発行年月:2014年8月
主人公は翠川真緑(みどりかわみどり)。通称グリーン・グリーン。県立農林高校の新米教師だ。畜産科には山羊と豚がいるし、園芸、栽培科には花、果樹、野菜の畑や、ビニールハウスが並んでいる。林業科には研修林や、炭焼き窯まで揃っている。都会で育った真緑は失恋のショックを炊きたてのおにぎりで、救われたことがある。お米の美味さに感動した真緑が出会った農林高校での驚愕と感動の日々! あさのあつこが農業高校を舞台に描く青春ドラマ。
(徳間書店HPより)
「グリーン・グリーン」って何?と思ったら、主人公のあだ名でした!
翠川真緑(みどりかわみどり)・・・ちょっとお笑い芸人みたいな名前^m^
でもとっても楽しいお話でした。
新米教師として赴任した農林高校。
そこに赴任しようと決めた理由もなんだかユニーク。
生徒たちも素直で可愛い。
先輩教師たちも個性的だけど、優しい。
そして、豚の201号との会話が良かったなぁ~。
あさのさん、ホントにいろんな話を書くな~と感心しちゃう。
★★★
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発行年月:2014年8月
幕府に翻弄される庄屋、圧政に苦しむ百姓、身命を賭して民を守る名君。
九州・久留米藩を舞台に、大庄屋の次男・庄十郎が医師を志す成長物語。
名も無き人々への慈愛に満ちた渾身の長編小説。
(集英社HPより)
農村が舞台の物語で、歴史上の著名人の登場はなく、地味な物語。
最初は読み進むのに難儀しました。
が・・・・読み続けていくと次第にそこに居る人々の暮らしが
どうなっていくのか気になり読むスピードも上がりました。
主人公の高松庄十郎は、大庄屋の家の次男として生まれた。
父の孫市は、農民の気持ちを汲んで苦しい暮らしを訴える農民の要求を藩に
認めさせるため奔走した。
そして同じように働いた御家老・稲次因幡。
しかし、藩に背くものは邪魔者として稲次は処罰を受ける。
その稲次の家を父と訪ねたときに目にした掛け軸の文字
<天に星、地に花、人に慈愛>の言葉が庄十郎の心に強く残る。
そして、疱瘡に掛り命を落とす手前をは助けてくれた医師・鎮水の元で医術を学ぶため
家から離れる。
庄十郎の疱瘡は母にも移り、母は命を落とし、そのことがあってか、兄とは
わだかまりが出来たままの故郷を後にする。
時代は飢饉が起き、農民たちがそれでもなお、年貢を納めなければならないという
苦しいときが背景にあり、飢えで亡くなる人たちの様子は本当に惨くて
読むのが辛くなった。
そして、そんな農民から年貢を取り立てなければならない大庄屋の人たちの苦悩も
描かれていて、本当に辛い場面ばかり。
農民がたまらず一揆を起こすのも当然の成り行きで、その怒りの矛先を受けた
大庄屋の悲劇も何とも惨い。
一番責められるべき者はもっと上のものでしょうけれど・・・。
こんなに辛いことばかりの物語のなかでも、主人公・庄十郎が医師として
働く姿を読める場面には感動があり、それがあるから読み終えらかも。
しかし、生きるためにこんな困難を強いられた時代があったということを
学べたことも良かったかも。
★★★★★
発行年月:2014年4月
奥手なこじらせ系女子が、年上の草木染職人に恋をした。
奔放なのに強引なことをしない彼が、初めて唇を寄せてきた夜。
翌日の、いつもと変わらぬ笑顔――。
京都の街は、ほろ苦く、時々甘い。
(幻冬舎HPより)
京都が舞台の瀧羽さんの物語の雰囲気が好きで今まで読んできましたが・・
今回はちょっと・・・・今までと違うかんじ。
京都で、祖父の店を受け継ぎ、和食器と和雑貨を販売するお店を経営している、紫(ゆかり)。
年は、30代半ば。
パーティ会場で会話した染色工芸家・湊 光山(50歳)に次第に惹かれていく。
光山の工房を訪ねるとそこには女性の姿。
彼女は、藤代。工房の手伝いをしているが、光山とは、親しげなかんじ。
京都・宵山祭にブライアンと出かけた紫は、光山と藤代に偶然、会い、
ブライアンと藤代が意気投合したこともあり、4人で会うことに。
4人で会話している光景は和やかでいいのですが・・・・
その心の中は?と考えると結構意味深な雰囲気だったりして・・・。
ブライアンだけが、紫に恋焦がれていることをストレートに言葉に出したり
して好感が持てた。
それゆえ、紫はブライアンと一緒になれば幸せになれるのになぁ~
なんて思ってしまった。
光山って、人物に読んでいる限りではさほど魅力を感じなかったけれど
恋って他人がどうこういっても仕方ないものだからね~。
この後、この4人がどうなるんだろ??
