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読んだ本の感想あれこれ。
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8758ef3b.jpg発行年月:2010年1月

介護に疲れた娘が選んだ究極の選択後の24時間
自分の母親を殺すのは簡単なことだった……。47歳のヘレンは88歳になる母を衝動的に殺してしまった。母は父が死んで以来ここ20年ほど一歩も家から出たことがない。母の世話は父の死以来、ヘレンの義務だった。元々変わり者だった母は年老いてますますヘレンに毒づくようになり、母への献身的な介護が愛によるものか、憎しみによるものかわからなくなってしまっていた……。ついに究極の選択をとってしまってからの24時間に錯綜するヘレンの47年間の母との日々と、ヘレン自身の娘と夫との生活、次第に静かに壊れていくある女性の気持ちを克明に追った問題作。

                                     (ヴィレッジブックスHPより)
 

映画化された「ラブリ-・ボ-ン」を書いた著者の最新刊ということで、気になり読みました。
先に読んだ「ラブリ-・ボ-ン」同様、重たい内容でした。

最初に先ず、殺人の場面。
しかし、今回は、介護していた実の母親を殺してしまう娘のヘレンの語りで綴られる物語。

殺してしまった!動揺しつつ、どこか冷静なヘレン。
なんとかこの事実を隠し通そうと思いあれこれ思案。
唯一、別れた夫に連絡し、事実を告げる。

自分がまだ幼く、父親も健在だった時代の思い出話から、別れた夫・ジェイクとの事、二人の娘たちの事と次々に思い出すままに過去が綴られる。

幸せな普通の暮らしの時代もあったと思う。
しかし、どこか違和感があるのはナンだろう?

そしてヘレンが高校生のとき家の前で起きたある少年の交通事故が発端になり、
もっと暗い闇のような世界に呑み込まれて行ったかんじ。

始終、暗い空気感だけど、話は退屈することなく、ヘレンが生きた環境を自分も同じように生きたら
同じ間違いを犯してしまうかも?と思い、なんだかいろいろ考えさせられた。

けれど暗い話のなかにも、ちょこちょこ光が先に見えるような・・・・

そしてラストは、ハラハラしましたがホッと出来る終わり方だったかな?

ヘレンが選んだ道は、二人の娘の為にも良かったと思う。
と勝手な解釈してますが・・・
最後の解釈は人それぞれかも。

なかなかこれも読み応えがありました。


★★★







 

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a1304bd0.jpg発行年月:2010年3月


痴呆の母を抱える中年男性、ホームレス殺害に手を染めた小学生の兄妹…大切な何かを守るため、人は悲しい嘘をつく。
一匹の蝶が絶望の果てに見た光景とは------

人間の弱さと優しさを描く連作長編。

     
                       
                        (集英社HPより)

第1章から第6章まで
それぞれの主人公たちが抱えるものは重たく暗い。
途中までは、この先、彼らに救いはあるのか?と読みながらこちらの気持ちまで落ち込む。

が、それが次第に変化する。

最初は短編集かと思われた話でしたが、主人公たちはほかの話少しずつ繋がっていく。
人と人が接するなかで、新たな関係が生まれ、そのことにより光が見えてくる。

話の所々に出てくる、虫(蝶とか・・・)、そしてそれぞれの人が目にする光。

植物は、風によって、あるいは虫によって花を咲かせ、人は人と接するなかで光を見いだし
また先に進んでいける(花を咲かす)という事なのかな?

第6章まで進みながら、前に出てきた人がこの人とこういう形で接点があったんだ!とか
同じ場面をほかの人の見方から描き、なるほど~本当はそういう事だったのね?など

驚きと喜びを感じながら、最初の重い雰囲気が少しずつ溶けていくかんじでした。


段々に希望に向かうお話でホッとしました。

話の展開の上手さはさすがです!

