発行年月:2020年1月
「この世から逃げたくて仕方がない。
それと同じくらい、この世に触れたくて仕方がない」(本文より)
駆け落ち、逃亡、雲隠れ。
行き詰まった人々が、ひととき住み着く「家」を巡る連作短編集。
家族を捨てて逃げてきた不倫カップル――「はねつき」
逃亡中のヒットマンと、事情を知らない元同級生――「ゆすらうめ」
新興宗教の元教祖だった老齢の婦人――「ひかり」
親の決めた結婚から逃げてきた女とその妹――「ままごと」
子育てに戸惑い、仕事を言い訳に家から逃げた男――「かざあな」
(集英社HPより)
それぞれの抱える状況が、結構、重たいものだった。
一番、明るいかんじだったのは親の勧める縁談話に反発して一人暮らしを
決めた女性とその妹の話かな?
それも本人たちからしたら、切羽詰まった状況なんだろうけど。。。
この家から出たあとの、それぞれのことが凄く気になるなぁ~。
みんな前より穏やかな心境で生きられたらいいなぁ~
なかなか、面白い短編集だった。
★★★
(集英社HPより)
それぞれの抱える状況が、結構、重たいものだった。
一番、明るいかんじだったのは親の勧める縁談話に反発して一人暮らしを
決めた女性とその妹の話かな?
それも本人たちからしたら、切羽詰まった状況なんだろうけど。。。
この家から出たあとの、それぞれのことが凄く気になるなぁ~。
みんな前より穏やかな心境で生きられたらいいなぁ~
なかなか、面白い短編集だった。
★★★
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発行年月:2022年2月
あきらめた人生の、その先へ――片足の祖父、学校に行けなくなった甥、〝正義感〟で過ちを犯したみのり。小さな手にも使命が灯る、慟哭の長篇小説。「今、だれもがスタートを待っている」周囲の人々が〝意義ある仕事〟に邁進する中、心に深傷を負い、無気力な中年になったみのり。実家に届く不審な手紙、不登校になった甥の手で、祖父の過去が紐解かれるとき、みのりの心は、予想外の道へと走りはじめる。
(中央公論新社HPより)
時代や語り手が変わりながら進むので、少し戸惑うけれど、段々慣れて
読み応えもあり、面白かった。
主には38歳で2つ年上の夫・寿士と東京で暮らす山辺みのりと
香川県で暮らしているみのりの祖父・多田清美(90歳代)の過去と現在を
それぞれの語りで。
みのりの大学生時代の話や、清美の戦地での体験談、
段々、わかる清美のこと。
戦争がなかったら・・・
そして現代では、コロナが世界的に蔓延。
コロナさえなければ・・・ということも色々。
清美の青春時代の話がもっと深く知りたかったなぁ~。
戦地で体験したことは、惨い。
片足をなくして戦地から帰って、誰も知る人がいないところで、救いの手を
差し伸べてくれる人に出会えて本当に良かった。
その出会いがなければ、みのりも存在していないということ。
そして、ボランティアってやはり難しいものがあるな~と感じた。
何かを求めてやるものではないと頭ではわかっていても拒絶される言葉を
面と向かって言われることもあるんだと覚悟していくことも必要なんだな。
みのりと寿士の出会い方はなんだかいいなと思った。
2人の会話のかんじもいい。
角田さんの長編は久しぶりだったけど、よかった!
★★★★
発行年月:2022年5月
大丈夫。昼間だって、見えないけれど星はそこにちゃんとあるから。
南の島で、山奥のホテルで、田舎町の高校で。
星を愛し星に導かれた人々が紡ぐ七つのミステリー。
「南の島へ行くぞ」突然のパパの言葉で石垣島へ旅することに。正直言って、あんまり気は進まない。家族旅行といえばママも一緒だったのだ、去年までは――(「南の十字に会いに行く」)
小学四年生の九月のこと、同級生の過失で私の右目は取り返しのつかない怪我を負った。世界はぼやけて頼りない姿に変わり果ててしまった。星降る夜に大事な友達と交わした約束も――(「星は、すばる」)
廃部寸前のオカルト研究会、天文部、文芸部。生徒会に必死で部の存続を訴えると、「じゃあ、スぺミス部ってことで」と、とんでもない提案が――(「箱庭に降る星は」)
読み終えたら世界が変わる!