最後まで、なんだかモヤモヤしたかんじが残ったけれど、
ま、面白かったです^^;
京都が舞台だと、なんでも許されちゃうな~。
★★★
発行年月:2014年5月
これが、私の、復讐。私を見下したすべての男と、そして女への――。

一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の醜い女友達。彼らは親密になるほどに、肥大した自意識に縛られ、嫉妬に狂わされていく。そう、女の美醜は女が決めるから――。恋に堕ちる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、息苦しいまでに突きつける。醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書下し長編。
(新潮社HPより)
2部構成の物語。
<恋>
私大のオーケストラで指揮者をしている茂美星近。
恋人をコロコロと変えている男。
女たちは彼の恋人になることに憧れる。
そんな茂美と恋人関係になった一瀬蘭花。
母は元タカラジェンヌで花のように可憐な子。
しかし、茂美には、愛人がいるとわかる。
彼が師事する海外でも実力を認められている指揮者・室井の妻・菜々子。
蘭花の友人・美波と留利絵は、茂美なんかとは別れた方がいいと言うが・・・
<友情>
蘭花の友人・留利絵の語りで進む。
容姿には全く自身がないが、難易度の高い文学部美学美術史科で学び、父は
有名な画家。
同じ蘭花の友人・美波に敵対心を抱き、自分が蘭花の一番の親友でありたいと
強く思っている。
そんな留利絵は蘭花が付き合う茂美に嫌悪感を抱く。
愛人がいるのに、蘭花とも平気で付き合うことが許せない。
そして、起きる事件。
ああ、面白かったぁ~。
蘭花は悪い子じゃないけれど、恋人に選んだ相手が悪かった!
そして、親友と頼った相手も怖かった。
留利絵も決して悪い子じゃないと思うけれど、考え方が後ろ向き過ぎて・・・
この物語のあとのそれぞれの生き方が気になります。
この表題のつけかたは、巧いなぁ~!!
★★★★★
発行年月:2014年5月
関係のさめてきた恋人と同棲しながら、遊び人の医者と時々逢いびき。仕事は順調、でも何かが足りない――29歳、京都在住のイラストレーター神名葵。
彼女の日常に七年ぶりに舞い戻ってきた、大学時代の先輩ハセオ。互いに恋人がいても、なぜかいつも一緒にいた相手。理解しあう必要もないほどしっくりくる、男ともだち。
男ともだちは恋人じゃない。彼らには親密に付きあっている女たちがいるだろう。でもひょっとすると、男ともだちは女にとって、恋人よりずっとずっと大切な相手なのではないか。いつまでも変わらずに、ふとした拍子に現れては予想もつかない形で助けてくれる――。
29歳、そして30歳。
仕事と男と友情の、熱くてほろ苦い日常を描いた傑作長編小説。
(文藝春秋HPより)
同性としたら、葵みたいな女性は妬みの対象でしょうね~。
同棲中の恋人・彰人がなんだかとっても気の毒でした。
同棲中の恋人がいて、医者の愛人がいて、大学時代からの男ともだちがいるって
最強!!
でも物語として読んでいる分には面白かった。
ハセオと葵の関係は、特殊でしょう。
お互いに恋人がいたり、体の関係になる異性がほかに居ても、頻繁に連絡して
会って・・・でも二人の間には男女の恋愛感情はなし。
くっ付いて眠ることはあっても、体は重ねない関係。
葵には、ほかにも理解者が居るのが羨ましい。
そして葵にハセオとのことを忠告する言葉がまたいい!
女ともだちの美穂(既婚者)のことば
・・・ハセオを失いたくなかったら絶対にセックスしちゃだめ。
しない限り、神名は特別でいられるんだから・・・・
そして、飲み屋のママ・露月のことば
・・・あんたから何も奪わずに守ってくれる。だから、あんたにとっては
最高の男なの・・・・
ハセオって考えたら、良い人だよなぁ~。
軽いかんじだけれど、仕事もちゃんと堅くやってるし(製薬会社のセールスマン?)
話し方は軽いけど、まっとうなこと言っていて、葵のことをホント理解して
支えているかんじ。
ホントに二人の間に恋愛感情なしなのか???
本音が最後までわからなかったけど、本当に羨ましい関係だ。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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