発行年月:2017年7月
ユダヤ人への迫害が厳しくなるドイツで、親と離れ、ドイツ人の戦争孤児といつわり、
妹と二人で隠れ家にくらすユダヤ人の少女、ノエミ―。
空襲が激しくなった東京から、家族と離れ、田舎に疎開している日本人の少年、風太―。
戦争末期を生きる二人の少女と少年が見たものは?
(講談社HPより)
裏表紙は、風太の絵。
戦時下でドイツで辛い体験をしたユダヤ人の少女・ノエミと
日本で同じく辛い体験をした少年。風太。
それぞれの物語を交互に語りながら、戦争で辛い体験をしながらも
うさぎのミミちゃんを心の拠り所にして、なんとか耐えるノエミと風太。
全く別の場所なのに、二人の気持ちがリンクしているように感じる物語で
ちょっと今まで読んだ戦争の物語とは違っていて、新鮮だった。
やはり胸が痛くなる。
でも、こういう時代だからまた、こういう物語を読んで平和な世の中が
続くことを強く願う。
あとがきの文章から著者の思いが一層、伝わった。
★★★
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発行年月:2016年9月
「ある事故」で突然障害を負った幼馴染への心の葛藤を描く「小さな木の葉に宿る一本の木」他、「生きづらさ」を抱えた主人公たちの人生が、いつしかある小さな公園で交差する全5篇を収録した胸に迫る連作短篇集。書き下ろし。
(原書房HPより)
本の表紙を開けると裏に書かれていた文
だれかの助けを借りなければいきていけない。
「自分はああならなくてよかった」
そんなふうに世の中から切り離されてきた人たち
---手足が不自由な人、目が見えない人、知的障害を負った人---
の日常に光を当てた、連作短編集。
「普通」とは何か。幸せな人生とは何かを、穏やかに問う。
5つの話、どれも障害のある人が出て来ますが、先天的だったり後天的だったり。
<小さな木の葉に宿る一本の木>
幼いとき自分に優しくしてくれた6歳年上の従兄弟の晴生のことを思う。
晴生は、両親の離婚後、祖父母の家で暮らしていた。
勉強が出来て優しくかったのに高校2年のとき、虐めから怪我をし
一時は意識不明になったが、なんとか意識を戻した。
けれど、言葉をなくし、表情も乏しくなってしまった。
イジメって本当に赦せない!
最後は綺麗に終わっていたけど、腹が立って仕方なかった。
<たんぽぽと梅の木>
60歳になって亡き母のことを思い出す。
自分が生後5か月のときに父親が交通事故死し、苦労して育ててくれたが
大人になったら、あれこれ厳しく指図され嫌気がさす。
大学進学後は母から離れられてホッとしていたがある日、目が見えなくなると
母から電話。
う~ん。この話もなんだか違和感。
あまりにも冷たい娘じゃないか?
<恐竜と銀杏>
25歳の時、婚約者だった同級生の龍彦の車に乗って居て事故にあい足が不自由になり
車イスの生活に。
それでも結婚しようという龍彦と別れた。
その後、龍彦とも同級生のケンと交際し幸せな日々。
龍彦にちゃんと会って別れを言うため会いにいく。
龍彦にも幸せになって欲しい。
<神樹のゆりかご>
夫が海外に単身赴任中、4歳の息子と二人暮らし。
子どものために一番いいことをと育児書を参考に何事も完璧を目指すが
息子がある日、ストレスの反動で異常行動を起こす。
ああ、この話は嫌な話。
この母親の行動は異常だけれど、それに気づくほかの母親たちには
どうしようも出来ないことだから、可哀想な子供は耐えるしかない状況。
このあと、どうなるんだろ???恐ろしい話。
<木を抱きしめて生きる>
左手がマヒしている高校生。
いつも学校を抜け出し公園のベンチに座って昼食を一人食べる。
そこで知り合った老人と心を通わせる。
この話が良かった。
老人との会話が心地いい。
朗読してほしいと差し出した本の詩もよかった。
最後の話だけが心が温かくなった。
他の話は、なんだか胸が痛くなったけど。。。。
★★★
発行年月:2016年9月
