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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年7月


 このまま結婚していいのだろうかーーその答えを出すため、「妙高山」で初めての登山をする百貨店勤めの律子。一緒に登る同僚の由美は仲人である部長と不倫中だ。由美の言動が何もかも気に入らない律子は、つい彼女に厳しく当たってしまう。医者の妻である姉から「利尻山」に誘われた希美。翻訳家の仕事がうまくいかず、親の脛をかじる希美は、雨の登山中、ずっと姉から見下されているという思いが拭えない。「トンガリロ」トレッキングツアーに参加した帽子デザイナーの柚月。前にきたときは、吉田くんとの自由旅行だった。彼と結婚するつもりだったのに、どうして、今、私は一人なんだろうか……。真面目に、正直に、懸命に生きてきた。私の人生はこんなはずではなかったのに……。誰にも言えない「思い」を抱え、一歩一歩、山を登る女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。女性の心理を丁寧に描き込み、共感と感動を呼ぶ連作長篇。

                      (幻冬舎HPより)




長編かと思ったら、短編連作集でした^^;


登山する女性たちが自身が抱えた問題を前向きに捉えていく姿が、清々しい物語。
いつものちょっと毒気のある湊さんの物語とは、違った魅力があり
こういう物語もいいなぁ~と思った。

登場人物たちが少しずつリンクしているので、先に読んだ女性のその後が後の
物語でわかったりするのも面白い。
ああ、あの女性は、そういう決断をしたのね。なんて思って嬉しくなったり・・・。

本格的な山登りはしたことないし、あまり山登りする体力もないので
今後彼女たちの上った山に行く機会はないと思うけれど・・・
ハイキングくらいの軽い山登りならしてみたいなぁ~なんていう気持ちにもなった。

特に印象に残ったのは・・・
<火打山>の美津子と神崎の初々しいデート場面は、微笑ましかった♪
その後、ほかの話で夫婦として登場したのは嬉しかった。

また<利尻山>の姉妹がお互いの思いを打ち明け、その後の話で今度は姉が娘を連れて
3人で上った<白馬岳>に続く話も良かったなぁ~。


さてさて、次も湊さんの本を借りてあるので、読みますが、今度は
毒気あるのかなぁ~?


                            ★★★★
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発行年月:2014年8月

悩みがあるということは、それを解決した喜びと幸せが、
これからのあなたを待っているということ。

読みながら心のデトックスができる、読んだ後、
回りの人に優しい気持ちになれる感涙小説。


                    (幻冬舎HPより)



純喫茶<昭和堂>のオーナー・有村霧子。
お客の悩みを聞きながら癒す力があるという噂で、色々な人が訪ねてくる。
が。。。キリコは、ロッキングチェアーに揺られながら、たばこをふかし
コーヒーや紅茶を美味しく入れるのは、柿崎照美(通称・カッキー)。

カッキーは、美味しいコーヒーの淹れ方を以前、岬の喫茶店のママに伝授して
貰ったとか。



常連客の入道、イケメン青年の諒くん、キャバクラ嬢のキララなど楽しいメンバーが
勢ぞろい。
お客の悩みを解決していく過程も面白かったけれど・・・・
終盤は、カッキーとキリコの話。

カッキーは、DV夫から逃れて生きている身だった!
しかし、居場所がばれた。
その夫が今度、別の女性と結婚したいからと離婚届を提出したいという、
カッキーはDV夫と店で会うことに・・・。

キリコがアドバイスした言葉は良かった!
なるほど・・・・過去を受け入れましたの言葉は、前に向かうために必要な言葉。
深い話だなぁ~。


そして、物語の途中から気になっていたキリコへの脅迫状。
誕生日に殺すという殺人予告。
キリコは親友のジョークだから心配要らないと周囲に言っていたけれど・・・
その真相は違った。
そういうことだったんだ~。

能天気でガサツな感じのキリコだったけれど、本当は、人の気持ちの細やかな部分を
汲むことが出来る、本物の癒し屋だったんだなぁ~。


旅に出たキリコは、この後どうするんだろ?


あちらこちらに胸に響くセリフがありました!
森沢さんらしい素敵なお話でした♪



                              ★★★★★
 



発行年月:2014年3月

「作家は不安でしょうがないんだ」
作家という業、女という性を抱える樺山ひろ江。

全身全霊で作品に挑む、彼女の心の叫びは、
哀しい、苦しい、そんな平凡な言葉では足りない。

「誰からも称賛されなくても、貧乏で終わっても、他人から見たら可哀相な一生であったとしても、業のままに生きたなら、それは素晴らしい人生なんだよ」
不器用に生きる女の人生の浮き沈みを描く、桂望実の最新作!