〈日常の謎〉の名手が贈る、驚きと爽快な余韻に満ちた全七話。
(集英社HPより)
素敵な家族とその家族と関わる人たちの物語。
短篇かと思って読んでいたけれど、「あれ?繋がっているのかな?」と途中で
気づき、最後のお話で全員集合みたいな嬉しさ。
最初の話<南の十字に会いに行く>
は、小学6年生の七星が父親と二人で石垣島に行く話。
本当は、お母さんも一緒にいくはずだったのに・・・・とあるので
「え?父子家庭?」と思ってしまった(^^ゞ
七星の父親・北斗。
両親は北斗が小学生にときに離婚している。
以後、祖父母と父での暮らしに。
北斗の母親は天文学者で、自分の夢を追いかけて幼い北斗を置いて家を出た。
次の話<星はすばる>では、別の話に。
男の子の不注意で視力が極端に悪くなった女の子・美星(小学4年)
宇宙飛行士になることを夢見ていたのに・・・
ケガをさせてしまった男の子・コータは美星のそばにいつも付き添って
色々、手助けしてくれていた。
家族旅行で参加した子ども天文学教室で知り合った男の子・すばる。
<箱庭に降る星は>
ここでは、七星のお母さんが高校生の時の話。
生徒会副会長だけど、実質、会長という役割。
廃部に追い込まれた3つの部員4名で新しい部を立ち上げればいいのでは?と
提案。部の設立には部員は5名以上必要なので、副会長もここに加わると。
そして山に登り、町を皆で高いところから眺める。
<木星荘のヴィーナス>
七星の両親の出会いを書いたお話。
同じアパートの上下の住まいの関係。
七星のお母さんの旧姓は金江ということがあとで、効いてくる。
<孤舟よ星の海を征け>
地震で58時間後に救出された男の子・海斗の話。
家の中で一緒だった母親と弟は命を落とすが、母親のおなかのなかの子は
無事・誕生し、瑠奈と決まる。
海斗が生死を彷徨いながらいたとき、夢で出てきた女の子の名前。
<星の子>
七星が中学に入学して出会った水輝。
父親は、有名なイケメン俳優。
七星も母親が皆が知る女性宇宙飛行士で、似た境遇ゆえ、お互いの気持ちが
よくわかり仲良しに。
最後の話<リフトオフ>では今までの話の総まとめ的なかんじ。
七星と水輝はアメリカに留学していて、七星の母親がいるアメリカで
母親の知り合いが集まるパーティへ。
目を怪我して視力が悪くなった女の子・美星はロボットの開発・設計をしていて
母親とも仲良し。
美星が努力して夢を叶えていたことには感動した。
他にも「あ~この人は・・・」という人たちが、最後の場面にいて
みんな繋がっていたんだなぁ~と思うと、また最初から読みたくなる
素敵な話だった。
この先の七星と水輝の成長も気になるなぁ~。
女性が第一線で働いているのは、恰好いい!
