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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年11月

答えてください。
娘を殺したのは私でしょうか。

東野圭吾作家デビュー30周年記念作品
『人魚の眠る家』


娘の小学校受験が終わったら離婚する。
そう約束した仮面夫婦の二人。
彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前。
娘がプールで溺れたー。
病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。
そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。

過酷な運命に苦悩する母親。その愛と狂気は成就するのか。
愛する人を持つすべての人へ。感涙の東野ミステリ。

こんな物語を自分が書いていいのか?
今も悩み続けています。   東野圭吾

                     (幻冬舎HPより)


ミステリーというよりヒューマンドラマ。


プールで溺れ救急搬送された播磨瑞穂。
医師の説明では、脳の機能は完全に失われていて、回復の見込みはゼロという。
このまま脳死判定を受け入れるしかないのか?
しかし、母親の薫子は、一瞬、瑞穂の手が動いたと感じたことで
このまま延命治療を続行を望む。

やがて、夫の和昌の会社で研究開発中の磁気刺激で筋肉を動かす装置を使い
在宅で瑞穂を看る。

自分が薫子の立場だったら、どうするかな?
想像しようとしても無理でした。
その立場に実際にならないと、どういう気持ちになるのかわからない。

狂気じみていく薫子が気の毒で切なく哀しい。


一方、物語には、心臓病の4歳の娘に臓器提供を受けさせたく、アメリカに
渡る費用を募金活動により集めている親のことも取り上げる。


子どもの命を救うためなら、自分の出来ることは何でもしたいと思う心は誰も同じ。

薫子の弟、生人が少し不憫だったかな?
親としては、生人の気持ちにも、寄り添ってあげることを忘れてはいけない。


プロローグとエピローグに出て来た少年の存在が少し明るい気持ちに
させてくれて良かった。


しかし、東野さんはさすが。
難しいテーマでもスラスラ読まる筆力は凄い!

この小説を読むと自然に、いろいろ考えさせられる。



                       ★★★★★

 
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発行年月:2015年6月

コンビ名「メリーランド」として南部芸能事務所の舞台に立つ新城と溝口。しかしライバルは多く、明るい未来はまったく見えない。「オレたちはつづけられるんだろうか」誰もが悩み、日々苦しんでいる。そんな芸人を見つめる「家族」たち。そこには確かに「愛」と「笑い」がある。南部芸能シリーズ待望第3弾。

                     (講談社HPより)



第4弾の「オーディション」を先に読んで、こちらもあるのを知り急いで読みました。
南部芸能事務所に所属する「メリーランド」の新城と溝口。
ナカノシマの3人。
また別の事務所ではあるけれど、交流を持っているインターバルの榎戸と佐倉。

それぞれが、芸人としてまだ売れてはいない頃のはなし。

芸人としてやっていけるのか?不安な気持ちをそれぞれが抱きながら
でもやはりこのままやっていきたいとも思う。

それぞれの家族のこと、恋愛のこと、彼らの周りの人間関係が綴られていた。


南部事務所のテネシー師匠と溝口の父親の関係がわかった話は、感動的だった。


「メリーランド」も「ナカノシマ」も「インターバル」も頑張れ!

新たな活躍の様子を、また読みたいなぁ~。


                        ★★★



発行年月:2016年1月


 刑事犬養隼人シリーズ、最新作!


障害を抱える15歳の少女が誘拐された。
現場には「ハーメルンの笛吹き男」を描いた絵はがきが残されていた……。
警視庁捜査一課の犬養は相棒の高千穂と捜査に動くが、
同一犯と思われる第二の誘拐事件が起こり……。

                    (角川書店HPより)



子宮頸がんワクチンの副作用に遭った少女たち6人と
産婦人科協会会長の娘・槇野亜美が誘拐された。

犯人の要求は、70億円をワクチンの製薬会社と産婦人科協会に求めるもの。



興味深い内容でした。
テレビのニュースや報道番組でも取り上げられた「子宮頸がんワクチン」が
原因と思われる運動障害やその他の症状に苦しむ若い女性たちの姿は痛ましく
印象的でした。