幸せな日々を過ごしていた少女は、父の急死で、悲しみのあまり学校に行けなくなり、夏休みの間、アメリカの伯母に預けられる。動物たちの救済をしながら、家族の絆に気づき、生きる希望を抱くようになる。魂の再生の物語。
(金の星社HPより)
図書館で、予約して借りたので、手元に来て・・・
「あら?児童書でしたか・・・」と^^;
でも内容的には大人が読んでも楽しめました。
小学6年生のさつきが同じ年だったころの母親・みずきの話を聞くという始まり。
いつもと同じ朝を過ごし、学校に行き。。。。
父親の急死の報せを聞き、その瞬間から悲しみのうずまきに苦しむ日々。
父親の急死後、父親の姉が暮らすアメリカで暮らすみずき。
そこでの暮らしが段々とみずきの悲しみを癒していくという話。
話としてはよくあるものですが、最後の手紙には、じ~んと来ました。
人の不思議な縁って実際あると思うし・・・。
でもさつきが最後にも出て来るかと思ったのに、出て来ず。
さつきに話す形にした意図がちょっとわからなかったなぁ~。
★★★
発行年月:2016年4月
ボローニャ国際児童図書賞(ラガッツィ賞)受賞の小手鞠るい、北見葉胡コンビによる最新作。
なつみの家族は少し複雑な構成だ。なつみと両親の他、パパの妹のさやかママとさやかママの息子、つまりなつみのいとこにあたる冬馬おにいちゃん、そしてお祖父ちゃん、お祖母ちゃんの7人家族。
なつみは春から「さやかママ」が買ってきてくれた日記帳に日記をつけるようになっていたのだが、ある日、その日記に二年前にいなくなってしまった猫のシナモンからの返事が届く。なつみはシナモンとの交換日記を楽しみはじめるが……。
シナモンの役をしてくれているのはさやかママ?それとも??
(講談社HPより)
良い家族だなぁ~。
2年前にいなくなった猫のシナモンにそっくりな猫のイラスト入りの日記帳を
おばさんである、さやかママに貰い、毎晩、日記をかくなつみ。
シナモンのイラストが可愛い♪
そして、ある時から、時々、シナモンから返事がくるようになる。
SF?と思ったら、シナモンに扮していたのは、おにいちゃんだったんですね~。
それに気づいたなつみが起こした行動も素敵!
おにいちゃんも喜んだでしょうね~(^^)
北見さんの絵が温かくて、和みます。
児童書なのかもしれないけれど、大人でも十分、楽しめました♪
★★★★★
発行年月:2015年9月
日本版「フランダースの犬」の誕生!
第二次世界大戦で両親をなくした少年、ツヨシ。
幼い彼の前に現れたのは、虐待同然に働かされ、捨てられた大型犬だった。
ツヨシはその犬に「ソラ」と名付け、家族同然に生活を共にし始める。
生まれて初めて平穏な日々を過ごすことになった犬が心に宿した、飼い主への感謝と愛。
しかし、別れのときは刻一刻と近づいてくる――。
「犬の愛」が最後に行きつくところとは、いったいどこなのか。
「フランダースの犬」へのオマージュとして描かれた、傑作長編小説。
(文藝春秋HPより)
途中まではまさに「日本版フランダースの犬」でした。
貧しいけれど、賢く心優しい少年ツヨシと犬のソラ。
そんな少年とソラに出会う裕福な家の少女・風砂子(ふさこ)。
哀しい結末は、おじいさんが亡くなってから・・・・と思って居たら・・・
そこからちょっと違う展開に。
ソラは少年を庇って命を落としましたが、少年はその後、少女の養父に学費を
援助してもらい、大学まで進学。
多くのことを学んで少年のときに夢見ていた
皆が平和で平等な暮らしができるような世の中にするために働くんだろうな~と
思って居たら・・・・・
ああ、それで「テルアビブ」ですか・・・。
なんだか切ないラストでした。
ちょっと後から調べたら、「テルアビブ空港乱射事件」は1972年でした。
その首謀者(日本赤軍の奥平)がツヨシということ?
でも、物語のツヨシには、ソラの声が聞こえたのだから、
引き返したんだと思いたい。
なかなか、凄い話でした。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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