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読んだ本の感想あれこれ。
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e5f9b588.jpg   発行年月:2008年5月



尾木遼平、46歳、元刑事。職も家族も失った彼に残されたのは、3人の居候たちとの奇妙な同居生活だけだった。家出中の少女が彼の家に転がり込んできたことがきっかけで、ある殺人事件に巻き込まれてしまい……。

第25回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞、W受賞作!

                             (角川書店HPより)


ちょっと前の作品ですが、この著者の作品を以前、読んで良かったので、デビュ-作を読んでみたくなり図書館で借りました。

面白かった!

主人公は、運が悪い!
元刑事だったけど、ひょんな事から、殺人を犯してしまい、全てを失う。
けれど・・・・そんな状況だったからこそ、出会った人たちと生活し、同居人のそれぞれを、とても大事に思う。

主人公の尾木自身も辛い過去を持つけれど、同居人となっている石渡久典、柳原潤、村下恭子にもそれぞれに辛い過去があった。
そして、冒頭から登場し、新たな同居人となる自称21歳の高瀬早希も後々、わかってくるけど、結構壮絶な人生を生きてきた女性。

最初は、共同生活が和気藹々とした雰囲気も醸し出しているけど、段々と、危ない人たち(ヤクザ)が登場して、主人公の尾木は、痛い目にも遇う。
かなりボコボコに殴られたり、蹴られたりのシ-ンが出てくるので、読んでいると辛くなる(/_;)。

でも尾木は常に冷静に危機を乗り越える。
暴力を受けながらも次のことを冷静に考えるなんて、一般人には出来ないでしょうけど、武道にも長けているという設定の元刑事なら、まあ、納得出来るかな?

ただの同居人に、家族のような愛情を注ぎ、彼らを守るために必死な尾木は、格好いい。

ラストは、ちょっと切ないけれど、必ず先に希望の光はある!と予感させてくれて、良かった!

文章も読みやすく、また、この著者のほかの本も読んでみたい!
と思わせてくれた。

★★★★

 
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ce66e566.jpg発行年月:2010年2月


巨大公共放送局でNo.1プロデューサーにのし上がった男がいた。
野望と嫉妬が渦まく中、会長の寵愛を受け、スキャンダルに晒されやがて……。
元NHK看板プロデューサーが書き下ろす問題小説。

       
                         (幻冬舎HPより)


読む前は、ノンフィクションの暴露話かと思っていたので・・・・
なんだ、小説なんだ?とややガックリ。

ま、しかし、話としては面白かった。
小説のなかの主人公・西悟が、実際の今井氏そのものだったとしたら、すごく格好良い!
真摯な気持ちで番組を制作し、その努力が認められ数々の賞を獲得する。
実際の今井氏もNHKの看板番組となった「プロジェクトX」のプロフュ-サ-であった事から、そういう気持ちで製作していたんだ~と感動する場面が幾つかあった。

しかし、一方で、他人の成功を妬み、足を引っ張る。己の利益が何より優先という考えの者が多いこの組織の怖さには嫌気がさした。

汚職問題、捏造問題、そして個人の万引きという犯罪。

全部、実際、ニュ-スになったこと。

小説のなかで西が万引き犯に仕立てられてしまう場面は、実際の今井氏の万引きニュ-スと照らし合わせてしまったけど、事実はどうなのか?

なんだか、都合よく、読者に自分の罪は自ら犯したものではないんだと言ってるような印象も受けて
ちょっとイヤなかんじがした。
本当に謀られたものだったら、気の毒だとは思うけど・・・・・。
そんな事をしてまで実際、一人の有能な者を追い込む行為に及ぶかな?


面白かったけど、なんだか複雑な心境になったので、
★はあえて少なめです(笑)

★★★
550870b0.jpg発行年月:2010年12月


四百年前、千葉沖で沈んだスペイン船、三十年前に消えたひとりの男、そして、現在の東京で発生した殺人事件。3つの点が繋がった時、運命に翻弄された男の悲しき人生が暴かれる。長編ミステリ。


                         (幻冬舎HPより)



