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読んだ本の感想あれこれ。
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51DuVx6zy1L__SX230_.jpg     発行年月:2011年5月


    朝起きると、隣の部屋に幽霊が!?




   ある街の高台に佇むおんぼろアパート「てふてふ荘」。
   敷金礼金なし、家賃はわずか月一万三千円、
   最初の一ヶ月は家賃をいただきません。
   この破格の条件の裏には、ある秘密があって……。


                                       (角川書店HPより)



古いアパ-ト「てふてふ荘」に住む住人たちの物語。
1号室~6号室まであるアパ-ト。
それぞれの部屋には、自縛霊が住んでいて・・・
部屋を借りる前に大家さんから顔写真を何枚か見せられ「どれがいいですか?」と。
借りる側は「?」と思うのですが、その写真が自縛霊たちの写真というわけ。

お化けは嫌いだけど、ここに登場の自縛霊たちは、殆ど普通の人間のようなので、怖くはない。
その部屋に住むことになった者と自縛霊たちの関係は、なかなか微笑ましい。

自縛霊たちが成仏するには、その部屋の住人が、幽霊という枠に囚われずに相手に対してなんらかの感情を抱いて触れ、それが出来れば成仏してこの世から消えてゆく。

住人と良い関係を築くことで、成仏し、そこに別れが生じる。
ちょっと切ないけれど、霊たちにとっては、幸せなことかも。

一番好きだったのは、4号室の自縛霊・湊谷薫と、てふてふ荘最初の住人で、4号室の住人だった平原明憲の話。
平原は訳あり、アパ-トを出たのだが、再び、そこを訪ねる。
平原が出たあと、薫は、頑なに他の住人を拒んでいた。
その理由がわかったときは、温かい気持ちになったけど・・・心が通ったと同時に別れが来たのは切なかったなぁ~。

そして大家さんと自縛霊との関係には、驚きの真実があった!
なるほど・・・・。
大家さんも辛かったんだろうなぁ~。
皆が成仏出来るまで見守りたかった理由がわかった。


乾さんのお話は、やはりいい!


★★★★★
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8a13edc8.jpg   発行年月:2007年9月


   オール讀物新人賞受賞。異彩を放つ6つの短篇!

   哲彦が疎開先で出会った喬史の顔の左半分を覆う黒痣。
   村人たちはスナメリの祟りと忌み嫌うが、
   喬史の左目にはそれ以上の秘密が……

                            (文藝春秋HPより)


最近、気になる作家さんの一人、乾さんのデビュ-作を読んでみました。
6編からなる短編集。

表題作の「夏光」は、一番最初。
時代は戦争末期の昭和20年。
伯母の家に疎開している哲彦が顔に痣のある喬史との友情を結ぶ物語。
皆と違うものを排除しようとする人間の無情な言葉や態度がとても嫌なかんじでしたが
二人の少年のお互いを思いやる気持ちには温かいものを感じ、ラストは
この先にある希望のようなものを感じた。


「夜鷹の朝」は、誰からも気づかれず孤独に耐えるように屋敷で暮らす少女が哀れだった。
一時でも少女に気づいて接した青年の存在が少女には、きっと救いだったでしょう。

「百焔」は美しく優しい妹に嫉妬する姉の企て。
でも、そんな姉さえも最後まで慕う妹の気持ちに姉も心を動かされる。
姉妹が今後は支え合って生きていくのかな?

「は」は、完全にホラ-です!
ちょっとこの6編のなかでは異色的。
怖い展開になっていくぞと思いつつも先が知りたくて、予測がつくけどそれが予測どおりだと驚いて・・・。金魚飼ってる人は怖いかも~。

「Out of This World」は、切ない話でした。
マジシャンの父を持つタクは東京から転校してきた。
そしてマコトと仲良しになる。
タクの体には無数の傷があるが、父と新しいマジックを練習しているから出来るというタク。
他人から見たら逃げてもいいんじゃない?という状況なのに、こどもにとっては側にいるのが当然の父親なんだ。なんだか切なくなった(/_;)

「風、檸檬、冬の終わり」はタイトルからすると綺麗だけど・・・・
話は重たくて暗くて嫌な話でした。
でもそんななかにも少し希望があるのが、この著者の作品の良さかな?
暗くジメジメした話のなかでの「檸檬の香り」がすごく活きている!!


