イギリスとアイルランドにはちても行きたい。
だが、飛行機には乗りたくない。
いよいよ迫ってきた搭乗時間に、廊下を歩いていった私はそこで完全に立ち止まってしまった。
そこには、大きな窓があった。
そして、その外には、大量のあの乗り物が蠢いていたのである。
ひえ―、あんなにいっぱいあの乗り物がっ。
信じられないっ。オ-マイガッ。
空港なんだから当たり前だが、博多でも羽田でもこんなに沢山の飛行機を見たことはなかったのだ。
さ―っと、全身から血が引いて、抜けた。
私は完全に思考停止に陥った。(本文より)
(本の帯文より)
最初に著者も言ってる通り、これは紀行文。
ずっと前から憧れていたイギリスとアイルランドを訪れて、観光も楽しむ著者。
しかし、行き帰りとイギリスからアイルランドに移動するときには飛行機に乗らなくてはならない。
恩田さんは、飛行機に乗るのが怖いのです。
その恐怖感に打ち勝つためにいろいろな作戦を立て実行しようとする様が可笑しかった。
搭乗する前の恐怖も相当なものらしく、
歴史上の偉人について同行者と語り合ったり・・・
家畜について考えたり・・・
なんとか恐怖を紛らわそうと必死でした。
いよいよ機内に入り離陸。
アルコ-ルの力を借りて、寝てしまえばいいと思い、ビ-ルやら白ワインを飲む。
けれど・・・・なぜか酔えず、眠れず・・・・
イギリスとアイルランドの観光の様子は、ま、普通なので、あまり印象に残っていません^^;
でも、面白かったなぁ~。
紀行文なんだけど、旅先の観光の様子は印象薄いのも変だけど、こういうのもいいじゃない?
無事、帰国出来てホッとした様子もいいな(^^)
そして、この可笑しな表題の意味が最後にわかりました。
旅を終えて普通の日常に戻ったとき、ふと蘇る旅でのイメ-ジ。
それが恐怖のあとに得た報酬なんですね!
読むだけで恋したくなる。
石田衣良『ドラゴン&フラワ-』危険な香りがする彼。いけないとわかっているのに・・・
角田光代『卒業旅行』友人と行った旅先で、ちっぽけな自分に絶望。そこに現れたのは・・・
嶽本野ばら『Flying Guts』きらめく星のような恋の時間。それは永遠に続くように思えたけれど・・・
森絵都『本物の恋』忘れたくても忘れられない。あなたに出会ったあの夜のことは・・・
(本の帯文より)
短い恋のお話5つ。
どれも、ササッと読めちゃいます。
でも、どのお話も良かった。
島本さんの「初恋」はちょっと切ない悲しい物語でしたが、他のお話は明るいかんじ。
初めて読んだ嶽本野ばらさんの『Flying Guts』が良かったなぁ~。
職場の憧れの人に引っ込み思案で、今まで何をしても間が悪くついていなかった主人公が、クイズ番組に出るガッツ石松に勇気づけられるというのが楽しい!!
勇気を出してアタックしたその結果も良かった!
最高にHappyな雰囲気が一番だった!
いいな。この話。
嶽本さんの本、今度、読んでみよう!
お話として印象に残るのは、やはり森絵都さんの『本物の恋』かな?
上手いな。やっぱり。と再認識でした(^^)
遠くから見つめていたものが
いまなら手に入るかもしれない。
時空を越えた旅とあたらしい商品カタログ
旅先から届いた品々
七つの夜の香り
週景手帖
<スペ-ド専門店>の広告
軽業師の足あと
月夜のタイトロ-プ
「手乗り象」の絵葉書
やさしいアイロン
道化師たちの鼻
アナ・トレントの鞄
探し求めた全34品 すべて一点かぎり
図書館の棚を眺めながら歩いていて、ふと目に留まったこの本!
赤い表紙もなかなかお洒落だし、この題名にも惹かれた!
アナ・トレントの鞄・・・・映画「ミツバチのささやき」で主人公のアナ・トレントが手にしている鞄だそうです。
映画は見たことないけど、見たくなった!!
この物語(?)は、そのアナ・トレントの鞄をどうにかして手に入れクラフト・エヴィング商會のカタログに紛れ込ませたいと思った著者がそれを仕入れる旅に出て、その先々で見つけた鞄の中身にも生り得る数々の商品を紹介するもの。
その商品がどれも素敵!
綺麗な写真とともにその商品の説明文が書かれているのだけど、その説明がなかなかいいのです!
ファンタジックで、おとぎ話の世界のもの?というような物もあり。
実用的というよりは・・・・ちょっと変わったもの?
なくても困らないけど、あったら是非手に取ってみたいもの。
わたしが特にいいな!と思ったものは・・・
携帯用のシガレットム-ビ-・・・テイクアウトの映画。いいな。こんなのあったら欲しい!!
