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読んだ本の感想あれこれ。
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61pswr4prmL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年6月


はるか昔、倭国の平和のために海を越え大陸をめざした人々がいた。それは、失われた歴史をつむぐ朝貢の旅。
いまにつながる、この国のはじまり。
日本人のルーツを壮大なスケールで描く、書き下ろし歴史ロマン小説

使譯(しえき/通訳)一族に伝わる四つの教えが、国を和の心へと導く――。
●人を裏切らない。 約束は守り、恩や親切を受けたならば、返さなければならない。
●人を恨まず、戦いを挑まない。 恨んで戦うと、天の恵みが受けられなくなる。
●良い習慣は才能を超える。 絶え間ない良い習慣があれば、才能など何の重みもない。
●骨休めは仕事と仕事の転換にある。 仕事の中味を変えるのが、骨休めなのだ。


                                         (講談社HPより)


舞台は邪馬台国でしょうが・・・微妙に設定を変えて帚木さん独自の邪馬台国の話として成り立っていたかんじでした。
主人公は、日御子(卑弥呼)ではなく、代々、他国(漢)のことばを学び子から孫へと教えを受け継いでいく一族たち。
灰、圧、針、江女、朱、炎女、在、銘、治。
言葉の勉強とと共に大事な掟も守り抜き、それが国の和平にも繋がっていく。

一族は、遠い昔は漢の国から辿り着いたという。
そして弥魔大国(邪馬台国)を北九州北部に設定している。
実際の邪馬台国はどこにあったのか?歴史家たちの間でも諸説あるそうですが、この物語を読んでいると
この物語の通りでも違和感はないな・・・と思えた。


邪馬台国、卑弥呼・・・は学校の歴史で習ってはいるけれど、こうして物語で読むと、まだ日本の国内のなかに幾つも国があり、それぞれ王がいて、争いを繰り返していた時代に、平和な国づくりをするために努力した卑弥呼の偉大さを知ることが出来た。

読み応え十分の歴史ロマンでした!!


                                      ★★★★★

 
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517ouxWnVRL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年11月


もう二度と、祖国の地を踏むことはできないのだろうか――。

将官の精神鑑定を行った「私」も、密林を彷徨い逃げる「私」も、抑留され疑心に囚われた「私」も、元はただの医学生だった。マニラ、ラバウル、ビルマ、ニューギニア、そしてシベリア――。故郷から遠く離れた戦地で、若き十五人の軍医たちが見た「あの戦争」の深遠なる真実。現役医師の著者、入魂の「戦争黙示録」ここに堂堂完結!

                                           (新潮社HPより)


前作「蠅の帝国 軍医たちの黙示録」と同じように、戦地で軍医として働いた人たちの物語。

著者のあとがきにもあるように・・
北は満州・樺太・アリュ-シャン列島、南はインドネシア、東はマレ-シャル諸島・ギルバ-ト諸島・ソロモン諸島、西は中国・ビルマとあちらこちらの場所で、壮絶な戦闘が繰り広げられ、どこの場所でも死力を尽くして戦う兵士の傍らで、おなじように命の危険にさらされながら、傷ついた兵士の救護、治療に奔走する軍医たちの姿には感動した。
こんな過酷な目に遭うために医師になったのではないだろうに・・・こういう時代においてはそれも自らに課せられた勤めと思うしかなかったのだろう。

戦争は、やはり無意味なものだと、つくづく思う。

巻末の参考資料の莫大な数に驚いた!

今回も読み応え十分でした!



★★★★★


 
51YTFmGeBSL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年7月


人を生かすために学んだ知恵が、戦場では何の役にも立たぬ----身捨つるほどの祖国はありや?

勤務医の「私」も、帝大を卒業したばかりの「私」も、国家によって今日から軍医になる----。眼前で消えていく助けられたはずの命。広島、沖縄、満州、樺太、大刀洗、極限状況の戦地で最善を尽くした先人たちに、現役医師の著者が捧げる鎮魂歌。「あの戦争」を十五人の軍医の視点で重層的に描く、戦争文学の偉大なる到達点!

                                            (新潮社HPより)


軍医たち15人の見た戦争を綴った物語。
場所はいろいろ。
日本国内だったり、樺太付近、東南アジア周辺、満州周辺。

医学生であったのに、突然、軍医として戦地に向かう若い医師たち。
人の命の尊さを学んでいながら、アッという間に死んでゆく者たちを見ながら、黙々と傷の手当、病気の治療に当たる。

国外で軍事活動のなか、敗戦を迎えた医師たちには、その後も過酷なことが待っていて、その辺のことは今まであまり知らなかったので、悲痛な気持ちが伝わってきて読むのも辛かった。

医師ということで、班のリ-ダ-的位置づけもされ、戦争が終わり敗者となっては、戦犯関係者とみなされてしまう。
自分の関知しないこととはいえ、部下が行った他国民への暴行の責任を取らされる。
自分は医師として日本人であろうとなかろうと目の前の患者に真摯に向き合っていたのに・・・

戦争なんて、やはり何も得るものがない行為だ。
いろいろなものを奪うだけのもの。

読むのが辛くて、読み終えるのに時間がかかってしまった。


あとがきの著者の言葉もジ~ンとした。
この書を書いた真意がわかる気がした。

そして巻末の参考資料の多さには驚愕!

