発行年月:2019年7月
国力は低下の一途をたどり、監視ドローン飛び交い閉息感が増すばかりの少し先のニッポン。この社会で負けじとタフに生きる女子中学生 里宇(りう)と、母&弟の入谷ファミリーは、石や虫などの自然と心を通わせられる不思議な力を持つ“カザアナ”の末裔と出会う。入谷家&カザアナたちは、不登校中の長男・早久(さく)を皮切りに様子の妙なクラスメイトや職責に悩む市役所員など、かかわった人たちをほんの少し笑顔にしていく。やがて一同は謎のゲリラ組織ヌートリアと相見え、騒動はやがて国を越え――。
作家生活30年目の想像力が大爆発。時空を越えて広がる圧倒の物語世界は、読むほどに勇気があふれ笑顔がこぼれます。純度100%のエンターテインメント小説にして、令和時代のハッピーなおとぎ話。
(朝日新聞出版HPより)
近未来の日本の様子は、なんだか厳重監視のもとでの生活があったりと窮屈そう。
しかし、そこで暮らす入谷家の人たちは、結構、のびのび。
父親はテロに巻き込まれて死亡というふつうじゃない状況
母親の由阿は、フリーの記者として、あちこち飛び回って取材をしている。
14歳の里宇と11歳の早久の姉弟も賢く、いい子たち。
修学旅行の京都で里宇が見知らぬおばあさんから貰った石から、カザアナたちが
それに引き寄せられるように集結。
アメリカ大統領が登場したり、スケールの大きな話に発展していく。
お母さんの由阿さんが言った
「この世界は、人間が思っているほど、人間だけのものじゃない」っていう言葉が印象的。
ファンタジーのようなSFのような不思議な物語だったけど、楽しかった。
★★★
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発行年月:2019年7月
四十歳妻子持ち、門倉課長、新入(しんいり)男子に
不惑の恋わずらい!? なんだろう、この気持ちは……。 『年下の男の子』の著者が描く、中年男子の第二思春期 平凡な毎日だった。 あいつが同じ部署にやってくるまでは。 ビール販売会社で営業課長を務める門倉(かどくら)の部署に二十八歳の加瀬夏生(かせなつお)が 中途入社で配属された。なぜか加瀬が気になりいつも彼のことを考えてしまう門倉だったが、ある日 会社帰りに、加瀬に遭遇、一緒に酒を飲むことに。しかし、目の前で眠り始めた加瀬に、門倉は 予想もしなかった行動に出てしまう! これ以降、加瀬に馴れ馴れしくする取引先に嫉妬するなど、徐々に加瀬への気持ちが 「特別なもの」であることに気づいていく門倉。 そんな中、出張で同じ部屋に泊まることとなり…… (祥伝社HPより) |
ドラマにあった、おっさんずラブを思い起こす。
上司の男性(もうすぐ40歳)・門倉が28歳で中途採用されてきた加瀬に恋。
自分が加瀬に対して抱く気持ちを必死で理性で抑えているところが
なんだかかわいい。
ギラギラした感じだと、引くけど、これくらいならちょっと応援したくなる^m^
しかし、門倉には妻子がいるわけで・・・
加瀬の方は門倉に対して、同様の感情を持っていないんだろか?と途中まで
思って読んでいたけれど、加瀬には、ちゃんと大切に思っている女性がいて
それに気づいた門倉の引き方もよかった。
門倉の奥さんは良い奥さん。
こんな素敵な奥さんのこと、もっと大事にしないといけないよね~。
ま、重々承知でも恋に落ちてしまったんだろうけど
恋が成就しなかったことに、ホッとした物語でした!
なかなか、面白かったぁ~(*'▽')
★★★
発行年月:2018年11月
美と恋に生きる名家の男たちは、
書物を愛でるように、女と情を交わし、
自由になるために、女から愛を求める。
東京・京都・シンガポールを舞台に、家柄にも資産にも恵まれた50代の男たちが、甘美な情事を重ねていく、その果てに――
日経朝刊連載時から話題沸騰! 絢爛たる贅沢な官能美の世界を描く傑作長編
大手医薬品メーカー九代目、久坂隆之は53歳。副会長という役職と途方もない額の資産を与えられた素性正しい大金持ちで、シンガポールと東京を行き来し、偏愛する古今東西の書物を愛でるように女と情事を重ねる。スタンフォード留学中に知り合った友人、田口靖彦は老舗製糖会社の三男。子会社社長という飼い殺しの身が、急逝した妻の莫大な遺産により一変。家の軛から自由になるために、女からの愛を求め、京都で運命の出逢いを果たす。時代の波に流されず、優雅で退嬰的な人生をたゆたう男たちが辿り着いたのは―
(日本経済新聞出版HPより)
高学歴で社会的地位も高く、資産もじゅぶんにある男性二人の物語。
久坂隆之(53歳)と田口靖彦(55歳)。
久坂は、最初からあまり好きじゃない感じ。
でも田口は妻を亡くして独身なので、まあまあ、このくらいはいいんじゃない?
