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読んだ本の感想あれこれ。
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967c45a7.jpeg発行年月:2009年10月


人は弥勒にも夜叉にもなる
江戸を生きる「あさのあつこの世界」

刀を捨てた商人遠野屋清之助。
執拗に事件を追う同心小暮信次郎と岡っ引き伊佐治。
かけがいのない暮らし、ささやかな幸せに忍び寄る闇を前に、人を抗い、定めに抗い、己の情に、抗う男たち。
生きるのか死ぬのか、愛すのか憎むのか、怖れながら惹かれていく。

時代小説に新しい風を吹き込んだ、
『弥勒の月』『夜叉桜』に続く待望のシリ-ズ最新作登場!

                                    
(光文社HPより)

今回も面白かった。
全2作と同様に登場の主な人物三人(清之助、信次郎、伊佐治)。

4つの事件に関わってくるのは、三人の人物の周りに居る者たち。
遠野屋の女中頭・おみつだったり、伊佐治の息子の嫁・おけいだったり。

相変わらずの皮肉屋で容赦なく相手を打ちのめす物言いの同心・信次郎だが、仕事はキッチリ決めて格好いい!

物腰柔らかだけど、隙がないかんじの遠野屋清之助だったけど、おこまちゃんの存在がちょっと人として温かみを出して来たかんじで、嬉しい。

表題作の「木練柿」では、清之助の妻で亡くなったおりんの生前の事が語られ、前作を読んだ人にはジ~ンと来る場面があります。
清之助には義理の母である・おりんの母・おしのとの関係も今は信頼で結ばれているんだな~。

最後に驚きの事件がありました!
事件解決後に信次郎が憂いたこと・・・・今後起こるのかな?

守る者が出来ると、人は強くもなるけど、同時に弱みも持つといくことか?

これは、更に続きがありそうな予感。

またまた楽しみに待ちましょう(^^)

★★★★
PR
9d367408.jpg発行年月:2009年9月


水しずくのぴしゃんちゃんとぼくの物語。

町はずれの借家に越していた「ぼく」は、薬草を売りながら、その日暮らしを送っていた。ある日、庭の葉っぱにいる水しずくに話しかけられる。


                     (小学館HPより)


可愛らしい絵は、著者本人によるものだそうです。
カラ-のイラストが中に幾つかあるのですが、とても可愛いのです!

そして、水しずくのぴしゃんちゃんとぼくの関係が、なんだか良い感じ♪
「ぼく」というと子どもみたいですが、立派な(?)社会人で、働いています。

「ぼく」のこれまでの経緯はちょっと変わっていて、何かちょっと責任あることを任されるたびに逃げ出す事を繰り返してきた男。
ゆえにジョ-ハツと呼ばれる。
最初、ぴしゃんちゃんに会ったときの会話もおもしろかった。
しずくなんだから蒸発するんだろ?と聞くとぴしゃんちゃんは「わたしは蒸発しない」と言い切る。

しぐさは可愛らしい女の子(?)なんだけど、ちょっと生意気な口調でジョ-ハツはまるで、ぴしゃんちゃんの家来の様子。

何度か職も変えたジョ-ハツが最終的に選んだ仕事は、くすり草採取。
それを薬草屋さんとハ-ブ屋さんに持って行き、売る仕事。

ぴしゃんちゃんは、ジョーハツの肩に乗ったりして一緒にお出かけ。

蒸発しないと言った、ぴしゃんちゃんだけど、最後は蒸発していく。
その前に二人が交わした約束のような会話もよかったぁ~

かわいらしくて、夢があって、ちょっとせつない、素敵なお話でした。

初めて読んだ、作家さんでしたが、好きだな。こういうかんじ。
他の作品も読んでみよう!


★★★★
9e1018e1.jpg   発行年月:2009年9月


   なんにもなかった。だけどなんだか楽しかった。
   愛しい人々。

   『パレ-ド』『悪人』の吉田修一が描く、
   風薫る80年代の青春群像。


                         
(毎日新聞社HPより)

インパクトある名前。
井原西鶴の「好色一代男」の主人公と同じ名前とか。

インパクトある名前だけど、その暮らしぶりは平凡。
大学進学を機に東京(埼玉に近い)に来た世之介。

家賃4万のワンル-ムマンションに住む初日から、隣の住人と普通に会話して、仲良くなって・・・大学の入学式で隣に座っていた倉持ともすぐ友達になり・・・・
出会う人々を普通に受け入れていく男。

頼まれるとイヤと言えない。
倉持に誘われて成り行きで入ったのは「サンバサ-クル」。

大学生活の様子は、のどかで楽しそう。
これと言った大きな事件は起きず、この物語は、どういう結末を迎えるのやら?と思っていたら・・・・・

中盤あたりで「え?そういうこと?」と驚きが\(◎o◎)/!
なるほど、少し前にこれと同じようなニュ-スがあり、結構、胸が痛みました。
と同時に何か、温かい気持ちにもなりました。
こんな風に行動出来る人がいるんなんて!と。