わたしも女の子2人をもつ母親として、彼女やその親御さんの気持ちになると
居たたまれない思いでいっぱいになります。


犯人の起こしたことは、社会に対しての大きな警告になり、応援したい気持ちにも
なった。
そして・・・その首謀者がわかった瞬間は、衝撃的でした。


社会問題にもなっているこの内容を軸に描いた著者は、どこからかバッシングを
受けていないのかな?
勇気ある作品を書かれたなと思う。

実際に副作用で苦しむ人たちが少しでも今より症状が改善される治療法が
見つかるといいなと強く思う。



                        ★★★★



発行年月:2016年5月

オレはまだやれる。今度は仲間のためにもう一度泳ぐ! ――オレ、西山大輔。競泳自由形で、オリンピック2大会連続で金メダルをとった日本のヒーロー!のはずだった……。若い選手の台頭と、彼らに日本代表を任せたい協会幹部の意向にオレは抗い、次のオリンピックを目指す。ただそれは個人種目ではなく、新設された男女混合メドレーリレーで。現役バリバリのトップスイマーVS老いぼれスイマーや訳ありスイマーの寄せ集め軍団。オリンピックの代表選手を賭けた勝負に勝つのはどっちだ?

                      (双葉社HPより)



オリンピック開催時のいま、読めて良かった!
アテネ、北京と二大会連続金メダル獲得のスイマー西山大輔が主人公。
30歳を過ぎて、記録が下降線。
かつてもヒーローも過去の人?


大輔の明るいキャラがいい。
ちょっとバカっぽいところも愛嬌として許せる範囲。


そして、かつてもコーチ、木下の提案で、オリンピックのチームジャパンに
対抗する混合リレーチームを結成。
そのメンバーに選ばれた者たちが、それぞれユニークな経歴。

インド人とのハーフあり、不良少女あり・・・・

最後の対決の場面は、緊迫感あって、最後どうなった???


でもこの終わり方いいと思う(^^)


楽しいスポ根物語でした。


                        ★★★
 



行年月:2016年3月


近所で恐れられる謎の老人と彼を監視する少年。
二人を繋(つな)ぐ貧弱な樹が白い花を初めてつけたとき、
“終わりと始まり”を告げる長い長い旅が始まった。

それは、神様が鳴らした優しく静かな号砲――――
人生に大切なものが詰まった、
心に沁(し)みわたる感動の物語。

そのとき、老人はある決意を固め、
少年は大人への門を潜(くぐ)る。
札幌(さっぽろ)で暮らす小学六年生の瀬川大介(せがわだいすけ)には、自らの鬱屈(うっくつ)を晴らす、ささやかな楽しみがあった。それは隣家に住む、指が2本ない謎の老人佐藤北海(さとうほっかい)が見守る貧弱な樹がつける花芽(はなめ)を削(けず)り取ること。開花を待つ北海の喜びを奪うことで、不満を溜(た)めた老人が“暴発”することを願っていた。だが、夏休みに入ったある日、大介の油断を衝(つ)いてその樹が白い花を咲かせる。それを見た北海は突如ボストンバッグを抱えて旅に出発、両親と喧嘩(けんか)して家出をするつもりだった大介は、急遽(きゅうきょ)彼を追うことに……。一人の少年の好奇心と冒険心が生んだ心に沁みわたる感動の物語。

                     (祥伝社HPより)



少年・大介の好奇心が生んだ奇跡。
近所に居るちょっと気になる老人・佐藤北海と、大介は旅をする。
そうなるまでの過程も面白かった。

ちょっと疎ましい親から、意地悪なクラスメイトから、逃げる口実のように
北海の運転する軽トラに上手く潜り込み、今いる場所から離れようとする夏休み。


表題の「花が咲くとき」の意味も重要。
北海が語った過去の話は壮絶で、ショッキング。
戦争によってこんな風に苦しんだ人が居たということが大介にも伝わったかんじ。


これは児童書としても通用しそう。
小学校高学年くらいなら十分、読んで楽しめると思う。
課題図書になってもいいくらいな内容。


大介は、北海と旅をして、そこで出会った人たちからも多くのことを
学び成長したんだなあ~。


                       ★★★★★
 
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