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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年1月


日本の小説の祖・曲亭馬琴、「八犬伝」を生んだ劇的人生!
200年の時を超え、作家の本分に迫る傑作長編!!
大名の家臣の家に生まれるも何一つままならず、彷徨い続けた青年時代。放浪の末、当代一の戯作者・山東京伝の門をたたき、蔦屋重三郎の店に奉公して戯作の道に踏み出す。葛飾北斎らとの交誼を経て、馬琴はやがて江戸随一の戯作者となりおおせるのだが……
妻はヒステリー、愛する息子は柔弱、『南総里見八犬伝』に着手するも板元とはトラブル続き。それでも馬琴は、武家である滝沢家再興の夢を捨てず、締切に追われながら家計簿をつけ、息子とともに庭の花園で草花を丹精する。
狷介で知られた馬琴の素顔、けなげな哀歓が鮮やかに蘇る。苦難の末、大戯作者が辿り着いた花園とは?


                  (日本経済新聞出版HPより)



曲亭馬琴・・・名前は知ってる。「南総里見八犬伝」の著者である。

がそれだけの知識・・・(^^ゞ
子どもの頃、夕方NHKの人形劇(?)でやっていたのも知っているけれど
なんだか怖くて見ていなかった。


その馬琴の人生。
生い立ちから、八犬伝を書いて世に出すことを人生の半ば過ぎから初めて
完成までの歳月は30年ほど。
少しずつ、世に出しながら・・・
でも途中で版元との関係が崩れ頓挫したり・・・・

家族もなかなか厄介で。
武士の出で父は松平家に仕えてきたのになんとも理不尽な扱いにあい
その果てに滝沢家は一家離散というなんとも気の毒なことになり・・・
24歳で戯作者・山東京伝の弟子になる。
町屋の本屋で奉公しながら・・・・
主人の蔦屋重三郎にも可愛がられる。

この重三郎・・・次期大河ドラマ「べらぼう」の主人公!
なんともタイムリー!!
今から楽しみ♪


表題がなんだか歌謡曲のタイトルみたいだなと読む前は「?」と思ったのだけど
いいタイトルだなと読み終えた後は思う。

妻とは不仲であったし、子どもたちの事でもいろいろ悩みもした馬琴だけれど
息子の宗伯と草花を相手に語らう時間はかけがえのない癒しの時間
だったんだろうな。


その宗伯も病で早くに亡くなるが、その妻・路が晩年の馬琴の作品づくりを
手助けしてくれて、苦労はあったけれど作品を完成させられたのは
良かった。
完成させるまでは死ねなかったんだろうけれど。。。


なかなか、読むのが大変な作品だったけれど、読み応えあり
やはり、まかてさんは凄いなと思う。



                    ★★★★
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発行年月:2023年10月


人生もコーヒーも、苦いけれどうまい。
松尾純一郎、バツイチ、57歳。大手ゼネコンを早期退職し、現在無職。妻子はあるが、大学二年生の娘・亜里砂が暮らすアパートへ妻の亜希子が移り住んで約半年、現在は別居中だ。再就職のあてはないし、これといった趣味もない。ふらりと入った喫茶店で、コーヒーとタマゴサンドを味わい、せっかくだからもう一軒と歩きながら思いついた。趣味は「喫茶店、それも純喫茶巡り」にしよう。東銀座、新橋、学芸大学、アメ横、渋谷、池袋、京都──「おいしいなあ」「この味、この味」コーヒーとその店の看板の味を楽しみながら各地を巡る純一郎だが、苦い過去を抱えていた。妻の反対を押し切り、退職金を使って始めた喫茶店を半年で潰していたのだ。仕事、老後、家族関係……。たくさんの問題を抱えながら、今日も純一郎は純喫茶を訪ねる。

                   (小学館HPより)



おじさんの喫茶店巡りのお気楽小説かな?と読み始めたけれど
松尾純一郎のおかれた状況は結構、ピンチだった!

