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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2001年4月

季節は美しくめぐり、おかしくて楽しい日々は、少し哀しく過ぎていく・・・・

「いつまでも手に入る、というところが大事なんだ。
きみにはきっとわからないよ」 数字の2

「盗られても平気でいられれば、それにこしたことはないんだから」 きゅうり

「世の中に、不要なるものはないんだ」 帽子

ある街の東のはずれに、ふるいアパートがありました。ふるい、くたびれたアパートです。
灰色の石造りのその建物は、でも中に入るとひにゃりとして、とても気持ちがいいのでした。ホテルカクタス、というのが、このアパートの名前でした。ホテルではなくアパートなのに、そういう名前なのでした。(中略)このアパートの玄関を入ると、室内とも室外ともいえない空間があります。右側の壁に郵便受けが並んでいて、左奥には鉄の蛇腹戸のついたエレベーターがあり、その先は狭い通路になっていて、つきあたりが中庭です。(中略)三階の一角に帽子が、二階の一角にきゅうりが、一階の一角に数字の2が住んでいました・・・・・本文より


                 (本の帯文より/ビリケン出版)



楽しい1冊でした!
最初、ホテルの話かと思って本を開きましたが、ホテルとついているアパートで
そのアパート内の描写と挿画が素敵で、こんなアパートあったら覗きに行きたい!と
思ってしまうほど!

物語は、そこに住む3人の男性が知り合い、仲良くなり、アパートの部屋で3人で
集まってお酒を飲んだり、音楽を聴いたり、または外で会ったりの日常を描いています。

ただ日常を描いているだけですが、3人がユニークで・・。

一応、人間なのかな?

帽子は無職だけど、きゅうりはガソリンスタンドで働き、数字の2は、役所勤め。
帽子は賭け事好きで、きゅうりと数字の2も競馬観戦に行く話は可笑しかった。

性格も全く違う3人のやり取りが、愉快でずっと3人のやり取りを読んでいたくなる。

でも別れの時は来て・・・
それでも、また3人が一緒に出会い楽しく過ごす時間がありそうなのはいい。
3人のその後の話も気になるなぁ~。


挿画がオシャレなのもすごく良かった!
またいつか再読したい本です♪


                       ★★★★★
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発行年月:2015年10月


 みんな遠くへ行ってしまう。本当の自分を知っているのにね――。四年ぶりの長篇小説!

麦彦とヘガティー、思春期直前の二人が、脆くはかない殻のようなイノセンスを抱えて全力で走り抜ける。この不条理に満ちた世界を――。サンドイッチ売り場の奇妙な女性、まだ見ぬ家族……さまざまな〈あこがれ〉の対象を持ちながら必死で生きる少年少女のぎりぎりのユートピアを繊細かつ強靭無比な筆力で描き尽くす感動作。

                   (新潮社HPより)



小学生の男の子・麦彦と女の子・ヘガティーの物語。
ヘガティーって結局名前、何だっけ?出て来たかなぁ~?

2つの章に分かれていて・・・

<第一章 ミス・アイスサンドイッチ>は麦彦の語り。
麦彦は、母親と二人暮らし。
スーパーの一画にあるサンドイッチ屋さんの店員のおばさんに何故か
惹かれて様子を見に行く。
サンドイッチもたまに買う。
そのおばさんは、まぶたが水色でくっくりした線がまぶたに入っていて
目がすごく大きい。
その目が小さい頃、読んだお気に入りの絵本の犬を思い出させる。
おばさんのことをミス・アイスサンドイッチと密かに呼ぶ。
でも、ある日から店に姿を見せなくなり、辞めたと聞く。
もう一度店に来る日があると聞き、絵を描いて渡す。


<第二章 苺ジャムから苺をひけば>
ヘガティは、父親と二人暮らし。
父親は映画の評論家で、ある日、学校でパソコンを使う授業があったとき
クラスメイトたちが「有名人だから検索すると出てくるんじゃない?」と言いだし
ヘガティの父親の名前を検索。
すると・・・・前妻とのあいだにも一女ありの文を見つけ動揺する。



麦彦とヘガティの関係がいい。
麦彦は優しい相手の気持ちがよくわかる男の子だし、ヘガティも素直で良い子。
第二章では、二人でヘガティの姉に会いにいく。


ヘガティは、あだ名なんだけど・・・その理由も可愛い。
他のクラスメイトたちのあだ名もすごくハイセンス!
最初、外国の話?と思っちゃった。


二人の周りの大人たちもいいな。

小学生の二人が、どんな風に成長していくんだろ?
変わらぬ友情を保ち続けけて欲しいなぁ~。


ほんわかした気持ちになれるお話でした!