「氷の華」 「目線」に続く「烙印」。
前2作も面白かったけど、これまた面白かった。

400年前の南蛮人を乗せた船の乗組員を救助するある村の人々。
30年前のものと思われる白骨化した遺体。

東京の公園で見つかった絞殺体。

この3つの事柄が最初は、別の出来事のように書かれ、いずれは繋がっていくのだろうと予測しながら読み進め、段々に繋がっていくその過程が面白かった。

事件を追う戸田刑事は、前の作品「氷の華」にも登場の刑事。
この刑事の扱う事件は今後もシリ-ズ化していくのでしょうね。

ミステリ-として戸田刑事の真相究明の過程は十分、楽しめるけど、もっと事件の当事者たちに主体を置いた書き方をした物語も読みたいと思った。


秋津直哉の事がもっと詳しく知りたかった。
そこだけに視点を置いて描くだけでも充分面白い人間ドラマが出来上がると思ったんだけど・・・。

400年前、座礁した船に乗っていたスペイン人たちを助けた海女と村人たちの話は、良かった。
ミヅキとニックの出会いから始まったロマンチックな物語が現代の哀しい殺人事件に繋がってしまったのは、あまりにも切ない(/_;)



尚、千葉県沖でスペイン船が沈没し、その乗組員たちを地元の海女たちが必死に助けた物語は史実に基づいているそう。
著者の天野さんの故郷・千葉県、御宿町にはその事実を記した記念塔(通称メキシコ塔)というものがあるそうです。



「氷の華」も「目線」もドラマ化されたけど、これもドラマ化されるかな?

今回も充分楽しませてもらいました♪


★★★★
 
100e33a3.jpg発行年月:2010年10月


男子チアリーダーたちの青春スポーツ群像劇
女子の世界だった大学チア界に、男子のみの新チームが旋風を巻き起こす!? 人を応援することで主役になれる世界で唯一の美しいスポーツ、チアの魅力も満載の、笑って泣ける傑作青春小説。書き下ろし。


                       (集英社HPより)


2009年、「桐島、部活やめるってよ」でデビュ-。
小説すばる新人賞を受賞の早稲田大学在学中の著者によるデビュ-2作目の本書。

現役大学生らしい語り口で、なかなか面白かった。
主人公は家が柔道の道場主で姉と共に小さい時から柔道を学んでいた春希。
しかし姉には柔道では敵わない。自分のなかに限界を感じ、肩の故障もあったりして、柔道をやめてしまう。
幼いときから共に道場で練習していた幼なじみの一馬も柔道をやめ、一緒に新しいことを始めようと言う一馬に誘われ、男子だけのチアリ-ディングチ-ムを結成する。


ちょっと前にテレビで放送していたドラマ「タンブリング」を思い出すようなお話でした。

チ-ムは7人。
その7人が皆、個性的で一人ずつの特徴が生きていた。
春希と一馬のほかは・・・
ちょっとインテリっぽい溝口。100キロ近い体重のトン。器用に何でもこなすイチロ-。
イチロ-の凄さを認めつつも多少妬ましさも持つ弦。
唯一のチア経験者でイケメンなのに私服はちょっとダサい翔。


メンバ-の会話や練習の場面は、若者らしい会話で、結構微笑ましい。

柔道をやめてしまった事で、今まで分かり合えていた姉・春子との関係が微妙にギクシャクしてしまった春希ですが、お互いがそれぞれを応援する気持ちには変わりなく、姉と弟の温かい関わりもあったりで、胸が熱くなる部分もありました。

読みやすく、ササ~ッと読めて楽しかった!

また爽やかな青春小説を読ませて欲しいな~。

★★★
 
3e1ed067.jpg   発行年月:2010年10月


   小沢優、18歳♀。
   映画エキストラのバイト面接に行ったら、どうも様子がおかしい。
   と思ったら、行った先は男性アイドルを数多く輩出している
   芸能事務所だった!
   ひとりではできないけど、仲間とならできることもある。
   そんなメッセージをこめた青春小説。
   最後はもちろん、泣かせます。


                                           (双葉社HPより)


サラッと読めて、結構面白かった。
特別感動はなかったけど・・・^^;

少し前にやっていたドラマ、「イケメンバラダイス」とかいうのに似てたな。
自分は映画のエキストラ募集で面接に行ったつもりが、芸能事務所のオ-ディション会場に引き込まれて、オ-ディションに見事合格しちゃうという所は面白かった。

デビュ-を賭けて、ダンスレッスンに励む様子は、ダンスに詳しい人なら楽しめるような内容だったでしょう。
結構、詳しくダンスのステップなど書かれていたから・・・。
でもダンスに何ら興味も知識もないわたしは、ちょっと飛ばし読みしました^^;

元々は女の子の主人公・優。
周りが男子ばかりということで、当然ながら恋心も芽生え、その結末は?と思っていたら・・・
はは~ん、最後はこういう風に来たか~。

あり得ない設定だけど、物語としては、まあまあ楽しめました(^^)
ドラマ化したら面白いかも?


★★★
 
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