                     (光文社HPより)




巷で売れている作家さんというのは、凄い成功者なんだなぁ~と
この物語を読んで思った。

主人公は、作家の樺山ひろ江。
そして、自身も作家を目指すが、叔母である、ひろ江に作品を評価してもらえず
作家の夢をあきらめ、叔母のひろ江をサポートする役目を担う、明子。

売れるまでの苦労。
売れてからの周りの豹変。
そして、また売れなくなっての周囲の反応。

シビアな世界だなぁ~。

どんな時でも、ひろ江の作品を愛し味方であり続けた明子の存在は、言葉にしなくても
ひろ江にとってあり難い存在だったんでしょうね。

変わり者のひろ江の発言や行動にフォローをして、周囲の人への誤解を最小限にしながら・・・

そんな明子を裏切った夫の敦には、腹が立った!
でも、静かな復讐・・・いいね!
ひろ江もそんな明子を「よくやった!」と誉めたときは、にんまり(^^)

同じように、ひろ江がイケメン俳優の、みのるに復讐した時も爽快!!


ひろ江が書く、作中作も面白かった。


我慢ならない女という表題ですが、我慢しなくて当然!
ひろ江は正しい人でした!!


                            ★★★★





発行年月:2014年8月

江戸時代、“女性”という立場で、清心尼はいかにして有象無象の敵を前に生き抜いたのか。「
武器を持たない戦い」を信条とした、世にも珍しい女大名の一代記。
著者初の歴史小説にして新たな代表作

                   (集英社HPより)




歴史小説だけれど、ファンタジーも交えたお話で読みやすかった。

物語は、後に女領主となる袮々が一本しか角を持たない羚羊に出会う場面。
お互いに見つめ合い何か惹かれるものを感じる。
そして、やがて、袮々に起きる一大事の度に知恵を授け助ける存在となる。

羚羊(ニホンカモシカ?)のほかにも動物がいろいろ登場。
中でも河童が愉快。

袮々とあるとき遭遇した河童が苦しむ袮々に薬を与え助け、親しくなり「嫁に来ぬか?」と
求婚されるが、断る。
河童はその後も袮々のことを想い、妻に迎えた河童は袮々に似た河童で
名前を袮々子として夫婦仲良く暮らしたとか。


袮々の周りでは哀しい出来事が起き、親しい者を次々、世を去っていくが
周りの者に助けられながら、困難に立ち向かい、知恵で家臣や領民を守り抜く。


剃髪し、清心尼として晩年は静かに暮らした様子。
大河ドラマの題材にもなりそうな人物だなぁ~。
無知ゆえ、この物語で初めて存在を知りましたが・・・^^;


八戸から遠野に移り住むことになった袮々たちと共に河童たちも移動。
遠野が河童伝説で有名になっている所以も絡んでいるのが楽しい。


中島さん、初の歴史小説でしたが、他の歴史上の人物でも、また
何か書いて欲しいなぁ~。


                             ★★★★★



発行年月:2014年8月


 二度は出会えない、貴重な旅の記録

旅好きだけど、旅慣れない――そんなスタイルだからこそ出会えた人や出来事。
日本国内から海外まで、旅の記憶を集めたエッセイ集。

                 (文藝春秋HPより)




角田さんの旅のエッセイは以前も読んで楽しかったので、これも

楽しく読みました。
方向音痴なのに、好奇心旺盛で、海外へ一人旅に出かける角田さん。
困った状況では、必ず助けてくれる神様に、各所で出会うのも
人柄ゆえかな?

楽しく読んでいたら・・・
最後の第四章では、ちょっと衝撃的なお話が出てきてビックリ!

NGO「プラン・ジャパン」のキャンペーンに参加した話。
発展途上国の子どもや生活を支援しているというプラン・ジャパン。
2009年から「Becaue   I  am  Girl」というキャンペーンを行っている。
発展途上国では貧困から女性や子どもがいろいろな犠牲を負わされる現状があり
そんな現状をレポートするよう依頼されての訪問だったとか。

作家活動以外にもすごい仕事もしてるんだ~と先ずは驚いたけれど、
訪れたアフリカ、インド、パキスタンで暮らす女性たちの何と過酷な目に
遭わされていることかと胸が痛くなってきた。

こういうレポートを通じて世界に発信することで、彼女たちの未来が少しでも
生きやすい世の中になったら・・・と願う。


                           ★★★★
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