発行年月:2018年12月
直木賞受賞第一作!
すれ違う大人の恋愛を繊細に描く、全六篇の作品集。
「あなたは知らない」……私を「きちんと」愛してくれる婚約者が帰ってくる前に、浅野さんと無理やり身体を離して自宅までタクシーでとばす夜明け。ただひたすらに「この人」が欲しいなんて、これまでの人生で経験したことがない。
「俺だけが知らない」……月に一、二回会う関係の瞳さんは、家に男の人がいる。絶対に俺を傷つけない、優しく笑うだけの彼女を前にすると、女の人はどれくらい浮気相手に優しいものなのか、思考がとまる。
同じ部屋で同じ時を過ごしていながら、絶望的なまでに違う二人の心をそれぞれの視点から描いた1対の作品。他の収録作品に「足跡」「蛇猫奇譚」「氷の夜に」「あなたの愛人の名前は」など。
(集英社HPより)
短編集だけど、連作になっているものもあり、面白かった。
最初の話<足跡>は、大好きな人と結婚しているのに興味本位で友達が
紹介してくれた治療院を訪れ、その後も通う妻に嫌悪感を抱く。
ま、正しい判断で引き返したのは良かったけど・・・
次ぎの話は飼い猫であるチータ目線の物語<蛇猫奇譚>。
怖いことになるのか?と思ったら、穏便に終わってホッとする。
次ぎの<あなたはしらない>と<僕だけが知らない>は
婚約者がいる女性とバーで知り合った男性との危い関係。
知り合ったのが結婚前で良かった!
<氷の夜に>と<あなたの愛人の名前は>も連作。
幼いときのトラウマから男性(特に手)が怖い絵未。
雨の日、時間潰して入るバーのマスター・黒田と出会って男性に対する
恐怖が消える。
最後の話は絵未の親友が語るものだけど、そこで絵未と黒田の付き合いは
進展していっているんだとわかり微笑ましく思う。
全体的に、ああ、良かったねと思えるラストばかりで読後感がいい。
面白かった!
★★★
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発行年月:2019年1月
夫を熊谷に残し、札幌へ単身赴任した沙和子。二人は次第にすれ違い、離別へと向かったが、新たに仕切り直した生活は、二人を思わぬ場所に導いて――新たな夫婦像を描く傑作長編。
(河出書房新社HPより)
大学時代の友人関係だった夫婦。
高之と沙和子。
沙和子はキャリアウーマンで単身赴任で北海道へ。
実家の両親と暮らす夫の高之の生活はそのまま。
離れて暮らすことで、少しずつ変わってゆく気持ち。
婚姻を続ける理由がないと言いだすのは、夫の高之。
中等度の鬱と診断され、治療中の高之だけど、少しずつ外に出て行動する
ことも出来るようになって来て一人でやっていく自信が出て来たのかな?
夫婦の12年間を追う形の物語で、時が経ち、二人の生活が変わって行く
様子がわかる。
離婚しちゃうんだけど、別れてもふとした瞬間に相手のことを思い出す。
どうしているかな?とも思う。
そして、再会。
夫婦じゃなくなっても、こんな風に会えば自然体で楽しく会話できる
関係って良いなと思う。
2人は夫婦じゃなけど、お互いを必要としているかんじ。
一緒にいなくても、こんな相手がいたら、前を向いて生きられそう。
双極性障害の既往がある著者ならではの、鬱の人の思考。
なかなか興味深かった。
素敵な物語だったと思う。
★★★★
発行年月:2018年11月
大坂堂島の紙問屋・嶋屋を営んでいた秋成は、町一帯を襲った火事によって店を失い幼なじみの雨月が結ぶ香具波志庵に居候することに。ところがその雨月、飄々とした性格ながら妖しを引き寄せる体質で、しだいに彼らの周りには、憎まれ口をたたく兎やら、成仏できぬ人の怨念やらが溢れ出す。さらにその先で待ち受けていたのは、世界の成り立ちを根本から変える驚くべき真実だった―江戸怪異譚の傑作『雨月物語』に大胆な現代的解釈を試みた、珠玉の連作短篇集。
(中央公論新社HPより)
雨月、秋成、遊戯・・・・二人と1匹の会話が愉快。
江戸時代の人々の暮らしのなかで起きる怪奇なこと。
登場する人物が、実は亡くなっているということが物語のなかでは
よくあり、誰かが登場するたびに「このひとも実は・・・・・」と
考えるようになってしまう^^;
物語は短編連作の形で進むけれど、最後に「ああ、やっぱり」と
納得の真実。
この物語のなかの上田秋成が書いた<雨月物語>を参考に西條さんが書いた物語が本書。
雨月を想う秋成の気持ちが、なんとも切ないけれど温かいものも感じる
終盤の遊戯とのやり取りが特にいい。
素敵な怪奇集だった!
表紙の絵もステキだなぁ~。
★★★★★
発行年月:2019年2月
月面探査機が捉えた白い影が大ニュースに。のび太はそれを「月のウサギだ!」と主張するが、みんなから笑われてしまう…。そこでドラえもんのひみつ道具<異説クラブメンバーズバッジ>を使って月の裏側にウサギ王国を作ることに。そんなある日、のび太のクラスに、なぞの転校生がやってきた。
(小学館HPより)
ドラえもんは正直、あまり見ていません^^;
でも辻村さんが書いたものだから・・・と手に取りました。
読み始めたら、面白かった!
ベタな展開なんだけど、読みながら自然とドラえもんの声=大山のぶよさんに
頭のなかで変換されたりして・・・
あまり見てなかったわたしがこんな感じなら、ドラえもんファンなら
大喜びでしょうね~(^^)
月のウサギの世界観もよかった。
地球以外にこんな風にまた違う世界があって、どこで生きて居る者がいるって
想像するだけでワクワクする。
でも、そこにはそこでの問題もあって・・・
意外とリアル。
大人も楽しめる内容だった。
装幀もシックでいい!
表紙をめくってすぐのドコでもドアには、感激でした!
★★★
発行年月:2019年1月
大切な友が、ある日
少女に取り憑かれた。
十年以上昏睡状態にあった母を救った、ふたごのミミとこだち。
異世界への扉があり、屍人がうごめく不思議な街・吹上町で、
母は自分を目覚めさせた丼もの作りに精を出し、
ミミはアイスクリーム屋の手伝いをして平穏に暮らしていた。
しかし、彼の突然の死、友人の除霊の失敗と恐ろしい出来事が次々と起こり、
ミミの人生が大きく動きだす……。
(幻冬舎HPより)
読んでいるうちに第一話を思い出す・・・^^;
ああ、この話好きだった!
そして第二話 どんぶりもいい。
読んでいると、安らぐかんじで実に心地いい。
異世界と通じている人たち。
墓守くんの彼女・美鈴さん。除霊を仕事にしていて、あるひ、不幸な最期で
亡くなった少女に体を乗っ取られる。
ミミはその状態の美鈴を黒美鈴として、接する。
墓守くんも美鈴がいつか戻って来ると信じながら・・・・
黒美鈴を排除するわけでもなく、受け入れているミミと墓守くん。
結局、黒美鈴は去るんだけど、その様子は、なんだか少し切なかった。
ちゃんと成仏して、あの世で幸せになって欲しい。
あまり死を日常で感じることはないけれど、この物語を読むと常に
常に感じるのはなかなか難しいけれど、たまにはあの世で暮らしているであろう
人たちのことも想ってあげたいな~と感じた。
第三話は「ざしきわらし」とあとがきにあった。
さて、どんな話でしょう?
今から楽しみ♪
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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