家族の理解と協力が必要になるけれど。
★★★★★
(集英社HPより)
素敵な家族とその家族と関わる人たちの物語。
短篇かと思って読んでいたけれど、「あれ?繋がっているのかな?」と途中で
気づき、最後のお話で全員集合みたいな嬉しさ。
最初の話<南の十字に会いに行く>
は、小学6年生の七星が父親と二人で石垣島に行く話。
本当は、お母さんも一緒にいくはずだったのに・・・・とあるので
「え?父子家庭?」と思ってしまった(^^ゞ
七星の父親・北斗。
両親は北斗が小学生にときに離婚している。
以後、祖父母と父での暮らしに。
北斗の母親は天文学者で、自分の夢を追いかけて幼い北斗を置いて家を出た。
次の話<星はすばる>では、別の話に。
男の子の不注意で視力が極端に悪くなった女の子・美星(小学4年)
宇宙飛行士になることを夢見ていたのに・・・
ケガをさせてしまった男の子・コータは美星のそばにいつも付き添って
色々、手助けしてくれていた。
家族旅行で参加した子ども天文学教室で知り合った男の子・すばる。
<箱庭に降る星は>
ここでは、七星のお母さんが高校生の時の話。
生徒会副会長だけど、実質、会長という役割。
廃部に追い込まれた3つの部員4名で新しい部を立ち上げればいいのでは?と
提案。部の設立には部員は5名以上必要なので、副会長もここに加わると。
そして山に登り、町を皆で高いところから眺める。
<木星荘のヴィーナス>
七星の両親の出会いを書いたお話。
同じアパートの上下の住まいの関係。
七星のお母さんの旧姓は金江ということがあとで、効いてくる。
<孤舟よ星の海を征け>
地震で58時間後に救出された男の子・海斗の話。
家の中で一緒だった母親と弟は命を落とすが、母親のおなかのなかの子は
無事・誕生し、瑠奈と決まる。
海斗が生死を彷徨いながらいたとき、夢で出てきた女の子の名前。
<星の子>
七星が中学に入学して出会った水輝。
父親は、有名なイケメン俳優。
七星も母親が皆が知る女性宇宙飛行士で、似た境遇ゆえ、お互いの気持ちが
よくわかり仲良しに。
最後の話<リフトオフ>では今までの話の総まとめ的なかんじ。
七星と水輝はアメリカに留学していて、七星の母親がいるアメリカで
母親の知り合いが集まるパーティへ。
目を怪我して視力が悪くなった女の子・美星はロボットの開発・設計をしていて
母親とも仲良し。
美星が努力して夢を叶えていたことには感動した。
他にも「あ~この人は・・・」という人たちが、最後の場面にいて
みんな繋がっていたんだなぁ~と思うと、また最初から読みたくなる
素敵な話だった。
この先の七星と水輝の成長も気になるなぁ~。
女性が第一線で働いているのは、恰好いい!
家族の理解と協力が必要になるけれど。
★★★★★
発行年月:2022年3月
圧巻。ついに。
ラストの情景はぴたりと見事に着地が決まって、これしかないという美しさだ。ひとは、こういうカタルシスを覚えたくて、物語を読むのだろう。 村山由佳
父が壊した女。それでも俺はあの女が描きたい。
『銀花の蔵』『雪の鉄樹』『オブリヴィオン』の著者が放つ、
人間の業の極限に挑んだ、衝撃の問題作
しがない日本画家の竹井清秀は、妻子を同時に喪ってから生きた人間を描けず、「死体画家」と揶揄されていた。ある晩、急な電話に駆けつけると、長らく絶縁したままの天才料理人の父、康則の遺体があり、全裸で震える少女、蓮子がいた。十一年にわたり父が密かに匿っていたのだ。激しい嫌悪を覚える一方で、どうしようもなく蓮子に惹かれていく。
(講談社HPより)
一気読み。凄い話で疲れたぁ~。
狂気だらけの世界。
父親のことを憎み嫌いながらも自らも自分の欲望のために同じように堕ちていく。
芸術家って、恐ろしい。
冒頭で、日本画家の竹井清秀(35歳)の余命は短いと知らされているので
こんな狂気に向かっていく姿も想像したけれど、想像以上に壮絶だった。
清秀の伯父・治親は作家で、このなかでは真っ当な考え方をする人かと思われた
けれど・・・違った。
作家として、書かなくてはと思ってしまったんだろうか?
そんな狂気の人たちに利用された少女・蓮子は、このあと、どうなったんだろう。
何処かで穏やかに暮らせていればいいけれど・・・・
嫌な話だけれど、物語としては、面白かった!
★★★★★
(講談社HPより)
一気読み。凄い話で疲れたぁ~。
狂気だらけの世界。
父親のことを憎み嫌いながらも自らも自分の欲望のために同じように堕ちていく。
芸術家って、恐ろしい。
冒頭で、日本画家の竹井清秀(35歳)の余命は短いと知らされているので
こんな狂気に向かっていく姿も想像したけれど、想像以上に壮絶だった。
清秀の伯父・治親は作家で、このなかでは真っ当な考え方をする人かと思われた
けれど・・・違った。
作家として、書かなくてはと思ってしまったんだろうか?
そんな狂気の人たちに利用された少女・蓮子は、このあと、どうなったんだろう。
何処かで穏やかに暮らせていればいいけれど・・・・
嫌な話だけれど、物語としては、面白かった!
