前歯をかいて手首もねんざ。おまけに「4週間プールそうじの刑」。ぼくらの夏はサイテーになるはずだった……
[階段落ち]という危険なゲームをした罰として小学校最後の夏休みをプールそうじでつぶすことになった。ぼくと栗田。“ぼくらのサイテーの夏”はこうしてはじまった。
児童文芸新人賞/日本児童文学者協会新人賞
(講談社HPより)
笹生さんの本。
前に読んだ「楽園のつくりかた」が良かったので、デビュ-作?を借りてみました。
主人公は、小学6年生の桃井君。
友達と他のクラスの子たちと対抗して遊んでいたところ、危険行為にて罰のプ-ル掃除を夏休み中やる事になってしまう。
成り行き上、違うクラスで口も殆ど利いたことのない、栗田君と二人だけで。
最初は、二人共無言。
でも、段々と友情が芽生えるというお話。
二人の少年の家庭には、それぞれ、事情があり円満とは言えないものがある。
が、お互いがその事をさらけ出して付き合うことで、少しずつ明るい兆しが見えてくる。
子どもって、逞しい!
子どもって素晴らしい!
これは児童書だけど、大人も楽しめるお話。
明るいだけじゃない話だけど、先には希望があると確信出来るラストの締めもいい。
学校の先生、特におやじ先生が良い!
ちゃんと子ども達の頑張りを見守ってくれていて褒めたり励ましたり。
笹生さんの本、いいな。
また何か借りて読もう(^^)
ちょっとコミックっぽいけど、挿絵も良いです♪
★★★★
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通信社の東京支社社会部に勤務、池袋警察署の記者クラブに詰める鶴田吉郎。コンビニ強盗現場に居合わせて犯人逮捕をスクープし、店員芳賀桐江と知り合う。逮捕に協力して立ち去った男から、暴力団の事務所が襲撃された事件を知らないか、という奇妙な問い合わせが。襲撃の有無を調べる過程で吉郎は、14年前に起きた女児誘拐殺人事件の「犯行現場と思しき実録映像」がネット上で配信されていたことを突き止める。犯人は殺害を自供したが、精神鑑定によって無罪となっていた……。未解決猟奇事件の「実録映像」はなぜ出現したのか!? 静かな狂気に呑み込まれていく若き事件記者の彷徨、そして驚愕の結末を描く、誉田ミステリーが到達した新たな地平!
(実業之日本社HPより)
物語は、二人の人物の語りで進む。
一人は、共有通信に入社し、池袋署記者クラブ勤務の鶴田吉郎29歳。
もう一人は、コンビニ店員の芳賀桐江22歳。
ある日、桐江の勤務するコンビニに強盗が入った時、たまたま店に居合わせた鶴田が他の客と通行人により犯人逮捕を成し遂げた場で二人は知り合う。
鶴田は、ある情報に基づき、過去の犯罪事件犯人を追ううち、そこに桐江が大きく関わっている事実を知る。
桐江は、度々、貧血を起し、時に精神錯乱状態に陥る。
過去に体験した何かがそうさせるのか?と読みながら、疑問が沸き・・・・・
続けて読むとその過去は、なんともキモチワルイものでした。
読みながら、ちょっと耐え切れず・・・・飛ばしました^^;
でも、話の展開は、息つく暇なく、面白いのは事実。
さすが、誉田さん!
スク-プ記事を求めて日夜奔走する鶴田の言動は、時に軽く、笑わせてくれたし、
桐江の語り口調も結構、軽いノリでしたが・・・・・
事の真相はあまりにも酷で救いがなくそのギャップが逆に辛かった。
読後感はあまりよくない物語だけど、綺麗ごとで片付かない事にまリアルさを感じた。
誉田さんって、両極端な物語を書く人なのね~。
爽やかな青春物語も勿論、好きだけど、こういう話も上手い!!
★★★★
もう少しだけ、待ってくれますか?
過去を持つ女と、女を待つ男
「ばんざい屋」の女将を取り巻く人々とのふれあい…
〈注目の気鋭が描く恋愛ミステリー〉
(祥伝社HPより)
先に読んだ「竜の涙 ばんざい屋の夜」の前作です。
「竜の涙・・・」は、京料理をご飯のおかずにも合うよう濃い目の味付けで、振舞うお店「ばんざい屋」を舞台に、そこに集うお客に焦点を当てた物語でした。
この「ふたたびの虹」も最初の方は、お客さんの背景にあるちょっとした問題を女将の視点で時には見守り、時には助言し、解決していく様子を描いていました。
後半になると、女将の生い立ちのような物が明かされ、フランスに住んでいた時期の事がわかり、何となく重たい物を抱えている女将の過去が気になっていた「竜の涙・・・・」を読みながら感じていた疑問がこちらで解消されて、スッキリしました!!
