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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年12月


明石家は夫婦あわせて、もうすぐ180歳。一家の主、新平は散歩が趣味の健啖家。妻はそんな夫の浮気をしつこく疑っている。長男は高校中退後、ずっと引きこもり。次男は自称・長女のしっかり者。末っ子は事業に失敗して借金まみれ。……いろいろあるけど、「家族」である日々は続いてゆく。飄々としたユーモアと温かさがじんわりと胸に響く、現代家族小説の傑作!

                     (双葉社HPより)



90歳の新平さん。元大工で明石建設会社社長だった。
同居の長男(孝史)は定職に就いたことがなく、引きこもり。
次男の健二は、フラワーアーティストで、女性として生活。
三男の雄三は、グラビアアイドルの撮影会を主催する会社を興しているが
いつもお金を貸してくれと新平を頼る。


三人の息子たちは独身。


妻の英子が認知症になり、放っておけない。

若い頃は愛人も何人かいたが、今はいない。
けれど、英子は新平が外出の度に、浮気相手と会ってきたと疑う。


はたから見てもなかなか大変そうな家族だけれど、淡々とユーモア混じりに
描かれているので深刻さは薄め。
それでも、実際問題、これはなかなか大変だと思う。

90歳で妻の介護をしている男性。

実家の両親もまさにコレだから、いろいろ考えながら読んだ。


英子が倒れて、このまま家で看取ると言った新平の気持ち、尊重しても
いいかもと思った。
子ども(次男)に叱られて救急車を呼んだけれど。

入院して意識が戻って、遺漏を作って、栄養補給してリハビリして・・・・
英子はその後、回復して会話もまた出来るようになった。

子どもたちは、ホッとしたかもしれないけれど、新平のことを考えたら
なんだか切ない気持ちにもなってしまった。


老人用、ホスピスみたいな延命治療はしない看取りの施設が沢山、欲しいかも。
なんて考えてしまった。



                       ★★★★
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発行年月:2021年5月


『マチネの終わりに』『ある男』と、ヒットを連発する平野啓一郎の最新作。
 舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。
 母の友人だった女性、かつて交際関係にあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
 さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る――。
 ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。
 読書の醍醐味を味わわせてくれる本格派小説です。

                       (文藝春秋HPより)



夢中で最初から最後まで読んだ。


時代は現在より少し先、30年後くらいの話。

主人公の朔也は、事故死した母親が生前「自由死」を望んでいたことを拒否し
続けていた。
結局、自分が海外に出張中、母親は墜落してきたドローンに驚き、側溝に落ち
命を落としてしまう。
自分が自由死を受け入れていれば、母親は自分に看取られながら希望する
死を迎えることが出来たのに・・・・


朔也の後悔は理解できる。けれど、それは仕方ない。朔也が苦しむ姿は痛々しい。

そして母親のVFを300万円で作って貰う。
母親の過去の資料を製作者側に渡し、それらから母親の人格を生前と近い物に
作製してあるという。
VFが間違った言い回しなどをしたときは訂正してあげれば次回からは
それを学習した言い方に変えて段々と本来の母親に近づくのだと。


けれど、所詮、本当の母とは違う。
当たり前のことだけれど・・・。


朔也は、生前、母親が親しくしていた人に接触し、母親の本心を探ることの方に
力を入れる。


朔也は、優しいし、理性的で、良い人だと思う。
彼のことを好ましく思う人たちが周りには増えていく。
その人たちとの関わりの中で、少しずつ母親の本心を知りたいと
思っていた彼の心が変わっていく気がした。


本心なんて、わからないでいいじゃない。
案外、実際の母親が前に居てもうまく表現できないものじゃないかな?


SFの要素もあったけれど、そこには近い将来こんな世の中に実際なるのかも。
と思えるリアルさがあった。
格差社会とか、外国人労働者の話とかの問題も絡んでいて、
盛りだくさんのものが巧くまとまっていたと思う。


そして読みやすかった。
面白かった。



                          ★★★★★



発行年月:2021年4月


幸せな日々は、もう手放さなければならない。
遺体で発見された善良な弁護士。
一人の男が殺害を自供し事件は解決――のはずだった。
「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」
2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の"告白"、その絶望――そして希望。
「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」
私たちは未知なる迷宮に引き込まれる――。

                      (幻冬舎発行)




読み応えありはさすがだな・・・。


善良な弁護士・白石健介(55歳)が何者かに殺されたところから始まる。


なぜ、彼は殺されたのか?

そして、倉木達郎(66歳)が逮捕。



白石健介の娘・美令と倉木達郎の息子・和真は、それぞれが父親の事件前の
言動に疑問を抱き、それぞれが真相を知ろうと探り始め、二人は偶然に
出会い、お互いの疑問や情報を共有し合う。

加害者と被害者の子どもが、こんな風な関係になることは、普通では
ありえないけれど、この二人ならあり得ると思わせてしまうのも
著者の凄さだと思う。


そして、真相が徐々に明かされていく。


事の発端は30年前の殺人事件からだった。
白石健介と倉木建郎は、その事件の関係者だった!