                        ★★★★



発行年月:2015年11月


 双葉社文芸WEBマガジン「カラフル」で大好評のうちに連載を終えた、人生の岐路に立つ若者の、せつなくてひたむきな恋と決断の物語。愛猫ペロを亡くした喪失感にうちひしがれていた立花明海は古本屋で普段は読まない自己啓発本を買った。中には前の所有者か、「大滝あかね」と書かれた名刺が挟まっていた。そして自分が唯一心を打たれたフレーズには傍線が。明海は思い切ってあかねにメールしてみるが……。新たな出会いとともに違う人生が現れ、明海は悩み、勇気を奮い、道を決めていく。


                    (双葉社HPより)




久しぶりに泣ける純愛小説を読んだ感じがする。
登場する人たちが皆、良い人たちで・・・

主人公の立花明海(25歳)が古書店で購入した本の元の持ち主・あかねと出会い・・・


主人公の明海がいい。
過去にイジメにあって辛い思いをした青年が、こんな風に相手の気持ちを察して
本当に気持ちの優しい人に成長しているのがいい。
彼の優しさに惹かれる職場の先輩と最初、良い感じになるのかな~?とも
思いましたが、彼自身が自分で好きな人に対して素直に向き合う姿勢も良かった。


きらきら眼鏡の意味が読むとわかります。

そういう風に物事を捉えていくって大事かも。

あかねの恋人・祐二の言葉にもハッとさせられました。

「あたりまえの幸せに気づかないと、もったない人生になるんだよ」

森沢さんの物語は、温かいものが多いなぁ~。

以前読んだ、作品の登場人物?と思う人が登場するのも嬉しかった!


次の作品も期待しちゃう作家さんです♪


                      ★★★★★




発行年月:2015年8月


 売れない舞台役者・加納慎策は、内閣総理大臣・真垣統一郎に瓜二つの容姿とそ精緻なものまね芸で、ファンの間やネット上で密かに話題を集めていた。ある日、官房長官・樽見正純から秘密裏に呼び出された慎策は「国家の大事」を告げられ、 総理の“替え玉”の密命を受ける 。慎策は得意のものまね芸で欺きつつ、 役者の才能を発揮して演説で周囲を圧倒・魅了する 。だが、直面する現実は、政治や経済の重要課題とは別次元で繰り広げられる派閥抗争や野党との駆け引き、官僚との軋轢ばかり。政治に無関心だった慎策も、 国民の切実な願いを置き去りにした不条理な状況にショックを受ける。義憤に駆られた慎策はその純粋で実直な思いを形にするため、国民の声を代弁すべく、演説で政治家たちの心を動かそうと挑み始める。そして襲いかる最悪の未曽有の事態に、慎策の声は皆の心に響くのか――。
予測不能な圧巻の展開と、読後の爽快感がたまらない、魅力満載の一冊。

                  (NHK出版HPより)



総理にされた売れない役者・加納慎策。
総理本人が病に倒れ、その替え玉として半ば強制的に仕立てられるわけですが・・・
結構、恰好いい!
色々なしがらみに惑わされず、純粋に国民のことを考えて行動する姿は
清々しかった!


政治の話も多く、勉強にもなりました。

東北の震災復興、海外でテロに巻き込まれた邦人など
今、現実に問題視されていることが描かれていて、特にあちらこちらでテロが
頻発している今、邦人が多数人質になるような事態が起きたら・・・・と
あれこれ考えさせられました。


ラスト、恋人の珠緒に再会していう言葉が良かった!
今度は、珠緒がファーストレディとなった話が読めたら楽しいだろうけど
続編はないかな?



                      ★★★★




発行年月:2015年11月


 ボタンちゃんは、丸いお顔の女の子です。ボタンちゃんはアンナちゃんのブラウスの一番上にとまっています。ボタンちゃんの仲良しは、なんといってもボタンホールちゃんでしょう。ふたりはいつも一緒です。ところがある日、大変なことがおこりました。ボタンちゃんをとめていた糸が切れてしまい、ボタンちゃんは転がりおちてしまいました。

 ボタンちゃんは、子どもべやのゆかをすすんでいきます。やがてたどりついたのは、おもちゃ箱のうらがわです。するとどこからか小さな泣き声がきこえてきました。泣いていたのはガラガラです。「アンナちゃんはもう、ぼくのことなどわすれてしまったのでしょうか」というので、ボタンちゃんはガラガラをなぐさめてあげました。ふたたびボタンちゃんがころがっていくと、今度はよだれかけにあいました。

 『博士の愛した数式』などで人気の小川洋子初の絵本。ボタンちゃんと忘れられた「思い出たち」との心温まる物語。

                     (PHP研究所HPより)



小川さんの初めての絵本。

優しい気持ちになれる素敵なお話でした♪

ボタンちゃんとボタンホールちゃんの顔が可愛い♪
ある日、ボタンちゃんがコロコロ転がって・・・・
部屋の片隅で忘れられた存在になってしまった、おもちゃのガラガラや
スタイ、くまのぬいぐるみに出会います。
みんなアンナちゃんのために一時期は大忙しだったのに・・・・

最後はみんな、「思い出の箱」で大切に保管されることになって、よかった(^^)


捨ててしまわずに、こうして幾つかの物は大切に仕舞っておくのも良いアイデア
だなぁ~と思った。
そうすれば子どもが大きくなったとき、再び開けて思い出話ができますからね。



絵も優しい色調で素敵です♪
大人が読んでも子どもが読んでも楽しめる1冊だと思います。



                         ★★★★★
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