どの短編も読み終えると余韻が残るかんじで、これが「夏光」で賞を取り最初の単行本かと思うと
その質の高さに驚く!
いや~参った!


表紙写真のインパクトも凄いけど、内容は負けてないインパクトでした!

★★★★★
299d8ca3.jpg発行年月:2011年1月


戻りたい-----いちばん美しい季節の光の中へ

同じ誕生日、隣同士の家に生まれた美奈子と美耶。
互いに「特別」な存在だった。
11歳の夏、美耶の「ある能力」がふたりの関係に
深い影を落とすまでは……。
純粋な想いが奇跡をよぶ、「絆」の物語。

                                            (集英社HPより)


最近、お気に入りになった乾さんの新刊。
今回のお話も胸を打つ感動作でした!

美奈子と美耶の物語ですが、第一章から第六章まで、彼女たちを取り巻くいろいろな人の視点で綴られていく。
第一章と最終章は、美奈子が語る。
家が隣同士で、誕生日も同じの二人。
幼いときから、ずっと一緒の仲良しなのに、ある日を境に、二人は関わりを持たなくなる。

なんとも切ない(/_;)。
なんとか二人が元通りの関係を復活出来たらいいのに~と思いながら読みました。
けれど・・・一向に修復の見込みはなく・・・・・

美耶は優しい子で、関係を断ち切ったのは美奈子の方なんだけど・・・・
美耶がとても痛々しかった。
美耶の母親・恵子が語る第二章で、実の娘に嫌悪感を抱いてしまう複雑な心境が書かれていた。
母親も苦しんでいる様子がわかって哀しかった。


第三章の優等生・近藤史恵が語る章も興味深かった。
学校の成績は優秀、誰からも頼りにされる良い子。
でも、史恵はそれを努力してそうしているという。
特別であり続けるために、そうしないといけないと頑なに信じて毎日を送る史恵が
なんだか気の毒。
でも愛犬の死を機に、少し変われそうな予感が救いだった。

第四章~最終章は
少し年月が経って、二人も中学を卒業し、美奈子は看護助手として昼間働き、夜は定時制高校に通い将来、看護師になろうと頑張っている。

美奈子の母は美奈子が働く病院に入院していて、そこに美耶がお見舞いに来てくれる。

美奈子と美耶の気持ちが、顔を合わせることもあり・・・再び寄り添う最後は、泣けました。
美奈子の母親と同時にホッとした。


けれど・・・やっと二人の気持ちが再び通じ合ったのに、またまた涙を誘うことがあって・・・・
う~ん。どこまで泣かせるんだ~(;O;)

美奈子がこの後、強く生きてくれることを願います!

乾さんの物語は、ほんと、感動します!

★★★★★
 
a84c9b60.jpg   発行年月:2010年5月


北海道を舞台に、時を超え「あの日」へ帰る人びとの、
小さな奇跡と希望を描く、感動の傑作短編集!
施設で会った80歳の老人は、介護士の卵でボランティアにきた「わたし」だけには心を開いてくれた。彼の嘘のような失敗続きの半生記にただ聞き入る日々。あるとき老人が呟いたひとこと「あの日にかえりたい」の真意とは……!? 戦慄と感動の表題作ほか、いじめられっ子の家出少年と動物園の飼育員のひと夏の交流「真夜中の動物園」、地震に遭った少年が翌日体験した夢のような一日「翔る少年」、高校時代の仲間と15年ぶりの思わぬ再会を描く「へび玉」。落ち目のプロスキーヤーが人生最期の瞬間に見た幻「did not finish」、ハクモクレンの花の下で出会った老女の謎「夜、あるく」。北海道を舞台に、時の残酷さと優しさ、そして、時空を超えた小さな奇跡と一滴の希望を描く、感動の6篇です。