うわ~。真相を知ると何とも辛い。

白木健介を殺害した犯人の気持ちだけがちょっと「え?」と首をかしげるもの
だったけど。



見逃した罪の重大さが後でわかる話。

罪は、ちゃんと認めて向き合うことをしないといけないということ。
逃れらると思っても後からもっと大きな罰として返ってくるのだから。



しかし、30年前の事件で警察が誤認逮捕さえしなければ・・・
ちゃんと操作して犯人を逮捕して罪を償わせていれば今回の殺人事件は
起きなかったんだから・・・。



最後、和真と美令がよき理解者として支え合っていく姿が浮かび、
それは良かったかな?


厚い本だったけど、スラスラ読ませてくれた。


                      ★★★★



発行年月:2021年6月


さまざまな人たちと案内人が織りなす、最後の再会を描いた感動小説。
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか」
さよならの向う側と呼ばれる場所にいた男、案内人はそう言った。
人は亡くなった時、最後に一日だけ現世に戻って会いたい人に会える時間が与えられる。
ただし、その中で会える人は、
『あなたが死んだことをまだ知らない人だけ』。
人は最後に大切な人に会いに行く。
きっとどんな困難が待っていても、人はそれでも大切な人に会いに行く。
そんな、さまざまな人たちと案内人が織りなす、最後の再会を描いた純度100%の温かい感動の物語。
今すぐ、大切な人に会いたくなる物語が、ここにある――。

                    (マイクロマガジン社HPより)



号泣間違いなしみたいな謳い文句があったけど・・・・正直そこまでは・・・(^^ゞ

でも、まあ楽しめた。

5つのお話、それぞれ主人公は違うけれど、少しリンクしていたりする。


亡くなった人に案内人が問う
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか?」
ただし、会えるのは、あなたが死んだことをまだ知らない人だけ。



こんなこと言われたら困る。
自分の死を知らないような関係の人に、会いたい人なんていない。

実際、登場するに5人も、困惑する。

けれど。。。なるほどね。
そういう意味でなら会いたい人いるかも!
そのアイデアは面白かった。


三番目の同棲していた恋人に会いたいと会いにいく幸太郎の話のオチは
やられた!(笑)
猫だったんかい!


最後の話、案内人が案内人になった経緯。
これは一番、感動的だったかも。
泣けるほどではないけれど・・・。
良い話だったなぁ~。
ここまで愛されている奥さんはきっと素晴らしい人だったんだろう。




                      ★★★



発行年月:2021年6月


大人になる途中で、私たちが取りこぼし、忘れてしまったものは、どうなるんだろう――。封じられた時間のなかに取り残されたあの子は、どこへ行ってしまったんだろう。
かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地から発見された子どもの白骨死体。弁護士の法子は、遺体が自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎをおぼえる。小学生の頃に参加した〈ミライの学校〉の夏合宿。そこには自主性を育てるために親と離れて共同生活を送る子どもたちがいて、学校ではうまくやれない法子も、合宿では「ずっと友達」と言ってくれる少女に出会えたのだった。もし、あの子が死んでいたのだとしたら……。
30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす。
圧巻の最終章に涙が込み上げる、辻村深月の新たなる代表作。

                    (文藝春秋HPより)



ミライの学校跡地から、少女の遺体が発見という衝撃から始まり
その少女が居た時代に、少女と同じ時を同じ場所で過ごした子どもたちの
話へと移る。


ミカは、学校内で生活している。
そして、自分よりずっと年上のシゲル君のことを慕っている。

ノリコは、同級生の親子から誘われて夏の間、1週間の体験としてミライの学校に
参加。
学校では、特に親しい友達はいないので、誘ってくれた友達と仲良くなれる
チャンスになればい嬉しいなと思いながら・・・・。


ミライの学校では、大人と子どもは別々に住み、学校内で母親が教師として働いている
子どももいる。


ノリコは、突然、生理になり困っているところをミカに声かけして貰い、
巧くその場をしのぐ。
優しい言葉をかけてくれるミカのことが好きに。
ミカから友達だと言われ嬉しかったけれど、次の夏の体験では、ミカに
姿がなかったのが哀しかった。


大人になって・・・
ノリコは弁護士として働いている。
そこに未来の学校の女児遺体発見に絡んでの仕事をすることになる。


亡くなった女児は誰なのか?
ミカ?
その予想は外れてホッとする。


そして、大人になったミカとノリコは再会する。


亡くなった女児とミカとのやり取り、なぜ、女児は亡くなったのか、直接の原因は
わからないけれど、ミカは自分のせいだとずっと胸を痛めてきた。


大人が居ない場所で起きてしまった悲劇だけれど、それを隠蔽した大人たち。
自分たちの居場所を守るために。
しかし、ミカに心は置き去りにされてしまった。


大人の理想とか思惑に振り回される子どもたち。

ラストは、ミカとノリコがあの夏の思い出を大事に思いながら大人になって
いたんだと思えたこと。
2人が今後も親友として、ずっと交流を続けていけるだろうと思えたのは
救いだった。


読み応えある1冊だった!



                       ★★★★
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