発行年月:2015年8月
正しいのは、母だろうか、娘だろうか。
間違っているのは、娘だろうか、母だろうか。
答えはきっと、母と娘の数だけある。
母と娘の“呪縛”と“依存”をサスペンスフルに描く、
唯川恵氏、待望の長篇小説。
母に疎まれ、母に怯えてきた32歳の千遥は、愛人の援助でセレブ気取りで暮らしている。年下のフリーター・功太郎から熱心に迫られ、なんとなく関係してしまうが、もちろんそんな男を結婚相手として母に紹介できるはずがない。けれど、功太郎が公認会計士の試験に合格し、千遥の気が変わる。この相手なら、母を満足させられるのではないか、と。
母に愛され、母が大好きな27歳の亜沙子は、ずっと母と二人暮らし。母との週末ランチが習慣だ。ある日のランチに母は田畑というおとなしい男を招く。男として魅力があるわけではないが、母がいいという相手だし、とくに嫌なところもないし、と亜沙子は結婚を決める
。結婚を機に、二組の「母娘」が向き合うとき、そこに生まれるのは、謀反か和解か――。
思いがけないラストまで一気読み必至の長篇小説。
(幻冬舎HPより)
千遥と亜沙子二人の女性がいつも気にしている母との関係。
うんうん、わかるわかると思いながら読んでいました。
大なり小なり、母親ってみんなこんな感じかも~。
自分も娘たちに、重荷になるような言動は慎まなきゃなぁ~なんて
思ったり^^;
しかし、二人の女性それぞれ、色々ありながら、母親との関係が
修復されたのは、良かったかな?
この表題の意味、読了後、「巧いなぁ~」と思った!
唯川さんの長編小説、久しぶりに堪能させていただきました♪
★★★★
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発行年月::2015年12月
建材会社の社長を務める高梨修一郎。
50歳を過ぎ、心に浮かぶのは過去の秘密と忘れがたい運命の人……。
個人と社会の狭間にある孤独を緻密に描き、
成熟した大人に人生の意味を問う長編小説。
(集英社HPより)
主人公の過去と現在が交錯しながら進む。
建材会社社長になった経緯には、驚きの過去があり、
あまりにも哀しいこと続きの人生に、こちらの気持ちも塞ぐかんじ。
父親が若い女と蒸発し、母と妹との平和な3人の暮らしのなかで
妹が交通事故に遭う。
幸い、命に別状はないもののその後、少し歩行に困難を来たす。
だけど、その事故の加害者が誠意ある人たちで、主人公が社長になった会社の
経営者だった。
妹の事故後、2年で今度は母親が胃がんで亡くなる。
その時も主人公たち兄妹の後継人となってくれたのは良かった。
が・・・妹は24歳で海外旅行に行き、その先で亡くなる。
スキューバーダイビング中の事故死。
主人公自身は、会社でも責任ある仕事を任されるけれど、結婚した妻との間に
娘をもうけながら、離婚。
やがて知り合う人たちも大きな苦悩を抱えた人たちで、
こんなに重たい人生を抱えた人ばかりが巡り会うって、ありなんだろうか??
とちょっと辟易しちゃう^^;
終盤は、主人公自身が死に囚われそうになり、このまま死んだらあまりにも
哀しすぎると思った。
が・・・そうならずにホッとする。
題名の意味が最後まで読むと、ああ、なるほど・・・と思えたので
読了後の気持ちは、割とスッキリ。
★★★
発行年月:2015年12月
出版社の校閲部で働く河野悦子(こうの・えつこ)。
部の同僚や上司、同期のファッション誌や文芸の編集者など、
彼女をとりまく人たちも色々抱えていて……。
日々の仕事への活力が湧く、ワーキングエンタメ第二弾!
(角川書店HPより)
校閲ガール第2弾です!