物語は、世之介の大学生時代(80年代)と、世之介たちが40歳になった現在が入れ替わり語られる形式で進みます。

へ~あの子は、こういう道に進んだんだ~など、思いながら・・・・。

世之介はとっても素敵な大人になったとわかって嬉しかった。

読みながら最後はちょっと切ない涙が出ますが、世之介のお母さんが大学時代、一時、世之介と付き合っていた祥子に宛てた手紙の言葉はジ~ンと胸に沁みました。

平凡な日常の中で、出会った人と人の繋がりも後から考えると、その後の人生に大きな影響を与えていたとわかる。
出会う人によって、その後の自分の生きる道も変わっていくって事なんだと、これを読んで感じました。

「あいつと出会って得した気分」・・・そんな風に言われる世之介、とってもいいな。

軽い青春小説でありながら、強い印象が残る作品でした!


★★★★

cc5484bb.jpg   発行年月:2008年6月


   本物の大人になるための
   人生帝王学62のル-ル

   地球上には鏡の法則が働いている/悪口を言わない/悲しんでいる人と接する方法/師をみつけよう/「包み込み」がベストの方法/相手がしてほしいことをしてあげる/成功の3条件を身につける/自分を一流と思ってマネる/だれでも努力と継続で天才になれる/本を読む、人の話を聞く、実際に経験する/やる気が1番。前列に並んだ人が勝つ!/即時処理と後手始末で時間を味方につける/一番をつくろう/長所をを伸ばし、使命、役割を果たす  他


                                      (マガジンハウスHPより)

子どもにも読ませようかな?と思って図書館から借りてきたら、この表題に惹かれたようで、13歳の長女がパラパラといくつかの項目を先に読んだみたいです。

「わかりやすくて、いいね!」と。

項目が62と多いのですが、1つの項目が2ペ-ジなので、ペ-ジをめくると次の項目で子どもには読みやすい。
本当に大事なことを簡潔に。
わかりやすい言葉で書かれているので、スラスラどんどん読めてしまいます。

大人では、もう既にどこかで聞いた事もあるし、当たり前過ぎることもあるのですが、どうしてそうしなければいけないのか?と改めて考えると難しいような事も実に簡単に書いてくれているので、子どもから似たような質問をされてもこれを思い出せばいいんだ!なんて思いました。

子どもが読んで理解してくれたら、一番良いですけどね・・・^^;

次女にも読ませようかな?(無理強いはダメですけどね)

★★★★
e549da22.jpg   発行年月:2008年11月


   これぞ、究極のどんでん返し!あらゆる予想は、
   最後で覆される。


   ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、
        短編の華であり至難の業でもある。
   本書は、その更に上をいく、
   「ラスト一行の衝撃」に徹底的に拘った連作集。
   古今東西、短篇集は数あれど、
収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ!


          
                               (新潮社HPより)

↑新潮社の解説、凄いな・・・笑
ラスト一行は、やや大袈裟なかんじがしますが、結構、当たってる。

5つの短編、それぞれが面白かった。
共通してあるのは、なにやら謎めいた読書サ-クル「バベルの会」

5つのお話、それぞれ違う語り部たちですが、皆、若い女性。
「バベルの会」に属する令嬢たちと、その周りで仕える使用人たちが多く登場。

お話の舞台は由緒あるお屋敷内であったり、主人所有の別荘だったり。
そこで起きる惨劇の数々。

真相は、最後の方で明かされて・・・・「えっ?」と驚かされる。

どれも面白かったけど、気に入ったのは
「玉野五十鈴の誉れ」・・・・玉野五十鈴とは、女中の名前。物腰は丁寧で申し分のない。その五十鈴に身の回りの世話をしてもらう五十鈴と同年の純香のはなし。
意外な展開で一番、驚いた。
五十鈴の誉れ・・・徹底していて恐ろしいほどに見事。


最後の「儚い羊たちの祝宴」も良かった!
ラストにふさわしい作品。
天才料理人・夏が天才とされる所以にビックリ!

金持ちの主人が申し付けた料理・アミルスタン羊の料理が出来上がった!
さてどんな料理?

成金の父を冷静に観察するその娘・鞠絵の語りが突如終わる・・・・この後は何が?

この終わり方の唐突さは計算なんでしょうね。

わけわからんじゃん!なんて言ったらダメなんでしょう。
想像して前の話を再び思い出して余韻に浸ればいいのかな?


十分に楽しませてもらいました(^^)

表紙の写真と装丁、いいですね・・・中を開いたところの写真も本の内容にドンピシャなかんじで
気に入りました!


★★★★


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