稲妻の先のところ・・・綺麗だから眺めているだけでいい!
七つの夜の香り・・・コルクの栓を抜きゆるやかな夜がたちのぼる様を見たい!
著者のクラフト・エヴィング商會とは、なんぞや?と思ったら・・・
吉田浩美、吉田篤弘の2人による製作ユニットだそうです。
著作の他に、装幀デザインを多数手がけ、2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞を受賞とか。
とてもお洒落で粋な本でした!
こういうの大好き!!
著作リストに書かれた本、ほかの物も是非、読んでみよう!
直木賞作家・朱川湊人、こよなく愛する「ウルトラマン」ワールドに挑む!
新たな歴史を刻む小説版『ウルトラマンメビウス』、堂々の完成!!
CREW GUYS研修隊員・ハルザキ カナタ。
夢は、ウルトラマンだろうが何だろうが、
すべての異星人を地球から追い出すこと。
若き地球防衛隊員を通して描く、
ウルトラマンメビウスの活躍と葛藤。
一級品のSF小説として描かれた、ファン必読の新たな「ウルトラマン」像!
(光文社HPより)
主人が図書館から借りて読んでいたので、わたしも読みました。
朱川さんが実際にウルトラマンメビウスの脚本を担当していた事実は知らなかったのでビックリ!
ウルトラマンシリ-ズは子どもの頃、弟は夢中で観ていましたが、わたしが見たのはウルトラマンやウルトラセブンくらいかな?
メビウスが放送されていたのは、2006年4月~2007年3月までだそうで、結構最近なんですね?
なので、ここに登場するGUYSのメンバ-の面々が実際にも登場する人物なのかもわかりません。
けれど・・・面白かった!
ウルトラマンは見ていていたので、本当はメビウスなのに人間の姿に変えて普段はGUYSのメンバ-として地球防衛にヒビノ隊員の働きは映像的に頭に浮かびました。
この物語の主人公はハルザキカナタ。研修隊員としてGUYSのメンバ-に加わる青年。
最初はほかの隊員の言動にやや違和感を抱いたり、いまひとつ溶け込めないのですが、研修を終える最後の方には、立派なメンバ-の一員になっている。
彼の成長の物語でもあったのかな?
いろいろな怪獣やら異星人が登場して地球の危機か!?とすぐ思っちゃうのですが・・・
幼い頃、見ていた怪獣=敵の考え方はちょっと改めなくてはいけないのかも?なんて思うお話が幾つか。
地球に接近した異星人たちにもちゃんと理由があったり人間と同じように相手を理解しょうとする優しさもあった。
<怪獣使いの遺産>の話は結構、ジ~ンと感動した。
メイツ星人・ビオとカナタ・・・・それぞれお互いが異星人なのに、何か通じるものがあって分かり合えた瞬間。
話し合うって大切なんだな。。。。なんて思った。
ウルトラマン世代の大人には懐かしい気持ちにさせてくれる物語。
活字で読むこういう話もいいな。
でも逆に見たこと無い、ウルトラマンメビウスが見たくなった!
DVDとかあるかな?
★★★★
死んだ妻に会いたくて、霊現象探求所を構えている真備。その助手の凛。
凛にほのかな思いをよせる、売れないホラ-作家の道尾。
三人のもとに、今日も傷ついた心を持った人たちがふらりと訪れる。
友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年。拾った仔猫を殺してしまった少女。自分のせいで孫を亡くした老人・・・。
彼らには、誰にも打ち明けられない秘密があった。
(本の帯文より)
「流れ星の作り方」「モルグ街の奇術」「オディ&デコ」「箱の中の隼」「花と氷」
5つの短編集。
最初の「流れ星ほ作り方」の雰囲気が好きだな。
凛が偶然、出会った少年との会話。少年に教わった流れ星のつくり方。試してみたくなる!
でも、疑問も・・・。
少年の目は見えるの?見えないの?よく見えないだけ??
ラストの話「花と氷」で出てきた老人の抱える苦悩は気持ちを想像すると切なかった。
亡くなった孫と同じ年代の子達を招いたお楽しみ会で、悲劇が起こらずホッとしました。
霊現象探求所を営む真備は冷静で鋭い洞察力でなかなかのキレモノなのに反して作家・道尾が実に頼りないのが面白い。
著者の遊び心か?
5つの話はそれぞれ面白かったけど、ところどころ「?」の箇所あり。
後で気づいたけど、これはシリ-ズ物なんですね!?^^;
三人の会話に出てきた<白峠村の事件>とか<仏像の事件>が気になる!
先のシリ-ズ作品「背の眼」と「骸の爪」も読んでみなきゃ!
この二作はなんだか不気味な題だったので、敬遠していたのですが・・・^^;
★★★
06 | 2025/07 | 08 |
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;