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読んだ本の感想あれこれ。
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8f6ee87b.jpg発行年月:2005年2月


珠玉の名作『星の王子さま』の続き?

とんでもない!そんなもの、だれに書けるものか。
というわけで、ついに半世紀の間、だれひとり試みなかったのです。それが、とうとうカナダであらわれたのでした。この作品全体が、天国でねむるサン=テグジュペリへの熱烈なファンレタ-になっています。

                
(訳者あとがきより抜粋)

図書館の児童書コ-ナ-を眺めていて、目に留まりました。

「帰ってきた・・・」なんて、半分、冗談みたいな表題ですが、手に取ると、表紙の絵に、惹かれました。
星の王子さまのイメ-ジに近い感じです。
本書の挿絵は、日本語版だけのオリジナルだそうです。


お話も、良かった。
海で漂流した末、たどり着いた島で、金髪で、木箱にヒツジを入れた男の子に会う男性の話。
男の子がどうしてここに?と思うと、自分の星にいる一匹の虎を退治してくれる者を探して、いろんな星を巡り、ここ(地球)に今はいるのだと。
「星の王子さま」に登場する、気品高いバラの話も出てきたり、あの王子さまに間違いない!と読者にも思わせてくれました。

挿絵も結構、多くあるのですが、とても素敵。

児童書コ-ナ-にありましたが、「星の王子さま」を愛する大人なら、読んで損がない物語でした。

著者は、サン=テグジュペリをとても尊敬しているんでしょう。
サン=テグジュペリに手紙で王子さまに会った事を詳しく報告する形になっています。
言葉の端々にその敬意を払う気遣いを感じました。


サンーテグジュペリは飛行機乗りで第二次世界大戦中に亡くなっていますが、生きていたら、きっとこの作品を喜んで読んでくれたんじゃないでしょうか?


なんだか、今度は「星の王子さま」を読み返したくなりました。

★★★★
PR
76db8b95.jpg発行年月:2008年10月

幼稚園から、息子が蜂に刺されて救急車で運ばれたと連絡を受けた小川香奈子。こんな時期に蜂が・・・不審に思いながら幼稚園へ行くが、息子は既に誘拐された後だった。そして、さらに驚くべきことが香奈子を待ち受けていた。幼稚園の職員は、息子を連れ去ったのは、他でもない香奈子だったというのだ。それは前代未聞の誘拐事件の幕開けにすぎなかった-----。
                       想像を絶する事件の真相と犯人とは!?

                         直木賞作家最新ミステリ-が遂に刊行。

                                  (角川春樹事務所HPより)

幼い子どもが誘拐されたところから始まる物語。
それを解決する話なのか?と思いながら、読んで行くと・・・意外とその事件は簡単に解決する。
その誘拐事件そのものは、本当のミステリ-の序幕でしかなかったことにビックリ!

まだ、本は半分残ってるのに・・・どう話は展開し続けるのか?と思っていると・・・またまら新たな事実が突き出され・・・。

そして、それも解決?の予測がつくころ、更なる事実が投げかけられ・・・・。

「あれ?そうすると、前の話は・・・・・・・・ってこと!?」なんて、自分の頭を立ち止まって整理し直さなければその後が、上手く進まない気がして・・・・
結構、詠みながら頭を使いました。
ただ、ダラダラと読んでいるだけでは、謎は解けないかんじで。。。。。

でも、著者の親切心か?ときどき、登場人物の誰かが、過去の謎を整理するかのような話をしてくれたので、助かりました^^;

事実だと思ったことが、嘘で、そのまた先の事実と思ったことも嘘で・・・・・どうなるのぉ~!?と思いながら、ある種の緊張を強いられるお話でした。

本当の犯人とその真相も最後に一応明かされますが、そこには、まだなんとも言えないモヤモヤしたよく見えないものもあるかんじでした。
後味、スッキリのミステリ-ではありません。
けど、こういう最後もわたしは好きなので満足しました!

読み終えてみると、なるほど、このタイトルとこの写真は、物語そのもの。
これは造花なんだろうか?なんて、ちょっと見入ってしまったり・・・・笑

この著者の名前はよく知っていましたが、作品を読むのは初めてでした。
こんなに読者を迷わせる作品を書く方だったとは!
嬉しい驚きでした!

過去の作品も読んでみたい!

★★★★★
1adcaec1.gif    発行年月:1993年9月


    家も家庭もない12歳の少年が、破れたスニ-カ-を
    パタパタさせてこの町にやってきたときから、
    ひとつの伝説がつくられはじめたそうだ。

    
世界中で爽やかな感動を呼んだ
    ニュ-ベリ-賞受賞作

         (本の解説文より)
 
 
先日、読んだ「ひねり屋」が面白かったので、同じ作者の他のニュ-ベリ-賞受賞作も興味があって図書館から借りました。

主人公のマギ-(本名は、ジェフリ-ライオネル・マギ-)は、3歳で両親が事故で亡くなった為、親戚の家で育てられていた。
しかし、その親戚の元を飛び出し、ただひたすら走り続けて、ある町にたどり着く。

マギ-は白人。
たどり着いた場所は、白人が暮らすウエストエンドと黒人が暮らすイ-ストエンドに分かれた場所。

そのどちらの場所にも平気で行き来し、その場所それぞれで、自由気ままに過ごすマギ-。
そんなマギ-を誰もが、クレ-ジ-と言う。
しかし、そのクレ-ジ-には、半分はヒ-ロ-的な意味もあるところが楽しい。

アメリカの人種問題が背景にあるものの、物語は、明るく孤児のマギ-にも暗さは全く感じない。

マギ-が起こす、クレ-ジ-だけど、素敵な出来事もいい!