前回主人公の河野悦子の周りで働く人たちを紹介するような短編連作。
同期で帰国子女の森尾登代子=モーリィ。
校閲部の同期、米岡(ゲイ?)の胸キュン恋バナも面白かった。
新人作家と編集者の関係って特別なんだなぁ~と思わせてくれた貝塚と作家・田巻悠太の
話も良かった。
エリンギと呼ばれる茸原渚音(たけはらしゅおん)に凄い過去があったのも驚き!
登場人物たちそれぞれが主役になった物語、楽しく読めました♪
こんな楽しい人物たちが揃った出版社いいなぁ~。
校閲ガール、まだまだ続いて欲しい!
でもやっぱり、悦子が一番面白い^m^
★★★★
発行年月:2015年9月
罪と罰、悪と正義、加害者と被害者……。
人生、そんな簡単に割り切れない。
そのボーダーにこそ、真実がある。
あるシェアハウスに住む厄介者たちの物語。
(幻冬舎HPより)
覚醒剤使用により執行猶予3年の吉村卓生は、住んでいたアパートが火事で住処を
なくす。
保護司の小菅のはからいもあり、シェアハウスの住人となることが出来た。
そこの住人は、皆、何かしら罪を犯した者たち。
シェアハウスの経営者・朝田潤子が素敵な人で、こんな風に本当に困っている
人をサポートできるって凄いなと思った。
吉村の他の住人たち
・矢部紫織・・・昼は弁当屋でアルバイト。夜は時々、銀座のバーで働く。
・小池美羽・・・20歳 アイドル並みの容姿 16歳で喧嘩の末一人を殺してしまった。
・中原通彦・・・恋人を庇って人を殺したことがある前科者。古着屋で働く。
・加藤友樹・・・幼なじみの友を見捨てた為、その友が殺されたことを後悔している。
・野口彰・・・フリーの記者。シェアハウスに潜入取材のため住人となる
住人たちがあることで結束し、住人の一人を救うことに必死になる終盤は
特に読み応えあり面白かった。
ずっと記者とだけ記された人物が、シェアハウスの住人になった本当のわけも
わかり彼の行動に心を打たれた。
罪を犯した者もやり直しのチャンスが与えられる世の中になればいいな。
表題の「プラージュ」は、フランス語の「海辺」の意味と本文中にあり
海と陸の境界。
それは、シェアハウス「プラージュ」は罪を犯した者とそうでないものの境界と
いうことだろうか?
彼らのその後も気になるな~。
★★★★
発行年月:2015年12月
飛べ! あなたはもう一人じゃない。
交差するはずのなかった、それぞれのままならぬ人生。
小さな勇気が奇跡の連鎖を起こす、書き下ろし群像ミステリー。
尾岸七海(13)は母の再婚相手に身体を求められていた。「この男を本当に殺したい」。島薗元治(74)は妻に先立たれ、時間を持て余している。「若い奴は全くなってない」。永淵亨(32)はネットカフェで暮らし、所持金は1887円。「もう死ぬしかないのか」。山添択(13)は級友にゴミ扱いされて不登校に。「居場所はゲームの中だけだ」。設楽伸之(43)は二代目社長として右往左往している。「天国の父に笑われてしまう」……。全く接点のなかった、困難に直面する一人ひとりの日常。誰かの優しさが見知らぬ人を救う、たった一日の奇跡の物語。
(幻冬舎HPより)
日常を苦悩に押しつぶされそうになりながら生きている人たち。
でも、それぞれが何らかのアクションを起こした事で、変わっていく。
一番、気になったのは、13歳の七海と同じく13歳の択。
二人は、ゲーム内のチャットで知り合う。
七海は自分の悩みのタネである義父のことを殺してほしいという。
それに対して択は七海の救うためならと考える。
二人は、<いて><えとろふ>と呼び合う。
七海の願いが叶った後、二人は、実名を教え合い、今後は会うのかな?
イジメに会い、不登校になっていた択の周りの環境も少し良い方向に
向かって行きそう。
13歳の二人を救ったのは、他の大人。
ちょっとしたきっかけで、こんな風に変われたらいいね~。
表題の意味もわかりました。
そして、この表紙の絵も素敵。
ちょっとエグイ場面もありましたが、面白かった。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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