そして、この本の装丁と表題も、素晴らしい!!
文句のつけどころがない1冊でした(^^)

★★★★★
85b32a12.jpg発行年月:2010年3月

 
昭和40年代----。
小学3年生の僕らは、身の回りに起こる不思議な事件を解決する「ウルトラマリン隊」を結成した。やがて僕らの小学校に不思議な力を持つ少年リンダが転校してきた……。
ノスタルジックな雰囲気満載の連作長編小説。


                       (朝日新聞社出版HPより)


40代半ばを過ぎて振り返る小学生時代の出来事。
小学3年生で「ウルトラマリン隊」を結成。
当時モッチと呼ばれていた望月直人が、そのメンバ-だったエムイチ、ニシ、ム-坊、リンダ、ミハルとの思い出話を、転校生で謎の部分が多かった当時リンダと呼んでいた林田智樹に語りかける形式。

彼らの年代が、わたしの小学生時代と見事に合致しているので、出てくる言葉に、イチイチ懐かしさがこみ上げて来て楽しかった。
隊員で解決していった、猫探しや自転車探し、幽霊の正体を暴くあたりはワクワクした。
けれど。。。。
子どもの力ではどうしようも出来なかった辛い出来事もあって、その部分では、心が痛かった。

大人になったメンバ-の話も所々で語られ・・・
語り手のモッチは、小学4年生で転校してしまったリンダに会いたいと繰り返す。

少年時代の思い出部分を輝かしく感じるモッチの今は、もしかしたら充実した日々ではないのかな?
なんて、ちょっと深読みし過ぎかもしれないけど、途中から、なんだか切なくなってきた。

今、自分が彼らと過ごした同じくらいの時間を生きてきているからかな?
若い人が読めば、ただの幼い頃の思い出を懐かしく思い出している楽しいお話なんだろうけどね^^;


★★★
28d90f8f.jpg発行年月:2000年4月

誰もが平気で嘘をつくわけではない。
正直に生きていきたいと望んでいたのに、落とし穴にはまりこみ思わぬ過ちを犯してしまった人間たち。そしてそれを隠すため、さらに秘密を抱え込む……。

バレエ団の事務員が自宅マンションのバルコニーから転落、死亡した。事件は自殺で処理の方向に向かっている。だが、同じマンションに住む元プリマ・バレリーナのもとに1人の刑事がやってきた。彼女に殺人動機はなく、疑わしい点はなにもないはずだ。
ところが……。
嘘にしばられ嘘にからめとられていく人間の悲哀を描く、新しい形のミステリー!

                                  (講談社HPより)

只今、テレビ放送中でもある「新参者」の主人公・加賀恭一郎シリ-ズです。
短編ということで、表題作を含み5つのお話。
5つの殺人事件の背景にある人間模様。
そこに登場する人々がつく嘘。
罪から逃れるために犯人自らがつく嘘あり、犯人の近くにいるものがその罪を庇うためにつく嘘あり。

加賀の鋭い洞察力には、どれも脱帽の面白さ。

短編なので、嘘をついた側のもっと深い心理が知りたいな・・・なんて少し思う部分もありましたが、ま、いいか?^^;

加賀恭一郎=阿部寛 の顔が必然的に浮かんできちゃいますが、それも仕方ないか?

短編集、悪くはないけど、わたしは1つの事件をじっくり追う長編の方が好きだな。


★★★
 
eda2a2d9.jpg発行年月:2007年11月


大ヒットYA小説『一億百万光年先に住むウサギ』から生まれた
すてきなラヴメルヘン。
ウサギが磨いた星が光れば恋はかなう…。
あらゆる場所、時代でウサギを待っていたのは…。
ハートウォーミングな物語。

                        (理論社HPより)


先に読んだ『一億百万光年先に住むウサギ』に出てきた、星磨きのウサギのお話。
地球から遥か離れた星に住んでいた、ウサギが銀河系外惑星開発団隊員募集の広告をみて
応募し、訓練を受け任務地・地球に到着。

現在のだけでなく、必要としている人が居れば、古代や中世にも行く。
ウサギの仕事は星磨き。

依頼人に星をひとつ決めて貰い、それを磨く。
輝きを増せば、その依頼人の恋は成就する。

あちらこちらの時代でいろいろな人に接しながらのエピソ-ドは楽しい。
実る恋あり、実らない恋あり。

一番最初の少女が最後の方で再び登場して語る恋の顛末も良かったな。

そして、ウサギ自身の恋の行方もちょっと気になるラストもすごく素敵!

大人が読む絵本というかんじです。

『一億百万光年・・・・』を読まなくても、十分、楽しめますが、これを読むと逆に長編の物語を
読みたくなるでしょう(^^)

絵もとても可愛いかった!

★★★★★
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