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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年9月


 相次ぐ死。危険な香りを纏(まと)う謎(なぞ)の男。許されぬ恋。
そんなに一途(いちず)になっちゃあいけねえよ。
こんなに苦しいのに、想わずにはいられない──
少女が大人の女性へ変わっていく季節を鮮烈に描く!

人を想うことは罪ですか──
本所深川六間堀町(ほんじょふかがわろっけんぼりまち)の太物(ふともの)問屋『あたご屋』の一人娘お八重(やえ)は17歳。母は亡くしたものの、父の重蔵(しげぞう)と祖母の久利(くり)、伯母のお竹(たけ)に加え、お付きとなった16歳の女中・おちかに囲まれ、幸せな日々を送っていた。だがある日、“川獺(かわうそ)”と名乗る男に出逢った瞬間(とき)から人生が一変する。初めての恋に落ちたのだ。そしてその日から、人生の日向(ひなた)しか知らなかったお八重の周りには、謎(なぞ)が、死が、災厄が忍び寄ってきた……。

                     (祥伝社HPより)




お嬢様育ちのお八重が恋した相手は、自分のことを「かわうそ」と名乗る謎多き男。
お八重をいつもそばで支える1つ年下のおちかが健気で可愛い。

無鉄砲で世間知らずのお嬢様を、懸命に支え、年は1つ下だけど、
おちかの方がずいぶんとしっかりしている印象でした。

この時代には、成就しそうにない恋愛相手。
最初から切ない恋の話の予感でしたが、やはり最後は切なかった。
「かわうそ」と名乗った男は、この後、どんな生き方をしていくのだろう?
まっとうに履物屋として成功してくれたらいいな。

『あたご屋』の家族が良い感じ。
母親は居なくても、祖母や伯母がその代わりを務めてくれて、おちかたちも居る。


「かわうそ」と名乗る男も、そんな幸せな家で暮らすお八重に段々と惹かれながらも
お八重の幸せを思って、忠告し、自分は姿を消す。
謎多き男だったけれど、人としては魅力あるかんじだった。



数々の殺しの犯人の真相は、ああ、やっぱりね・・・・という感じでしたが
まあまあ楽しめました♪


                         ★★★
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発行年月:2014年9月


 食品の安全神話を深くえぐる問題作登場!

天使の卵か悪魔の卵か……。
吉祥寺にある有名自然食品店で売られている卵は、極上の味、『極卵(ごくらん)』と呼ばれて大人気の商品だった。しかし、この極卵を原因とする、食中毒事件が発生。時間がたつうちに幼児の感染者が次々に死亡していく。餌、衛生管理は完璧だったはずなのになぜ汚染されたのか。
疑惑を追い始めた元新聞記者の瀬島桐子。桐子の同級生だった野々市純子の長男も中毒患者のひとりに。純子はカリスママダムといわれブログ上では著名な存在だった。被害が拡大していくなか、過激なまでに業者を糾弾していくモンスター消費者の広告塔に祭り上げられる純子。話題性抜群と、事件を煽る新聞、テレビメディア各社。そして事件の裏には遺伝子組み換え食品を手がける大企業の影が……。
偽装食品、遺伝子組み換え食品など時代を揺るがす事件が多発する現在、食品の安全とは何かを鋭くえぐる社会派ミステリーの登場。「これは、私の最高傑作」と言い切る医療ミステリーの旗手仙川環が二年に渡って執筆した傑作書き下ろし作品。

                      (小学館HPより)




食の安全について考えさせられる物語でした。

リアルで、実際に起きても不思議じゃない話。

体に良い物を子どもには食べさせたいと思う親は多いんでしょうが、
あまり神経質になるのもね・・・・。

今回の食品は「卵」。
生で卵を食べるのは日本人くらいらしいけれど、逆に言えば、それだけ徹底した衛生管理が
なされているからとも言える。
しかし、今回は、それが故意に崩された結果、起きた悲劇。

食中毒で亡くなった人も出たけれど、それ以外でも自己の責任を感じて
自ら命を絶った人も出て、なんだかすごい話だった。


仙川さんの医療ミステリーはいつも楽しく読ませて貰っていますが
今回のは少し違った角度から、わたしたちに問題提起したかんじ。

風評とかに惑わされず、自身の知識を高めて判断しないといけないな~。


スピード感ある展開で、一気読みさせてくれるのは、さすがだな。


                            ★★★★




発行年月:2000年12月


妹にしか見えない大切な友だち ポビーとディンガン。
行方不明になったふたりを懸命にさがす兄と町じゅうの人々が
おりなす小さな奇跡。
せつなくて、あたたかくて、いとおしい。
世界一かわいくて、けなげな兄と妹の物語。

