)に今はいるのだと。
「星の王子さま」に登場する、気品高いバラの話も出てきたり、あの王子さまに間違いない!と読者にも思わせてくれました。

挿絵も結構、多くあるのですが、とても素敵。

児童書コ-ナ-にありましたが、「星の王子さま」を愛する大人なら、読んで損がない物語でした。

著者は、サン=テグジュペリをとても尊敬しているんでしょう。
サン=テグジュペリに手紙で王子さまに会った事を詳しく報告する形になっています。
言葉の端々にその敬意を払う気遣いを感じました。


サンーテグジュペリは飛行機乗りで第二次世界大戦中に亡くなっていますが、生きていたら、きっとこの作品を喜んで読んでくれたんじゃないでしょうか?


なんだか、今度は「星の王子さま」を読み返したくなりました。

★★★★
1adcaec1.gif    発行年月:1993年9月


    家も家庭もない12歳の少年が、破れたスニ-カ-を
    パタパタさせてこの町にやってきたときから、
    ひとつの伝説がつくられはじめたそうだ。

    
世界中で爽やかな感動を呼んだ
    ニュ-ベリ-賞受賞作

         (本の解説文より)
 
 
先日、読んだ「ひねり屋」が面白かったので、同じ作者の他のニュ-ベリ-賞受賞作も興味があって図書館から借りました。

主人公のマギ-(本名は、ジェフリ-ライオネル・マギ-)は、3歳で両親が事故で亡くなった為、親戚の家で育てられていた。
しかし、その親戚の元を飛び出し、ただひたすら走り続けて、ある町にたどり着く。

マギ-は白人。
たどり着いた場所は、白人が暮らすウエストエンドと黒人が暮らすイ-ストエンドに分かれた場所。

そのどちらの場所にも平気で行き来し、その場所それぞれで、自由気ままに過ごすマギ-。
そんなマギ-を誰もが、クレ-ジ-と言う。
しかし、そのクレ-ジ-には、半分はヒ-ロ-的な意味もあるところが楽しい。

アメリカの人種問題が背景にあるものの、物語は、明るく孤児のマギ-にも暗さは全く感じない。

マギ-が起こす、クレ-ジ-だけど、素敵な出来事もいい!

黒人のワルぶってるマ-ズでさえ、マギ-相手なら、憎めない男の子に変身しちゃう。


読んでいて、楽しかった♪


この作家さんの作品、ほかにもどんどん読みたくなりました!



★★★★


                                                         
 
56f6ef62.jpg発行年月:1999年9月


鳩撃ちたい会で活躍するのがひねり屋。
死にそこなった鳩の首をひねる少年たちだ。
しかし、パ-マ-はその役目がいやでたまらない。


1998年ニュ-ベリ-・オナ-賞受賞

                       
(理論社HPより)

次女が、図書館で借りて、面白かったと言っていた(夏休みの課題、読書感想文もこれにした様子)ので、わたしも読んでみました。

ある町の恒例行事、「鳩の日」。
シュ-タ-たちが木箱から放たれた5千羽の鳩たちを一斉に撃ち落す競技が開催される。
そこで、地面に落ちた死に損ないの鳩の首をひねって、とどめをさすのが「ひねり屋」。
10歳になると、ひねり屋の訓練をして、大会当日に備えるのが少年たちの定め。

大会の日、ひねり屋により、次々と鳩が回収される。
そしてそれは、温情であり、「鳩の日」には無くてはならない大切な役目とされる。
そして、その大役を果たすのは、10歳の誕生日を迎えた男の子と限られている。


こんな町、イヤだぁ~!!
祭りの日には、大勢の観客が鳩撃ち大会を見学に訪れるそうですが、わたしは見たくない!!
怖いし・・・気持ち悪いし・・・^^;

でも、小さい頃から、この町で暮らす男の子たちは、はやく「ひねり屋」になりたいと願う。

でも、そんななかで、パ-マ-少年は、鳩の首をひねるなんてイヤだなと思っていた。
悪がきトリオに虐められる日々のなか、一羽の鳩に出会い、仲良くなり、こんな町で鳩を可愛がるのは難しいとしながらも部屋に匿ったりする。

そして隣に住む、女の子・ドロシ-とは心が通じるのに、悪がきのイジメの標的でもあるドロシ-を一緒に無視したり、ヒドイ言葉を投げかけたり・・・・

パ-マ-は、いろいろな者から、自分の本心を隠して生活している。

両親は気づかないのか!?と最初は思ったけど・・・・最後の方で、ちゃんと見守っていたのだとわかってホッとしました。

パ-マ-少年が、本心を隠し周りとの調和を取ろうと必死な様子が、健気で泣けます(/_;)

でも、最後は・・・・ちょっとスッキリ!明るい気持ちになれて良かった(^^)


訳者のあとがきに・・・・

この何とも残酷な鳩撃ち大会、実はアメリカのとある町で毎年、行われていることだとか!
ビックリ!悪趣味な物語上の設定だと最初は思って読みましたが・・・・

動物愛護団体からクレ-ムが来ないのかな??


