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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2011年3月

記念の品を残そう。最後の小学校生活、わたしがここにいた証として。

1年間限定で山奥の学校に引っ越してきた少女と木の触れ合いを叙情豊かに綴る、坪田譲治文学賞作家の新作!

鮮やかな手つきに目を見張った。木片は、あっという間に女の子の形に変わり、それをわたしに差し出す。ありふれた形だけどすぐにわかった。ボブヘアにスカート。太めの脚に大きな足。「これ、あたしだ……」――<本文より>

                     (講談社HPより)




12歳の小学生立石美楽が主人公。
父親が山奥にある高校の英語教師として赴任したので東京から引っ越して来た美楽たち。
生徒たちは、日本全国から集まっていて、地元の生徒以外は寮に住む。
美楽たちは特別に学校内の敷地に暮らし、美楽はそこから地元の小学校へ。

最初は、東京と大違いの暮らしに不満だらけで、すぐにでも東京に帰りたいと
思う美楽。

でも、明野工房を知り、そこで木工工芸家の伝さんに出会い、木工にはまる美楽。

父親の教え子たちや、小学校の子たちとも徐々に人間関係を築いていくなかで
山の暮らしに馴染んでいく様子が楽しい。

特にクラスのお嬢様・優美や父親の教え子・山田との関係が今後も続きそうな予感。

東京で再開編なんて続編、出ないかな?


                        ★★★★
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発行年月:2015年8月


第153回芥川賞受賞作

「早う死にたか」
毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、
ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。

日々の筋トレ、転職活動。
肉体も生活も再構築中の青年の心は、衰えゆく生の隣で次第に変化して……。
閉塞感の中に可笑しみ漂う、新しい家族小説の誕生!

                 (文藝春秋HPより)




健斗は、新卒で5年間勤めた会社を辞め、就活中。
独学で資格試験にも挑みながら前向きに頑張る青年。

自宅には母とその父親である祖父(87歳)が居て、母と健斗は祖父の介護をしながらの
日常。
ディサービスやショートステイを利用し、家庭内では杖があれば自力歩行が可能な
祖父の入浴時の介助は健斗がすることが多い。

祖父の口癖は「早う死にたか」

そんな望みを叶えてあげたいと思う健斗。
良い孫だなぁ~。
祖父の気持ちを理解してあげている。


祖父が倒れて入院した際、見舞いに行き、感じたことは、同感。
チューブだらけで延命を施されているだけの生なら、自分なら要らないな。
そういう意思をちゃんと老いたら家族に伝えておくことが必要かもね。


物語は淡々と深刻にならず今の社会問題なども踏まえて描かれていた。
楽しい話じゃなかったけれど、ただ暗いだけじゃない家族の在り方を
考えさせられたりと、なかなか読みごたえがあった。

文章もとてもわかりやすい。

他の作品も読んでみたくなった。

同時に芥川賞受賞の「火花」より、こちらが断然、好き。


                          ★★★★



発行年月:2016年1月


 子堕ろしを請け負う「闇医者」おゑんのもとには、今日も事情を抱えた女たちがやってくる。
大店の女将、華やいだ若い娘……
「診察」は、やがて「事件」に発展する。シリーズ第二弾。

                   (中央公論新社HPより)




待ってました!!

シリーズ化するんですね~(^^)

今回話は2章に分かれてはいますが、ひとつの話と言ってもいいかな?

おゑんの元に連れて来られたのは、若い娘・お竹。
梅木屋宗之介の元で働く娘を妻のお江代が連れて来て、堕胎を頼む。
が・・・おゑんはお竹が本当は子どもを産みたいと思っていること。
お腹の子は別の男・十助の可能性もあるということを知る。


お腹の子を産み、一人で育てると決めているお竹は、強い!
そして、そんなお竹の気持ちを優先して力になる、おゑんが恰好いい。
機転を利かせて、誓書をお竹に書かせ、それを30両で売るとは・・・・


梅木屋との関わりを一切絶った、お竹だけど、お江代は、おゑんの元を訪ねてきて
宗之介を殺したと言い、その後姿を消す。
お江代も不思議な人だったなぁ~。

お竹が無事に男の子を産んだときは、ホッとしたけど、その後どうなったんだろ?
ずっと、おゑんの元で暮らして後のシリーズにも登場か?と期待したのになぁ~。


そして、おゑんの事ももっともっと知りたい。
話のなかで少し出て来たけれど、医者だった祖父のこと。
一家に降りかかった残酷な仕打ちをもう少し詳しく知りたい。
おゑんが闇医者になった経緯もそのへんに理由があるのだろうか?


第3弾も楽しみに待ちます!


                          ★★★★



発行年月:2016年3月


被災者を助けた、本当に役立つ実例が盛りだくさん。
イラスト満載で楽しく学べる、災害支援のヒント集

                   (木楽舎より出版)



災害支援する前に絶対読んだ方がいい情報あれこれ。
災害ボランティアとか、物資支援とか、勘違いしたおしつけ行為は
支援どころか、あり難迷惑的行為になってしまうということですね。

間違いない、お金で支援するのが、わたしの場合一番いいかな~?


                      ★★★★★



発行年月:2013年3月


 私って「かわいそう」だったの? 「女による女のためのR‐18文学賞」受賞第一作!

ずっと穏やかに暮らしてきた28歳の梨枝が、勤務先のアルバイト大学生・三葉と恋に落ちた。初めて自分で買ったカーテン、彼と食べるささやかな晩ごはん。なのに思いはすぐに溢れ、一人暮らしの小さな部屋をむしばんでいく。ひとりぼっちを抱えた人々の揺れ動きを繊細に描きだし、ひとすじの光を見せてくれる長編小説。

                   (新潮社HPより)



28歳独身の野坂梨枝。
母親と二人暮らし。
幼い頃、両親は離婚し、兄は家庭を持ち、離れてたところで暮らしている。
過干渉ぎみの母親に辟易する毎日だったが、兄家族が実家で同居する
ことになり、それを機に1人暮らしを始める。

ドラッグストアの店長を務める梨枝。
そこに新しいバイトとして来た20歳の大学生・三葉。
梨枝に親しげに接し、最初は仕方なく夜勤のバイト終わりにごはんを一緒に
食べたりしているが、徐々に彼との関係を特別なものと考える。

ドラッグストアに定期的に来る女性は、バファイリンを過剰に服用している様子。
気になり再三声を掛けるが、彼女は反論。
それでもまた店に来る。

兄の妻・雪ちゃんは、梨枝が幼いころから知っている小さい時からもお姉さんとして
接していた存在。
母は同居してから、雪ちゃんの作る食事がマズイことを梨枝になんとか言って欲しいと。



身近だから言えないことって確かにあるよなぁ~。

母親に、恋人に、兄嫁に・・・

ラスト、実家で餃子を作る場面は、ほんんわかして良かったなぁ~。
ギクシャクしていたかんじが取れたみたいで。


バファリン常用の彼女との関係も良い方向に行きそうで
梨枝の周りの人間関係が一挙にうまくいきそう。

あ、でも蜘蛛を潰せなかった柳原は、その後どうしたんだろ?


途中まで嫌な雰囲気だったけど、ラストは明るく終わってくれて良かった。


                          ★★★★
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