前の妻と結婚中に、不倫していた女性・亜希子が現在の妻。
しかし、その妻も半年前から大学2年の娘・亜里砂の元で暮らし別居状態。

そして、ついに妻からは離婚話。
友人の誘いで元妻がやっている飲み屋に行き、その後、元妻から
離婚してくれと言われたときは、内心、ホッとしたんだと告白。


悪い人じゃないのだけど、なにか、相手をイラつかせるものがありそう。

大学生の娘が友達と泊りで旅行に行ったと知り、そこまで行って娘を
問い詰めるとか・・・絶対、やられたら嫌な行動。
自分の気持ちが第一優先な人なんだろうな・・・。

喫茶店を巡り、色々、食べているときは、いいかんじなんだけどね。
食べものも美味しそうだった。
しかし、甘い物もよく食べるなぁ~食べ過ぎじゃないか?
読んでいるだけで胸やけしそうな場面も多々。

ラストは、一人身になって念願の喫茶店を再び初めたようす。
これは長続きするといいけれど・・・・
あと10年もしたら、結構、こういう生活もきつそうだけど・・・
そんなことを感えているかんじはこの人には、ないだろうなぁ~。
ある意味、幸せな人かも。
お話としては、面白かった♪


                     ★★★



発行年月:2015年2月(単行本:2013年1月)


上総の貧しい農村に生まれたあいは、糸紡ぎの上手な愛らしい少女だった。十八歳になったあいは、運命に糸に導かれるようにして、ひとりの男と結ばれる。男の名は、関寛斎。苦労の末に医師となった寛斎は、戊辰戦争で多くの命を救い、栄達を約束される。しかし、彼は立身出世には目もくれず、患者の為に医療の堤となって生きたいと願う。あいはそんな夫を誰よりもよく理解し、寄り添い、支え抜く。やがて二人は一大決心のもと北海道開拓へと踏み出すが……。幕末から明治へと激動の時代を生きた夫婦の生涯を通じて、愛すること、生きることの意味を問う感動の物語。

                  (角川春樹事務所HPより)




関寛斎という名前は、本書で初めて知った。

医師としても立派に世の中のために働いたけれど、73歳でその全てを棄てて
北海道の開拓の道で歩み出すというのには驚いた。
最初は、妻・あいと離縁して、一人でいくつもりだった様子だけれど
妻は一緒に行かせてほしいと願い、ついていく。
結果、そのことで、結構な心労が重なり、あいは北海道の開拓地・トマムの地には
入らず、札幌の7男・又一の家で最期も迎えることになるのだが・・・・。

寛斎を手助けした濱口悟陵という醤油製造所を営む人物も今回、初めて知った。

この人も素晴らしい人物。
寛斎の志に感銘し、財政面での援助を厭わず自身の死後も息子にそれを
継続することを伝えていた。
この人物の存在がなかったら、寛斎はここまで多くのことを
成し遂げられなかったでしょう。

夫婦には、子どもが12人。
しかし、産まれてすぐ亡くなる者、幼児期に亡くなる者
ある程度、大きくなってから病気で亡くなる者と半分が亡くなっている。
けれど、残った子どもたちは、立派にそれぞれ成長し、開拓地では7男と甥っ子
が大いに手助けする。

あいもそんな様子を最期のときまで見守り、後悔はないでしょう。
凄い一生だな・・・・。
ただただ、感嘆!

大河ドラマを読んでいるような感覚。
高田さんの書はシリーズ「みをつくし料理帖」で知ったけれど、他にも
単発ものあるかな?
とても読みやすい。


                     ★★★★★



発行年月:2022年2月

現役受験生作家がリアルに紡ぐ受験生の青春
 舞台は、とある地方都市。高校3年生となり、受験生の水咲。
 ある朝、町中の尊敬を集める「先生一家」の門前にパトカーが何台も集まり大ニュースに。そこは昔から憧れの的だった、現在通う高校の生物教師の家でもある。水咲といつも一緒の幼なじみ・聖二と愛海も心配で駆けつけるが、手錠をかけられ警察に連行されて出てきたのはなんと憧れの生物教師だった!
 その先生は幼い頃から水咲にとって特別な存在。先生をひたすら信じたい一心から水咲はまた別の事件にも巻き込まれてしまい……。
 著者が現役受験生として受験勉強と並行して描いた、地方都市在住受験生の青春を描いた初恋小説。読後爽快、リアルな青春を鮮やかに描く。

