教室の中で奇蹟が一つくらい、起きたっていいじゃないか。


森島巧は公立小学校で臨時教師として働き始めた23歳だ。
音楽家の親の影響で音大を卒業するも、流されるように教員の道に進んでしまう。
腰掛け気分で働いていた森島だが、学校で起こる様々な問題に巻き込まれ……。
(角川書店HPより)
臨時講師として小学校で音楽を教える森島巧の奮闘ぶりが良かった!
小学校の現場で今、実際に問題になっている、虐めやらクレ-マ-の保護者などなどいろいろな者に独自の見解で取り組んでいく。
他の教師が見て見ぬふりをする事にも、体当たりしていくので、一部の教師からは疎ましい存在になるが、負けるな!と応援したくなった。
小学生とはいえ、子どもと侮ってはならない。
結構、シビアに大人の行動を見て、自分の立ち振る舞いを考えている。
最初の話で起きた放火事件の真相も明らかにされたら、悪いのは大人。
次の事件、ビルマリクガメ不明事件でも、明かされた大人の身勝手な行動。
いろいろ起きる問題の殆どは、周りの大人の言動が引き金になっている。
子どもを持つ親として、考えさせらる事も多かった。
森島先生、教師の素質あると思う。
こういう先生が教育現場に沢山、居てくれたらいいなぁ~
でも、こういう先生が居ずらいのも今の教育現場なんだろうか?
★★★★
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直木賞作家の珠玉の7篇
長年共に暮らす男の秘密を知らせる一本の電話、中学の同窓生たちの関係を一変させた401号室での出来事…誰かのささやかな行為に突然、日常を切り裂かれる人々の物語。名手の手腕に酔う一冊。
(集英社HPより)
題名の「そこへ行くな」の意味が読んでいるうちにわかる。
読む前から、なんとなく想像は出来たど・・・・・。
7つの短編の題がいろいろな場所。
・遊園地
・ガラスの学校
・ベルモンドハイツ401
・サ-クル
・団地
・野球場
・病院
それぞれの場所でいろいろな事が起き、何ら変哲のないような情景のなかで登場人物たちの心の有り様が変化していく様子が描かれている。
最初の「遊園地」は法律上では結婚はしていない夫婦の話。
妻はある日、夫は別の場所でまた違う家庭生活を営んでいると知る話。
そして、遊園地に子どもと3人で出かけ「結婚」の二文字を口にする・・・。
その後の展開は読者の想像に任せるというかんじで、唐突に終わるけど、こういう感じは嫌いじゃない。
続く話もそれぞれに面白かったけど、最後の
「病院」が話としては好き。
中学生のリュウがその後、どう行動するのか、クラスの皆の反応は?
気になるけれど、これも読者の想像任せというところで終わる。
表紙の赤は警告の色か?
表題は「そこへ行くな」だけれど、行ったから良くないことに事が運んだという話ばかりではなかったような・・・。
楽しみながら読めました♪
★★★
ふるさと「弘前」を離れ、孤独な都会の底に沈むように暮らしていた陽一と七海。ふたりは運命に導かれるように出逢い、惹かれ合うが、やがて故郷の空へとそれぞれの切なる憶いをつのらせていく。
一方、明治時代の津軽でひっそりと育まれた、賢治とトヨの清らかな恋は、いつしか遠い未来に向けた無垢なる「憶い」へと昇華されていき……。
桜の花びら舞う津軽の地で、百年の刻を超え、永々と受け継がれていく《心》が咲かせた、美しい奇跡と感動の人間物語。
美しい映画のようなこの小説を読み終えたとき、あなたはきっと、恋人、家族、友達、夢、故郷……、すべてを抱きしめたくなっているでしょう。
(小学館HPより)
津軽蕎麦って、知らなかったけど、なんだか食べに行きたくなった!