                 (本の帯文より/アーティストハウス)



図書館棚から借りて来た本。
表紙の絵が可愛かったので・・・。

お話の舞台は、オーストラリアのパールの採掘場がある街。
父親のレックスは一攫千金を目的に、この街に家族とともに引っ越して来て、
毎日土埃にまみれながら鉱山でオパールを探す。


ああ、オーストラリアに新婚旅行に行き、お土産に、オパールのイヤリングを
母に買ったっけ・・・なんて思い出したりして読みました。



表題のポビーとディンガンは、8歳の妹・ケリーアンにしか見えない友達。
兄のアシュモルはいつもそれをバカにしていたけれど・・・
行方不明になった友達を心配し、段々と衰弱していく妹の姿を見て
自分が見つけ出して、妹を元気にしてあげなきゃ!と
実際に探し回り、町じゅうの人たちにも協力を求める。

このアシュモルの姿が健気で泣ける(/_;)。


そして起きた奇跡!
それで、ハッピーエンドになるかと思えば・・・・。


なんと切なく温かい物語なんでしょう。


調べていたら、これ映画化もされてるみたい。



ちょっと興味あるので、機会があったら見てみよう。


                             ★★★★ 



発行年月:2001年2月


  医学生時代の友人に誘われた、海へ行ってみようか。心の病を得て以来、一人で電車 に乗るのは十年ぶりである。旧友の海辺の診療所で過ごす五日間の休暇。朝市の老婆 に亡き祖母の顔を見、崖下の洞窟でイワシを焼いて少女と語らう。

                (文藝春秋HPより)



医者である著者の自伝的小説。

神経症うつ病の診断をされて、パニック障害の発作に怯えながらの生活。
想像出来ないがそれは、大変なことだと思う。

ある日、学生時代の友人・松山から自身の診療所兼住居に暫く来ないか?の
誘いの電話を貰い、海に近いという彼の元を訪ねる。
簡単に訪ねられるわけではなく、新幹線に1人で乗るという難題もクリアしなくては
ならない。

そして、なんとかパニック障害も起こさず、海辺の松山の診療所へ到着。

松山の娘(高校生)・千絵との場面が良かった。
千絵は賢い。人の気持ちを汲むことができる良い医師になれそう。

海辺の診療所で過ごした5日間、触れ合った人たちとの間に生まれた
温かい交流が、重たいものをこれからも抱えて生きて行くであろう
医師の癒しとなったかんじ。

医師の妻も明るいかんじ。

うつ病を持つ者には、病気にについて正しく理解し、
温かく見守る人が居ることが一番の薬でしょう。
そんなことを改めて勉強させてもらったような物語でした。


文章が美しく、内容的には重たいけれど、引きこまれて読みました。
ほかの作品も読んでみたいと思いました!


                          ★★★★



発行年月:2008年11月

善と悪、生と死が交錯する『永遠の仔』以来の感動巨篇! 全国を放浪し、死者を悼む旅 を続ける坂築静人(さかつき・しずと)。彼を巡り、夫を殺した女、人間不信の雑誌記者、 末期癌の母らのドラマが繰り広げられる.

                 (文藝春秋HPより)



読みそびれていた本を図書棚で見つけ借りて来た。
坂築静人32歳は、全国を廻り、亡くなった人を悼み続けている。

最初から、何のためにしてるの?
何が彼をそんな風にさせたのか?
疑問だらけでした。


そして数々の死。
事故死あり殺人あり病死あり・・・・重苦しい話のなかで、唯一明るいのが
静人の家族たち。
でも静人の母・巡子は末期ガンで余命3か月の宣告を受けている身。
そんななかでも前向きで明るい巡子。
何処かにいる静人のことを気にかけている。
彼が悼む人と呼ばれ、マスコミに取り上げられたことを知る。
それを取り上げた記者の蒔野抗太郎とも後半、会う。
その場面は、良かった。
ちょっとヤサグレ感の強かった記者の蒔野が倖世の話から
静人の生い立ちやらを聞いて、今までの思いを変えるキッカケに
なったような場面。
 
 
静人は、旅の途中、夫殺しの罪で服役していた女性・奈義倖世と知り合い
倖世が勝手に付いていくという形で二人連れのかたちで世間からも認識される。
二人の関係はその後変化する?と期待したけれど・・・・。


静人という人が行う「悼み」は理解し難いけれど、死者が生きて居たこと
誰かに愛されていたことを忘れないでいるというのは、死者にとって
嬉しいことだろうなと感じた。


ラストの場面は、感動的で、ジ~ンと来た!

読んで良かった。


                          ★★★★



 
 
 
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