                                         (実業之日本社HPより)


どれも切ないものを含んでいるけど、優しくて温かいものがある。

最初の「真夜中の動物園」は、最初はちょっと重いなぁ~と思ったけれど、動物園の飼育員との関わりが少年の生き様を大きく変える転機になったお話で明るい話で良かった。

次の「翔る少年」は、地震による津波に襲われた少年の話で、こういう時期なので読んでいて、津波の襲う様子や逃げる人々の様子がリアルで怖くなった。
切ない話だったけど、生き残った者に勇気を与えてくれるようなお話。

次の表題作「あの日にかえりたい」は、本当に切なくて泣けた。
老人ホ-ムでボランティアをする福祉系専門学生が関わった偏屈じいさんで通っている石橋老人。
老人が語る昔話。
奥さんとのこと。
後悔している日々のこと。
その想いを知った上である行動を共にするアルバイト学生。
自分だったらどうする?を考えたけど、この学生と同じような行動には多分、出来ない。


ほかの3篇もそれぞれ、良かった。
ちょっと不思議だけど、人の気持ちがそうさせることってあり得るのかも・・・と思わせてくれる。


読み応えある短編集でした!

★★★★★
 
52a83480.jpeg発行年月:2010年2月

「あなたはこれよ。断らないでね」
奇妙な迫力を持つ大学学生部の女性職員から半ば強要され、仕方なくアルバイト先に足うぃ運んだ大学生たち。そのアルバイトは何をもたらすのか?五人の若者を通して描かれるのは、さまざまな感情を揺り動かす人間ドラマと小さな奇蹟の物語。小説の楽しみを存分に詰め込んだ愛すべき傑作、鮮やかに登場!

                        (東京創元社HPより)



初めて読む作家さんかも。
本の表紙と表題に惹かれて借りました。

5つの短編連作集でしたが、共通するのは、大学の学生部厚生課奨学部のユウキさんから紹介されてバイトに臨む学生の話。

「ヒカレル」
「モドル」
「アタエル」
「タベル」
「メグル」

最初の「ヒカレル」のバイト先はお寺。仕事は死者の横で一晩、添い寝すること。
しかも手をしっかり握って。
ちょっとホラ-っぽいな。怖いな。と思いながら読み、途中までは、やっぱりホラ-だ~!!
と思いましたが・・・最後まで我慢して読むと、良いお話でした。

次の「モドル」は、病院の売店がバイト先。
バイトに向かうのは先は父が脳出血で入院した病院という女子学生。
プライドの高い父親は片麻痺になりリハビリが上手く進まず、母親に八つ当たりばかり。
辛い思い出のある病院。
でも、最後は、ユウキさんに「あなたは行くべきよ」の言葉の意味がわかる。

「アタエル」は、金持ちのお屋敷で2週間、家族が海外旅行に行くため、犬にえさを1日1回あげるのが仕事。
簡単なのに報酬は高く、ユウキさんから「本当ならあなたが行くべきじゃないわ。後悔しないでね」と言われた。
途中、これもちょっとホラ-っぽい予感でドキドキした。
でも読み終えたら、なんだか妙な切なさというか哀しさというか・・・。

「タベル」は依頼人の作る料理をただ食べるのが仕事。
食べる・・・当たり前の行為なのに、これを読むと、当たり前に美味しく食べている毎日が本当はとても幸せなことなんだと気づく話でした。
なかなか良いお話でした!

「メグル」は学生部厚生課奨学係のユウキさんの謎の部分がちょっと分かるお話。
ユウキさんは悠木さん。
同じ課で仕事をする悠木さんの後輩・大橋冬樹の視点で語られる。
大橋は、この大学の学生だったとき、悠木さんからあるバイトを紹介された。
その話は、ちょっと不思議。
けれど、とても温かいものを感じる。
悠木さんって影のある暗いかんじの人だけど、優しい人なんだろうなぁ~。


とても面白い、連作短編集でした!!
もっと悠木さん自身の話も深く知りたかった!

この著者のほかの作品も読んでみたい!

★★★★★

 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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