                   (小学館HPより)



花実シリーズ以外の作品ということですね。

最初からビックリ!
幼い頃から憧れて慕って来た祐太お兄ちゃん(高校教師23歳)が
自宅で逮捕。

水咲や幼馴染の愛海、聖二と共にショックを受ける。
特に水咲は幼いときから祐太と一緒に過ごした思い出が多く、何かの
間違いでは?と思い続けている。

そんな水咲の健気さ、一途に祐太を思う気持ちがなんとも辛い。


教師の家庭に育ち、幼い時から優秀で、スポーツも出来き、性格も容姿もよく
非の打ちどころがない生き方をしてきた青年が下着泥棒で逮捕されるって、
何が彼をそうさせたのか?
そちらが凄く気になったのだけど、その辺については語られず
逮捕後にストレスがそうされたようなことを言っているとあったのみ。

順風満帆で周囲からも高く評価されて、挫折を一切知らない彼が
高校教師になり、初めて何か試練にぶつかったんだろうな。
なんだか、やりきれない話。
この先の祐太の生き方が心配。

そして、そんな祐太を想い続ける水咲のことも凄く心配。


幼馴染(愛海と聖二)と、文芸部後輩の山田たちの会話は
テンポよく面白かったけれど・・・。
お話としては、あまり好きじゃないな・・・。



ただただ、明るい青春小説を書いてくれないかな?

                      ★★★



発行年月:2023年3月


数千の男女が蠢き、夥しい金が動く。幻の花が咲く街・吉原。遊女たちの命を次々に奪う病の正体は!?おゑんは、複雑な事情を抱える女たちを診ることを生業とする闇医者だ。吉原の廓・美濃屋で花魁の安芸を診察した帰り、甲三郎と名乗る謎めいた男がおゑんに声をかけてくる。美濃屋の主・久五郎と吉原の惣名主である平左衛門のもとにいざなわれたおゑんは、三日前に倒れた遊女・春駒を診て欲しいと二人に頼まれる。しかし、これまでおゑんが見たこともない症状で病み窶れている春駒は、治療も虚しく命を落としてしまう。平左衛門によると、最近、同様に亡くなった遊女は春駒で三人目だという――。「婦人公論」人気連載、待望の書籍化。


                    (中央公論新社HPより)


闇医者・おゑん、シリーズ3作目。

今回は、吉原の花魁やそこで働く女たちを巻き込む、不可解な死の連鎖。
花魁の安芸(あけい)の診察で訪問する、おゑんは、次々と命を落とす女たちの
謎を探ることに。
美濃屋四代目・久五郎の元で働く甲三郎がその手伝いをする。


甲三郎という男は、何者?と最初から疑問だったけれど、元は武家の出。
それが吉原で生きることになった経緯が、なんとも酷い。
父親が濡れ衣で殺され、家は撮り潰し、母と妹と逃げてきたとか。

でも、父親の死の真相は、違っていた。
生き別れになった妹・由利は、おゑんの元にお腹の子を堕ろしてほしいと
連れられてきていた。
子どもを亡くし生きる力を失って弱った状態で、見かけた兄の姿。
甲三郎もそれに気づいたが逃げてしまい、その後、由利は自害。
なんとも哀しい・・・(ノД`)・゜・。

お互いが武士の家の出ということに縛られてしまっていた故のこと。
二人が会ってお互いの今の姿を打ち明けていれば明るい未来もあったのに・・・・
ただただ切なかった。


そして、謎の死の連鎖の真相もわかる。
こちらも真相は、お金儲けにを考える者と、以前の恨み、妬みから吉原を
滅茶苦茶にしたい者との思惑によるものだった。

なんともやり切れない、今回の話だった。


おゑんは相変わらず、恰好いい。
甲三郎とちょっといい関係になりそうな場面もあった。
お似合いだとは思うけれど、そういう関係にはならないか?
でも、なかなかいいキャラクターなので、次の話もあるのなら
また登場してほしいな。



                       ★★★
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