女将自身が抱えていた問題も、少し解消されたようで、良かった!
そして、古道具屋の経営者、清水との馴れ初め、二人がお互いに抱いている気持ちも
ほのぼのするもので、ステキ。
「竜の涙・・・・・」は、この話の後日談に当たるんでしょうが、そう思って振り返ると、さほど進展してないような?
でも、それがかえって二人らしくていいな。
こういうのがある意味、理想の男女関係かもしれない。
また「ばんざい屋」シリ-ズの続編が出来るといいな♪
★★★★
「つや」、夫がふと口にした、謎の言葉。それはだれ? どんな女?
絡み合う七つの恋と性の物語。

私は愛されているのだろうか----夫、恋人、父と関係のあったらしい、艶という女の危篤の知らせをきっかけに、自分の男をいつも以上に観察する女たち。立ち現れる男たちの他人のような姿。性的に奔放な一人の女をめぐる大きな渦のような人間模様の中に、女と男の恋の本音を描き出す刺激的な長編。著者の真骨頂。
(新潮社HPより)
表題がひらがななのが良い!
読む前は、「通夜?」と勝手に理解しましたが、それだけではなかったのです!
物語の中心にいる「艶」という一人の女性。
彼女は、物語のいつも真ん中に居ながらも多くは登場しない。
物語は連作形式で進み
最初の話では、艶の従兄弟にあたる行彦が、艶がO島で死にかけているという連絡を受ける。
その電話を受けた夫を横で見ている妻の環希(51歳)が語る、いろいろ。
そして、艶の最初の夫の愛人・湊(29歳)
・艶の愛人だったかもしれない男の妻、サキ子(60歳)
・艶がスト-カ-していた男の恋人、百々子(33歳)
・艶のために父親から捨てられた娘、麻千子(20歳)
・艶を看取った看護師、杏子(31歳)
・艶の最後の夫、松生春二(49歳)
と艶に直接、接点があった者やその者の近い立場の人が登場して、自分の今の状況を語る。
そこから、あまり登場しない艶という一人の女性がどんな人なのかが段々と見えてくる
面白い展開の物語でした。
艶の存在が多くの人の人生を引っかき回しているかんじ。
今までその存在を忘れていた者たちも、艶が死にそうという事を知り、日常に変化が起きる。
人って生きているとどんどん繋がっていくんだな。
知らないうちにいろんな人の生き方にも影響を与えてしまうものなんだな。
なんて思いながら読んでいました。
ラストは、唐突過ぎるほど自然で、続きがあるかと思わずペ-ジをめくり・・・・
「あ、終わったのね・・・^^;」なんて具合でした。
でも、よかった。
どういう風によかったのか?伝えるのが難しいけど、
こういう物語、好きです。
★★★★
ああ、ここは不毛の地?それとも楽園なの?
エリート中学生に転校の悲劇。しかもド田舎の学校。同級生はこの3人。
1.バカ丸出しのサル男
2.いつもマスクの暗い女
3.アイドル顔負けの美女(?)
「ちがう者同士がひしめき合って生きているのが世の中です。
衝突があってあたり前。人間、もまれて強くなる」
退屈な田園に届く、おとうさんからのEメール。
ぼくのユーウツを癒す、救いのメッセージ。
でも、おとうさんって……?
(講談社HPより)
次女に薦められて読みました。
名前は知っていたけど、この作家さん、もしかして初めて読むかも?
主人公は中学2年の男の子・優。
父親は海外に単身赴任だが、父親方の祖父が最近、一人暮らしさせておくのが不安な状態とかで、母親と田舎に引っ越し事が決まる。
東京で、受験を突破に私立中学に通い、塾での模試もいつも好成績で、将来はエリ-トを目指す優には、田舎の公立中学への転校は最初から不満だらけ。
転校してみると、そこは予想以上の田舎で分校。
クラスメイトは・・・自分を入れて4人。
しかも皆、優から見たら普通じゃない。
おじいちゃんは自分の事を父親の名前・博史と呼ぶ。
家出を目論むけど、町で不良の3人組に捕まり、断念。その後も執拗ないやがらせ。
ハ-レ-モデルの単車に乗った謎の男。
優の不安定な気持ちの拠り所は、父親とのメ-ル交換。
優の気持ちを実によく理解し的確なアドバイスをメ-ルで送る父親。
ちょっと段々、もしかして?と気づきました。
馴染めなかった分校の仲間とは、すんなり打ち解けていくわけでないけど、少しずつ
良い方に向かっていく。
そんな様子が微笑ましく、ラストは、清々しいかんじでした。
全体の感想としては面白かった!大人が読んでも楽しめます!
この著者のほかの作品も読んでみよう。
★★★★
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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