と思いつつ読み進める。
地位があって、お金があれば、それなりの人間関係もあって
それなりの女性と知り合う機会も多いんだろうなぁ~。
でも結構、大変そう。
花街の芸者さんの旦那さんになるなんて、すごい道楽だな。
一般庶民には、興味深い話だけれど、そこから引くときはどうするんだろ?
豆孝とはその後、どうなったんだろか???
男性が主人公の話は、女性が読んでも面白くないな(^^ゞ
日経新聞の朝刊連載だから、仕方ないけどね~。
最後はちょっとブラック。
久坂さんの手術が無事終わりますように・・・。
面白くはないけど、二人の男の恋の顛末が気になり、最後まで読んだ^m^
★★
発行年月:2019年5月
所長も調査員も全員が女性、「ミツコ調査事務所」の目玉企画は「初恋の人、探します」。青春の甘酸っぱい記憶がつまった初めての恋のこと、調べてみたいとは思いませんか? ただし、ひとつご忠告を。思い出の向こう側にあるのは、地獄です――。他人の不幸は甘い蜜、という思いを、心のどこかに隠しているあなたに贈る、イヤミス極地点!
(新潮社HPより)
イヤミス度は、相変わらずだけど、意外と大人しめかな?
真梨さんにしては・・・(^^;)
調査事務所・所長の山之内光子。
依頼人の人探しをする。
そんな話が短編で繋がっていくのかと思いきや、どんどん危ない感じに
なっていく。
人探しって、命がけじゃん!
依頼人の意向で探したら、犯罪の片棒担ぐことにもなり兼ねない。
依頼人の人探しの目的が恐ろしいものばかり。
そして、あっさり、主人公だった光子が死んじゃう。
えぇ~っ!?と驚いたけど、そこに至る真相がこれまたヤバイ。
ああ、怖い話だった。
今までの登場人物の相関関係にはびっくりの結末で、最後まで
楽しませてくれた。
★★★
発行年月:2019年5月
灼熱の夏、彼女はなぜ幼な子二人を置き去りにしたのか。
追い詰められた母親、痛ましいネグレクト死。
小説でしか描けない〈現実〉がある――虐げられる者たちの心理に深く分け入る迫真の衝撃作。
(中央公論新社HPより)
大阪で実際にあった事件を基に書かれた物語だそうです。
ああ、そんな事件あったな~。
子どもを置いたまま帰らず暑い部屋に閉じ込め、衰弱死させるなんて考えられない!
と怒りが沸いたことを思い出す。
物語は、子ども二人を死なせてしまった母親・蓮音とその母親・琴音の語りで進む。
蓮音の起こした事件だけど、そこに至るまでの育った環境、母親・琴音の同じく育った
経緯を読んでいくうちに、哀しい事件が起きる背景にあったものが少しわかってくる。
ただただ、つらい。
人が育っていく過程で、どんな大人たちに関わって、どんな風に自分の存在を
受け入れっらえていたかってその後の人格とかをつくるうえでやっぱり凄く
大切なことなんだなぁ~と改めて感じた。
子どもを死なせ、世間では鬼のように思われている母親・蓮音だけど
子どもたちには、愛情を感じていて、子どもたちも母親が大好きだった。
そのことが唯一の救い。
ただ、子どもを守る知恵というか、自覚が欠落していた。
自分が守られて来なかったし、その母親・琴音も同様。
自分の力でなんとか生き抜いて来たから。
哀しい負の連鎖。
蓮音が結婚したときは、相手の男性も学歴もまあまあ、優しそうだし
幸せになれそうだったのに、結婚してからはただの頼りないマザコン男だとわかり
がっかり。
小学生のころ、母親が出奔し、幼い弟と妹の面倒を見てきた経験があったから
多少放置しても子どもたちで何とかするだろうという気持ちもあったのか?
がんばりやさんと言われて一人で頑張ってきた蓮音が、なんだか哀れで仕方ない。
子どもを死なせてしまった母親でも、鬼だと責めることが何だかできなくなった。
実際の事件の母親は、どうだったんだろう。
どうしたら子どもたちは死なずに済んだんだろう?
いろんなことをグルグルと考えてしまった。
この類の事件が再び、起きることがないといいなと思うけど、
もしまたニュースで知ったら、今までとは違う見方で母親のことを考えるだろうな。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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