黒人のワルぶってるマ-ズでさえ、マギ-相手なら、憎めない男の子に変身しちゃう。


読んでいて、楽しかった♪


この作家さんの作品、ほかにもどんどん読みたくなりました!



★★★★


                                                         
 
e4fafc14.jpg発行年月:2009年3月


恋人・隆一を事故で亡くした志保。彼の母が営む店を手伝う彼女の前に現れたのは、その死の原因をつくった五十嵐だった。

ベストセラ-「ナタラ-ジュ」の著者が贈る、切なくも儚い恋愛小説。


                        
(幻冬舎HPより)


表題作「君の降る日」とほか「冬の動物園」 「野ばら」と3編が収められています。

表題作の「君の降る日」がちょっと長くて2つの連作から成っている。
事故で突然、恋人を亡くし、そこに現れた隆一の友達で事故のとき、運転手だった五十嵐。
事故は、五十嵐の過失からというわけでは、ないけど、隆一の母も志保も最初は、少し五十嵐を責める気持ちを持っている。
しかし、五十嵐の誠実な態度に惹かれ始める志保。
これは、愛なのか?
う~ん。こういう状況に自分が直面したら?なんて考えちゃいました。

まだ若いから、普通に付き合っていても、別れたかもしれない恋人。
だけど、突然この世から消えてしまったら、気持ちは好きなまま止まったままになって、苦しいだろうなぁ~。
切ない話でした。


二番目の「冬の動物園」は、ちょっと明るい未来が見えるお話で、微笑ましいかんじ。
失恋したばかりの女性が、かなり強引な年下の男の子に誘われ、付き合うという話。
このくらい強引に誘われたら・・・・年下でも心は揺らぐかな?


そして、三番目の「野ばら」はまたまた、切ないお話でした。
女性の気持ちが丁寧に描かれていて、好きなのに本音は言えず・・・・というビミョウな関係が続くのって、あるとき(恋人になれる可能性アリの時)までは、それで満足でも、あるとき(相手に恋人が出来たとき)から苦しいなぁ~。


本文中に出てくる谷川俊太郎さんの詩「あなたはそこに」の全部を、読みたくなり、探して読んで、島本さんがあとがきで書かれていた意味が少し理解できました。


3つのお話それぞれが胸に響いてくるものでした。

★★★★
94864147.jpg発行年月1992年7月(第1刷)
      1999年(第43刷)


怪我のリハビリ中の為、休職中の刑事・本間俊介は、親戚の栗坂和也から行方不明になった婚約者の関根彰子を探して欲しいと依頼される。

捜査の最初で彰子には自己破産の経歴があった事を知る。
そして、そこから次々と明かされる驚きの事実。

                        山本周五郎賞受賞作品


先日、宮部さんの読んだファンタジ-(?)・英雄の書が、やや自分のなかでは期待ハズレだったので、結構、前の作品で、宮部作品のなかでは、人気が高い本書を読んでみました。

面白かった!
やはり、宮部さんは、こういう作品の方が上手い!!

行方不明の女性・彰子を追ううちに、自己破産の事実があり、それから、実は別人・新城喬子になりすましていたという事実がわかり・・・・

二人の女性に、共通してある過去が、借金。
彰子の場合は、自分が作った借金。
喬子の場合は、父親が作った借金。

借りたお金は、返して当然なのですが、クレジットカ-ドによるキャッシングには、恐ろしく高い金利が付いているという事が、借金地獄に陥る原因。
借りた者だけが悪いと言うのは、酷過ぎる!
こういうカラクリは、もう少しどうにかならないものなのか?

彰子の行方を追いながら、もう一人の女性・喬子の行方も追うという話の展開で、二人の女性は、何処に?と自然にその真相を早く知りたい!という気持ちにさせられた。


そして、少しずつ知らされる事実。
う~ん。切なかった。

ラストを、読んだそのときは「え?ここで終わり!?」と、やや拍子抜けでしたが、暫くすると、あの終わり方で、やはりよかったんだと思えました。

二人の女性が、最後まで出てこないからこそ、いいのかも。


重たい話のなかで時々、登場の本間の息子・智が可愛かったなぁ~。
行方不明になった犬を探す場面は、泣けたけど。
母親が亡くなり、本間と二人暮らしだけど、周りの人に手助けされながら、素直で良い子に育ってる。
言うこともシッカリしてるし、思いやりが感じられて。


この本はもう暫くしたら、また読み返したくなるというかんじ!

過去の宮部作品で、まだ読んでないものも多いので、また探して読んでみよう!

★★★★★
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