物語は、青森県弘前市で先代から受け継いだ「大森食堂」を営む大森哲夫の話からスタ-ト。
哲夫の父親は遊蕩を尽くした人だったが、初代から店の看板メニュ-である「津軽蕎麦」に向き合うときは凛々しい姿であったと振り返る。
そして、哲夫の息子・陽一の語りでも物語が始まり、親子、それぞれの物語が綴られていく。
陽一(27歳)は、東京でいろいろと仕事を変えながらも懸命に生活している。
心の中には、いつか食堂を継ぎたいと思いながら・・・・。
そして、陽一の恋人となるカメラマン志望の七海と出会う。
同郷の出身と知り、親近感を抱き付き合いが始まるけど、いつかは青森に帰ろうか?と思う陽一とカメラマンとして独り立ちするのを目標に頑張る七海と。
二人の将来はどうなる??と途中、心配になったけど、めでたしめでたしの結末でホッとした。
表紙の絵は・・・なるほど・・・・。
読み終えて見ると、食堂のこれからも予測できて嬉しい♪
著者のあとがきと
その後ろにある実際に物語を書く上で取材した津軽の食堂リストとして
店主とお店の外観の写真と共に10軒が紹介されている。
これを読んで、実際に足を運ぶ人もいるんだろうなぁ~。
近くだったら食べに行くんだけど・・・。
青森県が定めた「百年食堂」の定義は・・・・
三世代、70年以上続いている大衆食堂 だそうです。
それぞれのお店に、それぞれの歴史があるんでしょうね~。
心温まるお話でした♪♪
★★★★
大学で研究する和弥は、恩師の娘を嫁に貰った。ある日、帰宅すると妻が猫になっていた。実は和弥は、古き時代から妖に立ち向かう蘆野原一族の若き長。幼馴染みで悪友の和泉と、猫になった娘とともに、文明開化の世に出没する数々の災厄を防いでいく。陰陽師や祓師のような力を持つ主人公と悪友との軽妙なやりとり、猫になったときの記憶がない美しい妻との叙情的な日常を、丹念な筆致で描く幻想小説。
(徳間書店HPより)
不思議なお話でしたが、ゆるゆるとした雰囲気が心地よくアッという間に読み終えてしまった。
蘆野原という故郷を離れて暮らす和弥とその妻・優美子の会話の様子も良いけど、和弥の同郷の友人・泉水とのやり取りも楽しい。
しかし、郷の蘆野原への思いは複雑なものがあり、長という立場にある和弥の抱えるものの重さもなんとなくわかりただほのぼのした雰囲気だけで語られる話ではなかった。
短い話が連作のように語られ、次々と不思議な現象が描かれるけど、不思議と自然に受け入れられる。
猫になったり人間になったりの妻・優美子に加えて登場の幼女・多美。
その多美もまた子猫の姿から登場で、なんじゃこりゃ?と思ったけど・・・・
よくわからないなりに、なとなくその雰囲気は受け入れてしまった。
不思議な力をもつ主人公の話は、過去にもいろんな作家さんで読んだけど、
こういう雰囲気は好きなので、面白かった。
表紙の猫の写真がすごくいい!
(徳間書店HPより)
不思議なお話でしたが、ゆるゆるとした雰囲気が心地よくアッという間に読み終えてしまった。
蘆野原という故郷を離れて暮らす和弥とその妻・優美子の会話の様子も良いけど、和弥の同郷の友人・泉水とのやり取りも楽しい。
しかし、郷の蘆野原への思いは複雑なものがあり、長という立場にある和弥の抱えるものの重さもなんとなくわかりただほのぼのした雰囲気だけで語られる話ではなかった。
短い話が連作のように語られ、次々と不思議な現象が描かれるけど、不思議と自然に受け入れられる。
猫になったり人間になったりの妻・優美子に加えて登場の幼女・多美。
その多美もまた子猫の姿から登場で、なんじゃこりゃ?と思ったけど・・・・
よくわからないなりに、なとなくその雰囲気は受け入れてしまった。
不思議な力をもつ主人公の話は、過去にもいろんな作家さんで読んだけど、
こういう雰囲気は好きなので、面白かった。
表紙の猫の写真がすごくいい!
★★★
ここまで美しく、1人の女性を愛することができたなら
香奈子が死んだ――。男女の間に交わされたメールの文面から紐解かれる、至上の愛の軌跡。著者が全身全霊でとりくんだ恋愛小説!
(文藝春秋HPより)
久しぶりの村上龍の作品だったので、楽しみだったけど・・・・これは好きじゃない。
読みやすいけど・・・・同じような会話だったり描写が多くて飽きました。
物語は、離婚暦もあるが現在は妻と娘がいる50台の投資会社社長・西崎健児と
やはり離婚暦があり、今は独身で風俗業界で働く四条香奈子(サクラ)が出会い、恋愛関係になるところから、二人のメ-ルのやり取りを交えた恋愛小説。
香奈子は、20代半ばでⅠ型糖尿病を発症。
一般社会では認知度が低いけど、先天的な異常により体内でインスリンを生産できない為、慎重なインスリンの投与が必要な病気。
けれど、上手にコントロ-ルできれば、日常生活を送るには支障はない。
物語では、香奈子はそれによって、いろいろな重篤な症状を起こし、命を落としてしまうという哀しい結果になるのですが、物語の冒頭ですぐに亡くなったことが知らされ、過去の思い出を振り返る形で物語が進んでいく。
風俗で知り合った二人なので、そういう描写も多く、それはまあ、いいんだけど、
ちょっと何度も同じようなかんじの場面が出てきたり、あまり読んでいても楽しくなかったので
正直、飛ばし飛ばしでなんとか読み切ったかんじです(苦笑)。
そして、ちょっとがっかりしたのは、あとがき。
知り合いに香奈子と同じ病気で若くして亡くなった方がいて、この病気のことを知ってほしいこともあったとか。
え?知り合いにこの病気の方がいたのにこの内容ですか!?
あまりにも哀し過ぎる香奈子の最期。
もうちょっと希望がある内容でも良かったんじゃないかなぁ~?
個人的には、嫌いな話でした。
★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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