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発行年月:2019年1月


 夫を熊谷に残し、札幌へ単身赴任した沙和子。二人は次第にすれ違い、離別へと向かったが、新たに仕切り直した生活は、二人を思わぬ場所に導いて――新たな夫婦像を描く傑作長編。

                     (河出書房新社HPより)




大学時代の友人関係だった夫婦。
高之と沙和子。

沙和子はキャリアウーマンで単身赴任で北海道へ。
実家の両親と暮らす夫の高之の生活はそのまま。


離れて暮らすことで、少しずつ変わってゆく気持ち。

婚姻を続ける理由がないと言いだすのは、夫の高之。
中等度の鬱と診断され、治療中の高之だけど、少しずつ外に出て行動する
ことも出来るようになって来て一人でやっていく自信が出て来たのかな?

夫婦の12年間を追う形の物語で、時が経ち、二人の生活が変わって行く
様子がわかる。

離婚しちゃうんだけど、別れてもふとした瞬間に相手のことを思い出す。
どうしているかな?とも思う。

そして、再会。


夫婦じゃなくなっても、こんな風に会えば自然体で楽しく会話できる
関係って良いなと思う。
2人は夫婦じゃなけど、お互いを必要としているかんじ。

一緒にいなくても、こんな相手がいたら、前を向いて生きられそう。


双極性障害の既往がある著者ならではの、鬱の人の思考。
なかなか興味深かった。


素敵な物語だったと思う。


                         ★★★★
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