★★★★★
発行年月:2022年3月
天気を変えることはできない。
人間も、他の生きものも、あるがままを受け入れるしかない。
天気の研究に生涯をささげた藤巻博士。博士一家・四世代の歴史と、彼らとの出会いで変化していく人々の生きざまや家族の在り方を丁寧に描いた傑作連作短編小説。
(ポプラ社HPより)
1958年の立春から2022年の立春までの屋久60年の藤巻家の歴史を描いたお話。
楽しかった。
最初の話では、藤巻家の息子・昭彦と通いの家政婦・スミの出会い。
次の話<1975年 処暑>
二人は結婚していて、息子の和也は
中学3年生。
その息子の家庭教師に昭彦の教え子・光野昇が通っている。
<1988年 秋分>
藤巻家の隣家の女性目線のはなし。
藤巻家は、教授夫婦(昭彦とスミ)、その長男夫婦とその娘・成美(3~4歳)
の5人家族だという。
教授夫婦の長男は画家になり、妻は画廊に勤めているという。
<1999年 夏至>
画家の和也が不倫しているという話。
これは、ちょっと嫌だね~(^^ゞ
<2010年 穀雨>
市役所の防災課に光野教授と研究室の院生である藤巻成美が訪れ
今後、大雨による甚大な被害が予想されるデータをもとに今後の市の防災に
ついての話をしている。
成美は、昭彦の血を継いだんだな~と嬉しくなる。
<2022年 立春>
成美の子ども・玲(小学2年生)が、母親が3日間の出張で留守の間、母親の
実家で過ごすことになり初めてひとりで電車に乗り向かう。
玲の父親は誰か明かされていない。
詳しくはわからないが成美はひとりで玲を育てているらしい。
最初は陽平叔父さん(成美の弟で製薬会社の研究員)の元で留守中過ごす予定が
叔父にも予定が入ってしまったため。
ここにスミがいない。
病死したみたい。
昭彦は、もう仕事はしていないだろうけど、昔のまま。
マイペース。
空を眺めるのがすき。
最初の話で昭彦とスミが結婚に至るまでの
2人のエピソードがもう少し読みたかったなぁ~
表題の長靴が物語のシンボル的アイテム。
二十四節気を大切に思いながら暮らす生活はいいなぁ~。
★★★★
(ポプラ社HPより)
1958年の立春から2022年の立春までの屋久60年の藤巻家の歴史を描いたお話。
楽しかった。
最初の話では、藤巻家の息子・昭彦と通いの家政婦・スミの出会い。
次の話<1975年 処暑>
二人は結婚していて、息子の和也は
中学3年生。
その息子の家庭教師に昭彦の教え子・光野昇が通っている。
<1988年 秋分>
藤巻家の隣家の女性目線のはなし。
藤巻家は、教授夫婦(昭彦とスミ)、その長男夫婦とその娘・成美(3~4歳)
の5人家族だという。
教授夫婦の長男は画家になり、妻は画廊に勤めているという。
<1999年 夏至>
画家の和也が不倫しているという話。
これは、ちょっと嫌だね~(^^ゞ
<2010年 穀雨>
市役所の防災課に光野教授と研究室の院生である藤巻成美が訪れ
今後、大雨による甚大な被害が予想されるデータをもとに今後の市の防災に
ついての話をしている。
成美は、昭彦の血を継いだんだな~と嬉しくなる。
<2022年 立春>
成美の子ども・玲(小学2年生)が、母親が3日間の出張で留守の間、母親の
実家で過ごすことになり初めてひとりで電車に乗り向かう。
玲の父親は誰か明かされていない。
詳しくはわからないが成美はひとりで玲を育てているらしい。
最初は陽平叔父さん(成美の弟で製薬会社の研究員)の元で留守中過ごす予定が
叔父にも予定が入ってしまったため。
ここにスミがいない。
病死したみたい。
昭彦は、もう仕事はしていないだろうけど、昔のまま。
マイペース。
空を眺めるのがすき。
最初の話で昭彦とスミが結婚に至るまでの
2人のエピソードがもう少し読みたかったなぁ~
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二十四節気を大切に思いながら暮らす生活はいいなぁ~。
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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