でも、これ少し前の話なので、今は、もう行われていないかもですが・・・・。
今ももし開催されているとしたら、ホント、訳者のいうように、この物語のパ-マ-と同様の気持ちで悩んでいる子がいるかも。


大人でも十分、楽しめるお話でした!

この著者、知らなかったけど、他にもニュ-ベリ-賞(アメリカの児童文学に与えられる最高の賞)を受賞しているそうなので、それも読んでみたいな~と思いました。

★★★★
7bc695bd.jpg発行年月:2008年10月


自分の知性をひた隠し、アパルトマン管理人の典型を生きようとする未亡人ルネ。大人たちの世界のくだらなさに幻滅し、自殺を志願する12歳の天才少女パロマ。二人は並外れた感性と頭脳を持ちながらも、世間との係わりを拒み、自らの隠れ家にこもっていた。しかし、ミステリアスな日本人紳士オヅとの突然の出会いによって、二人の未来は大きく開かれるのだった-----哲学、映画、音楽、絵画、文学、そして日本文化へ自由自在に言及しながら、パリの高級アパルトマンに住む人々の群像をユニ-クに描き上げ、今世紀フランス最大のベストセラ-を記録した感動物語
                                        
(本の解説文より)

文芸誌に載っていて、今世紀最大のベストセラ-というので、ちょっと読んでみました。

舞台はパリの高級アパ-ト。
主人公は、そこの管理人。

前に読んだ、物語も偶然にもアパ-トの管理人が主人公だった!
こちらの主人公・ルネもとても常識的な人。
最初、自分をひどく卑下する言葉で自己紹介的な文がありますが、それは謙遜だと、読み進めていく段階で理解できます。

しかし、その生い立ちや結婚生活(夫は若くして癌で亡くなった)から負った諸々のことが彼女を本来の彼女の良さを、表面に出さないことで守ろうとしていたかんじ。

主人公はルネだと思いますが、アパ-トの住人のうち12歳のパロマがもう一人の物語の語り手として、登場します。
彼女は、優秀な頭脳の持ち主ですが、両親や姉、周りの人たちに対して、幻滅しています。
そして、日にちを決めて、その日に自殺しようと自身の日記に記します。

彼女が多くの人に対して、幻滅しているのですが、管理人のルネに対しては「優雅なハリネズミ」と形容しているあたり、二人には、何やら通じるものがありそうと予感させます。
優雅なハリネズミ=外見は棘でおおっていても心は高貴  とパロマの予想。

そして、二人があるとき、出会い、会話をする場面は、ジ~ンとしました。

ルネ54歳。パロマ12歳。
二人は親子以上の年の差ですが、友情には年齢なんて関係ないのだ!と思わせてくれました。
自分を理解し、認めてくれる人の存在が心を明るくする。
パロマの自殺願望が少しずつ薄れていく様子は、爽快。

そして、更に、日本人男性、オヅ氏の登場。

ルネは、いろいろな知識が豊富な人で、日本の映画、小津安次郎の作品「宗方姉妹」のファンであったことから、すぐにオヅ氏にも興味を持ちます。
オヅ氏は小津安次郎とは無関係な人なのですが、日本のいろいろな話を二人でして盛り上がる様子は楽しい。

著者自身もルネ同様、その映画が好きだそう。
わたしは、まだ、見ていない作品ですが、ちょっと見てみたくなりました。


人間関係に稀薄だったルネとパロマに更なる友人の登場で、ちょっと楽しくなってきたのに・・・
終盤あたりで・・・・えぇ~っ!?という事件!

なんだか、読んでいたわたしまで、ショックでした。

なんで、こんな展開にしちゃうのぉ!

でも・・・・・よく考えたら、これもありかな?

自殺願望を持ち、本当に死のうとしていたパロマが、生きるということに今度は力強く向き合うためには、こういう事も物語的には必要だったのかも。


最初は、やや難しい哲学的な話などで始まった物語でしたが、読んでいるうちに段々と引き込まれて行きました。

おもしろかったです!

★★★★
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