物語のかたちを取ってはいるけど、膨大な資料から得られた事実に基づくものなのだ!



いろいろな意味で、驚くばかりの書でした。

★★★★★
ff255de0.jpg発行年月:2010年4月


戦時下のカブールに住む少女ビビを通して
「生き抜く」強さとは何かを描く、
著者初の、若い人へ向け遺言の意を込めて放つ、渾身の一冊!


                       (あかね書房HPより)




物語は、アフガニスタンに1987年生まれた少女・ビビが5歳になったあたりから始まる。
母親はカブ-ル大学卒業で、中学で数学を教えていて、父親は技術学校で学び、火力発電所に勤務している。
同居している兄、妹。
そして、父親のもう一人の妻。
お国柄、二人の妻がいても普通の家庭のなかで、家族はそれぞれ仲良く暮らしている。

でも、そんな家族にも戦争の影響が及び、次々に悲惨な現実が目の前に起きてしまう。


この物語は、少年少女向けに書かれているので、酷い描写は少なめですが、それでも戦時下で暮らす人々の恐怖とやり切れない虚しさ、怒りなどを感じることが出来ました。

小学校に入学した当時は、まだ授業を受けられる環境だったのに、やがてタリバンが勢力を強め、国を統治するようになると、人々の暮らしは厳しい規則で縛られ、特に女性に対する規制が信じられないほど厳しい。
そのため、女子は教育を受けることを禁じられ、働くことも禁じられてしまう。
国民の教育の権利を奪うことは、将来の国を滅ぼすことに繋がるのに・・・・。

それでもビビの母・ロビ-ナは女の子たちに隠れて教育を施していた。
そして、その為に命を奪われてしまう。

ビビの父・ラマ-トは火力発電所を戦火から(タリバンから)守らなければと、自分の危険も顧みず奔走。
なんて立派な人達なんだろう。

将来の国のことを真剣に考えているのは国民たち。
でも一番の犠牲になるのは、いつも国民たち。
戦争に対する怒りが読みながらも沸いてきます。

物語はアフガニスタンがタリバン政権下に移り、アメリカの同時多発テロが起き、アメリカがタリバン制圧に乗り出し一旦、アフガニスタンに平和が戻ってくる気配がするところで終わる。

ビビも15歳になり、再び学校で勉強をする生活に戻る。
そして、子ども達それぞれが将来のアフガニスタンのために自分たちは何を学んでいこうか?と真剣に考えている姿は頼もしい。
まだまだ、平和になりきっていない、アフガニスタンですが、将来はきっと多くの事を学んだ若者たちが平和な国を作ってくれるはず!と信じたくなります。


アフガニスタンのこと、正直あまり知りませんでしたが、この物語でいろいろな事を学びました。

表題の「ソルハ」は、アフガニスタンの公用語のひとつであるダリ語で「平和」という意味だそうです。
ちなみにもうひとつの公用語はパシュトゥ語だそう。


世界情勢をわかりやすく物語にしてくれると、子どもは勿論ですが大人にもあり難い!

こういう本は沢山の人に読まれるべき。
特にこれからの時代を動かすことになる子ども達にも読んで欲しいな。


昨年、急性骨髄性白血病で闘病生活をしていたという帚木さん。
これは、闘病中に構想を練って書かれたのかな?
解説↑に遺言の意を込めて・・・・にはちょっとビクッとしましたが、
症状は既に落ち着いて(完全寛解期かな?)いるのでしょう。

無理は禁物ですが、また新作を期待しています!

★★★★
2e2c9880.jpg発行年月:2009年8月


筑後川の堰梁工事が始まった。
村人たちが総出で水門造り、溝梁造りに励む。
しかし、工事に不都合が生じたら、5人の庄屋たちは見せしめの為、磔になる。
土手にはいつの間にか5つの磔柱も同時に立てられていた。



いよいよ、一大工事が始まり、現場は活気付く。
しかし・・・川の土手に立つ、磔柱は不気味である。

そんな十字の磔柱を、見方変えて、庄屋の5人があそこで見守ってくれていると考えればいいんだ!という声で、皆の気持ちが楽になる。

ここでは、上下関係にある庄屋と百姓が互いを信頼している。
庄屋たちは、莫大な工事費用を集めるのに苦労し、百姓たちは、懸命に働く。

工事は順調に進むが、やはり起こってしまった事故。
5人の庄屋たちは、覚悟を決めるが・・・・・

そのときは、読みながら・・・予想はしていたことですが、辛かった。

ここでもやはり、上に立つものが下を庇う行為があり・・・・その決断は、辛いけれど、素晴らしいものでした。
泣けます。
遺した長い手紙の一字一字に想いが込められていて、涙なくしては読めませんでした。


最後は、工事の完成を祝うもので、嬉しい出来事もあり、満足感いっぱいでした!


筑後川の治水工事の歴史はこの後も長くあるようですが、この物語はそれを最初に始めた昔の人たちを描いた史実に基づいた物語のようです。

昔の人のこういう苦労があっての自分たちの暮らしが、ここに限らず日本各地にはあるのでしょうね。


新潮社のHPで知ったのですが・・・
帚木さん、これを執筆中に、白血病の診断で、治療していたとか。
ビックリしました。
入院生活(無菌室での治療)をしながらも筆をとっていたんですね!
今はお元気だそうで、安心しましたが。

★★★★★
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